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創業融資
政策金融公庫「創業融資 」の必要書類&申し込みの流れ
この記事の監修者
税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。
新しく事業を開始しようとすると、準備資金だけでなく運転資金など、多くの資金が必要になります。
自力でカバーできない分は融資を受けて、事業を開始するのが一般的です。
創業融資で代表的なのが、日本政策金融公庫です。
日本政策金融公庫の創業融資の申し込みに必要な書類、面接に必要な書類についてまとめました。
申し込みをしてから融資を受けるまでの流れについてもご説明しますので、参考になさってください。
政策金融公庫「創業融資」とは
日本政策金融公庫とは、100%国が出資する政府系金融機関です。
民間金融機関の業務を補完するという目的で設立されており、公庫そのものの利益よりも中小企業や個人など国民の経済的な課題の解決を優先します。
創業融資の9割は日本政策金融公庫で行われているといわれており、起業や創業時の融資として思い浮かべる方が多いでしょう。
創業2期目まで融資を受けられます。
新規事業を立ち上げる際には費用がかかりますので、日本政策金融公庫の創業融資について理解しておきましょう。
政策金融公庫「創業融資」を申し込む時の必要書類
日本政策金融公庫の創業融資を申し込む時には、以下のような書類が必要です。
申し込み者の形態や業種によって必要な書類が異なりますので、本当に必要な書類はどれなのかを確認しておきましょう。
- 借入申込書
- 創業計画書
- 創業の為に必要な設備等の見積書や工事請負契約書
- 創業のために既に使った資金の領収書やレシート
- 許認可証・資格または免許を証明するもの
- 代表者の本人確認書類
- 登記簿謄本の原本と定款
借入申込書
借入申込書とは、日本政策金融公庫に融資を申し込むための書類です。
日本政策金融公庫のホームページからダウンロードでき、表面だけでなく裏面も記入する必要があります。
申込人名や申込金額、借入希望日や返済期間といった基本的な内容を記入するものです。
創業計画書
創業計画書とは、創業の動機や経営者の略歴、事業内容などを記載するものです。
取引先や必要資金についても記載しますので、創業融資の審査に重要な書類になります。
日本政策金融公庫のホームページからダウンロードできますし、詳しい記入例も閲覧できます。
例えば、洋風居酒屋の場合、美容業の場合、学習塾の場合など、事業内容が近い記入例を参考にしながら丁寧に作成しましょう。
創業の為に必要な設備等の見積書や工事請負契約書
融資金の資金使途を明確に示す必要があります。
設備投資をする場合には見積書が必要なので、購入予定先に見積書を作成してもらい、提出します。
設備等の資金とは、基本的には10万円以上のものを考えてください。
何を、いくつ、いくらで購入するのかといった具体的な内容がわかるものを準備します。
見積書には有効期限がありますので、注意しましょう。
創業のために既に使った資金の領収書やレシート
創業のためにすでに購入したものがあれば、領収書やレシートをとっておきましょう。
確かに創業のために使われた自己資金であるとわかれば、審査をする上で考慮してもらえます。
振込で支払いをした場合には、請求書と振込の明細書を準備するなどしておけば問題ありません。
許認可証・資格または免許を証明するもの
事業内容によっては、許認可や免許が必要なものがあります。
例えば、宅地建物取引業や美容業であれば美容師免許などです。
創業融資を受ける前に取得しておく必要がありますので、これらを取得しているとわかるようにしておきます。
許認可や資格を取得するための費用としての融資は受けられませんので、融資申請前に許認可や免許を取得しておきます。
代表者の本人確認書類
創業融資の申し込みには、代表者の本人確認書類が必要です。
運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなどが本人確認書類として使用できます。
原本ではなくコピーを準備すればよく、運転免許証とマイナンバーカードは表面と裏面のコピーをとっておきます。
パスポートの場合は、顔写真のあるページとパスポートの最後の現住所等を記載するページをコピーします。
登記簿謄本の原本と定款
法人の場合は、登記簿謄本の原本と定款のコピーを準備します。
定款はコピーで構いませんので、会社設立時に作成したものを用意しておきます。
登記簿謄本は原本を準備しなくてはいけませんので、法務局の窓口で取得しておきます。
政策金融公庫「創業融資」の面接を受ける時の必要書類
日本政策金融公庫の創業融資の申し込みをしたら、融資を受ける前に面接があります。
面接時には面接時の必要書類がありますので、覚えておきましょう。
- 預金通帳
- 確定申告書直近2年分
- 借入金があれば返済予定表
- 固定資産税課税明細書及び固定資産税の領収書
- 不動産の賃貸借契約書
- 代表者の本人確認書類
預金通帳
創業融資を受けるためには、支払状況や返済方法、不審な出入金がないか等を確認するために預金通帳が必要です。
直近6ヶ月以上の明細履歴が記載された、通帳の原本を準備しておきます。
水道・電気・ガスといった公共料金の支払い履歴、クレジットカードの引き落としがされている明細が記載されたものを準備しましょう。
代表者名義で残高がある通帳は、複数冊になったとしても全て必要であると覚えておきましょう。
ネットバンキングで通帳がない場合は、取引明細を印刷して持参します。
確定申告書直近2年分
すでに事業を行っている個人事業主であれば、直近2年分の確定申告書を用意しておきます。
会社員だった方は、直近2年分の源泉徴収票を用意します。
確定申告書は大切に保管されているはずですが、万が一ない場合は税務署で開示請求を行えば再発行してもらえます。
源泉徴収票がない場合は会社に再発行してもらうか、難しければ給与明細などの代わりになる書類を準備しておきましょう。
返済能力を確認するための重要な書類となり、審査に大きく影響すると考えられます。
借入金があれば返済予定表
借入金やローンがあれば、返済予定を明確にする必要があります。
カードローンや消費者金融だけでなく、住宅ローンや自動車のローンも返済予定表が必要です。
カードローンや消費者金融での借入があると、審査に悪影響があるかもしれません。
可能な限り返済をしてから、創業融資を申請するのがおすすめです。
住宅ローンや自動車ローンは、過去1年遡って延滞や未払いがないか確認されるといわれています。
固定資産税課税明細書及び固定資産税の領収書
持ち家などの不動産を所有しているのであれば、固定資産税課税明細書及び固定資産税の領収書が必要です。
毎年4月~5月頃に自宅に郵送で送られてくる書類で、不動産が複数ある場合は全ての不動産分の書類を準備しましょう。
引き落としやクレジットカードで支払いをした場合は、明細書など履歴がわかるものがあれば問題ありません。
不動産の賃貸借契約書
店舗や事務所として不動産契約をする場合は、賃貸借契約書か、
物件の説明書が必要です。
創業融資を申し込む段階で賃貸契約を結んでいなければ、賃貸借契約書でなく賃貸借予約契約書でも構いません。
賃貸借予約契約書は担当の不動産屋さんに相談すれば、準備をしてもらえるでしょう。
物件の説明書は、インターネットで入手できる情報でいいでしょう。
店舗や事務所として不動産契約をする場合、立地や家賃などが融資の結果を左右します。
どのような不動産を借りる予定なのかを明確にして、創業融資を申し込むようにしましょう。
代表者の本人確認書類
創業融資の申し込みの際に使用した、代表者の本人確認書類が面接でも必要です。
同じもので構いませんので、準備しましょう。
政策金融公庫「創業融資」申し込みの流れ
日本政策金融金庫の創業融資に申し込みをする時の流れについて、
詳しくお伝えします。
- 融資相談
- 借入れの申込み
- 面接
- 事務所等の現地確認
- 審査結果の通知
- 融資実行の手続き
融資相談
日本政策金融金庫の創業融資で融資を受けたいと思ったら、まずはご自身の事業が融資の対象か融資相談をしてみましょう。
一部融資除外の事業があり、例えば風俗業などでは融資が受けられません。
融資申し込み前の相談は必須ではありませんが、相談をしておくと疑問が解消できますし、新しい情報を仕入れられるかもしれません。
直接支店に出向くか、電話やオンラインでも創業融資の相談が受けられます。
相談自体はどこの支店でも構いませんが、申し込みをしようと考えている支店に相談するとスムーズでしょう。
借入れの申込み
先述した申し込みに必要な書類を準備し、借入れの申し込みを行います。
申し込みの方法は、実際に支店に出向くか、郵送やインターネットでの申し込みがあり選択できます。
インターネットは時間も費用も抑えられますが、直接出向いた方が不備があっても対応できます。
面接
創業融資の申し込みでは、必ず面接があります。
申し込みをすると、後日面接の日時や持ち物などのお知らせが届きます。
申し込みから面接までは、おおよそ1週間~2週間となります。
創業計画の中身に対する質問もありますので、自分の強みや弱み、
事業への意気込みなどが答えられるようにしておきましょう。
所要時間の目安は1時間程度ですが、1時間以上面接が行われる場合もあります。
事務所等の現地確認
審査担当者が、事務所や店舗の現地確認を行います。
本人に連絡なしに行われる場合もありますが、面談を兼ねて行われる場合もあります。
まずは店舗や事務所そのものが存在しているかという確認と、申請書類と業種に相違がないかなどを確認します。
同時に立地もチェックし、事業内容に合うものなのかを見極めて融資の審査をしています。
審査結果の通知
面談が終わると1週間~2週間程度で、審査結果の通知がきます。
電話か郵送で通知が届きますので、融資の審査が通ったか、希望額の融資が受けられるのかを確認しましょう。
遠隔地の物件を担保にするというような特殊な事情があると、審査の結果が出るまでに時間がかかる場合があります。
融資実行の手続き
融資が通り、融資額についても了承が得られれば、いよいよ融資実行の手続きを行います。
借用証書や預金口座利用届(複写式)といった書類が送られてきますので、記入して手続きしていきましょう。
不備なく書類が提出できれば、1週間程度で融資額が振り込まれます。
融資の手続きが終わり肩の荷がおりますので、事業に専念していきましょう。
日本政策金融公庫の創業融資に関するよくある質問
創業融資に関するよくある質問をまとめました。
- 創業融資はいくらまで借りられますか?
- 創業融資が通らない理由はなんですか?
- 税理士は創業融資の相談にのってくれますか?
創業融資はいくらまで借りられますか?
融資限度額は設備資金7,200万円(うち運転資金4,800万円)で、返済期間は設備資金20年以内、運転資金10年以内となっています。
ただしあくまでも最大融資額であり、実務上の融資最大額は1,000万円といわれています。
支店決済で融資を決定できる上限が1,000万円となるためです。
創業融資が通らない理由はなんですか?
国の制度であるとはいえ、返済能力がないと判断されると創業融資は通りません。
- 個人情報に問題がある
- 事業説明に熱意がない
- 自己資金が不足している
- 税金の支払いが滞っている
このような原因が考えられますので、これらの問題をクリアにしてから融資の申し込みをしましょう。
税理士は創業融資の相談にのってくれますか?
もちろん税理士は創業融資の相談に乗れます。
税理士に依頼すると手間や労力が軽減されるだけでなく、審査通過率がアップするというメリットがあります。
税理士費用がかかりますが、その分得られるメリットが大きいと考えられるでしょう。
政策金融公庫「創業融資」で事業を成功に
日本政策金融公庫の創業融資は、100%国が出資する政府系金融機関で、創業融資の9割を占めるといわれています。
事業を開始しようとした時に、多くの人が検討するのが日本政策金融公庫の創業融資というわけです。
申し込みの前に疑問点や不安な点があれば、融資相談からスタートしてみましょう。
手続きをスムーズに行いたい場合は、税理士に相談するのも方法のひとつです。
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