メニュー
会社設立
会社設立時の印鑑証明書|取得方法やタイミング・必要枚数・注意点とは?

読了目安時間:約 6分
会社設立時には、印鑑証明書が必要になるタイミングがあります。
「印鑑証明書がいつ必要なのか」「そもそもどう取得すればいいのか」といった基本的な内容についてご説明します。
会社設立時における印鑑証明書の取り扱いについての注意点もお伝えしますので、参考になさってください。
会社設立時には多くの決定事項があり、必要書類も多岐にわたります。
必要なタイミングで「印鑑証明を忘れていた!」という失敗をしないために、いつ頃までに
印鑑証明を準備すべきなのかを考えておきましょう。
目次
なぜ会社設立時に印鑑証明書が必要なのか
印鑑証明書とは、その印鑑が本人のものであると証明する公的書類です。
会社を設立する時には、発起人や取締役の個人の印鑑証明書が必要となります。
会社設立時以外では、不動産や自動車の購入時や遺産相続手続きといったシーンで印鑑証明書が必要です。
このような特定のシーンでのみ使用するものですが、別人ではなく本人の意思であると証明するための書類となりますので大変重要な役割があるものです。
会社設立と印鑑証明
では会社設立のどんなタイミングで印鑑証明書が必要になるのでしょうか。
会社設立の主な流れと、印鑑証明書が必要な
タイミングについてご説明します。
- 会社設立の流れ
- 印鑑証明書が必要なタイミング
会社設立の流れ
会社設立の流れを以下の5つに分けると、印鑑証明書が必要なタイミングは2回です。
定款の認証で印鑑証明書が必要になりますので、その前までに印鑑証明を取っておけるようイメージしておくといいでしょう。
会社設立の流れ | 印鑑証明書 |
---|---|
1.会社の基礎情報を決める | × |
2.定款を作成する | × |
3.定款の認証を受ける | 〇 |
4.資本金の払い込みを行う | × |
5.会社の登記手続きを行う | 〇 |
印鑑証明書が必要なタイミング
印鑑証明書が必要なタイミングは、定款の認証を受ける時と登記手続きを行う時です。
それぞれ、どこでどのように使用するのかを確認しておきましょう。
定款認証のため公証役場へ
定款(ていかん)とは、会社の基本的なルールや指針をまとめたものです。
株式会社、一般社団法人、一般財団法人であれば、完成した定款は公証役場で認証を受ける
必要があります。
発起人全員の実印が必要となり、印鑑証明書も発起人全員分が必要になります。
定款の内容が適正であると証明するための認証であり、会社の紛争や不正行為のリスクを防ぐものとなります。
会社登記のため法務局へ
法務局とは会社登記や不動産登記などの事務を行う機関であり、全国に地方法務局があります。
登記申請では、虚偽の申請を防止するために
印鑑証明書が必要になります。
取締役や発起人が本人の意思で会社を設立しようとしている、という証明になるためです。
なりすまし回避のための対策のひとつであり、印鑑証明書の確認をして安全に会社登記をしていきます。
印鑑登録の手続きステップ
印鑑証明書を取得するための手続きについて、流れを確認しておきましょう。
- 印鑑を作成する
- 自治体で印鑑の登録をする
- 印鑑証明書の発行手続き
印鑑を作成する
印鑑登録をする印鑑は、なんでもいいわけではありません。
どこでも購入できるような印鑑だと、なりすましのリスクがあるためです。
会社実印となる代表者印は、1cm以上3cm以内の正方形の中に納まるサイズで作成しましょう。
会社の印鑑として使用していきますので、長く使える劣化しにくい素材で、読みやすくても
偽造しにくい書体であるのが望ましいです。
自治体で印鑑の登録をする
印鑑登録は、住民票を登録している自治体の窓口で行います。
登録する印鑑と身分証明書を準備して行きましょう。
どんな印鑑でも登録可能ですが、自治体によって規定がある場合がありますので、事前に調べておくと確実です。
費用は数百円程度で、登録完了したら印鑑登録カードを受け取ります。
印鑑証明書の発行手続き
印鑑登録カードを使って、印鑑証明書を発行していきます。
自治体の窓口で確認し、印鑑証明書を発行できる電子端末から発行します。
印鑑登録と印鑑証明書の発行を、同日で済ませられるようにするといいでしょう。
マイナンバーカードがあれば、コンビニエンスストアのマルチコピー機から印鑑証明書を発行できます。
会社設立時に必要な印鑑証明書の枚数
会社設立時に印鑑証明書は何枚必要になるのでしょうか。
必要な枚数を把握し、準備しておくようにしましょう。
- 定款認証で必要な印鑑証明書の枚数
- 会社登記で必要な印鑑証明の枚数
定款認証で必要な印鑑証明書の枚数
定款認証では、発起人の個人実印の印鑑証明書が必要になります。
発起人とは会社の設立を企画し、出資や定款
作成を行う人です。
会社設立時に発起人の人数に制限はありませんので、何人発起人がいても構いません。
定款の認証に必要な印鑑証明書は各1枚となりますので、発起人の人数分の印鑑証明書を準備しておきましょう。
会社登記で必要な印鑑証明の枚数
設立する会社に取締役会を設置するか否かによって、印鑑証明書の必要枚数が異なります。
取締役会とは3人以上の取締役が3ヶ月に1回
以上集結し、業務執行に関わる意思決定を行う機関です。
印鑑証明書は以下の枚数を参考になさってください。
取締役会を設置する | 代表取締役の 印鑑証明書を1枚 |
取締役会を設置しない | 取締役全員の 印鑑証明書を各1枚 |
印鑑証明書を取得する時の注意点
印鑑証明書を取得する時に覚えておきたい
注意点をまとめました。
- 印鑑証明の有効期限を知っておく
- 海外移住者は印鑑証明書が発行できない
- 法人が発起人となる場合
印鑑証明の有効期限を知っておく
会社設立時に必要な印鑑証明書は、有効期限が作成後3ヶ月と決められています。
そのため早めに印鑑証明書を取得すると、
期限が切れてしまう可能性があります。
印鑑証明書は発行時の状況を証明する書類のため、このような有効期限が定められています。
印鑑証明そのものに有効期限があるものではなく、提出先によって決められています。
印鑑証明書の下に発効日が記載されていますので、確認をして提出しましょう。
海外移住者は印鑑証明書が発行できない
印鑑証明書は住民登録と紐づけられているため、住民登録票がない人は印鑑証明書の発行ができません。
海外移住者は印鑑証明書の代わりとなる、サイン証明を取得します。
サイン証明とは、署名が本人のものであると証明する書類です。
居住地の日本領事館へ行って証明を受けたい書類にサインをすると、領事館が「本人のサインに間違いない」という旨の証明書を発行してくれます。
海外移住者で、印鑑証明書がないから会社を設立できないというわけではありません。
法人が発起人となる場合
個人が発起人となる場合には、個人の印鑑証明書が必要です。
しかし法人が発起人となる場合には、法人の印鑑証明書1枚が必要になります。
有効期限は発行より3ヶ月以内となりますので、期限内のものを準備しましょう。
法人の印鑑証明書を取得する
会社を設立したら法人の印鑑証明書が必要になるタイミングがあるでしょう。
法人の印鑑登録は、営業所のある地方の法務局で行います。
印鑑提出者の個人の印鑑証明書が必要になります。
印鑑登録カードがあっても法人の印鑑登録書はコンビニで発行できませんので、法務局の窓口で印鑑登録書を発行してもらいましょう。
会社設立後に印鑑証明書が必要なタイミング
印鑑証明書が必要なのは、会社設立時だけではありません。
会社設立後にも印鑑証明書が必要になるタイミングがありますので、必要なタイミングで速やかに準備できるようにしましょう。
- 法人口座を開設する時
- 契約書や許認可の申請時
法人口座を開設する時
会社を設立したら、多くの会社で法人口座を開設する流れになるでしょう。
印鑑証明書が必要になりますので、口座を開設する金融機関の必要書類を確認しておきましょう。
契約書や許認可の申請時
重要な取引きの契約書や金融機関から融資を受ける時に、印鑑証明書が求められる場合があります。
業種によって必要なタイミングが異なりますが、印鑑証明書の取得は難しいものではないので都度対応できるようにしておきましょう。
印鑑証明書を紛失したら
会社設立の印鑑証明書は有効期限が3ヶ月と決められていますが、印鑑証明書そのものに有効期限があるわけではありません。
印鑑証明書を紛失してしまったら、どう対処していくのかについてご説明します。
- 印鑑証明書を紛失するリスク
- 自治体窓口で印鑑登録証亡失届を提出
- 法務局で失効手続きをする
- 警察に届け出を出しておくと安心
印鑑証明書を紛失するリスク
印鑑証明書と身分証明書をセットで紛失したら、他人に不正利用されてしまう危険があります。
印鑑証明書を簡単に発行できる状態となりますので、「身に覚えのない高額契約を結ばれる」「知らないうちに連帯保証人にされてしまう」という危険があります。
実印がなければリスクは低いと思われるかもしれませんが、印鑑証明の印影から偽造の実印をつくれば簡単に悪用されてしまいます。
印鑑証明書と身分証明書を同じ場所に保管しないようにするなど、厳重に保管しましょう。
自治体窓口で印鑑登録証亡失届を提出
個人実印の印鑑登録カードを紛失してしまったら、自治体の窓口で印鑑登録証亡失届を提出します。
この時に、登録していた実印と身分証明書が必要になりますので持参するようにしましょう。
新しく登録する印鑑を持っていけば、印鑑登録カードを作成できます。
法務局で失効手続きをする
会社の実印である「代表者印の印鑑証明書や印鑑登録カードを紛失してしまった」
「盗難の可能性がある」という場合は、速やかに法務局で失効手続きを行いましょう。
法務局によって効力を失効させ、被害を食い止めます。
失効手続きの際には、代表者の個人実印と印鑑証明書が必要になります。
警察に届け出を出しておくと安心
第三者による盗難の可能性があれば、警察に届け出を出しておくと安心です。
万が一、悪用された時の対応が迅速に行えるようになるでしょう。
また直近で大きな取引を控えている場合は、相手に紛失の旨を伝えておきます。
被害が大きくならないよう、できる限りの対処をしておきましょう。
印鑑証明書に関するよくある質問
印鑑証明書に関するよくある質問をまとめました。
- 印鑑証明書の有効期限が切れたらどうすればいいですか?
- 代理人でも印鑑証明書を取得できますか?
- 印鑑登録は代理人でも可能ですか?
印鑑証明書の有効期限が切れたらどうすればいいですか?
印鑑証明書そのものには有効期限はありませんので、提出先に応じて期限を確認しましょう。
有効期限が切れていたら、新しく印鑑証明書を発行して対応してください。
代理人でも印鑑証明書を取得できますか?
印鑑登録カードがあれば、代理人でも印鑑証明書を取得できます。
依頼人の印鑑登録カードと、代理人の身分証明書を持って、窓口で手続きをしてください。
コンビニで印鑑証明書を発行するには、マイナンバーカードが必要です。
マイナンバーカードの使用は本人に限られていますので、代理人はコンビニでの印鑑証明書の発行ができません。
印鑑登録は代理人でも可能ですか?
代理人が印鑑登録を行うのは可能ですが、自治体により要件が異なりますので必ず事前に確認するようにしてください。
2回窓口へ出向く必要があり、1回目に委任状を持参します。
後日、自治体から郵送で「照会書(回答書)」が本人の自宅に届きます。
代理人が照会書を持って、再度窓口に出向き、印鑑登録が完了となります。
会社設立時には税理士法人松本にご相談を
会社設立時には、決めなければいけない事柄ややるべき業務が多くあります。
税理士に会社設立サポートを依頼するイメージがないかもしれませんが、税のプロだからこそできるアドバイスがあります。
会社は設立がゴールではありません。
事業を継続し利益を出し続けていかなければいけませんので、会社設立時に決める項目が会社の命運を左右するといっても過言ではありません。
決算月はビジネスサイクルを考慮させれば、税負担を軽減させられる可能性があります。
役員報酬や資本金の金額は適切かを、プロの目線からサポートいたします。
会社設立時には、ぜひ税理士法人松本へご相談ください。
‐免責事項‐
当ブログのコンテンツ・情報について、できる限り正確な情報を提供するように努めておりますが、正確性や安全性を保証するものではありません。内容は記事作成時の法律に基づいています。当サイトに掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。
税務・労務等のバックオフィス支援から
経営支援まで全方位でビジネスをサポート
本気で夢を追い求めるあなたの会社設立を全力サポート
- そもそも個人事業と会社の違いがわからない
- 会社を設立するメリットを知りたい
- 役員報酬はどうやって決めるのか
- 株式会社にするか合同会社にするか
会社設立の専門家が対応させていただきます。
税理士法人松本の強み
- 設立後に損しない最適な起業形態をご提案!
- 役員報酬はいくらにすべき?バッチリな税務署対策で安心!
- 面倒なバックオフィスをマルっと支援!
- さらに会社設立してからも一気通貫で支援
この記事の監修者

税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。