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2024.02.01
建設業の専任技術者とは?配置要件などについてわかりやすく解説
建設業法では営業所ごとに専任技術者の配置が義務付けられており、専任技術者が不在の場合、建設業許可は取得できません。また、一定条件に該当する工事現場では、技術者の専任が必要となります。では、建設業の専任技術者とはどのような技術者のことで、配置技術者とはどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、建設業の専任技術者の役割や配置要件などについてわかりやすくご説明します。
建設業の専任技術者とは
専任技術者とは、公共工事などを請け負う際に、工事現場ごとに設置しなければならない技術者のことであり、建設業許可に必要な技術者のことです。
建設業の専任技術者の要件
建設業の専任技術者は、次の3つの要件を満たしていなければなりません。
・一定の資格又は実務経験を持つ
・営業所で常時勤務できる
・営業所の専任となっている
専任技術者は一定の資格又は実務経験があり、営業所に通勤することができ、他の営業所の専任業務に就いていない人でなければなりません。したがって、短期雇用や短時間勤務を前提としたアルバイトやパートの人材を、専任技術者として配置することはできません。ただし、常時勤務ができ、他の工事現場や営業所と兼任していない技術者の場合は、出向社員であっても専任技術者として配置することはできます。
建設業の専任技術者に必要な資格と実務経験
専任技術者に必要な資格と実務経験は、一般建設業許可と特定建設業許可で異なります。
<一般建設業の専任技術者>
一般建設業の専任技術者は、次の5つの要件のうちいずれか1つを満たす必要があります。
・定められた国家資格を所有している
・指定学科を卒業し、高卒・専門学校卒なら5年以上、大卒なら3年以上の実務経験を持つ
・10年以上の実務経験を持つ
・一級一次検定※合格後3年以上の実務経験を持つ
・二級一次検定※合格後5年以上の実務経験を持つ
※土木施工管理、造園施工管理、建築施工管理、電気工事施工管理、管工事施工管理の一次検定に合格した場合
主任技術者を取得している人は、一般建設業の専任技術者になることが可能です。
<特定建設業の専任技術者>
特定建設業の専任技術者は、次の2つの要件のうちいずれか1つを満たす必要があります。
・定められた国家資格を所有している
・一般建設業の専任技術者要件を満たし、請負額4,500万円以上の工事について2年以上の指導監督的経験を持つ
・大臣特別認定者:建設省告示第128号の対象者(過去に特別認定講習を受け、効果評定に合格又は国土交通大臣が定める考査に合格した場合)
指導監督的経験とは、現場代理人や主任技術者、施工監督、工事主任などの立場に立ち、部下や下請け会社に、技術面における総合的な指導監督経験のことです。特定建設業の専任技術者になるためには、2年以上の指導監督的経験がなければなりません。大臣特別認定者の講習は過去に実施されたもので、現在は実施されていません。
また、監理技術者を取得している人は、特定建設業の専任技術者になることができます。
専任技術者の役割
建設業の専任技術者は、適正な工事請負契約の締結と工事の適正な施工を確保するために配置される技術者です。専任技術者は、営業所において請け負った工事の工法の検討や注文者に対しての技術的な説明、見積もりの作成などを行い、請負契約の締結が適切に行われるようなサポートをします。
建設業の専任技術者の配置要件
建設業許可を取得する場合には、営業所に常時勤務する専任技術者を置かなければなりません。専任技術者は、営業所に常勤することが原則であり、同一人物を現場に配置することはできません。ただし、同一の営業所で行う工事に限り、一定条件のもと、2つ以上の建設業の配置技術者を兼ねることが可能です。また、本社や本店に勤務する専任技術者は、一定条件の下で経営業務の管理責任者を兼ねることもできます。
配置技術者と専任技術者の関係
建設工事の技術者の種類には、専任技術者のほか、配置技術者があります。配置技術者には、監理技術者と主任技術者の2種類がありますが、それぞれの役割や配置要件についても確認しておきましょう。
配置技術者とは
配置技術者とは、施工計画の作成や工事の工程管理、品質管理、安全管理などを行うために現場に配置される技術者であり、建設工事の適正な施工の確保を目的として工事現場に配置が義務付けられています。
配置技術者には、監理技術者と主任技術者の2つの種類があります。監理技術者は、発注者から直接工事を請け負い、契約金額が4,500万円(建築一式工事の場合は7,000万円)以上を下請契約して施工する場合に、工事現場に配置しなければならない技術者です。監理技術者の配置が必要のない工事現場には、主任技術者の配置が必要となります。
工事現場の専任の技術者と営業所の専任技術者の兼任はできない
工事現場の専任技術者は、請負契約の締結時に技術的なサポートを行うことが職務となるため、原則として所属する営業所に常勤していなければなりません。そのため、1人の専任技術者が工事現場と営業所の両方の専務技術者を兼務することはできません。
一定条件下で営業所の専任技術者が主任技術者と兼務することは可能
同一の営業所が締結した建設工事で、近接する工事現場で常に営業所と連絡を取れる状態にある場合には、営業所の専任技術者が主任技術者と兼務することは可能です。
技術者の専任が必要な工事
「公共性のある施設もしくは工作物又は多数の者が利用する施設もしくは工作物に関する重要な建設工事」では、工事現場に専任の監理技術者又は主任技術者を置かなければならないとされています。具体的には、工事1件の請負代金の額が4,000万円(建築一式工事の場合8,000万円)以上となる国や地方自治体が注文者である施設や工作物の建設工事、鉄道や道路、河川、飛行場、学校、図書館、病院、ホテル、工場などの建設工事で、個人住宅や長屋を除くほとんどの施設が対象となります。つまり、多数の人が利用する施設や建物は公共性があると認識されるのです。
該当する工事の場合、元請・下請けを問わず、工事現場ごとに専任の監理技術者又は主任技術者を置かなければなりません。専任とは、他の工事現場にかかる職務を兼務していないことであり、工事現場の専任の技術者は他の工事現場の主任技術者や監理技術者、営業所における専任技術者とは兼務できません。
建設業許可の申請・維持には専任技術者が必要
建設業の許可申請書を提出する際には、営業所ごとの専任技術者の配置の証明書が必要です。また、新規の許可申請時だけでなく、工事の種類を追加する場合や、資格区分や営業所が変更となる場合にも、専任技術者証明書を提出しなければなりません。
専任技術者は、建設業許可の新規取得時だけでなく、許可を維持するためにも必要な技術者です。専任技術者が退職等によって変更になる場合は、1日であっても空白期間が生じると、建設業許可が取り消しになってしまいます。そのため、建設業許可事業者として安定した経営を続けるためには、常に従業員の教育に励み、専任技術者の資格を取得できる人材の育成が重要になります。
まとめ
建設業の専任技術者とは、建設業許可を取得・維持するうえで欠かせない技術です。建設業許可事業者は、営業所ごとに専任技術者を配置しなければなりません。また、工事現場には主任技術者や監理技術者といった配置技術者を置く必要もあり、原則として専任技術者と配置技術者は兼務することができません。しかし、工事現場と営業所が近接している場合や営業所と常時連絡を取れる状態である場合には、専任技術者が配置技術者を兼ねることも可能です。
このように建設業の技術者の配置は複雑になっており、これから建築許可を申請しようとされる場合は、建設業法の規定をしっかりと理解していないと、許可を取得できない可能性があります。
税理士法人松本には、建設業会に詳しいスタッフが在籍しています。専任技術者の問題をはじめ、建設業許可の申請についてお悩みの場合には、お気軽にご相談ください。初回の電話相談は無料で承っています。
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