2025.01.21

会社設立

サラリーマンが会社を設立すると勤務先にバレる?覚えておきたい対策とは

この記事の監修者

松本 崇宏

税理士法人松本 代表税理士

松本 崇宏(まつもと たかひろ)

お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。

サラリーマンが会社を設立すると、勤務先にバレてしまうのでしょうか。

何も対策をしないでいると確実に勤務先にバレてしまいますので、隠したいのであれば対策を知っておかなければいけません。

なぜ会社設立が勤務先にバレるのか、という理由がわかれば、するべき対策も見えてきます。

サラリーマンが会社を設立すべきタイミングについても、考えていきましょう。

サラリーマンの会社設立がバレる理由

サラリーマンの副業が軌道にのると、節税のための会社設立を検討するようになります。

退職の予定がなければ、会社設立の事実を勤務先の人にバレないようにしたいと考える人も少なくありません。

サラリーマンが会社を設立して、勤務先にバレてしまう理由には以下のようなものがあります。

  • 住民税が増加する
  • 二以上事業所勤務被保険者標準報酬決定通知書
  • 法人登記による情報公開
  • 勤務先や同僚に口外してしまう
  • 企業HPやSNSからの情報流出
  • 生活水準が上がる

住民税が増加する

副業住民税

サラリーマンは勤務先に住民税の通知が届くようになっています。

副業と勤務先から受け取る給与を合わせた年収によって、住民税の金額が決定されます。

副業での所得が増えると住民税が高額になりますので、勤務先にバレやすくなります。

会社設立をせずとも、副業での所得が増えると住民税に反映されますので、副業禁止の勤務先の場合は注意しなくてはいけません。

二以上事業所勤務被保険者標準報酬決定通知書

同時に2ヶ所以上の会社で社会保険の加入がある状態になると、二以上事業所勤務被保険者標準報酬決定通知書が勤務先に届きます。

副業で会社設立をしていなければ社会保険に加入しませんので、個人事業主として副業をしている段階では二以上事業所勤務被保険者標準報酬決定通知書の心配がありません。

一人社長という状態でも、会社を設立したら社会保険に加入します。

二以上事業所勤務被保険者標準報酬決定通知書には、副業の収入も記載されていますので、勤務先に見られたくない場合は注意しましょう。

法人登記による情報公開

法人登記をすると、国税庁の法人番号公表サイトで設立した会社の情報を閲覧できるようになります。

  • 法人番号
  • 商号又は名称
  • 所在地

上記の情報が誰でも閲覧できてしまいます。

代表者名は記載されませんが、自宅の住所が所在地となっている場合など、勤務先の人に会社設立がバレる
リスクがあります。

勤務先や同僚に口外してしまう

会社設立を勤務先に秘密にしておこうと思っていても、ウッカリと口外してしまいバレてしまうケースがあります。

「仲の良い同僚だけ」「信頼できる上司だけ」と思っていても、誰かに聞かれているかもしれません。

酔った席だと気が大きくなりやすいので、特に注意が必要です。

「正義感や嫉妬心から勤務先に内部告発される」
「彼氏や彼女と別れたらバラされた」という例があります。

勤務先に会社設立について知られたくないのであれば、気を許した人にも話をしない方がいいでしょう。

企業HPやSNSからの情報流出

会社設立バレる

企業HPや法人のSNSから、会社設立がバレる場合があります。

代表者名やプロフィール、代表者の顔写真など、知っている人が見ればすぐに本人であるとわかります。

「SNSでは本名を出さずにニックネームを使用する」「本人が特定できる写真は使用せずに似顔絵にする」
など、対策を考えておくといいでしょう。

生活水準が上がる

設立した会社の方での収益が上がると、自然と生活水準が上がっていきます。

例えば、勤務先での給与では買えないようなブランド品を多く身に着けるようになると、周囲に副業が疑われやすくなります。

SNSで高級レストランや海外旅行の投稿をアップするというのも、控えた方がいいでしょう。

生活水準が上がっても、勤務先では今まで通りのスタイルを続けるよう意識すべきです。

サラリーマンが勤務先にバレずに会社設立をする方法

サラリーマンが勤務先にバレずに会社設立をするための工夫について、お伝えします。

  • 住民税を普通徴収で納める
  • 役員報酬は身内が受け取る
  • 役員報酬を保留にしておく
  • 登記内容を工夫する

住民税を普通徴収で納める

サラリーマンは勤務先で住民税を納めるのが一般的ですが、確定申告時に普通徴収で納めるよう選択しておけば、住民税の納付書が自宅に郵送されるようになります。

勤務先に住民税の金額がバレませんので、副業の収入が推測される心配がありません。

役員報酬は身内が受け取る

役員報酬身内

会社設立をして報酬を受け取ると、勤務先と合わせて2ヶ所から給与を受け取る状態となるため社会保険に関する通知が勤務先に届いてしまいます。

会社設立をしても報酬を受け取らなければ、勤務先に会社設立がバレる可能性が低くなります。

しかし働いた分の報酬を受け取りたいという場合は、
身内に役員報酬を払うようにしておくといいでしょう。

役員報酬を保留にしておく

役員報酬を身内に払うのが難しい場合は、保留にしておくという選択肢があります。

報酬を受け取らなければ社会保険の支払いが不要になりますので、勤務先にバレるリスクが少なくなります。

保留している利益には法人税がかかりますが、勤務先にバレない会社設立の方法として覚えておきましょう。

登記内容を工夫する

登記内容から会社設立がバレてしまうケースがあるので、登記内容を少し工夫しておきましょう。

例えば、「会社名に名前をいれない」「所在地はシェアオフィスやバーチャルオフィスにする」などです。

個人が限定されるような情報は、できるだけいれないよう意識してみましょう。

サラリーマンが会社設立を検討するタイミング

会社設立タイミング

サラリーマンが会社を設立すると、勤務先にバレるリスクがあります。

それでも会社を設立した方が良いタイミングとは、どのような時なのでしょうか。

  • 副業の収入が増えたための節税対策
  • 資産運用や不動産での収入がある
  • 社会的信用が必要になった時

副業の収入が増えたための節税対策

個人事業主として副業の収入が増えると、会社を設立した方が節税になります。

個人の所得は累進課税制度となっており、最大45%と
所得が増えれば増えるほど納税額が増えていきます。

一方、法人税は最大でも23.20%の税率となるため、
大きな節税効果が見込めます。

目安となる課税所得は800万円となり、これ以上であれば法人化を検討していきましょう。

また消費税の観点から考えると、課税売上高が1,000万円以上が会社設立のタイミングとなります。

資産運用や不動産での収入がある

投資での収入は税負担が大きくなり、最大約55%となります。

そのため会社を設立して法人としての収益とした方が、税率が低く節税対策となります。

不動産での収入がある場合は、勤務先との収入が700万円を超える頃が会社設立を検討するボーダーラインです。

社会的信用が必要になった時

取引先の企業が「個人事業主とは取引しない」という方針の場合があります。

会社を設立すると社会的信用がアップしますので、このような考え方の企業とも取引できるようになっていきます。

社会的信用がアップすると、優れた人材の確保や融資の面でも有利になると考えられます。

サラリーマンが会社設立をするデメリット

サラリーマンが会社設立をすると節税などのメリットがありますが、以下のようなデメリットもあります。

  • 勤務先でトラブルになる
  • 会社設立や維持での費用がかかる
  • 事務処理などが忙しい
  • 社会保険料の負担が増える
  • 赤字でも税金を支払わなければいけない

勤務先でトラブルになる

会社設立トラブル

勤務先が「副業NG」「会社設立NG」という方針であれば、トラブルになる可能性があります。

就業規則に違反すると、最悪の場合は解雇されてしまうかもしれません。

また同業での会社設立の場合、違法な引き抜きをしないよう注意しましょう。

会社設立を禁止している勤務先であれば、在職中に準備を進めて、退職をしてから会社を設立するという段階を踏んでも遅くはありません。

会社設立や維持での費用がかかる

会社設立で登記などに費用がかかりますし、法人としての税金など維持費もかかります。

会社を設立すると、倒産する時にも費用がかかります。

個人事業主として事業を行うよりも、経済的な負担がかかると覚えておきましょう。

事務処理などが忙しい

会社を設立する際には、定款の作成や認証、登記申請などの事務処理の手間が多くなります。

サラリーマンとして勤務先に勤めながらの会社設立だと、その負担は大きくなるでしょう。

設立時だけでなく、設立後は経理や税務関係の事務処理に悩まされてしまうかもしれません。

法人化すると個人事業主の頃よりも事務処理が複雑になりますので、負担を軽減させるために税理士を検討しておくといいでしょう。

社会保険料の負担が増える

会社を設立すると、社会保険料を支払う必要があります。

例えば、健康保険料や厚生年金保険料は従業員と会社で折半、労災保険料は会社側が100%負担する形となります。

従業員が増えれば、会社としての社会保険料の負担は
大きくなっていきます。

社会保険に未加入だと過去の保険料が徴収される、
従業員から損害賠償を請求されるなどのリスクがあります。

赤字でも税金を支払わなければいけない

赤字法人税

個人事業主は所得に対して税金を納めますので、赤字の場合は所得税がかかりません。

しかし会社を設立し法人となると赤字でも納めなければならない税金があります。

法人住民税は資本金の額と従業員数で税金額が決まるからです。

事業が苦しい時の法人住民税は、大きな負担となる可能性があります。

勤務先に会社設立がバレたときの対処法

副業や会社設立を禁止している勤務先の場合は、トラブルになる可能性がありますので丁寧に説明をしていかなければいけません。

隠したりごまかしたりせずに、会社設立の許可を求め、今後についてじっくりと話し合っていくべきです。

副業や会社設立を禁止している勤務先は、なぜそのような方針なのかを考えてみましょう。

  • 本業に支障がでる
  • 機密情報漏洩の懸念
  • 人材流出のリスク

などが、主な理由です。

多くの場合は指導や注意で終わりますが、裁判になってしまうケースがあります。

トラブルが大きくなると予想されるのであれば、退職をしてから会社設立をするようにするといいでしょう。

会社設立に税理士が必要な理由

会社設立の手続きは、必ずしも税理士が必要なわけではありません。

税理士費用がかかるというデメリットがありますが、
それでも税理士がついていた方が良い理由があります。

  • 税務処理の負担が減る
  • 納税に関する相談ができる
  • 補助金・助成金のアドバイスが受けられる

税務処理の負担が減る

税理士メリット

会社設立時はもちろん、会社を維持していくためには税務処理を行っていかなければいけません。

顧問税理士がついていれば、会社設立時に労働保険関係や社会保険関係の加入手続きの書類作成などサポートができます。

また青色申告の承認申請書や毎年の確定申告など、継続的に税務処理の負担を減らせます。

会社設立時は本業に注力する時間を確保した方がいいので、税理士を検討すべきです。

納税に関する相談ができる

税理士は会社設立時にの節税知識がありますので、適切なアドバイスができます。

例えば、消費税の免税期間について、青色申告書の提出期限について、など、慣れない事務手続きをすべて自分でしようと思うと、税金に関して損をしてしまうかもしれません。

会社設立のタイミングにおいて、ベストな節税対策を行っていきましょう。

補助金・助成金のアドバイスが受けられる

会社設立時には補助金や助成金が受けられる場合がありますが、自身で調べなければ知らないまま終わってしまうかもしれません。

会社設立時に税理士に相談すれば、該当する補助金や
助成金について、または資金調達について適切な情報を得られるようになります。

会社設立時にしか申請できないものもありますので、
早めに税理士に相談するのがおすすめです。

サラリーマンは会社設立のタイミングを見極めよう

サラリーマンは勤務先でトラブルにならないよう、会社設立のタイミングをよく考えましょう。

個人事業主として収益が増えると税金が高額になってしまうかもしれませんが、大切なのは節税だけではありません。

勤務先の人との人間関係や信頼、また同業種であれば将来的な繋がりや事業への影響があるかもしれません。

いつ会社を設立すべきか迷ったら、税理士にご相談ください。

多方面からの影響を考慮した、最適な会社設立のタイミングを一緒に考えていきましょう。


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