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美容室の開業資金の融資先とは?融資を成功させるポイントについても徹底解説

読了目安時間:約 7分
美容室の開業資金を確保する方法として、利用可能な融資制度は多くあります。
また、開業資金の融資を受ける際は、しっかりとした準備と綿密な計画が欠かせません。事業計画を明確にし、必要な資金額や返済プランを事前に整理しておくことが重要です。
本記事では、美容室の開業資金の融資先について紹介します。
他にも「美容室の開業資金の融資を通過させるポイント」や「美容室の開業に必要な資金」についても解説していきます。
ぜひこの記事を参考にして、美容室の開業資金の融資先について理解を深めてみてください。
目次
美容室の開業資金の融資先

美容室の開業資金の融資先については、以下の6つが挙げられます。
- 融資先①:日本政策金融公庫
- 融資先②:制度融資
- 融資先③:民間金融機関
- 融資先④:商工会議所の融資
- 融資先⑤:信用金庫のプロパー融資
- 融資先⑥:補助金・助成金
それぞれの融資先について解説していきます。
融資先①:日本政策金融公庫
日本政策金融公庫は、政府が全額出資する公的な金融機関であり、一般の銀行と比べて低金利で融資を受けられるのが特徴です。
融資の中には、担保や保証人を必要としないものもあります。
美容室を開業する個人事業主であれば、「生活衛生貸付」を利用できるほか、国民生活事業の各種融資を活用することも可能です。
自己資金に関する具体的な条件は明記されていませんが、自己資金がなくても良いという訳ではありません。また審査では事業の実現性や返済計画の妥当性が厳しくチェックされるため、必ずしも全ての申請が通るわけではないことを理解しておきましょう。
参考:日本政策金融公庫
融資先②:制度融資
制度融資とは、地方自治体が金融機関や信用保証協会と協力して提供する融資制度の一つです。
地域ごとに異なるため、利用する際にはその自治体内に事業所があることを証明する必要があります。
また、一部の自治体では、利息の負担を軽減する「利子補給」や、信用保証協会に支払う「信用保証料」の補助など独自の支援策を設けている場合があります。
しかし、制度融資を受けるには、金融機関と信用保証協会の双方の審査をクリアする必要があります。
参考:東京都中小企業制度融資
融資先③:銀行
民間銀行では、開業前の取引状況によっては、融資の条件が変動することもあります。
また、個人事業主の現在の経営状況や事業計画の内容に応じて、融資条件が柔軟に調整される場合もあります。
さらに、初めての借り入れを通じて返済実績を積み重ねることで、信用力が向上し、将来的により良い条件での融資を受けられる可能性があります。
しかし、消費者金融と比べると金利は低めではあるものの、公的融資制度に比べるとやや高めに設定される傾向があります。
融資先④:商工会議所の融資
経営支援を行う商工会や商工会議所を活用することで、特定の融資制度を利用できるケースがあります。
例えば、日本政策金融公庫が提供する「小規模事業者経営改善資金」は、商工会や商工会議所の指導を受けていることを条件とした制度で、低金利かつ無担保・無保証で資金を借りることが可能です。
経営支援団体を活用することで、融資の審査に通りやすくなる可能性があるほか、事業運営に関する専門的なアドバイスを受けることができます。
融資制度だけでなく、補助金や助成金など、事業運営に役立つ支援策についての情報提供も行われているため、一度相談してみても良いでしょう。
融資先⑤:信用金庫のプロパー融資
地域の信用金庫からプロパー融資を受ける方法も選択肢の一つです。
プロパー融資とは、信用保証協会を介さずに金融機関から直接借り入れできる融資のことで、普段から信用金庫との関係を築いていると、審査がスムーズに進む可能性が高くなります。
明確な上限額が設定されていない場合が多いですが、事業の財務状況などを厳しく審査されるため、事業がある程度安定し、成長の兆しが見えた段階で申し込むのが適切です。
融資先⑥:補助金・助成金
補助金や助成金は、原則として事業者が返済する必要のない資金援助の一つです。
国や自治体が特定の目的を達成するために提供しており、補助金は主に経済産業省が管轄し、助成金は厚生労働省が中心となって実施しています。
補助金は、事業の成長や新規プロジェクトの推進を目的とし、幅広い業種を対象としていることが多いです。それに対し、助成金は主に雇用環境の整備や労働者の待遇改善を目的として設けられています。
補助金の申請には審査があり、採択されなければ受給できませんが、助成金は要件を満たしていれば支給されるケースが多いです。ただし、国の予算枠を超える申請があった場合には、条件を満たしていても受給できないことがあります。
また、不正受給があった場合には返済を求められることもあります。
美容室の開業資金の融資を通過させるポイント

美容室の開業資金の融資を通過させるポイントについては、以下の4つが挙げられます。
- 自己資金を準備する
- 事業計画書を充実させる
- 信用情報を把握しておく
- 専門家へ相談する
それぞれのポイントについて解説していきます。
自己資金を準備する
開業資金のうち少なくとも3割以上を自己資金として準備しておくと、融資担当者に好意的な印象を与えられる可能性があります。
自己資金の割合が高いほど、事業に対する真剣な姿勢や責任感が伝わるだけでなく、開業後の資金繰りの安定にもつながります。
また、自己資金の内訳や具体的な金額や資金調達の方法を事業計画書に明記することで、金融機関に対してもリスクを抑えた計画であることを示し、融資担当者に安心感を与えて審査を有利に進めることが期待できます。
事業計画書を充実させる
事業計画書は、ビジネスの実現可能性を評価するための重要な資料になるので、具体的かつ詳細に内容を記載することが求められます。
例えば、美容室や理容室の事業計画書を作成する際は、ターゲット層を明確にすることが不可欠です。
提供する施術メニューの特徴や競合との差別化ポイント、収支計画などについてもデータや具体的な数値を交えて説明することで事業の収益性や継続的な運営の可能性を明確に伝えることができます。
計画内容が詳細で説得力のあるものであればあるほど、融資の審査を通過しやすくなるでしょう。
信用情報を把握しておく
融資を申し込む際には、事前に自分の信用情報を把握し、必要があれば改善しておくことが重要です。
実際に、金融機関は審査の際、申込者の信用力や返済能力を判断するために信用情報を慎重にチェックしています。
そのため、過去の借入履歴や返済の実績が融資の可否を左右する大きな要因となります。
CICやJICCといった信用情報機関を利用すれば自分の借入状況や返済履歴を確認できますので、あらかじめチェックしておきましょう。
専門家へ相談する
資金調達を確実に成功させたい場合は、専門家の力を借りるのが賢明と言えます。
資金繰りや融資に精通したプロフェッショナルとしては、税理士や会計士、経営コンサルタントなどが挙げられます。
融資申請の流れや審査のポイントについて的確な助言を提供してくれるだけでなく、事業計画や返済計画の作成もサポートしてくれます。
また、財務や税務の視点からも企業の状況を分析し、より適切な融資の選択肢を提案してもらえます。
さらに、融資以外の資金調達手段として、補助金や助成金の申請支援を行う専門家も少なくありません。
このように、事業運営に必要な資金を多角的に確保するためにも、専門家からのサポートを積極的に活用することをおすすめします。
美容室の開業に必要な資金

美容室の開業に必要な資金については、以下の5つが挙げられます。
- 運転資金
- 物件取得費
- 内外装費
- 設備費
- 広告宣伝費
それぞれの資金について解説します。
運転資金
美容室の開業に必要な資金として、運転資金が挙げられます。
運転資金には、毎月決まって発生する「固定費」と、顧客数や提供サービスなどに応じて変動する「変動費」が含まれます。
固定費には、家賃や水道光熱費、設備の減価償却費、スタッフの給与などがあります。これらは事業の継続に不可欠ですが、一度発生すると削減が難しいため新たに固定費が増える際は慎重に判断する必要があります。
一方、変動費には施術に使用する薬剤やシャンプーなどの材料費、販売用商品の仕入れ費用なども含まれ、売上などに応じても増減します。
一般的には、開業後3〜6カ月分の運転資金を準備しておくのが理想的と言われています。
物件取得費
店舗を構える際は新しく物件を購入するよりも、賃貸物件を借りて必要な工事を施すケースが主流になります。その場合の費用相場は、一般的に50万円から200万円ほどとされています。
賃貸契約を結ぶ際にはさまざまな初期費用が発生します。代表的なものとしては、敷金・礼金・仲介手数料などです。また、前家賃(契約時に支払う最初の家賃)や火災保険料、仲介手数料などが発生することがあります。
これらの費用は地域によって異なりますが、特に都市部では高額になる傾向があるため、事前に十分な資金計画を立てておくことが重要です。
内外装費
開業時に必要となる資金の中でも、大きな割合を占めるのが内装・外装の工事費用です。
内装では、床や壁の仕上げ、空調や電気設備の設置、外装では、外壁の補修やドアの設置、看板のデザインの費用などが含まれます。
一般的に700万円程度が平均と言われていますが、デザインや設備にこだわるほど費用は高額になります。
そのため、以前に美容室として使われていた物件を選ぶと設備がそのまま残っている場合があり、改装費用を抑えられる可能性があります。
しかし、物件の状態によって必要な修繕が異なるので、事前にしっかりと確認することが大切です。
設備費や機材費
美容室の運営には、さまざまな設備や備品が必要となります。
例えば、シャンプー台やセット椅子、ドライヤー、ハサミなどの施術に不可欠な道具です。
これらの設備や備品は価格に幅があり、特に品質や機能性を重視すると費用が高くなる傾向があります。そのため、導入する機材の種類やグレードを慎重に検討することが大切です。
また、設備の維持費も考慮する必要があります。
特にランニングコストがかかる機材については、導入後のメンテナンス費用も含めて計画を立てるようにしましょう。
できるだけコストを抑える方法として、メーカー直販を利用したり、美容ディーラーの開業支援プランを活用したりする選択肢もあります。
広告宣伝費
広告宣伝費とは、店舗のホームページの制作・管理や予約サイトなどのポータルサイトへの掲載、SNSアカウントの運用などにかかる費用を指します。
特に新しくお店を開く際は、オープン前からしっかりと集客対策を講じることが大切です。
店舗によっては数十万円ほどかかることもあるため、事前に予算を設定し、その範囲内で効果的な宣伝方法を選ぶようにしましょう。
美容室開業を成功させるコツ

美容室開業を成功させるコツについては、以下の4つが挙げられます。
- 固定費をできるだけ減らす
- 客単価を上げる
- エリアに合わせたマーケティング戦略を練る
- サービスの質を向上させる
それぞれのコツについて解説していきます。
固定費をできるだけ減らす
事業を始めたばかりの段階では、できるだけ固定費を抑えることが重要です。
固定費が増えると経営の負担が大きくなり、最悪の場合、事業の継続が難しくなる懸念もあります。
特に注意すべきなのがテナント賃料と人件費です。これらの費用は毎月必ず発生し、金額も大きいため、慎重に管理することが求められます。
リスクを抑えるためにも、最初は小さな物件からスタートし、採用する従業員の人数も十分に検討するようにしましょう。
客単価を上げる
美容室開業を成功させるコツとして、客単価を高めることが非常に重要です。
売上は「客単価 × 来店客数」という計算式で成り立っているので、いかにして客単価を上げるかが成功のカギとなります。
客単価を向上させるための主な施策として、以下が挙げられます。
- セットメニューの導入
- 競合にはない独自のサービスを展開
- 需要の高い商材や最新機器の導入
また、効果的に客単価を上げるためには、「どの層のお客様をターゲットにするのか」を明確にすることも重要です。
ターゲットを絞ることで、年齢層やライフスタイルが似たお客様が集まりやすくなり、その層のニーズを的確に捉えやすくなります。
エリアに合わせたマーケティング戦略を練る
美容室開業を成功させるコツとして、エリアに合わせたマーケティング戦略を練ることが挙げられます。
出店する地域によって、最適なマーケティング戦略は異なります。
例えば、地方や郊外など交通の便があまり良くないエリアでは、ターゲットを周辺地域に絞り、チラシの配布や街頭広告を活用した宣伝が効果的です。
また、車で来店するお客様を意識したアプローチも重要になります。
一方、都市部では地域の特性を踏まえながら、SNSを活用した発信やSEO対策に注力することで、より多くの見込み客にリーチしやすくなります。
このように、自分の美容室の立地やターゲット層に合わせて、最適な集客手法を選ぶようにしましょう。
サービスの質を向上させる
美容室開業を成功させるコツとして、サービスの質を高めることが挙げられます。
サービスの質を向上させる方法として、顧客とのコミュニケーションを大切にし、求められていることを正確に把握することが重要です。
特に、ターゲットの選定は経営において重要なポイントとなります。
ターゲットを明確にしないと、幅広いニーズに対応する必要が出てきてしまい、仕入れやサービスの種類が増え、結果としてコストがかさんでしまいます。
無駄な出費を防ぐためにも、誰に向けたサービスを提供するのかを明確にし、戦略的にターゲットを絞り込んでいくようにしましょう。
参考:日本政策金融公|理容業・美容業の創業ポイント
自分に合った融資を見つけよう!

今回は、美容室の開業資金の融資先を紹介しました。
美容室向けの融資制度は多くあるため、自分の状況に適したものを選ぶことが大切です。
また、継続的に黒字を出して経営を安定させるには、技術力の向上はもちろんのこと、経営スキルを磨くことも欠かせません。
今回の記事を参考にして、自分に合った融資を見つけてみてください。
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この記事の監修者

税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。