メニュー
創業融資
自己資金なしでも創業融資は受けられる?融資を受ける方法や注意点を解説
この記事の監修者
税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。
一般的に、自己資金がない状態で創業融資を受けることは難しいとされていますが、不可能というわけではありません。
自己資金を必須としない融資制度も存在しており、事業計画の充実度や説得力次第では、自己資金の不足を補う形で融資審査が通る可能性があります。
本記事では、自己資金なしでも創業融資は受けられるのかについて紹介します。
他にも「自己資金なしで創業融資を受ける方法」や「創業融資が受けやすくなるポイント」についても解説していきます。
ぜひこの記事を参考にして、自己資金なしでも創業融資を受けてみてください。
自己資金なしでも創業融資は受けられるケースもある
自己資金がなくても創業融資を受けることは可能です。
しかし、事業の詳細な内容や収益の見込みをしっかりと示し、事業が成功する可能性が高いことを証明する必要があります。
自己資金が不要な融資制度もあり、事業計画の質で自己資金の不足を補うことができれば、融資審査に合格するチャンスを高めることができます。。
このように、自己資金がない場合でも、しっかりとした計画があれば融資を受けることは可能です。
自己資金なしで創業融資を受ける方法
自己資金なしで創業融資を受ける方法については、以下の5つが挙げられます。
- 新規開業資金
- 中小企業経営力資金
- 中小企業経営力強化資金
- 挑戦支援資本強化特別貸付
- 制度融資
それぞれの方法について解説していきます。
新規開業資金
新規開業資金とは、これから起業を考えている方や、開業後7年以内の方を対象に、日本政策金融公庫が提供する融資制度です。
自己資金がなくても申し込むことができ、手元の資金が不足している場合でも利用が可能です。
また、原則として担保や保証人を必要とせず、融資限度額は7,200万円まで(うち運転資金は4,800万円まで)設定されています。
中小企業経営力資金
中小企業経営力強化資金は、日本政策金融公庫が提供している融資制度です。
新規開業資金と同様に運用されており、最大7億2,000万円の融資が可能です。
しかし、資金の使用目的は特定の条件に基づき、主に事業計画の実行に必要な設備投資や長期的な運転資金に限定されています。
中小企業経営力強化資金
中小企業経営力強化資金は、中小企業が新規事業を開拓する際や起業・開業時に利用できる融資制度です。
中小企業が革新的な事業に挑戦するための支援を目的としており、自己資金の準備が必須条件ではないので、自己資金がない場合でも申請が可能です。
しかし、この融資制度を利用するためには、いくつかの厳しい条件を満たす必要があります。
例えば、異業種と連携して新しい市場を開拓したり、経営革新を目指す中小企業であることが求められます。
また、事業計画書の作成が必要であり、中小企業等経営強化法に基づいた認定経営革新等支援機関からの指導や助言を受けることも条件に含まれています。
挑戦支援資本強化特別貸付
挑戦支援資本強化特別貸付は、日本政策金融公庫が提供する融資制度で、スタートアップ企業や新しい事業展開を支援することを目的としています。
申請時に自己資金を持っている必要はなく、資金が不足していても申し込むことが可能です。
しかし、小規模な事業者や個人事業主の場合、「新規開業資金」や「新事業活動促進資金」といった他の融資制度の対象になっていることや地域の経済を活性化するような事業を行っていること、さらに税務申告を少なくとも1期以上行い、その際に所得税の完納が確認されていることなどが条件です。
融資の上限額は、小規模事業者や個人事業主の場合7,200万円、中小企業では1社あたり最大10億円までとなっています。
制度融資
制度融資とは、信用保証協会による保証が付くことで、資金の借り入れが比較的しやすくなる融資の仕組みを指します。
自治体や金融機関、信用保証協会が協力して提供しており、自治体ごとに要件や条件が異なります。
制度融資の中には、自己資金が不要な制度もあり、手持ちの資金がなくても申し込み可能なケースもあります。
例えば、東京都が提供している中小企業向けの「創業支援制度」では、申請者に対して自己資金の条件が設けられていません。
このように、制度融資は各自治体によって内容や条件が異なるので、利用を検討する際は、まずは住んでいる地域の自治体に問い合わせするようにしましょう。
自己資金なしでも創業融資が受けやすくなるポイント
自己資金なしでも創業融資が受けやすくなるポイントについては、以下の3つが挙げられます。
- 緻密で実現性の高い事業計画を作成する
- すでに決まっている契約をアピールする
- 専門家に相談する
それぞれのポイントについて解説していきます。
緻密で実現性の高い事業計画を作成する
融資を受ける可能性を高めるためには、緻密な事業計画書の作成が重要です。
特に創業融資では、事業計画書の提出が必須であり、内容次第で融資の成否が決まることがあります。
具体的には、実現可能性が高く、詳細に計画された事業計画書を作成することが求められるので、販売戦略や資金繰り、収支予測などは具体的な数字や根拠を明示することが重要です。
すでに決まっている契約をアピールする
融資を申し込む際、すでに契約が成立している場合は、積極的にアピールすることで融資を受けやすくなります。
売上の見込みが高く、実現可能性があることを示すことができれば、自己資金が少ない場合でも、支払い能力があると判断され、創業融資を受けられる可能性が高まります。
さらに、会社員時代と同じ業界で独立する場合には、過去の実務経験や見込み顧客の存在を示すことも効果的です。
このように、売上を確実に見込める契約書や発注書がある場合は、積極的に提出することで、融資の成功率を高めることができます。
専門家に相談する
自己新規なしで融資を受ける際に、専門家に相談することで成功の可能性が高まることがあります。
自己資金が十分でない場合や、資金調達に苦労している場合、事業計画書の重要性は特に高まります。
計画書の作成においては、税理士や他の専門家がサポートをおこなっているので、利用を検討するのも有効な手段と言えます。
自己資金を増やす方法
自己資金を増やす方法については、以下の3つが挙げられます。
- 家族や親族から贈与を受ける
- 現物資産として申請する
- みなし自己資金を申請する
それぞれの方法について解説していきます。
家族や親族から贈与を受ける
家族や親戚から資金援助を受けた場合、それを起業資金として活用することが可能です。
しかし、贈与された金額が年間110万円を超えると贈与税の対象になってしまうので、あらかじめ注意が必要です。
また、贈与ではなく、借り入れたお金については自己資金として扱われないので、その違いにも気をつける必要があります。
現物資産として申請する
現物資産として不動産などを申告することで、自己資金を増やすことが可能です。
現物資産は、事業で活用する予定があれば自己資金として計上できます。
例えば、不動産やパソコン、有価証券などが該当し、これらを申告することで自己資金を補強することが可能です。
評価額については購入時の価格ではなく、現在の市場価値に基づいて算定される点に注意が必要です。
みなし自己資金を申請する
自己資金を増やしたい場合、みなし自己資金を申告することで可能です。
起業や開業の準備段階で、事業に必要な費用を自己資金から先に支払った場合、事業開始後に支払うのと同等とみなされ、みなし自己資金として認められます。
みなし自己資金には、例えば事業で使用する設備や機材の購入費、店舗の賃貸に必要な保証金や敷金などが該当します。
これらの費用が事業のためであることを証明するためには、領収書や契約書などの証拠書類が必要です。
また、事業のために融資を受ける前に自己資金から支出した場合、その支出を証明する書類は必ず保管しておくことが重要です。
支出金額が明確であれば、資金調達の際に有利に働く可能性があります。
創業融資以外の資金調達方法
創業融資以外の資金調達方法については、以下の2つが挙げられます。
- 助成金・補助金
- クラウドファンディング
それぞれの資金調達方法について解説していきます。
助成金・補助金
助成金や補助金とは、国や地方自治体が提供する返済不要の資金援助制度です。
誰でも簡単に受け取れるわけではなく、厳密な要件や資格を満たした上で、審査を通過する必要があります。
助成金や補助金には、主催する団体や目的に応じてさまざまな種類があり、それぞれに異なる詳細な条件が設けられています。
特に中小企業でよく利用される助成金や補助金の一例として、以下が挙げられます。
- 中小企業・小規模事業者向けのものづくり補助金
- IT導入補助金
- 事業再構築補助金
- キャリアアップ助成金
- 人材確保等支援助成金 など
このように、主催する団体や目的に応じてさまざまな種類があるので、事前に確認しておきましょう。
クラウドファンディング
クラウドファンディングとは、インターネットを通じて広く一般から資金を集めることができる仕組みです。
クラウドファンディングのプラットフォームにプロジェクトや目的を公開することで、多くの人々から資金を提供してもらえる可能性があり、初めての資金調達手段としても比較的利用しやすいとされています。
しかし、資金を集めるためには、出資者にとってのメリットを明確に伝えることが不可欠です。
また、プロジェクト自体が魅力的である必要があるので、事前に詳細な計画や説得力のある資料を十分に準備した上で掲載することが成功の鍵と言えます。
自己資金なしで創業融資を受ける際の注意点
自己資金なしで創業融資を受ける際の注意点については、以下の3つが挙げられます。
- 融資額が少ない
- 金利が高い
- 審査が通りにくい
それぞれの注意点について解説していきます。
融資額が少ない
自己資金が少ないと、融資額も低くなる傾向があるので注意が必要です。
一般的には、自己資金の約2倍程度の融資が相場とされており、自己資金が十分でない場合は融資を受けるのが難しくなることも考えられます。
また、事業内容や事業主の状況に応じて、最適な融資制度や戦略が異なるので、専門家のアドバイスを受けて計画を立てることをおすすめします。
金利が高い
自己資金なしで融資を受けてしまうと、金利が高くなってしまう可能性があるので注意が必要です。
融資の金利を決定する際には、自己資金の有無はもちろん、融資を希望する金額や返済期間などが挙げられます。
特に大きな額の融資を受ける場合、わずか1%の金利上昇でも返済負担が大きくなる可能性があります。
このように、可能な限り低金利で融資を受けたいと考える場合は、自己資金を事前に準備しておくことが有利に働くでしょう。
審査が通りにくい
自己資金がない場合でも創業融資を受けられることはありますが、自己資金がある場合に比べて審査は厳しくなる傾向があります。
自己資金がない状態だと、返済能力が低いと判断される可能性が高いことが理由として挙げられます。
日本政策金融公庫の融資制度においても、自己資金がある方がより有利とされています。
自己資金がない状態で審査を通過するには、十分な説得力と現実的な創業計画書を用意することが重要です。
もし自己資金を準備するのが難しい場合は、税理士などの専門家に相談し、創業融資のアドバイスを受けることを検討しましょう。
創業融資を受けるかどうかしっかりと検討しよう!
今回は、自己資金なしでも創業融資は受けられるのかについて紹介しました。
創業時に融資を受けるためには、一般的に自己資金が求められますが、自己資金がなくても創業融資を受けることは可能です。
しかし、事業の詳細な内容や収益の見込みをしっかりと示し、事業が成功する可能性が高いことを証明する必要があります。
また、計画書の作成においては、税理士や他の専門家がサポートをおこなっているので、自己資金なしで融資を検討している方は、税理士に相談してみることをおすすめします。
免責事項
当ブログのコンテンツ・情報について、できる限り正確な情報を提供するように努めておりますが、正確性や安全性を保証するものではありません。当サイトに掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。
税務・労務等のバックオフィス支援から
経営支援まで全方位でビジネスをサポート
本気で夢を追い求めるあなたの会社設立を全力サポート
- そもそも個人事業と会社の違いがわからない
- 会社を設立するメリットを知りたい
- 役員報酬はどうやって決めるのか
- 株式会社にするか合同会社にするか
会社設立の専門家が対応させていただきます。
税理士法人松本の強み
- 設立後に損しない最適な起業形態をご提案!
- 役員報酬はいくらにすべき?バッチリな税務署対策で安心!
- 面倒なバックオフィスをマルっと支援!
- さらに会社設立してからも一気通貫で支援