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会社設立時に資本金を入金した通帳コピーを取る方法とは?資本金振り込みと証明書の作成方法も紹介

読了目安時間:約 6分
株式会社設立時には、資本金が確実に払い込まれたことを証明するため、資本金相当額が振り込まれた通帳のコピーを用意し、それを払い込み証明書に添付して管轄の法務局へ提出する必要があります。
資本金の振込タイミングや通帳コピーの取得方法には細かな注意点があり、これを誤ると訂正を求められることがあるので、手続きの流れをしっかり理解し、適切に対応することが重要です。
本記事では、会社設立時に資本金を入金した通帳コピーを取る方法について紹介していきます。
ぜひこの記事を参考にして、会社設立時に資本金を入金した通帳コピーを取る方法について理解を深めてみてください。
目次
会社設立時に資本金を入金した通帳コピーを取る方法

会社設立時に資本金を入金した通帳コピーを取る方法については、一般的に、以下の3つのページを用意すれば問題ありません。
- 通帳の表紙(閉じた状態でコピー)
- 口座情報のページ(見開きでコピー)
- 資本金の入金が確認できるページ(見開きでコピー)
通帳の表紙は必須ではありませんが、提出時の確認をスムーズにするため、念のため準備しておくと安心です。
また、口座番号・口座名義人が記載されたページと入金額・日付がはっきりわかるページをコピーするようにしましょう。
さらに、A4用紙の中央に印字し、見切れやかすれがないように、鮮明にコピーを取ることも必要です。
ネットバンク利用時に通帳コピーに代わる書面
ネットバンク利用時に通帳コピーに代わる書面については、以下のとおりです。
- 銀行名、支店名、口座種別、口座番号、口座名義人が確認できるページ
- 入出金の明細が表示されたページ
上記を通帳のコピーの代わりとして添付すれば、スムーズに処理されるケースがほとんどです。
また、ネットバンクを利用した資本金の払い込み証明そのものが認められないということはほとんどないので安心といえます。
このように、ネットバンク利用時には、口座名義人や入金が確認できるページを印刷して提出するようにしましょう。
会社設立の資本金を入金した通帳コピーを取る際のポイント

会社設立の資本金を入金した通帳コピーを取る際のポイントについては、以下の2つが挙げられます。
- 入金先は発起人名義の口座にする
- 定款作成日以降に資本金を入金する
それぞれのポイントについて解説していきます。
入金先は発起人名義の口座にする
資本金を入金し、コピーを取るべき通帳は発起人名義のものです。
具体的には、発起人が個人であればその人の個人口座を、法人が出資する場合は当該法人の口座に資本金の全額を振り込み、通帳のコピーを準備する必要があります。
特に、代表取締役が自身で出資して会社を設立するケースでは問題になりにくいですが、出資者と取締役が異なる場合は注意が必要です。
このように、資本金は取締役の口座ではなく、出資者の口座に入金しないといけないので、事前にしっかり確認しておきましょう。
定款作成日以降に資本金を入金する
会社を設立する際、発起人の情報や資本金の金額は、定款に記載する必要があるので、資本金の全額は、定款の作成日以降に発起人の銀行口座へ入金しなければなりません。
既に口座に十分な残高がある場合でも、それをそのまま利用することはできません。
残高があったとしても、それが「資本金として出資された」という証拠にはならないので注意が必要です。
この手続きを正しく行うことで、資本金の入金が正式なものとして認められるので、設立手続きがスムーズに進むように十分注意が必要です。
会社設立時の資本金振り込みと証明書の作成方法

会社設立時の資本金振り込みと証明書の作成方法については、以下の4つが挙げられます。
- 手順①:口座開設
- 手順②:資本金振り込み
- 手順③:通帳コピー
- 手順④:振込証明書の作成
それぞれの作成方法について解説していきます。
手順①:口座開設
資本金の振込先としては、発起人が普段使用している銀行口座を利用して問題ありません。発起人が複数いる場合は、そのうちの1人の口座を選んで振り込みを行うようにしましょう。
資本金の振込前に口座の残高を0円にする必要はありません。
また、資本金の振込を証明するための書類を作成する必要があるため、通帳が必要になります。
もし通帳がない場合は、インターネットバンキングの取引履歴の画面を代用することも可能です。
手順②:資本金振り込み
資本金を入れるための銀行口座が決まったら、資金を振り込みます。
発起人が一人だけの場合は、振込ではなく直接口座へ預け入れる形でも問題ありません。
しかし、発起人が複数人の場合は、必ず振込を利用して手続きを行う必要があります。
実際に、預け入れの場合、通帳の取引履歴に誰が入金したのかが記録されないので、資本金を誰が口座に入れたのか判別できなくなってしまうので注意が必要です。
手順③:通帳コピー
通帳がある場合は、そのコピーを作成する必要があります。
コピーのサイズに厳格な指定はありませんが、一般的にはA4サイズで行うのが一般的です。
また、振り込み内容が記載されている箇所にマーカーなどで印をつけておくと、確認がスムーズになります。
一方で、通帳を持っていない場合は、情報が確認できる書類の印刷が必要です。
通常は、「銀行名・支店名・預金種別・口座番号」「口座名義人の氏名」「振り込み内容が載っているページ」の3カ所を印刷するようにしましょう。
手順④:振込証明書の作成
通帳のコピーが準備できたら、次に払込証明書を作成します。
振込証明書は、発起人が資本金を払い込んだことを代表取締役が正式に証明するものです。
作成方法は手書きでもパソコンでも問題ないので、会社設立の登記手続きを進める際に必要となるので、正確に作成しましょう。
払込証明書には以下の情報を記載します。
- 払込された資本金の総額
- 払込が行われた株式数
- 1株あたりの払込金額
- 払込日
- 会社の本店所在地
- 会社名
- 代表取締役の氏名
払込された資本金の総額と払込が行われた株式数は、定款に記載した内容と一致するように記入します。
1株あたりの払込金額は、払込総額を株式数で割った金額を記載するようにしましょう。
払込日については、複数回に分けて資本金を払い込んでいる場合、最も遅い払込日以降の日付を記載します。
また、証明書には会社の代表印を押印する必要があり、書類の左上と代表取締役の氏名の右側にそれぞれ押印しましょう。
会社設立時に資本金を振り込むタイミング

会社を設立する際には、一定の手続きを順番に進める必要があり、資本金の払い込みを行うタイミングもあらかじめ決まっています。
また、会社の形態によって資本金を振り込む時期が異なります。
会社設立時に資本金を振り込むタイミングについては、以下2つのケースが挙げられます。
- 株式会社設立時
- 合同会社設立時
それぞれのタイミングについて解説していきます。
株式会社設立時
株式会社を設立する際には、まず定款を作成し、それを公証役場で認証してもらう必要があります。
定款の認証が完了した後、次のステップとして資本金の払い込みを行います。
資本金の払い込みが済んだら、その支払いを証明するための書類を準備し、法務局へ登記申請を行います。
合同会社設立時
合同会社を設立する際には、定款の作成が求められますが、公証役場での認証手続きは不要です。
そのため、定款を作成した後は、資本金の払い込みを行う流れとなります。
資本金の払い込みが完了した後は、株式会社を設立する場合と同様に、払い込みを証明する書類を準備し、登記申請時に添付する必要があります。
会社設立時の資本金振り込みする際の注意点

会社設立時の資本金振り込みする際の注意点については、以下の6つが挙げられます。
- 見せ金は違法になる
- 会社設立後は資本金を法人口座に移動する
- 振込時期に注意する
- 振込限度額を確認する
- 口座に資本金が入っていても使えない
- 代表社印で印鑑登録する
それぞれの注意点について解説していきます。
見せ金は違法になる
見せ金とは、会社の資本金を実際よりも多く見せるために、一時的に用意するお金のことを指します。
例えば、消費者金融などから500万円を借りて資本金として払い込み、会社設立後すぐに引き出して返済するといった行為が該当します。
万が一、見せ金が発覚すると会社の設立が無効と判断されるリスクがあります。
さらに、公正証書原本不実記載等罪に問われると、5年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される恐れがあります。
見せ金と誤解されやすい行為については、長年貯めていた現金を、一度に銀行口座へ振り込んだり、親族から資金援助を受けるなどが挙げられます。
そのため、資金の出どころが明確であり、正当な方法で得たものであることを証明できれば、見せ金と判断されることはありません。
会社設立後は資本金を法人口座に移動する
会社の設立登記が完了し、法人口座の開設が済んだら、できるだけ早く資本金をその口座へ移すようにしましょう。
資本金を個人口座に残したままにすると、社長が会社から借入をしているとみなされる可能性があるためです。
資本金の移動方法としては、個人口座から現金を引き出して法人口座に預け入れる方法と、個人口座から直接法人口座へ振り込む方法の2種類があり、どちらを選んでも問題ありません。
振込時期に注意する
以前は、原則として定款の認証が完了した後でなければ、資本金の払込は認められていませんでした。
しかし、2022年に法務省が「定款認証前に資本金を払い込んでも問題ない」とする通知を発表し、それ以降は認証前の払込も可能となりました。
しかし、どの程度前の払込まで認められるのかについては明確にされていないので、確実に払込が有効と判断されるためには、定款認証後に払込を行うのが安全です。
もし認証前に払込を行いたい場合は、事前に法務局に問い合わせて、具体的に何日前なら認められるのかを確認することをおすすめします。
また、合同会社の場合は定款の認証が不要なので、払込の基準となるのは「定款の作成日」になります。
振込限度額を確認する
銀行によっては、詐欺などの犯罪を防ぐ目的で、1日に送金できる金額に上限を設けている場合があるので、まずは資本金を一度に払い込めるかどうか、振込の上限額を確認しておきましょう。
資本金の払い込みは必ずしも1日で完了する必要はないので、限度額の引き上げが難しい場合は、数日に分けて振り込むことも可能です。
しかし、分割して振り込むと、法務局での設立登記が遅れる可能性があるため、会社設立日を特定の日にしたい場合は、早めに振り込みの準備を進めることが重要です。
口座に資本金が入っていても使えない
会社を設立する際、発起人の口座にすでに定めた資本金額が入っていても、その資金をそのまま資本金として扱うことはできないため注意が必要です。
会社設立では、「資本金として適切に払い込みが行われた」という証拠を明確に示す必要があります。
そのため、すでに口座に同額の資金があったとしても、正式な手続きを経ていない場合は資本金として認められません。
もしその資金を資本金として利用する場合は、一度資本金額以上の金額を引き出し、改めて振込によって口座へ入金することで、払い込みの証拠を作る必要があります。
代表社印で印鑑登録する
払込証明書を作成する際には、印鑑を押す必要があります。
その際に使用するのは代表社印であり、代表取締役個人の実印とは異なるので、間違えないよう注意が必要です。
代表社印とは、法人登記の際に登録する会社専用の印鑑であり、「会社の実印」とも呼ばれます。
この印鑑は、払込証明書に限らず、今後の契約書や重要な書類にも使用されるため、事前に準備しておくことが大切です。
資本金を入金した通帳は正しくコピーしよう!

今回は、会社設立時に資本金を入金した通帳コピーを取る方法について紹介しました。
企業にとって資本金は、経営基盤の強さや信用度を示す重要な要素です。
そのため、安易に決めるのではなく、自社の事業規模や将来の計画に応じた適切な金額を慎重に設定することが求められます。
さらに、資本金の振込手続きや必要な証明書類の準備など、定められたルールを正しく守ることも大切です。
今回の記事を参考にして、資本金を入金した通帳を正しくコピーする方法を把握し、適切に会社設立を進めていきましょう。
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この記事の監修者

税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。