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電気工事業で会社設立するために必要なことは?メリット・デメリットやポイントについても解説

読了目安時間:約 6分
電気工事業で会社を設立するには、会社員時代とは異なるスキルが求められます。
工事の技術力はもちろん重要ですが、営業力や経営スキルも同じくらい大切です。
どれほど優れた技術を持っていても、依頼を受けなければその能力を活かす場がないので、自ら積極的に顧客を開拓し、仕事を得る努力が不可欠です。
本記事では、電気工事業で会社を設立するために必要なことについて紹介していきます。
他にも「電気工事業で会社設立するメリット・デメリット」や「電気工事業で会社設立する際のポイント」についても解説していきます。
ぜひこの記事を参考にして、電気工事業で会社を設立するために必要なことについて理解を深めてみてください。
目次
電気工事業で会社を設立するために必要なこと

電気工事業で会社を設立するために必要なことについては、以下の3つが挙げられます。
- 実務経験と資格取得
- 資金の準備
- 登録電気工事業者の登録
それぞれの項目について解説していきます。
実務経験と資格取得
電気工事会社を立ち上げるには、まず電気工事士の資格を持っていることが必須条件になります。
しかし、資格を持っているだけでは開業できるわけではなく、実務経験の基準を満たす必要があります。
そのため、まだ資格を取得していない方はまず資格取得を目指すようにしましょう。
具体的な資格については、以下の2つが挙げられます。
- 電気工事士
- 認定電気工事従事者
それぞれの資格について解説していきます。
電気工事士
電気工事士については、第二種電気工事士と第一種電気工事士の2種類が挙げられます。
第二種電気工事士は、試験に合格するか、専修学校・専門学校・公共職業訓練施設などを修了することで取得できます。
この資格を持つと、600V以下の電圧を扱う電気工事が可能になるので、主に一般住宅や小規模な店舗・事業所での工事が対象です。
第一種電気工事士は、試験に合格するだけでなく、通算3年以上の実務経験が必要になります。
この資格を取得すると、最大500kW未満の電気設備に関わる工事が可能になり、ビル・工場・大型商業施設など、より大規模な現場での業務に携われます。
また、第一種電気工事士は、資格を維持するために5年ごとの「認定講習」を受講する必要があるので注意が必要です。
認定電気工事従事者
認定工事従事者は、第二種電気工事士の資格を持っていて、3年以上の実務経験を積むことで取得可能な資格です。
特別な試験はなく、申請によって得ることができ、事業用の建物で電気工事を行う際には、この資格が必須となります。
実際に、電気工事士の資格だけでは家庭向けの電気工事に限られ、事業用の設備には対応することはできません。
資金の準備
電気工事業で会社を設立するために必要なこととして、開業資金が挙げられます。
事業を順調に運営するためには、資金の確保が欠かせません。
個人でスタートする場合でも、設備投資や運営コスト、その他の経費をまかなうための資金が必要になります。
さらに、会社を設立時から従業員を雇う予定があれば、給与や福利厚生費などの人件費も考慮する必要があります。
最低限の設備で小規模に始めることも可能ですが、業務が軌道に乗り案件が増えてきた際に、必要な設備や人材が不足していると、スムーズな事業運営が難しくなってしまいます。
そのため、電気工事業を安定して継続するには、資金計画をしっかり立て、十分な準備を整えておくことが重要です。
一般的に法人として事業を運営する場合、500万円以上の資金があることが望ましいとされています。
しかし、事業の規模や方針によって必要な金額は変わるため、あくまで目安として考えておきましょう。
登録電気工事業者の登録
電気工事業で会社を設立をする際には、「電気工事業の適正化に関する法律」に基づき、事業者は都道府県に対して登録電気工事業者としての登録を申請する必要があります。
事業を開始する際には、速やかに登録手続きを済ませることが求められており、申請を後回ししないように注意しましょう。
しかし、電気工事を伴う業務であっても、家電製品の販売に付随する設置作業や軽微な工事、または他の業者に下請けとして工事を委託する場合は、登録電気工事業者の登録が不要です。
登録を行う際は、各都道府県の窓口で県知事登録申請を行う必要があります。
申請に必要な書類や手続きの詳細は自治体によって異なるので、事前に公式ホームページを確認するか、行政書士などの専門家に相談するとスムーズに進めることにつながります。
登録の有効期限は5年間であり、期限が切れる前に更新手続きを行う必要があるので、期限管理をしっかり行い、適切に手続きを進めるようにしましょう。
電気工事業で会社を設立するメリット

電気工事業で会社を設立するメリットについては、以下の3つが挙げられます。
- 自分のペースで仕事ができる
- 会社員よりも稼げる
- 業務内容需要が高い
それぞれのメリットについて解説していきます。
自分のペースで仕事ができる
電工事業で会社を設立するメリットとして、自分のペースで仕事ができることが挙げられます。
実際に、会社勤めをしていると、作業の進め方やスケジュールがあらかじめ決められており、自分の裁量で調整することは難しいのも事実です。
しかし、独立すれば、工期の範囲内であれば自分のペースで仕事を進めることができます。
例えば、2ヶ月間の工期が与えられた場合、その期間の前半で作業を完了させ、後半は自由に使うといった柔軟な働き方も可能になります。
さらに、仕事を自分で選べるため、スケジュール管理もしやすくなります。
しかし、自由度が高いからといって工期を守らないと信用を失ってしまうリスクがあるので、自己管理の意識を持つことが大切です。
会社員よりも稼げる
電気工事業で会社を設立をすれば、仕事の成果が直接収入に反映されるので、収入を増やすことも可能です。
特に、営業が成功し、高単価の仕事を受注できれば、さらに収入は上がります。
売上から経費を差し引いた金額が実際の収入となるため、経費を上手に計上すれば節税効果も期待できます。
このように、案件をうまく獲得できれば、会社員時代よりも高い収入を得ることも十分可能です。
業務内容需要が高い
電気工事業は、業務内容需要が高いメリットが挙げられます。
実際に、電気は普段生活に欠かせないインフラの一つです。
実際に、住宅やオフィス、工場などあらゆる建物で電気が必要とされるため、電気工事の仕事がなくなることはほとんどありません。
新しく建てられる建物だけでなく、老朽化した建物のメンテナンスや電気設備の修繕も重要な業務です。
特に近年は自然災害が増えており、被災地での電力復旧作業も電気工事の役割として求められています。
また、独立すれば自分で仕事を選ぶことができ、依頼が続く限り安定して働くことが可能です。
そのため、電気工事の仕事は将来性のある職業の一つと言えます。
電気工事業で会社設立するデメリット

電気工事業で会社を設立するデメリットについては、以下の4つが挙げられます。
- 自分で営業が必要になる
- 豊富な経験や資格取得が必要になる
- 収入が不安定になる
- 事務作業の手間がかかる
それぞれのデメリットについて解説していきます。
自分で営業が必要になる
電気工事業で会社設立後に安定して仕事を受注するためには、自分で積極的に営業活動を行う必要があります。
実際に、会社員として働いている間は、与えられた仕事をこなすことができますが、独立するとすぐに案件が得られるとは限りません。
そのためにも、会社に所属している間に取引先や関係者へ独立の予定を伝え、信頼関係を築いておくことで独立後の仕事獲得につながります。
また、営業は一つの企業や個人に限定せず、幅広くアプローチすることが重要です。
しかし、独立後は業務をこなしながら営業も並行して行わなければならず、負担が大きくなってしまうので注意が必要です。
豊富な経験や資格取得が必要になる
電気工事で独立するには、資格の取得や実務経験が欠かせません。
電気工事は感電などのリスクを伴う作業のため、専門知識を学び、現場での経験をしっかり積んでおくことが重要です。
また、独立後に安定して仕事を獲得するには、電気工事士としての信頼を築くことが不可欠です。
実績が乏しいと顧客を獲得するのが難しくなるため、会社勤めをしている間に開業に役立つ資格をできるだけ取得し、自分の技術力や経験を高めておくことをおすすめします。
独立後にさらなる資格取得を目指すことも可能ですが、実際には事務作業や経営管理にも時間を割かれるため、勉強の時間を確保するのが難しくなることがあります。
このように、スムーズに会社設立ができるよう、事前の準備をしっかり整えておくようにしましょう。
収入が不安定になる
電気工事業で会社を設立すると、毎月決まった給与や安定した収入を得るのが難しくなるリスクがあります。
実際に、仕事の受注状況によって収入が大きく変わるため、経済的な不安を感じるケースが多くなるのも事実です。
特に、季節による業務量の増減、景気の影響による案件の変動、競争相手との受注争いなどが収入の変動要因となります。
こうした不安定さに対応するためには、万が一に備えた貯蓄をしておくことや、取引先を複数確保し、安定的に仕事を得られる環境を整えることが大切です。
事務作業の手間がかかる
電気工事士として独立すると、実際の業務以外にも、事務的な業務もこなす必要があるので、これまで関わる機会が少なかった分野にも、自ら取り組む必要があります。
特に経理業務は幅広く、資金管理や請求・支払いの処理、金融機関とのやり取りなどが含まれます。
さらに、確定申告も自分で対応することが求められます。
日々の入出金管理を会計ソフトなどを活用してこまめに処理しておけば、後になって慌てることがなくなります。
仕事の忙しさを理由に後回しにせず、日々の管理を習慣化することが重要です。
電気工事業で会社を設立する際のポイント

電気工事業で会社を設立する際のポイントについては、以下の3つが挙げられます。
- 資金を十分に確保しておく
- 営業の経験をしておく
- なるべく多く実務経験を積む
それぞれのポイントについて解説していきます。
資金を十分に確保しておく
電気工事業で会社を設立する際のポイントとして、資金を十分に確保しておくことが重要です。
十分な資金を確保せずに独立すると、資金繰りに苦しむ可能性が高くなります。
独立後すぐに以前の給与と同等の収入を得るのは難しいのが現実です。
そのため、少なくとも半年分の生活費を貯めておき、仕事が思うように取れなくても生活に支障が出ないように備えておくことが大切です。
営業の経験をしておく
電気工事業で会社を設立する際のポイントとして、営業の経験をしておくことも重要です。
会社設立後は自ら仕事を取る営業力が必要になるのはもちろん、人脈の広さと新規顧客の開拓力も重要なポイントになります。
まず、人脈については、独立前に勤務していた会社で関わった取引先や顧客との関係を大切にするようにしましょう。
実際に、独立時にどれだけ強固な人脈を築いているかが、事業の安定に大きく影響します。
一方、新しい顧客を獲得するためには、自ら積極的に行動することが求められます。
必要とされる企業や個人に直接アプローチし、電話をかけたり訪問したりして仕事を提案することが大切です。
なるべく多く実務経験を積む
電気工事業で会社設立を目指すなら、資格の取得や実務経験が欠かせません。
全くの未経験では収入を得るのは難しいため、まずは会社に勤めながら技術や知識をしっかりと身につけることが大切です。
さらに、将来的にスムーズに独立するためにも、営業や経理といった経営に関する知識を学んでおくようにしましょう。
電気工事業で会社設立を視野に入れよう!

今回は、電気工事業で会社を設立するために必要なことについて紹介しました。
電気工事業で会社を設立するには、技術や経験を積むだけでなく、営業スキルや資金の確保といった準備が欠かせません。
会社員時代を超える収入を得ることができたり、自分のペースで仕事ができるメリットも挙げられます。
今回の記事を参考にして、しっかりと準備を整えて、電気工事業で会社設立を実現させましょう。
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この記事の監修者

税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。