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起業・開業
せどり起業が失敗してしまう原因とは?成功させるポイントや注意点も解説

読了目安時間:約 7分
せどりとは、安く仕入れた商品を高く販売して利益を生み出す仕組みです。
せどりは適切な計画と市場分析を行うことで収益を上げることが可能ですが、継続的に収益を上げるには、十分な知識と戦略が不可欠です。
本記事では、せどり起業が失敗してしまう原因について紹介します。
他にも「せどり起業を成功させるポイント」や「せどり起業のメリット・デメリット」についても解説していきます。
ぜひこの記事を参考にして、せどりでの起業が失敗してしまう原因について理解を深めてみてください。
せどり起業が失敗してしまう原因

せどり起業が失敗してしまう原因については、以下の4つが挙げられます。
- 原因①:キャッシュフローを把握していない
- 原因②:トレンドに合わせた仕入れができていない
- 原因③:特定の仕入れ先に依存している
- 原因④:いきなり大きな利益を狙う
それぞれの原因について解説していきます。
原因①:キャッシュフローを把握していない
せどりで起業・開業する際に失敗しやすい人の特徴の一つとして、キャッシュフローを把握していないことが挙げられます。
キャッシュフローとは、企業や事業における現金収支の流れを指します。せどりでは、仕入れた商品が売れなければ売上が立たないため、お金の動きを正しく把握できていないと、収支が合わなくなり赤字に陥るリスクが高まります。
例えば人気の商品を大量に仕入れたとしても、それがすぐに売れるとは限りません。売れるタイミングがバラバラである以上、仕入れに使った資金を回収するまでに時間がかかることもあります。
資金の管理や仕入れコスト、利益の計算が不十分だと、手元の資金が底をつき、仕入れや経費の支払いができなくなる「資金ショート」を引き起こすリスクが高くなります。
このように、キャッシュフローを把握していないことが原因で、せどりの事業が立ち行かなくなるリスクがあります。安定して利益を出すためには、資金の流れをしっかりと把握し、計画的に運営することが重要です。
原因②:トレンドに合わせた仕入れができていない
市場の動向に合わせた仕入れができていないと、売上につなげることができません。
顧客のニーズや市場の動きを深く考えず、「なんとなく売れそう」などという理由だけで商品を仕入れてしまっても、需要のない商品では売れることはありません。
売れる見込みの低い商品ばかり抱えていても、売上につながらず、仕入れにかかったコストを回収することも難しくなります。
さらに、どの商品がどのタイミングで売れるのかを見極められないと、在庫を余らせてしまい、結果として資金繰りが悪化し、せどりビジネスの失敗につながるリスクが高まってしまうのです。
原因③:特定の仕入れ先に依存している
せどり起業で失敗してしまう人の共通点として、特定の仕入れ先に依存しすぎることです。
例えば、仕入れ先が一社しかない場合、価格の引き上げを提示されると、選択の余地なく従わざるを得ません。
その結果、販売価格の引き上げや取り扱い商品の変更が必要になり、思い通りのビジネス展開が難しくなります。
さらに、もしその仕入れ先が倒産してしまった場合、新たな仕入れルートを確保するまで事業が完全にストップしてしまうリスクもあります。
このように、仕入れ先を増やすことによって、仕入れ先の状況変化によるリスクを最小限に抑え、安定した事業運営につながります。
原因④:いきなり大きな利益を狙う
せどり起業で、いきなり大規模に展開しようとすることは失敗につながる原因の一つです。
独立を目指す人の多くは、最初から大きな利益を狙いがちですが、規模を広げるほど必要な資金も増えていきます。
もし思ったように商品が売れなければ、赤字が続き、次の仕入れの資金を確保するのが難しくなってしまいます。実際に、仕入れができなくなってしまうと、当然ながらビジネスの継続も困難になってしまいます。
もちろん初めから大規模に展開する戦略が必ずしも失敗するということではありませんが、まずは小規模に始めることでリスクを減らすことができます。
せどり起業を成功させるポイント

せどり起業を成功させるポイントについては、以下の5つが挙げられます。
- 利益目標を明確にする
- 徹底的にニーズをリサーチする
- 最初は小さく始める
- 複数の仕入れ先を持つ
- ターゲットを絞る
それぞれのポイントについて解説していきます。
利益目標を明確にする
せどり起業を成功させるポイントとして、目標を明確にし何をすべきかがはっきりさせることが重要です。
目標の規模は事業によって異なりますが、まずは達成できそうなレベルで目標を設定することをおすすめします。目標を達成することで達成感が得られ、次の挑戦への意欲が湧きます。
モチベーションを維持するためにも、無理のない金額を設定し、毎月の目標として掲げるようにしましょう。
また、長期的な目標がある場合は達成までのステップを細かく分け、一歩ずつ進めるイメージを持つことで売上を伸ばすことにもつながります。
徹底的にニーズをリサーチする
せどりの失敗例を見てみると、十分なリサーチを行わなかったことが原因になっているケースが多く見られます。
せどり起業で成功するためには、市場や顧客のニーズをしっかりと調査することが欠かせません。
細部まで丁寧にリサーチすることで、失敗のリスクを減らすことができます。
せどり起業で利益を出すためには、扱う商品だけでなく、競合の状況もチェックすることが重要です。
最初は小さく始める
最初から大きく事業を展開しようとすると、仕入れにかかる初期費用や運営資金の負担が重くなり、ビジネスが軌道に乗る前に資金が尽きてしまうリスクがあります。
特に、仕入れた商品がすぐに売れるとは限らないため、大量に仕入れると資金回収に時間がかかり、キャッシュフローが悪化する可能性も高くなります。
リスクを抑えるためにも、最初は無理のない範囲で少量の仕入れからスタートしましょう。
また、毎月の仕入れ費用の上限を決めておけば、過剰な仕入れを防ぎながら、安定した資金管理が可能になります。
複数の仕入れ先を持つ
せどり起業で成功するためには、仕入先を複数確保することが重要です。
せどりには「店舗せどり」と「電脳せどり」の2つのスタイルがあります。店舗せどりは実店舗で、電脳せどりはインターネット上で仕入れを行うスタイルです。
実際の店舗で商品を探すことで、市場のトレンドを肌で感じられますし、オンラインでのリサーチを活用すれば、需要のある商品を効率的に見つけることができます。
仕入れ先が豊富だと、顧客のニーズに合った商品を提供しやすくなり、売上アップにつながります。
ターゲットを絞る
せどり起業を行う際は特定のターゲット層に絞ることで、効率的なマーケティングが可能になり、仕入れの選択肢も明確になります。
ターゲットに合った商品を仕入れることで、ファンやリピーターを増やすことができ、安定した収益につなげることができます。
ファンを獲得するためには、ショップのデザインや商品ラインナップに統一感を持たせ、世界観をしっかりと作り込んでブランディングを強化するようにしましょう。
せどり起業をするメリット

せどり起業をするメリットについては、以下の4つが挙げられます。
- 比較的少ない資金で始められる
- 経費が使えるようになる
- 社会的信用度が高くなる
- 融資が受けやすくなる
それぞれのメリットについて解説していきます。
比較的少ない資金で始められる
せどりは取り扱う商品にもよりますが、比較的少額の資金から始めることができるビジネスモデルであり、自分の状況に合わせて仕入れ資金を徐々に増やしていくことが可能です。
特に中古品を扱う場合は新品を扱うよりも費用をさらに抑えられるため、大きな資金がなくてもスタートしやすい点が魅力です。
経費が使えるようになる
起業をすることで、経費が使えるようになります。
たとえば、仕入れにかかった費用や交通費、送料、梱包資材費などが経費として計上可能です。
さらに法人としてせどり起業をした場合は、経費として計上できる項目が増えます。
例えば家族に支払う給与を経費として処理できるだけでなく、自分自身の給与も会社の経費に含めることが可能になります。業務で使用する車を会社名義で購入すれば、その費用も経費として認められる可能性が高いです。
ただし、経費として認められるのは事業に関連する支出に限られるので注意が必要です。
社会的信用度が高くなる
法人としてせどり起業をした場合は、対外的な信用度が向上するのが大きなメリットの一つと言えます。
法人として設立している場合は会社法などの法律に基づいて運営されるため、財務面での透明性が高いことなどから社会的な信用が高いと思われやすい傾向があります。
もちろん、個人事業主でも信用がないわけではありませんが、個人事業主という形態は一般にはまだ十分に浸透しているとは言えず、肩書きだけでは十分な信頼を得られない状況も考えられます。
融資が受けやすくなる
法人としてせどり起業をした場合、銀行からの融資が受けやすくなるというメリットがあります。
もちろん、法人を設立したからと言って、銀行から無条件で融資を受けられるわけではありません。
しかし、銀行は法人の信用度を見ている部分が大きく、会社として利益を上げることができていれば、その実績を元にお金を借りやすくなるのも事実です。
銀行からの融資を受けて手元の資金を大きくすることがせどりでは重要になるので、せどり起業は大きなメリットと言えます。
せどり起業をするデメリット

せどり起業をするデメリットについては、以下の3つが挙げられます。
- 起業に費用が必要になる
- 事務処理に手間がかかる
- 維持コストがかかる
それぞれのデメリットについて解説していきます。
起業に費用が必要になる
法人を設立する際には、税金などの法定費用が発生するデメリットが挙げられます。
株式会社を設立する場合、定款の認証に5万円と設立登記の際に法務局へ15万円の登録免許税を納める必要があるので、最低でも20万円以上の費用がかかります。
合同会社を設立する場合は、株式会社と異なり定款の認証が不要です。
そのため、起業にかかる費用は登録免許税の6万円からとなり、株式会社と比べて半額以下のコストで法人化が可能です。
参考:国税庁|登録免許税の税額表
事務処理に手間がかかる
せどり起業をすると、事務作業の負担が増えてしまうデメリットが挙げられます。
特に、社員を雇う場合は給与計算が必要となり、それに加えて細かな経費の精算なども発生します。
また、社内で経理部門を設ける場合は帳簿作成が必要になり、さらに社会保険料の支払いなどの手続きも増えていきます。
法人の場合、事務作業が増えるのは社内だけではなく、国や関係機関への各種支払いが必要になるため、それらの手続きを適切に進めるための対応も求められます。
維持コストがかかる
法人を運営し続けるには、一定のコストがかかってしまいます。
単に法人住民税や法人所得税などの税金を納めるだけでなく、税理士へ依頼する場合は顧問料といった費用も発生します。
会社内部で税務処理を行うこともできますが、経費として計上できるかどうかの判断や、事業の仕組みが税務上問題ないかといった点は、専門的な知識がないと正しく判断するのは難しいのも事実です。
せどり起業する際の注意点

せどり起業をする際の注意点については、以下の2つが挙げられます。
- 中古品せどりには古物商許可が必要になる
- 医薬品は転売できない
それぞれの注意点について解説していきます。
中古品せどりには古物商許可が必要になる
せどりで中古品を扱う場合、「古物商許可」が必要になる点には注意が必要です。
古物商許可とは、中古品を仕入れて販売するビジネスを行う際に求められる資格です。
万が一、無許可で中古品を売買すると、「古物営業法」に違反してしまい、処罰を受ける可能性があります。
また、古物商許可を取得するには、必要な手続きを行う必要があり、自分で申請することもできますが、手続きには時間と手間がかかるため、専門知識を持つ行政書士に依頼するのも一つの方法と言えます。
特に、申請手続きに不安がある方や忙しくて時間が取れない方は、専門家に相談してみることをおすすめします。
医薬品は転売できない
せどり起業する際の注意点として、医薬品は転売ができないので注意が必要です。
医薬品成分が含まれているサプリメントなどについては、原則転売することができません。
万が一、医薬品を転売してしまうと「薬機法違反」となり罰則が科せられることもあります。
薬機法とは、医薬品や医薬部外品、化粧品、医療機器、再生医療等製品について安全性と体への有効性を確保するための法律です。
また、海外から仕入れたサプリメントの販売も禁止されているので注意が必要です。
参考: e-Gov 法令検索|医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
計画的にせどり起業をしよう!

今回は、せどり起業が失敗してしまう原因について紹介しました。
せどりでの起業を考える際には、タイミングの見極めや目標設定、注意すべきポイントを押さえることが重要です。
法人化には手続きや準備が必要なため、多くの人はまず個人事業主として始め、事業が軌道に乗ってから法人化を検討することが一般的なので、ビジネスの成長に応じて、適切なタイミングで法人化を考えるようにしましょう。
また、せどりで成功するためには、しっかりとした目標設定と市場リサーチが不可欠になるので、スキルや経験を積み重ねながら、一歩ずつ着実に進めることをおすすめします。
今回の記事を参考にして、計画的にせどり起業をしましょう。
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この記事の監修者

税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。