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バーチャルオフィスでも会社設立はできる?メリット・デメリットや選ぶポイントも解説

読了目安時間:約 7分
バーチャルオフィスを活用して会社を設立することは可能です。
バーチャルオフィスとは、実際に物理的なオフィスを借りることなく、ビジネス用の住所や電話番号を利用できるサービスのことを指します。
法人登記には正式な事業所在地が求められますが、多くの業種ではバーチャルオフィスの住所を登記上の所在地として登録できます。
本記事では、バーチャルオフィスでも会社設立はできるのかについて紹介します。
他にも「バーチャルオフィスで会社設立するメリット・デメリット」や「会社設立でバーチャルオフィスを選ぶ際のポイント」についても解説していきます。
ぜひこの記事を参考にして、バーチャルオフィスで会社設立を検討してみてください
目次
バーチャルオフィスでも会社設立はできる?

会社を設立する際、バーチャルオフィスを利用して法人登記を行うことが可能です。
法人を設立するには、本店所在地を定めて登記しなければなりませんが、商業登記法上、本店住所に関する具体的な制限は設けられていません。
そのため、実際の業務スペースがないバーチャルオフィスを本店所在地として登記することも法律上認められており、物理的なオフィスを必要としない方にとっては、合理的な選択肢の一つと言えます。
バーチャルオフィスで会社設立するメリット

バーチャルオフィスで会社を設立するメリットについては、以下の5つが挙げられます。
- コストを抑えられる
- セキュリティ面で安心
- ブランディングにつながる
- 短期間で住所をレンタルできる
- 固定電話やFAXが導入できる
それぞれのメリットについて解説していきます。
コストを抑えられる
バーチャルオフィスを活用して会社を設立する最大のメリットは、オフィス維持にかかるコストを大幅に削減できることです。
一般的なオフィスの賃貸料と比較すると、バーチャルオフィスの利用料金は非常にリーズナブルです。
さらに、物理的なオフィススペースを契約する必要がないため、レンタルオフィスやシェアオフィスと比べても低コストで法人登記用の住所を確保できます。
加えて、敷金・礼金・保証金といった初期費用が発生しないため、開業時の負担を軽減できるだけでなく、月々の固定費も抑えられるのが大きな魅力と言えます。
セキュリティ面で安心
バーチャルオフィスを活用して会社設立をすることで、プライバシーを守れるので、セキュリティ面で安心なメリットが挙げられます。
特に、自宅を仕事場としている場合、自宅の住所を公開せずに法人登記ができる点は大きなメリットといえます。
法人を設立すると、本店所在地は登記情報として一般に公開されるため、誰でも閲覧可能になります。
また、法人の住所や電話番号は、名刺やWebサイト、封筒などの各種ビジネスツールにも記載することが一般的です。
しかし、プライバシー保護や防犯の観点から、自宅の住所を公開することに抵抗を感じる人も多いです。
その点、バーチャルオフィスを利用すれば、ビジネスの公式な住所として活用できるため、自宅の所在地を不特定多数の人に知られることなく起業が可能になります。
ブランディングにつながる
バーチャルオフィスを活用して会社を設立するメリットの一つは、ブランドイメージを構築しやすい点にあります。
通常、都心やビジネスの中心地、知名度の高いエリアでオフィスを借りる場合、高額な家賃がかかります。
しかし、バーチャルオフィスなら、こうした一等地の住所を比較的低コストで利用できるため、他のオフィス形態よりも経済的です。
特に、ブランドの印象がビジネスに大きく影響する業種にとっては、大きなメリットになります。
短期間で住所をレンタルできる
バーチャルオフィスを利用して会社を設立するメリットとして、短期間で住所を取得できることが挙げられます。
通常のオフィスを契約する場合、物件の選定から内見、審査、契約手続きまでに1〜2か月ほどかかることが一般的です。
しかし、バーチャルオフィスなら手続きが迅速に完了し、会社の設立準備をスムーズに進めることができます。
固定電話やFAXが導入できる
バーチャルオフィスのサービスには、基本的に固定電話やFAX番号の利用が含まれていることが多いので、自分で固定回線を契約しなくても、固定電話やFAXを利用できるメリットが挙げられます。
会社を設立したり、事務所を登録したりする際に、固定電話の契約は必須ではありませんが、固定電話の番号があることで、社会的な信用を得やすくなるというメリットがあります。
特に、銀行口座の開設やクレジットカードの申請時に、固定電話の番号を求められることもあります。
実際に、ペーパーレス化が進んでいても、FAXを主要な通信手段として活用している企業も少なくありません。
より多くの企業と円滑に取引を進めるためにも、FAXの導入を検討する価値はあると言えます。
バーチャルオフィスで会社を設立するデメリット

バーチャルオフィスで会社を設立するデメリットについては、以下の5つが挙げられます。
- 不信感を抱かれる可能性がある
- 他社と住所が重複することがある
- 職種によって住所登録ができない
- 法人口座開設ができない場合がある
- 融資が受けにくくなる可能性がある
それぞれのデメリットについて解説していきます。
不信感を抱かれる可能性がある
バーチャルオフィスを利用して会社を設立する際のデメリットの一つとして、信用を得にくい点が挙げられます。
実際のオフィスを構えないことでコストを抑えられるという大きなメリットがある一方で、取引先によっては「実態が見えにくい」という理由から、不信感を抱かれる可能性があります。
特に、企業の所在地がバーチャルオフィスであることに対して懸念を抱く取引先もおり、信頼を築く上で不利に働くリスクがあります。
他社と住所が重複することがある
バーチャルオフィスを利用して会社設立のデメリットとして、住所の重複が挙げられます。
実際に、バーチャルオフィスが提供する住所は限られているため、同じ所在地を本店として登記する企業が複数存在する可能性があります。
法律上、商号が完全に同一でない限り登記は可能ですが、インターネットで住所を検索すると、多くの企業が同じ場所を拠点としていることが明らかになります。
その結果、取引先が混乱したり、自社の信頼性に疑念を持たれたりするリスクがあるため、利用の際は注意が必要です。
職種によって住所登録ができない
バーチャルオフィスを活用して起業する際には、業種によっては事業所在地として登録できないケースがあるので注意が必要です。
例えば、建設業の許可を申請する場合、実際に業務を行う営業所の写真を提出する必要があり、バーチャルオフィスでは要件を満たせない可能性があります。
このように、特定の業種では許認可を取得できなければ事業運営が難しくなるため、バーチャルオフィスを利用する際は事前に適用される規制を確認し、慎重に判断することが重要です。
法人口座開設ができない場合がある
バーチャルオフィスで会社を設立する際のデメリットの一つに、法人口座の開設が難しくなる可能性があることが挙げられます。
本店所在地をバーチャルオフィスに設定すると、登記自体は問題なく行えますが、銀行によっては口座開設の審査が厳しくなることがあります。
特に、マネーロンダリングや詐欺対策の強化により、金融機関は慎重に審査を行う傾向にあります。
しかし、審査基準は銀行ごとに異なるので、バーチャルオフィスを利用していても問題なく口座を開設できるケースもあります。
スムーズに手続きを進めるためにも、事前に銀行へ確認しておくようにしましょう。
融資が受けにくくなる可能性がある
バーチャルオフィスを活用する際には、融資の審査が厳しくなる可能性がある点にも注意が必要です。
実際に、会社を立ち上げたばかりの段階では、運転資金や設備投資のために銀行や信用金庫などから融資を受けるケースが多く見られます。
しかし、バーチャルオフィスを登記住所としていると、金融機関側が「実際の事業運営の状況を把握しにくい」と判断し、融資の審査が厳格化されたり、場合によっては融資を受けられないことも考えられます。
金融機関から資金を借りるためには、事業の信頼性を示すことが不可欠です。
バーチャルオフィスを利用している場合でも、具体的な業務内容や事業の実態をしっかりと説明できるよう準備しておくようにしましょう。
会社設立でバーチャルオフィスを選ぶ際のポイント

会社設立でバーチャルオフィスを選ぶ際のポイントについては、以下の6つが挙げられます。
- ポイント①:料金
- ポイント②:住所
- ポイント③:受付対応
- ポイント④:法人登記が可能か
- ポイント⑤:サービス内容
- ポイント⑥:アクセス
それぞれのポイントについて解説していきます。
ポイント①:料金
会社設立でバーチャルオフィスを選ぶ際のポイントとして、初期費用や月額料金、追加オプションを含めた総額を確認することが重要です。
たとえ月額の基本料金が低く設定されていても、入会金や年会費などの初期費用が発生したり、オプションを付けることで想定以上の出費になることがあるので、全体のコストを事前にチェックしておきましょう。
また、支払い方法や契約期間、更新のタイミングなどについても、後々のトラブルを避けるために、事前にしっかりと説明を受けておくことが大切です。
ポイント②:住所
バーチャルオフィスを選ぶ際には、住所に問題がないかチェックするようにしましょう。
住所以外にも、郵便番号や屋号、電話番号に問題がないか事前に確認することをおすすめします。
万が一、契約先のバーチャルオフィスに問題があると、事業の信頼性に影響を与える可能性があります。
例えば、記載された住所が無人の雑居ビルだった場合には、金融機関から事業の実態を疑われてしまい、信用を得にくくなる恐れもあります。
このようなリスクを避けるためにも、バーチャルオフィスの所在地や電話番号が、自身のビジネスの目的や信頼性の確保に適しているかを、契約前にしっかりと確認するようにしましょう。
ポイント③:受付対応
会社設立でバーチャルオフィスを選ぶ際のポイントとして、受付対応も重要になります。
バーチャルオフィスには、受付スタッフが常駐しているところもあれば、完全無人のオフィスも存在します。
受付にスタッフがいる場合、来訪者への対応がスムーズに行われ、商談時にも柔軟なサポートを受けられます。
また、郵便物の受け取り方法には、郵送のみの対応か、直接オフィスで受け取れるかといった違いがあるため、事前に確認が必要です。
WEBサイトの情報だけでは分からない点も多いため、実際に内覧して詳細をチェックすることをおすすめします。
ポイント④:法人登記が可能か
バーチャルオフィスを選ぶ際のポイントの一つに、法人登記が可能かどうかがあります。
特にバーチャルオフィスを活用して起業を考えている場合、法人登記ができるかどうかは欠かせない条件です。
一部の業種ではバーチャルオフィスでの起業自体が制限されることがあり、また、提供する運営会社によっては法人登記を許可していないケースもあります。
個人事業主としてではなく法人を設立する予定があるなら、契約前に法人登記が可能かどうかをしっかり確認しておきましょう。
ポイント⑤:サービス内容
バーチャルオフィスを選ぶ際には、基本機能と追加サービスの内容を確認することが重要です。
サービスはバーチャルオフィスによって異なりますが、住所や電話番号の貸し出しといった基本機能のほかに、以下が挙げられます。
- 私書箱の利用
- 郵便物の転送
- 来客対応
- エントランスへの社名掲示
- 会議室やシェアオフィスの使用
上記のように、さまざまなオプションが用意されている場合があります。
このように、単に住所や電話番号を借りるだけで十分なのか、それとも他のサポートも必要なのかを検討し、自社のビジネスに適したバーチャルオフィスを選ぶようにしましょう。
ポイント⑥:アクセス
バーチャルオフィスを選ぶ際には、まず立地やアクセスの良さを考慮することが重要です。
バーチャルオフィスによって異なりますが、会議室やシェアオフィスを併設し、実際の業務や打ち合わせに活用できる施設もあります。
来客対応や対面での打ち合わせを想定している場合は、アクセスの便利さや周辺環境を重視することをおすすめします。
また、取引先が訪れやすいかどうかもポイントになります。
最寄り駅からの距離、周囲の雰囲気、建物の外観などがビジネスの印象に影響を与えるため、事前に確認しておくと安心と言えます。
自社に合わせたバーチャルオフィスを選ぼう!

今回は、バーチャルオフィスでも会社設立はできるのかについて紹介しました。
会社を設立する際、バーチャルオフィスを利用して法人登記を行うことが可能です。
また、バーチャルオフィスには多くのメリットがあり、すぐに住所を取得できたり、低コストでオフィスを構えられる、プライバシーを守りつつビジネスを展開できるなどが挙げられます。
そのため、スタートアップの経営者やフリーランス、オフィススペースを削減して効率的に運営したい企業にとって、魅力的な選択肢と言えます。
今回の記事を参考にして、自社に合わせたバーチャルオフィスを選ぶようにしましょう。
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この記事の監修者

税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。