2024.10.25

会社設立

会社設立するのに縁起の良い日は?節税対策もしながらベストな日を選ぶ

この記事の監修者

松本 崇宏

税理士法人松本 代表税理士

松本 崇宏(まつもと たかひろ)

お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。

会社を設立する際には、多くの人が縁起の良い日を選びたいと考えるでしょう。

末永く愛される企業としての第一歩を踏み出すのであれば、より良い日を会社設立日としたいものです。

会社設立に向いている、暦の上で縁起が良いといわれている日はいつなのでしょうか。

また節税といった観点からも、会社設立におすすめの日があるのでお伝えしていきます。

会社の設立日は1度決めたら変更できず、将来的にも意義のあるものとなっていくはずです。

どのような日を会社設立日とするべきか、考えていきましょう。

会社設立日とは登記申請をした日

会社設立日とは、登記申請をした日です。

登記申請から完了までには3日から1週間程度の時間がかかりますので、登記完了日は予測しにくいです。

そのため登記完了日は選びにくいですが、登記申請日であれば自分で日付を選べます。

法務局が開いている平日であれば、いつでも好きな日を選べます。

今後の会社経営が順風満帆に進むよう、縁起の良い日を選んで会社設立日としましょう。

会社設立に縁起の良い日とは

会社設立に縁起の良い日は、いくつかあります。

より高いご利益が得られるよう、これらの縁起日を会社設立日選びの参考にするといいでしょう。

  • 一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)
  • 天赦日(てんしゃにち/てんしゃび)
  • 寅の日(とらの日)
  • 六曜(ろくよう/りくよう)の大安
  • 十刊十二支(じゅっかんじゅうにし)

一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)

一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)とは、会社設立に限らず、何を始めるにも縁起の良い日とされています。

一粒の籾(もみ)から何倍ものお米が収穫できる様を例えた言葉で、わずかなものが飛躍的に増えるという意味があります。

一歩踏み出すスタート日に最適とされており、結婚や告白、買い物や引越し、投資などで一粒万倍日を選ぶ人もいます。

ただし悪い事柄も万倍となって返ってくるといわれていますので、喧嘩や借金などのトラブルには注意しましょう。

天赦日(てんしゃにち/てんしゃび)

天赦日(てんしゃにち/てんしゃび)とは、神様が天に昇り、天がすべてをゆるす日とされています。

日本の暦の上では最大の吉日といわれており、この日に始めた物事は成功するとされています。

天赦日は1年に数日しかない縁起日で、一粒万倍日と重なった場合は最強の開運日といえるでしょう。

寅の日(とらの日)

寅の日(とらの日)とは、この日に旅立つと無事に戻ってくるという言い伝えがある日です。

「虎は千里往って千里還る」ということわざがあり、
1日で千里の遠くに出かけて帰ってこれるという意味で、勢いの盛んな例えとして用いられます。

旅行の出発日として大吉日とされていますが、特に金運に縁がある金運招来日ともされています。

お金に縁のある吉日なので、会社設立日としても縁起の良い日であるといえるでしょう。

六曜(ろくよう/りくよう)の大安

縁起の良い日として大安がありますが、大安は六曜
(ろくよう/りくよう)という毎日の吉凶を占う考え方からきています。

六曜には、先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口の順で6種類の「曜」があり、カレンダーに記されている場合もあります。

大安は、大いに安しという意味があり、何をするにも良い日であるとされています。

十刊十二支(じゅっかんじゅうにし)

干支(えと)は日本人にとって馴染みのある言葉ですが、十二支だけではありません。

古代中国暦法上の用語としては、十干と十二支を合わせた十刊十二支(じゅっかんじゅうにし)というものがあります。

十刊は10種類あり、十二支の12種類とかけ合わせると六十日周期が考え方のベースになります。

この十刊十二支から、以下のような縁起の良い日を会社設立日に選ぶという場合もあります。

甲子の日

甲子の日(きのえねの日/こうしの日/かっしの日)とは、十刊十二支の六十日周期で数えた時に1番最初に来る日です。

物事を始めると長続きする日、何かを始めると良い運気の流れに乗れる日といわれています。

金運・財運・商売繁盛をもたらす大黒天と縁のある日でもあるとされています。

巳の日

巳の日(みの日)は、弁財天との結びつきが強く、金運が上昇する日とされています。

十二支での巳年はへび年となりますが、へびは金運の象徴としても知られる動物です。

金運のご利益を得たいと願って、巳の日を会社設立日に選ぶ方もいます。

己巳の日

己巳の日(つちのとみのひ)は、巳の日と十干の己
(つちのと)が重なる日で、巳の日よりも金運が上昇する日です。

この日に銭洗いをする人もいるほど、六十周期の中では金運アップの縁起日とされています。

弁財天へのお参りや銭洗いに良い日とされていますが、お金を貸すというような金運がダウンする行為は控えましょう。

また弁財天は女神で嫉妬深いため、結婚や入籍は不向きとされています。

会社設立日を決めるポイント

縁起の良い日を会社設立日に選ぶのは重要ですが、他にも意識したいポイントがあります。

節税や決算といった側面からも、適切な会社設立日を検討していきましょう。

  • 消費税で損をしないか
  • 所得税で損をしないか
  • 住民税で損をしないか
  • 決算日を考慮する
  • 愛着が持てる日を選ぶ

消費税で損をしないか

消費税での節税を考えると、免税期間を最大限活用するのが重要となります。

免税期間とは消費税納税の義務がない免責事業者である期間を指しており、2期前の売上で決定します。

資本金が1,000万円未満の会社が設立して2年間は消費税の納税が免除されることになっていますが、これは2年前の売上が存在しないためです。

会社を設立して事業開始までに時間がかかるとその分、免税事業者である期間が事実上短くなるため、免税のメリットが受けられなくなってしまいます。

会社設立日と事業開始日を同日にすれば、免税のメリットを受けられ、節税につながります。

所得税で損をしないか

個人事業主であれば所得税を納税しますが、法人になると法人税を納税していくことになります。

個人かかる所得税と、法人にかかる法人税には税率差があります。

法人税は一律23.40%という税率がかかりますが、個人にかかる所得税は900万円を超えると33%なり、所得が高くなると法人税の方が税率が低くなっていきます。

会社設立日を調整し、所得控除の計算をしながら、
法人税と所得税を調整すると節税につながります。

住民税で損をしないか

会社設立をした1年目だけになりますが、住民税の節税も可能です。

法人税の地方税の一種類に均等割というものがあり、多くの自治体では70,000円となっています。

月割計算を行うものではありますが、1ヶ月の内で1日でも欠けると1ヶ月とカウントしない決まりになっています。

事業年度開始日を月の2日にすれば、その月はカウントされませんので、1ヶ月分の5,900円を節税できることになります。

決算日を考慮する

資本金が1,000万円未満の新設会社は、1期と2期で免責事業者となり消費税がかかりません。

つまり会社設立日と決算日をできるだけ離すと、それだけ節税効果があると考えられます。

3月31日が決算日なのであれば、4月に会社を設立するといいでしょう。

会社設立する月は企業規模によっても異なります。

例えば個人事業主であれば12月までは個人事業主として運営し、翌1月から法人にするとスムーズです。

大企業は3月が決算となるので、4月に会社を設立すると取引先とのやり取りがしやすくなります。

一方、ベンチャーや中小企業では税理士や公認会計士の確保のために、会社設立で4月をわざと外すという方法もあります。

愛着が持てる日を選ぶ

会社の決算月は設立後でも変更可能ですが、会社設立日は変更できません

縁起や節税といった理由で会社設立日を決めるのもいいですが、「愛着が持てる日」「お客様に覚えてもらいやすい日」という決め方もひとつの選択肢といえます。

  • 代表者の誕生日
  • 家族の誕生日
  • 語呂がいい日
  • ゾロ目の日付
  • 行事の日

代表者や家族、ペットの誕生日は、愛着がある日として会社設立日の候補となります。

また語呂合わせができる日やゾロ目の日付などは、会社の事業内容に合わせたものにすると、お客様にも覚えてもらいやすいでしょう。

会社設立で縁起が悪い日とは

会社設立日に向いている日があれば、向いていない日もあります。

暦の上で会社設立日に向いていない、縁起の悪い日も確認しておきましょう。

  • 不成就日(ふじょうじゅび/ふじょうにち)
  • 仏滅

不成就日(ふじょうじゅび/ふじょうにち)

不成就日(ふじょうじゅび/ふじょうにち)は、何をやっても成就しない日とされています。

何かをスタートさせるには不向きですし、悪い結果を招く日ともいわれています。

会社設立に向かないだけでなく、何かの契約にも適さない縁起の悪い日なので、事業をする上で覚えておくといいでしょう。

仏滅

仏滅(ぶつめつ)は六曜のひとつで、何をするにも凶とされています。

結婚や入籍といったお祝い事を避ける人が多く、会社設立にも不向きな日であるといえます。

災難やトラブルが起こりやすい日といわれており、何事も控えた方が無難な日となります。

確実に決めた日を会社設立日にするために

会社設立日をしっかり考えたとしても、きちんと計画をたてておかないと登記申請できなくなってしまうかもしれません。

確実に希望日に登記申請ができるように、準備をしておきましょう。

  • 設立日から逆算して準備する
  • 郵送の場合の注意点
  • 法務局が開いている日を選ぶ

設立日から逆算して準備する

登記申請に必要な書類は約10種類あります。

中でも定款(ていかん)は公証人による認証を受けなければいけませんので、作成に時間がかかります。

また書類を集めて申請したとしても、不備があると指し戻されてしまいます。

希望日に会社設立できるよう、設立日から逆算して準備をしておきましょう。

郵送の場合の注意点

会社設立の登記申請方法は、3種類あります。

  1. 法務局に持ち込む
  2. オンライン申請
  3. 郵送

直接、法務局に持ち込む方法であれば確実ですし、オンライン申請も大きなトラブルがなければスムーズに申請できるでしょう。

問題は郵送をする場合で、郵送をすると法務局に届く日は翌日以降となります。

誤って当日に郵送をしてしまうと、会社設立日がズレてしまいますので注意しましょう。

法務局が開いている日を選ぶ

会社設立のための登記申請は、会社の本店所在地を管轄する法務局に申請します。

法務局は平日しか開いておらず、また窓口対応時間は夕方17時までの場合が多いです。

休日や祝日には登記申請ができませんので、法務局が開いている日を会社設立日として選ぶようにしましょう。

縁起良い日に関するよくある質問

会社設立に縁起の良い日を選ぶ際のよくある質問をまとめました。

  • 六曜の友引に会社を設立してもいいですか?
  • 縁起の良い日にやってはいけないことはありますか?
  • 不成就日と大安が重なったらどうすればいいですか?

六曜の友引に会社を設立してもいいですか?

六曜を縁起の良い順に並べると、「大安・友引・先勝・先負・赤口・仏滅」となります。

大安の次が友引なので、比較的縁起の良い日だと捉えている方も多いでしょう。

しかし友引は、何をしても良くも悪くもならない日とされています。

縁起の良い日を会社設立日にしたいと考えているのであれば、他の候補日を検討するといいでしょう。

縁起の良い日にやってはいけないことはありますか?

一粒万倍日などの縁起の良い日は、トラブルや苦労も倍になると考えられています。

そのため喧嘩や悪口、無駄遣いといった好ましくない事柄はしないように注意しましょう。

また入院も長引く可能性がありますので、万倍になってほしくないと思う事柄は避けるようにすると無難です。

不成就日と大安が重なったらどうすればいいですか?

縁起が良いといわれる日が重なる場合もありますし、縁起が悪い日と重なる場合もあります。

「不成就日と大安」「不成就日と一粒万倍日」というような組み合わせの日は、不成就日を優先して考えるのが一般的です。

そのため一粒万倍日であっても、不成就日と重なっている場合は、会社設立日にしない方がいいと考えられます。

縁起の良い日に会社設立できるように

暦の上で縁起が良いといわれている日はいくつかあります。

またこれらの日は毎年異なりますので、最新のカレンダーでチェックしながら、会社の設立日に合う日を考えていきましょう。

法務局に登記申請をするためには、書類等の準備も必要になります。

逆算して準備をして、希望日に登記申請ができるよう準備していきましょう。


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