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会社設立
会社設立時に消費税免税になる?消費税免税を最大限に活用する方法についても徹底解説
この記事の監修者
税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。
新しく会社を設立すると、基本的には最初の2年間において消費税の支払い義務が免除されます。
しかし、特定の条件を満たした場合には、この免除は適用されず、設立初年度から消費税を納める必要があるので、その点には注意が必要です。
本記事では「会社設立時に消費税免税になる?」について紹介します。
他にも「会社設立時に消費税免税にならないケース」や「会社設立後に消費税免税を最大限に活用する方法」についても解説していきます。
ぜひこの記事を参考にして、会社設立時に消費税免税になるかどうかについて理解を深めてみてください。
会社設立時に消費税免除になる?
会社を設立してから最長で2年間は消費税の支払いが免除されることが一般的です。
しかし、例外的なケースも存在しており、事前に確認しておかないと消費税の課税対象となる可能性があるので注意が必要です。
代表的な例外としては、資本金が1,000万円を超える場合や、特定新規設立法人に該当する場合が挙げられます。
具体的に、会社設立時に消費税免税になる理由については、以下の2つが挙げられます。
- 基準期間がない
- 個人事業主と法人の別
それぞれの理由について解説していきます。
基準期間がない
会社設立時に消費税免除になる理由として、基準期間が存在しないことです。
基準期間とは、納税義務があるかどうかを判断するための期間のことを指し、法人の基準期間は通常、2期前の事業年度に該当します。
例えば、4月1日から翌年3月31日までを事業年度とした場合、2024年度における2期前の期間は2022年4月1日から2023年3月31日までとなります。
この期間が、法人として納税義務があるかどうかを判断するための基準となります。
このように、基準期間がない場合、最長で2年間は「基準期間がない法人に対する納税義務の免除特例」が適用され、特定の例外に該当しない限り、消費税の納税義務が免除されることになります。
個人事業主と法人の別
会社設立時に消費税免除になる理由の一つとして、個人事業主と法人の事業期間は別個に扱う必要があるからです。
同一人物が経営していたとしても、個人事業主と法人は法律上別の存在とみなされます。
そのため、個人事業から法人化したとしても、これらはそれぞれ独立した事業体と見なされます。
例えば、個人事業主として1,000万円以上の課税売上高を達成し、課税事業者であったとしても、その地位は法人には引き継がれることはありません。
このように、以前の基準期間が存在しないので、最大で2年間は消費税の課税を免れることができます。
会社設立時に消費税免税にならないケース
会社設立後、通常は最長で2年間は消費税免除される仕組みがありますが、いくつかの例外が存在するのも事実です。
どのような条件やケースが消費税の課税対象となるか、事前に把握しておくことが重要です。
具体的な会社設立時に消費税免税にならないケースについては、以下の3つが挙げられます。
- 資本金が1,000万円を超えている
- 特定新規設立法人を設立した
- 消費課税税務事業者選択届出を提出している
それぞれのケースについて解説していきます。
資本金が1,000万円を超えている
資本金が1,000万円を超える法人は、「基準期間がない法人に対する納税義務の免除の特例」の対象外になるので、設立初年度から消費税を納める義務があります。
例えば、法人成りした際に資本金が1,500万円の場合、その法人は設立初年度から消費税の課税対象となります。
このように、資本金を1,000万円以下に設定できれば、最長2年間は消費税の免除が可能になるので、会社設立を検討する際には、資本金の額にも注意を払うことが大切です。
特定新規設立法人を設立した
特定新規設立法人を設立した場合には、会社設立時に消費税免税にはなりません。
特定新規設立法人とは、資本金が1,000万円以下であり、以下の2つの条件を満たす新しく設立された法人のことを指します。
- 他者が株式などの50%を超える割合を直接的または間接的に所有している
- 他者、またはその者と密接な関係にある法人のいずれかが設立した法人で、その基準期間に相当する期間において課税売上高が5億円を超えている
上記の「他者」とは、親族や完全に支配されている法人が含まれます。
具体例として、課税売上高が5億円を超える企業が、その子会社として50%以上の株式を保有する法人を新たに設立した場合、その法人は特定新規設立法人に該当します。
このように、出資者や関係法人の規模や影響力によって、特定新規設立法人になる場合があります。
消費課税税務事業者選択届出を提出している
事業が法人化した際に、消費税の免除対象であっても「消費税課税事業者選択届出書」を提出している場合は、課税事業者となり、会社設立時に消費税免税にはなりません。
消費税課税事業者選択届出書は、本来なら消費税が免除される事業者が自ら課税事業者となるために必要な書類です。
例えば、法人化した際にこの届出書を提出していれば、初年度から消費税の課税事業者として扱われます。
届出書を提出する理由として、以下の2つのケースが挙げられます。
•取引で受け取る消費税額よりも、支払う消費税額の方が多いケース
•インボイス制度が導入されたため、課税事業者を選ぶ必要があるケース
法人化したばかりで仕入れが多く、売上が少ない状況では、消費税の還付を受けられる可能性があります。
この還付を受けられるのは課税事業者だけなので、その状況に応じて課税事業者を選択することがあるのです。
ただし、課税事業者になるべきかどうかの判断は難しいため、税理士などの専門家と相談することをおすすめします。
会社設立後に消費税免税を最大限に活用する方法
会社設立後に消費税免税を最大限に活用する方法を把握することで、会社設立を考える際にどのようなポイントに注意すべきかを確認し、計画を進める上での参考にすることができます。
具体的に、会社設立後に消費税免税を最大限に活用する方法については、以下の3つが挙げられます。
- 資本金を1,000万円以下に抑える
- 1期目をなるべく長く設定する
- 個人事業主3期目に法人成りをする
それぞれの方法について解説していきます。
資本金を1,000万円以下に抑える
会社設立後に消費税免税を最大限に活用する方法として、資本金を1,000万円以下に設定することが重要です。
しかし、資本金は企業の信用力や融資の可否にも影響を与えてしまうので、注意深く設定するようにしましょう。
例えば、資本金が少なすぎると企業の信用度が低くなり、思うように融資を受けられないリスクが挙げられます。
このように、消費税の免除を有効に活用することは重要ですが、資本金の額を決める際にはそれだけでなく、会社の信用力や将来の計画も十分に考慮する必要があります。
1期目をなるべく長く設定する
1年以内であれば事業年度を自由に設定できるので、1期目を長めに設定することで、消費税の免除期間を延ばすことが可能です。
例えば、4月1日に会社を設立し、決算期を12月に設定した場合、2期目まで消費税の免除が適用されても、その期間は合計で約1年9か月となります。
一方で、会社設立日からちょうど1年後を決算期に設定することで、2年間は消費税の納税義務が免除されることになります。
個人事業主3期目に法人成りをする
個人事業主の3期目に法人成りをすることで、最長で4年間にわたり消費税の納税義務が免除されます。
個人事業主にも法人と同様に基準期間が設定されており、個人事業主の場合、基準期間は事業開始から2年後が基準となり、その間は消費税の免税対象となります。
最初の2年間は基準期間が存在しないので、免除特例が適用されます。
この特例を利用し、個人事業主としての免税期間と法人化後の免税期間を組み合わせることで、最大4年間の消費税免除が可能です。
しかし、消費税免除だけを理由に法人化を決断するのは適切ではなく、売上や事業の成長状況など、他の要素も考慮に入れることも重要です。
会社設立時に弁護士と顧問契約するメリット
会社設立時に弁護士と顧問契約するメリットについては、以下の3つが挙げられます。
- 会社設立の手続きを一任できる
- 資金繰りなどの相談ができる
- 徹底したサポートを受けられる
それぞれのメリットについて解説していきます。
会社設立の手続きを一任できる
会社設立時に弁護士と顧問契約するメリットとして、会社設立の手続きを一任できるので、事業に集中することができます。
法人成りをすると、個人事業主の時とは異なり、会計処理や決算公告の作成、資金調達などの業務が大幅に増加するのも事実です。
これらの業務を社内で対応する場合、日常の経営に追われ、会社の成長に向けた戦略的な取り組みまで手が回らなくなるケースも少なくありません。
具体的に、税理士には以下のような業務を一任することが可能です。
- 毎月の記帳作業
- 決算書や申告書の作成
- 会計ソフト導入の支援
- 資金調達のサポート
毎月の記帳や決算書・申告書の作成などの業務を減らすことで、経営に集中できる時間を大幅に増やすことができ、より迅速に会社を成長させることにつながります。
資金繰りなどの相談ができる
会社設立時に税理士と顧問契約することで、資金繰りなどの相談ができます。
法人化すると、その責任の重さが一層増し、会社の未来を左右するような重要な決断を何度も迫られることになります。
また、経営者は社員と異なる立場にあるので、抱える課題や悩みを気軽に相談できる相手が見つからず、自然と孤独感を抱くことも少なくありません。
しかし、信頼できる税理士がそばにいれば、その悩みを共有し、共に会社を成長させるパートナーとしての役割を果たしてくれます。
このように、税理士と協力することで、経営者は「この状況でどうすべきか」と一人で悩む時間が減り、より確信を持って判断することにもつながります。
徹底したサポートを受けられる
会社設立時に税理士と顧問契約を結んでおくことで、設立プロセス全体を徹底的にサポートしてもらうことができます。
実際に、税務や会計の問題が生じやすいのは、会社設立の前後のタイミングといえます。
設立前の段階では、個人事業主としての資産や負債の引継ぎが難しく、専門的な知識が欠かせません。
さらに、会社設立後には、個人事業主時代とは異なる会計処理が必要となり、最初のうちは戸惑うことも多いのも事実です。
このような場合でも、税理士と顧問契約することで、徹底したサポートを受けられるので安心してスムーズに会社設立を進めることができます。
会社設立時の税理士の選び方
会社設立時の税理士の選び方については、以下の3つが挙げられます。
- 実績が豊富
- 依頼できる業務範囲
- 料金体系が明確
それぞれの選び方について解説していきます。
実績が豊富
税理士を選ぶ際には、実績を確認することが大切です。
具体的に税理士の実績を確認する際のポイントについては、以下が挙げられます。
- 税理士としての職歴や経験年数
- 税務調査への対応経験
- 得意とする分野や専門領域
- これまでに携わってきた業種や担当した企業の規模
- 税理士事務所に所属している事務所の評判や実績
例えば、規模の大きな企業を長く担当している税理士であっても、法人成りしたばかりの会社や中小企業の成長を支援することに不慣れな場合があります。
このように、自社のニーズに合った経験や実績を持つ税理士を選ぶことが重要といえます。
依頼できる業務範囲
幅広い業務をカバーできる税理士の方が、さまざまな問題を相談しやすく、業務負担の軽減にもつながります。
税務や会計にとどまらず、経営全般や雇用、資金調達など幅広い相談ができる税理士であれば、さまざまな経営課題の解決が期待できます。
一方で、税理士の業務範囲が限られている場合、他の専門家に別途依頼する必要が生じる可能性があるのも事実です。
追加のコストを発生させないためにも、最初に税理士がどの範囲まで対応できるかを確認することが重要です。
料金体系が明確
税理士を選ぶ際には、料金体系がしっかりと把握できることが重要です。
基本料金を確認するのはもちろん、追加料金がかかるかどうかもチェックしておきましょう。
例えば、毎月の定期訪問の料金が含まれていても、それ以外の問い合わせや相談には別途料金がかかる場合があります。
さらに、標準的な業務範囲が限られていて、結果として多くの作業がオプション扱いとなり、最終的に費用が想定以上に膨らむケースもあります。
料金の内訳を明確に理解した上で、比較検討し長期的に依頼できる料金体系を持つ税理士を選ぶことが大切です。
会社設立時の消費税で不安があれば税理士に相談しよう!
今回は、会社設立時に消費税免税になるかどうかについて紹介しました。
新しく会社を設立すると、基本的には最初の2年間において消費税の支払い義務が免除されます。
しかし、特定の条件を満たした場合には、免除は適用されず、設立初年度から消費税を納める必要があるので注意が必要です。
また、新たに会社設立をするときには、消費税の正しい知識を身につけておくことが大切です。
会社設立時の消費税で不安があれば税理士に相談してみることをおすすめします。
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