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2023.12.21

建設業の売上高とは?工事の売上高と兼業売上高についても解説!

建設業の売上高とは?工事の売上高と兼業売上高についても解説!

建設業における会計処理は、他の業種に比べて複雑であり、収支の把握が難しいという特徴があります。建設業では商品やサービスの合計額が売上高になるわけではなく、工事を行うことが売上につながります。
そのため、売上高の計上方法についても建設業界ならではのルールがあるのです。
今回は、建設業における売上高の考え方や処理方法についてご説明します。

建設業の会計処理の特長

建設業では1件当たりの取引金額が大きく、工事が完了するまでの期間が長いために売上を計上できるまでの期間が長いという特徴があります。
そのため、建設業界の会計処理には独特のルールがあり、会計時に用いられる勘定科目にも一般会計とは異なる名称が用いられます。売上高についても、工事に関する売上については「完成工事高」という科目を使用するのです。
また、売上の入金よりも先に工事に必要な材料費や人件費の支払いが必要になる点も建設業の特徴です。そのため、建設業ではある程度の現金を運転資金として準備しておく必要があります。工事の完成が遅れ、納期が遅れてしまうと売上の入金タイミングがずれ、入金があるまでは手元の資金でやりくりをしなければなりません。建設業では、いつ、どの程度の入金が入るのか、売上高の把握は非常に重要な意味を持ちます。

建設業の売上高とは

建設業の売上高には、建設工事をしたことで得られる工事の売上高があります。
また、建設業以外にも兼業して営んでいる事業があれば、兼業事業の売上高も発生します。

工事の売上高とは

工事の売上高は、「完成工事高」や「完工高」とも呼ばれ、建設工事の売上高に該当する金額です。
前述したように、建設業は商品やサービスを販売するのではなく、工事を行うことを目的とした業種であるため、納期までに時間がかかります。場合によっては、工期が数年間にも及ぶケースがあり、その場合、工事が完了してからの入金では、工事の期間中に必要となる資材の購入や人件費の支払いに苦慮する可能性が高くなってしまいます。
そのため、建設業では2つの売上の計上基準があり、適した基準で売上高を計上することができます。建設業の売上の計上基準の1つは工事を完成させ、引き渡しをしたタイミングで売上を計上する工事完成基準です。もう1つは、2021年4月以降に開始された新しい会計基準である収益認識基準です。収益認識基準では、履行義務に応じて収益を認識するものであり、進捗度を見積もって売上を計上します。

兼業売上高とは

建設業を営む会社の中には、不動産の販売や賃貸、建設資材の販売などの事業も兼業している場合があります。これらの建設業以外の事業で得られた売上高を「兼業売上高」といいます。

建設業の会計処理では、工事の売上高と兼業売上高の区分が必要

建設業の会計処理では、原価管理が大きな意味を持ちます。工事によって得られた利益は、工事の売上高である完成工事高から完成工事原価を差し引くことで計算できます。工事原価をしっかり把握できていなければ、正しい利益を把握することができません。そのため、工事で得た売上高と兼業している他の事業で得られた売上高は、明確に区分しておく必要があるのです。また、損益計算書でも、建設業では建設業での売上高と建設業以外の兼業売上高は分けて計上する必要があります。

建設業の損益計算書に記載する売上高

建設業の場合、確定申告の際に提出が必要となる損益計算書では、建設業の売上高である「完成工事高」と兼業事業での売上高である「兼業売上高」を分けて記載しなければなりません。
また、売上原価についても、工事に関わる原価である「完成工事原価」と兼業事業に関わる原価である「兼業売上原価」に振り分ける必要があります。

完成工事原価と完成工事原価報告書

完成工事原価報告書は、完成工事に必要となった原価の内訳を記載する書類です。建設業を営む法人は毎年、決算書として完成工事原価報告書を作成しなければなりません。完成工事原価報告書に記載するのは、工事にかかった材料の購入費用、工事に関わった作業員に支払った賃金などの労務費、工事を外注した場合の外注費、それ以外の経費です。
完成工事原価報告書には、まだ完成していない分の工事原価を含めてはいけません。また、
損益計算書の完成工事原価は、完成工事原価報告書の完成工事原価の額と一致していなければならない点にも注意が必要です。

兼業事業売上原価と兼業事業売上原価報告書

建設業者が兼業事業による売上を得ている場合には、完成工事原価と同様に損益計算書に兼業売上高の原価額である「兼業事業売上原価」を記載する必要があります。
また、兼業事業売上原価報告書も作成しなければなりません。兼業事業売上原価には、商品の仕入れコストや製造コスト、サービス提供に伴う経費などが該当します。損益計算書に記載する兼業工事原価は、兼業事業売上原価報告書に記載した額と一致していなければなりません。

経営事項審査と建設業の売上高の関係

公共工事を国や自治体などから直接請け負う場合に、建設業者が受けなければならない審査が「経営事項審査」です。経営事項審査は、公共工事の入札に参加する資格を審査する際に用いられるもので、経営状況や経営規模、技術力、その他の審査項目(社会性等)の4つが審査の対象となります。
建設工事の売上高である完成工事高は、経営事項審査の25%を占める重要な評価項目です。評価を高めるためには、売上高を上げるために受注を増やすだけでなく、利益率も重視して工事を受注しなければなりません。
公共工事の受注を検討している場合も、経営事項審査に通過するためには、売上高をしっかり完成工事高と兼業事業売上高に分け、建設業での利益を明確に把握した経営が必要になるのです。

建設業の会計処理に悩む場合の対処法

建設業の会計処理は、複雑であり、経理の知識を持っている場合でも建設業界独自のルールについてしっかり理解していなければ、正しく処理ができない場合もあります。今回ご説明したように、売上高1つをとっても、建設業界では「完成工事高」という科目を使用し、建設業以外の事業で得た売上高は「兼業事業売上高」として区別しなければなりません。
入金までの期間が長い建設業にとって、正しい売上高を把握することは健全な経営を実現するうえで非常に重要です。
また、公共工事を請け負う場合に必要となる経営事項審査にも売上高は大きく関係します。
複雑で難解な建設業の会計処理にお悩みの場合には、建設業界に強い税理士への相談をおすすめします。税理士法人松本は、建設業の会計処理のサポート経験も豊富にあり、建設業許可申請や資金調達など、さまざまなお悩みに対応できる税理士法人です。複雑な建設業の会計処理にお悩みの際には、ぜひ、税理士法人松本までご相談ください。初回の相談は無料で承っています。

まとめ

建設業では、建設工事の売上高を完成工事高とし、建設業以外の事業での売上高を兼業事業売上高として明確に区分します。損益計算書にも売上高は完成工事高と兼業事業売上高に分けて記載しなければなりません。
建設業は他の業種と異なり、工期が長期に渡るケースが多いため、売上の計上基準も工事完了後の引き渡し日に計上する方法と工事の完成度合いに応じて計上する方法があります。また、工事原価について内訳を示す完成工事原価報告書も作成しなければならないなど、建設業の会計処理は非常に複雑であり、手間がかかります。
建設業の会計処理を正確に、かつ効率よく行うために、建設業に強い税理士のサポートを受けてみてはいかがでしょうか。

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