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2023.11.02
一人親方の労災保険はなぜ必要?加入のメリットや給付内容とは?
個人事業主である一人親方など、従業員を持たずに働いている人は、原則として労災保険に加入できないこととなっています。しかし「特別加入」という制度を使うことで、一人親方でも労災保険へ加入することが可能です。一人親方が労災保険へ加入した場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。
この記事では、一人親方に労災保険が必要な理由や、加入のメリットなどについてわかりやすく解説しています。労災保険の概要や加入後に知っておきたいポイントなどについても紹介していますので、労災保険加入を検討する際の参考としてお役立てください。
労災保険とは?
はじめに、労災保険とはどのような保険なのか、その概要について解説します。
通勤時や勤務中の災害を補償する保険
労災保険とは、労働者が勤務中や通勤時などにケガや病気になったり、死亡したりした場合に保険金が給付される社会保険の1つです。正式には「労働者災害補償保険」と呼ばれます。労災保険へ加入することによって、労働者は仕事に関わる中でのケガや病気によって働けない間の生活や入院費、医療費などの補償を受けることが可能です。
労災保険の加入条件
労災保険は、従業員を1名でも雇っている事業者であれば加入義務が生じます。正社員に限らず、アルバイトなどの非正規雇用であっても労災保険の対象となり、保険料は全て事業主の負担となります。
ただし、一人親方や個人事業主など、雇用契約を結ばない形で労働に従事している場合は、事業者が加入している労災保険の適用を受けることができません。その代わり、特別加入制度と呼ばれる制度を使うことで、一人親方でも文字通り特別に労災保険へ加入することが可能です。特別加入制度の詳細については、後ほど詳しく解説します。
労災保険と健康保険との違い
労災保険が勤務中や通勤時に生じたケガや病気を補償するのに対し、健康保険は労災保険の対象外であるケガや病気を補償する保険である点が異なります。
例えば、仕事中の事故でケガをした場合、労災保険か健康保険のいずれかを適用することとなり、どちらかを使うともう一方は適用できなくなります。
健康保険よりも労災保険の方が補償内容も手厚く、医療費の全額補償や死亡時の遺族への補償、休業時、後遺症がある場合の補償なども充実しています。そのため、対象であれば労災保険を適用するのが一般的です。
一人親方でも加入できる「特別加入制度」とは
個人事業主の一人親方でも加入できる労災保険の「特別加入制度」とはどのような制度なのかについて解説します。
特定の業種で働く自営業者のための労災保険加入制度
原則として、労災保険へ加入できるのは従業員を1名以上雇用している事業者となります。そのため、個人事業主である一人親方などの自営業者は労災保険に加入することができません。
とはいえ、自営業者であっても、仕事中にケガや病気となるリスクに代わりはないでしょう。特別加入制度は、工事現場など事故のリスクが高い場所で働く一人親方のような自営業者を対象として、特別に労災保険へ加入できる制度となっているのです。
特別加入制度を利用できる条件
労災保険の特別加入制度を利用できる条件として
・個人営業のタクシー運転手、トラック運転手、貨物運送業
・大工、とび職、左官、解体業、修理業、土木建築業
・漁業、林業
・医薬品設置販売業
などの業種に従事している自営業者であることが挙げられます。土木建築業従事者として、一人親方も労災保険の特別加入制度を利用することが可能です。
労災保険の特別加入制度を使って加入する方法
労災保険の特別加入制度の利用条件に該当する場合、労災保険は個人として加入手続きをすることができないため、特別加入団体を通じて手続きをすることとなります。
各地方自治体から特別加入団体として承認を経た団体へ加入申し込みをする方法と、自身の手で新たに団体を立ち上げる方法がありますが、新たに立ち上げる場合、自治体の承認を得るための要件を満たしていることが必要です。
既に承認されている特別団体を通じて加入する場合は、特別団体へ加入申し込みを行うことで、特別団体が労働局へ届出を行い、労災保険へ加入することとなります。
労災保険の保険料
特別加入の労災保険料は
給付基礎日額×365(1年間)×料率(建設業の場合は19/1000)=年間の保険料
で算出します。例えば、給付基礎日額が25,000円の場合、年間の労災保険料はおよそ173,000円となります。月に換算すると約14,000円です。
一人親方に労災保険加入が必要な理由
一人親方の労災保険加入が必要な理由について解説します。
自分自身の身を守るために
現場では労働者として働くことの多い一人親方ですが、元請企業の従業員とは異なり、元請の労災保険対象とはなりません。一人親方が倒れてしまうと生活が立ち行かなくなり、特に現場仕事で事故が起きた場合、治療が長引いたり後遺症があったりしても、何の補償も得られない可能性もあるのです。
こうしたリスクを回避し、自分と家族を守るためにも、労災保険に加入した方がよいでしょう。
仕事の受注に影響が出ることも
元請の企業でも、一人親方へ仕事を依頼する際に労災保険へ加入していることを条件とするケースもあります。労災保険加入の有無が仕事の受注に影響する場合もあることは、押さえておくとよいでしょう。
現在は従業員として雇用されていても、いつ請負契約へと変わるかわからないのが建設業界です。一人親方になった場合、安定して仕事を受注するためにも、労災保険へ加入しておくようにしましょう。
労災保険加入後のポイント
一人親方が労災保険へ加入した後に知っておきたいポイントについて解説します。
保険料は所得から控除できる
労災保険へ加入した場合に支払う労災保険料は、社会保険料として確定申告の際に所得から控除することが可能です。
また、入会時に支払った入会料や事務手数料などは経費として計上することができます。
労災保険の加入や経費処理で迷ったら専門家へ相談しよう
「労災保険の加入手続きをしたいが、どうしてよいかわからない」「加入後の経費計上や保険料支払いの仕訳、控除などの処理が面倒」といった場合、建設業の税務や労務に詳しい専門家へ相談してみましょう。
税理士法人松本・社会保険労務士法人松本では、建設業に強い税理士・社労士が一人親方をはじめ、多くの自営業者のサポート実績を持っています。税務調査対策や給与計算、2024年問題などをスムーズに解決し、安心して現場仕事に専念できるようサポートさせていただきます。初回相談は無料、全国どこからでもご相談が可能です。お問合せは専用フォームまたはフリーダイヤルより、お気軽にご連絡ください。
建設業の事情に明るい専門家が、ケースに応じて最適なご提案をいたします。
まとめ
労災保険は従業員を1名でも雇っていれば加入義務が生じますが、自営業者や一人親方の場合は保険の対象とならないため、仕事中に事故が起きても手厚い労災保険の給付を受けられないケースがあります。こうしたリスクを避けるため、一人親方でも労災保険へ加入できる特別加入制度を利用するのがおすすめです。労災保険へ加入していれば医療費の全額補償はもちろん、後遺症がある場合の補償や死亡時の遺族への補償なども充実しています。手続きの方法や加入後の会計処理、その他労務管理などで不安な点がある場合は、専門家のサポートも受けながら安心して働ける環境を整えていきましょう。
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