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【2025年最新版】法人化するときに利用できる補助金をご紹介!

読了目安時間:約 6分
法人化をして、より事業を拡大したいと考えている場合、金融機関に対し融資を申し込むケースは少なくありません。しかし、融資は返済しなければならないお金であり、融資を借り入れると金利分の返済義務も生じます。そのため、融資を借り入れた後に、融資の返済が収益を圧迫する恐れもあります。一方、補助金は返済義務のないお金となるため、法人化をする場合に利用できる補助金があれば、積極的に活用すべきでしょう。
では、法人化の際に利用できる補助金にはどのようなものがあるのでしょうか。今回は、法人化の際に利用できる補助金やその申し込み方法、利用時の注意点などについてご説明します。
補助金と助成金は何が違う?
法人化の際に利用できる補助金についてご紹介する前に、補助金と似た言葉である助成金との違いについてご説明しましょう。補助金や助成金も、国や地方自治体などが特定の事業を営む事業者に対して資金を提供する支援制度です。補助金も助成金も、原則として返済の義務は生じません。では、補助金と助成金は何が違うのでしょうか。
補助金とは
補助金とは、国や地方自治体が打ち出した政策目標に合わせて、要件に該当する事業者の取り組みをサポートするために支給されるお金のことです。補助金は、公的な資金から支出されるお金であるため、当然、誰でも補助金を受けられるわけではありません。補助金には受給のための審査があり、一定期間の公募期間を設け、その間に申請をした事業者の中から、補助金の支給対象となる事業者を選ぶケースが一般的です。審査にあたっては、提出された事業計画書の内容が大きく影響するため、補助金の支給を希望する場合には、綿密な事業計画書の作成が必要になります。
補助金額や補助率もさまざまですが、比較的高額な補助金を受けられるものも多く、補助金の採択予定件数よりも多くの事業者が申請をすることがほとんどです。そのため、補助金の受給のハードルは高くなっています。
助成金とは
助成金も補助金と同様に、国や地方自治体が要件を満たす事業者のサポートを目的に資金を提供する支援制度です。助成金は、雇用に関するためのものや研究開発を支援する目的のものが多く なっています。助成金の額は補助金と比べると低くなる傾向にあるものの、補助金のような審査は行われないことが多く、要件を満たすことで支給の対象となるケースも少なくありません。そのため、補助金に比べると受給のハードルは低くなるといえるでしょう。
法人化の際に利用できる補助金
法人化の際に利用できる主な補助金には、次のようなものがあります。

法人化で利用できる補助金制度①小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者を対象に、持続的な経営の実現に向け、販路開拓等の取り組み、業務効率化の取り組みを支援することを目的に、その費用の一部を補助する制度です。
中小企業庁は、令和6年度補正予算案(中小企業・小規模事業者関連予算)を発表し、2025年も小規模事業者持続化補助金の公募を行うことを発表しています。しかしながら、現時点では2025年の小規模事業者持続化補助金の概要は発表されていないため、ここでは2024年の内容をご紹介します。
小規模事業者持続化補助金の類型
小規模事業者持続化補助金には、通常枠のほか、特別枠として賃金引き上げ枠、卒業枠、後継者支援枠、創業枠の5つがあります。まず、通常枠は、小規模事業者自らが作成した経営計画に基づき、商工会議所の支援を受けながら行う販路開拓等の取り組みを支援するものです。また、創業枠は、過去3年間の間に特定創業支援事業による支援を受けた小規模事業者を対象とした補助金です。
そのほか、賃金引き上げ枠は販路開拓の取り組みに加え、事業場内の最低賃金が、地域別の最低賃金より50円以上高い小規模事業者を対象としています。また、卒業枠とは、販路開拓に加え、小規模事業者の枠を超えた従業員を雇用し、事業を拡大する小規模事業者を対象としたものです。後継者支援枠は、アトツギ甲子園のファイナリストまたは準ファイナリストに選ばれた小規模事業者が対象となっています。
小規模事業者持続化補助金の補助額
通常枠の補助率は、販路開拓に必要な経費の2/3、補助上限額は50万円です。一方、創業枠、賃金引き上げ枠、卒業枠、後継者支援枠の場合、補助率は2/3と一般枠と変わりませんが、補助上限額は200万円となっています。
申請できる補助金は、通常枠、特別枠のいずれか1つの枠のみに限定されます。また、免税事業者から適格請求書発行事業者に転換する小規模事業者に対して、補助上限枠に一律50万円を上乗せするインボイス特例も用意されています。
小規模事業者持続化補助金の申し込み方法と注意点
小規模事業者持続化補助金は、電子申請システムのみで受け付けています。また、電子申請システムを利用するためには、GビズIDプライムまたは、GビズIDメンバーのアカウントの取得が必要です。アカウントを取得するまでには、数週間程度の時間がかかるため、補助金申請時に慌てることのないよう、早めにアカウントを取得しておくようにしましょう。
法人化で利用できる補助金制度②ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金は、中小企業庁及び独立行政法人中小企業基盤整備機構が実施する「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助事業」による補助金の制度です。
「ものづくり補助金」とも呼ばれるこの補助金制度も、法人化に際して利用を検討したい補助金だといえるでしょう。ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者が今後数年にわたって起こる制度変更に対応し、生産性向上に役立つ革新的な新製品や新サービスの開発、海外事業や委託を行う事業のために、必要な設備投資などの経費の一部を補助する事業です。2025年は、4月11日から第19次公募の申請受け付けがスタートします。第19次公募では「製品・サービス高付加価値化枠」「グローバル枠」の2つの補助対象事業枠が用意されています。
製品・サービス高付加価値化枠の概要と補助額
製品・サービス高付加価値化枠は、革新的な新製品・新サービス開発の取り組みに必要な設備投資や、システム投資などを支援するものです。単に設備やシステムを導入するだけの場合は、補助金の対象事業に該当せず、新製品や新サービスを開発することが必要条件となります。また、既に普及している製品やサービスの開発は、補助対象事業とはなりません。
補助対象となるのは、機械装置・システム構築費のほか、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費も含まれます。
補助上限額は、従業員数によって次のように定められています。なお、補助下限額は100万円です。
・従業員数5人以下 750万円
・従業員数6~20人 1,000万円
・従業員数21~50人 1,500万円
・従業員数51人以上 2,500万円
補助率は、中小企業は1/2、小規模企業・小規模事業者・再生事業者は2/3です。
グローバル枠の概要と補助上限額
グローバル枠では、海外事業を実施する企業に対し、国内の生産性を高める取り組みに必要な設備投資やシステム投資などを支援します。機械装置・システム構築費のほか、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費も補助対象経費となります。また、海外市場開拓(輸出)に関する事業を行う場合は、海外旅費や通訳・翻訳費、広告宣伝・販売促進費も補助対象に認められます。
補助上限額は、企業規模にかかわらず3,000万円、補助下限額は100万円です。
補助上限・補助率引き上げの特例措置
大幅な賃上げに取り組む事業者については、補助上限枠に達している場合でも、従業員数の規模に応じて補助上限額が100万円~1,000万円引き上げられます。また、最低賃金の引き上げに取り組む中小企業は、補助率が2/3にまで引き上げられることとなります。
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金の申し込み方法と注意点
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金も、小規模事業者持続化補助金と同様、電子申請のみで受け付けを行っています。そのため、GビズIDまたはGビズIDプライムアカウントがなければ、申請ができません。法人化後、補助金の申請を検討しているのであれば、早めにアカウントを取得し、準備をすすめておきましょう。
法人化で利用できる補助金制度③IT導入補助金
IT導入補助金とは、中小企業・小規模事業者等の労働生産性の向上を目的として、業務効率化やDXに向けたITツールの導入費用を支援する補助金制度です。導入するITツールだけでなく、クラウドサービス利用費やサポート費用なども補助対象に含まれます。ただし、補助金の申請をするためには、IT導入補助金事務局に登録されたIT導入支援事業者と、パートナーシップを組まなければならない点に注意が必要です。
IT導入補助金の申請枠
IT導入補助金の申請枠には「通常枠」「インボイス枠(インボイス対応類型)」「インボイス枠(電子取引類型)」「セキュリティ対策推進枠」「複数社連携IT導入枠」の5つがあります。
通常枠は、在庫管理システムや決済ソフト等、事業のデジタル化を目的としたソフトウェアやシステムの導入を支援するものです。インボイス枠(インボイス対応類型)は、インボイス制度に対応した会計ソフトや受発注ソフト、決済ソフト、パソコンなどの導入を支援します。インボイス枠(電子取引類型)は、インボイス対応の受発注システムの、商流単位での導入をサポートするものです。
また、セキュリティ対策推進枠は、ネットワーク監視システムの導入など、サイバーインシデントのリスクを低減するシステムの導入をサポートします。複数社連携IT導入枠とは、複数の中小企業・小規模事業者が連携して、地域DXや生産性の向上を図るデータ分析システムの導入などをサポートする補助金です。
IT導入補助金の補助額と補助率
IT導入補助金の補助額や補助率は、補助枠によって変わってきます。
・通常枠
機能要件が1プロセス以上の場合、補助額は5万円~150万円未満、4プロセス以上の場合は150万円~450万円以下となり、補助率は1/2以内です。ただし、3ヶ月以上、地域別最低賃金+50円以内で雇用している従業員が全従業員の30%以上である場合には、補助率が
2/3以内になります。
・インボイス枠(インボイス対応類型)
ITツールの場合の補助額は350万円まで、うち50万円部分は会計・受発注・決済のうち1機能以上備えているもの、うち50万円超~350万円部分については、会計・受発注・決済のうち2機能以上備えているものと決められています。それぞれの補助率は3/4以内(小規模事業者は4/5以内)、2/3以内です。
また、PC・タブレット等の購入費に対する補助額は10万円、レジ・券売機の導入に対する補助額は20万円まで、補助率1/2以内となっています。
・インボイス枠(電子取引類型)
補助額上限350万円、補助率は中小企業・小規模事業者等が2/3以内、その他の事業者等が1/2以内です。
・セキュリティ対策推進枠
補助額5万円~150万円、補助率1/2以内(小規模事業者は2/3以内)となっています。
・複数社連携IT導入枠
インボイス対応類型の要件に属する経費は、インボイス枠(インボイス対応類型)の補助額や補助率と変わりません。また、複数社連携IT導入枠特有の経費については、消費者動向等分析経費の補助額が50万円×グループ構成員数(補助率2/3以内)、代表者が参画・事業者を取りまとめるために必要な事務費や外部専門家謝金、旅費などの補助額は、インボイス対応類型の要件に属する経費と消費動向等分析経費を加えた費用の10%、補助率2/3以内、補助上限額200万円です。
IT導入補助金の申請方法と注意点
IT導入補助金も、電子申請のみで受け付けを行っています。そのため、GビズIDまたはGビズIDプライムアカウントを早めに準備しておくようにしましょう。
まとめ
法人化にあたっては何かと費用がかかります。そのため、返済義務のない補助金を利用できるのであれば、積極的に活用した方がよいでしょう。
しかし、補助金の申請には事業計画書をはじめ、さまざまな書類の提出が必要であり、手間がかかります。また、申請したからといって必ず審査に通過できるわけではありません。さらに補助金の多くは、補助金の要件に沿った費用を支出した後に支給されます。
したがって、法人化にあたって補助金の申請をする際には、上にご紹介したような注意点をしっかり理解したうえで申請をすることが大切です。
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この記事の監修者

税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。