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2023.08.10
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2022年10月から社会保険の適用が拡大!従業員数101人以上の会社が対象

今後、日本は少子高齢化が進み、労働人口が減少すると考えられています。そのため、事情があってフルタイムの仕事には就けない人も多様な働き方ができる社会の実現を目指し、さまざまな方面から働き方改革が進められてきました。また、短時間労働者であっても十分な社会保障を得られるように、これまでは正社員に近い働き方でなければ加入が難しかった社会保険も、段階的に適用拡大が進められています。
今回は、社会保険の適用拡大の流れと社会保険の適用拡大によって得られるメリットについてご説明します。

社会保険とは

社会保険とは、健康保険、厚生年金保険、介護保険、雇用保険、労災保険の5つの保険の総称ですが、一般的には、健康保険と厚生年金保険の2つを社会保険と呼ぶことが多くなっています。ここでは、健康保険と厚生年金保険の2つを社会保険として説明をしていきます。
かつては、社会保険の加入対象者は、1週間に30時間以上勤務している労働者でした。しかし、2016年から社会保険の適用が段階的に拡大されています。

社会保険の仕組みと加入のメリット

短時間のアルバイトやパートをしている人、フリーランスで仕事をしている人、自営業に従事している人などは原則として国民健康保険と国民年金に加入しなければなりません。国民保険も国民年金も保険料が決められており、加入者は保険料を支払う義務があります。

一方、企業で働いている人は、健康保険と厚生年金保に加入します。健康保険では扶養の考えがあり、妻や子供などを扶養している人でも、負担するのは自分の分の保険料だけになります。しかし、国民健康保険には扶養の概念がないため、国民健康保険の場合は加入者全員の保険料の支払いが必要です。また、国民健康保険には出産手当金や傷病手当金の制度もありません。加入者にとっては、社会保険に加入できれば扶養家族分の保険料負担を軽減できたり、各種手当金を受け取れたりといったメリットがあります。

しかし、健康保険料と厚生年金保険料を会社と従業員が50%ずつ負担するため、加入対象者が増えれば、会社側の社会保険料の負担は増加するのです。社会保険の適用拡大に関しては各業界から反対の声が上がっていましたが、労働者の保障を手厚くするため、段階的に適用企業の拡大が進められています。

社会保険の適用拡大とは

社会保険の適用拡大とは、パート社員や契約社員など、勤務時間や勤務形態などにより、これまで社会保険が適用されてこなかった労働者まで、社会保険の加入対象に含むことを指します。適用の拡大は2016年、2022年、2024年と段階的に進められる予定です。

社会保険の適用拡大の流れ

社会保険は、次のような流れで適用が拡大されています。

2016年から、従業員数501人以上の企業に対して適用拡大が開始

2016年10月から、従業員数が常時501人以上の企業を対象に、以下の条件を満たす従業員の社会保険加入が義務付けられました。
・1週間の所定労働時間が20時間以上あること
・雇用期間が1年以上と見込まれていること
・賃金の月額が88,000円以上であること
・学生でないこと

2022年から、従業員数101人以上の企業に対して適用拡大が開始

2022年10月から、従業員数が常時101人以上の企業にまで適用が拡大されました。また、社会保険加入の要件が一部見直され、雇用期間が1年以上ではなく、継続して2か月を超える見込みの場合と変更されています。

2024年から、従業員51人以上の企業に対して適用拡大が開始

2024年10月からは、さらに適用される企業が増え、従業員数が常時50人超の企業まで適用が拡大されます。加入者の適用条件には、変更はありません。

短時間労働でも社会保険に加入できる条件

前述しましたが、社会保険の適用拡大によって加入条件が緩和されたために、これまでは週に30時間以上勤務していなかったために社会保険に加入できなかった人も社会保険に加入できるようになりました。もう一度、社会保険の加入条件を詳しく確認してみましょう。

1週間の所定労働時間が20時間以上あること

所定労働時間とは、残業を含まない労働時間のことです。1週間に20時間以上勤務する労働条件で仕事をしている場合が社会保険の加入対象となります。ただし、所定労働時間が20時間未満でも2か月連続で1週間の実働時間が20時間以上となり、その後も週20時間以上の労働が見込まれる場合は3か月目から加入の対象となります。

雇用期間が2か月を超える見込みがあること

原則として、雇用期間が2か月を超える見込みがあれば、社会保険の加入対象となります。

賃金の月額が88,000円以上であること

残業代や賞与、通勤手当などを含まない月額賃金が88,000円以上であることが必要です。

学生でないこと

学生の場合は、上の3つの条件を満たしていても社会保険の加入対象とはなりません。しかし、学校に在籍していても休学している場合や夜間学校に通学している場合は加入の対象となります。

短時間勤務でも社会保険への加入したい場合は、従業員101人以上の企業へ

2022年10月から、従業員が101人以上の企業であれば、短時間勤務者であっても所定の要件を満たせば社会保険に加入できるようになりました。フルタイムでの仕事は難しいけれど、週に20時間以上は働きたいという場合は、従業員が101人以上の企業へ入社すれば社会保険に入れるようになります。
従業員の数は、フルタイムの従業員数と週労働時間がフルタイムの4/3以上の従業員数を合算した数であり、全事業所の人数を合計した数で判断されます。社会保険の加入希望がある場合は、従業員数も参考に転職先を決めるとよいでしょう。

まとめ

社会保険の適用拡大が進んでおり、現在では従業員が101人以上の企業であれば、短時間勤務でも社会保険に加入できるようになります。社会保険に加入すれば扶養家族の健康保険料の負担が減ったり、出産手当金などの制度も利用できるようになります。短時間勤務で社会保険への加入を希望する場合は、転職をする際には従業員数も考慮した上で転職先を選ぶとよいでしょう。

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