2024.11.7

法人化

飲食店が法人化するべきタイミングとは?法人化するメリット・デメリットや注意点も紹介

読了目安時間:約 6分

売上が一定水準を超える飲食店にとって、法人化することは節税や社会的な信頼性の向上など、多くのメリットを得る手段となります。

本記事では「飲食店が法人化するべきタイミング」について紹介します。

他にも「飲食店を法人化するメリット・デメリット」や「飲食店が法人化する際の注意点」についても解説していきます。

ぜひこの記事を参考にして、飲食店が法人化するべきタイミングについて理解を深めてみてください。

飲食店が法人化するべきタイミング

飲食店が法人化を考えるタイミングは、年間の売上高やビジネスの規模などを基準に判断することが多いです。

事業の成長度合いや利益の安定性に応じて、法人化のタイミングを見極めるのが一般的といえます。

具体的に飲食店が法人化するべきタイミングについては、以下の2つが挙げられます。

  • 法人の税率の方が低くなるタイミング
  • 消費税の課税事業者に切り替わるタイミング

それぞれのタイミングについて解説していきます。

法人の税率の方が低くなるタイミング

個人事業主と法人の税率の違いに着目し、特に個人事業主の所得税が法人税を上回る場合は、法人化を検討する一つのタイミングといえます。

例えば、年間の所得が900万円を超えると、個人事業主に適用される所得税率は33%となるのに対し、資本金が1億円以下の法人には23.20%の法人税率が適用されるので、税率を低くすることが可能です。

しかし、法人化することで、法人住民税や顧問税理士の報酬、さらには社会保険料など、多くの手続きや追加の費用が発生することを考慮しなければなりません。

現在の事業の状況や将来の計画に基づいて、税理士による無料相談や税額シミュレーションの活用を含め、十分に慎重な判断をすることが重要です。

消費税の課税事業者に切り替わるタイミング

飲食店が法人化するべきタイミングとして、消費税の課税事業者に切り替わる時が挙げられます。

飲食店を開業した場合、年間の課税売上高が1,000万円を超えると、2年後から消費税を納める義務が生じ、個人事業主と法人のいずれにも適用されます。

ただし、個人事業主が法人化すると、売上がリセットされるので、課税事業者として消費税を納めるタイミングを遅らせることが可能です。

具体的には、法人化を行うことで、最長で2年間、消費税の納税義務が猶予される可能性があります。

飲食店を法人化するメリット

飲食店を法人化するメリットについては、以下の6つが挙げられます。

  • 社会的信用を得られやすい
  • 所得税を大幅に下げることが期待できる
  • 経費の幅が広がる
  • 融資や資金繰りの選択肢が広がる
  • 役員報酬を設定できる
  • 消費税が2年間免除になる

それぞれのメリットについて解説していきます。

社会的信用を得られやすい

法人化を行うことで、社会的信用を向上させることが可能です。

法人を設立すると、会社の情報が記載された登記簿謄本が作成され、法務局で第三者が自由に確認できるようになり、公的な登録が会社の存在を明確にして信頼の基盤となる一因となります。

実際に、個人事業主として活動していると、社会的な信用が得にくく、特に融資や資金繰りの面で不利な立場に立たされることがあるのも事実です。

このように、法人化を行うことで、社会的信用を向上させることができ、対外的な評価を高めることにつながります。

所得税を大幅に下げることが期待できる

法人化することで、事業で得た売上は会社の収入となり、その収入から会社の経費を差し引いたり、役員報酬として給与を支払ったりすることが可能になります。

個人での所得税の負担を軽減し、法人税や役員報酬に対する所得税に分けて支払う形になります。

具体的には、個人事業主としての所得税が「法人税」と「役員報酬に対する住民税および所得税」に分かれる形となり、結果的に節税が期待できます。

この節税で生じた余剰資金は、人材の雇用や外部委託、業務環境の改善といった、事業の拡大や効率向上のための投資に充てることができます。

経費の幅が広がる

個人事業主としては難しい経費が、法人化を通じて経費として認められるようになり、結果的に節税の効果を高めることができます。

例えば、法人にすることで自分への報酬を役員報酬として計上し、それを経費として処理することが可能になります。

また、自宅を社宅として扱うことができ、家賃や光熱費の一部を経費として計上することも可能です。

さらに、出張の際の交通費や宿泊費に加えて、日当も経費として扱うことができます。

他にも、退職金の積み立てを経費として処理したり、年間800万円までの交際費が経費として認められるなど経費としての幅が大きく広がります。

融資や資金繰りの選択肢が広がる

法人化や会社設立を行い、飲食店経営を進めておくことで、将来的に融資を受ける際に有利な条件で進めることが可能です。

実際に、事業拡大に伴い、設備投資やチェーン展開を進める中で、資金調達が必要になるのも事実です。

しかし、個人事業主の場合だと、社会的な信用が低いとされ、資金調達の際に不利な状況に置かれがちです。

さらに、助成金や補助金の活用においても、個人事業主であるより法人化している方が資金調達がスムーズに進む場合が多いです。

役員報酬を設定できる

法人化することで役員報酬を自由に設定することが可能になり、その報酬額に基づいて所得税や住民税が計算されるので、適切な設定をすることで税負担を大幅に軽減することができます。

役員報酬を低めに設定すれば、所得税や住民税が少なくなりますが、その分会社に残る利益が多くなるので、法人税が高くなるリスクもあります。

そのため、最適な節税効果を得るためには、役員報酬の金額をどの程度に設定すれば、所得税や住民税、法人税の負担を最も抑えられるかを慎重に検討することが重要です。

消費税が2年間免除になる

法人化することによって、最大で2年間にわたり消費税の支払いが免除される場合があります。

法人化すると経費が増加し、経営に負担がかかることもありますが、消費税免除になることで、資金繰りの負担を減らすことができます。

支払うべき税金を事業の発展や投資に回すことができるため、資金をより効率的に活用できます。

しかし、この制度を利用するには、資本金が1000万円未満であり、かつ年間の売り上げが1000万円以下であることが必要条件です。

飲食店を法人化するデメリット

飲食店を法人化するデメリットについては、以下の4つが挙げられます。

  • 社会保険に加入する必要がある
  • 手続きや会計作業が複雑になる
  • 設立手続きが面倒
  • 黒字と赤字関係なく税金が発生する

それぞれのデメリットについて解説していきます。

社会保険に加入する必要がある

法人を設立すると、社会保険への加入が法律で義務付けられ、必ず加入する必要があります。

社会保険料は会社と社員が半分ずつ負担しますが、例えば役員が1人だけの法人の場合、その負担はすべて役員本人が行うことになります。

また、社会保険料は役員報酬の約20%に相当するため、企業の利益に大きな影響を与えてしまうリスクがあるので、社会保険の負担を考慮した役員報酬の設定を慎重に行うことが重要です。

手続きや会計作業が複雑になる

法人化には、決済や会計業務が煩雑になるという課題が生じます。

法人化後は、法人税の申告や決算書の提出が義務付けられており、年間の収益や経費を詳細に記載する必要があるので、事務処理の量が増え、作業の負担が大きくなる可能性があります。

また、専門家に依頼すればその分の費用が発生してしまうデメリットも挙げられます。

しかし自ら作業を行ってコストを抑えようとすると、その時間や体力が消耗され、結果的に本業に集中できなくなるリスクもあるので、最善の対応策を選ぶことが重要です。

設立手続きが面倒

法人化には、設立手続きが面倒なデメリットが挙げられます。

法人となると法律的には独立した存在と見なされ、その実態を証明するために商業登記が不可欠です。

この登記は、取引先や利害関係者の権利を守る目的で義務付けられています。

このように、法人化は個人事業主に比べて多くの手続きと時間を要してしまうデメリットがあります。

黒字と赤字関係なく税金が発生する

法人化に伴うデメリットの一つは、事業の利益状況にかかわらず税金の支払いが発生してしまうことです。

個人事業主の場合、赤字の場合には所得税や住民税の支払いが免除されますが、法人では事業が赤字であっても法人住民税が課されます。

この法人住民税は「均等割」と「法人税割」の二つの部分から成り立っており、法人の規模に応じて税額が変わります。

このように、法人化することによって事業が赤字でも一定の税金負担が発生する点が、個人事業主とは異なる大きな特徴です。

飲食店が法人化する際の注意点

飲食店が法人化する際の注意点については、以下の3つが挙げられます。

  • 営業許可の引継ぎはできない
  • 飲食店営業許可は取り直し
  • 深夜酒類提供飲食店営業の届出が必要

それぞれの注意点について解説していきます。

営業許可の引継ぎはできない

個人事業主として取得した営業許可は、その人個人に対して発行されるものなので、法人化する場合は、法人として新たに営業許可を取得し直す必要があります。

営業許可の申請においては、「人」と「場所」の条件が重要となります。

このように、会社として営業許可を取得する際には、既存の許可が無効となり、新たな許可申請が必要です。

また、再度現地調査が含まれるので、事前の準備も重要になります。

飲食店営業許可は取り直し

飲食店営業許可を取得している個人が、法人化する場合でも、法的には個人と法人は別の存在として扱われるので、新たに飲食店営業許可を申請し直す必要があります。

手続きの流れとしては、まず一度現在の飲食店を廃業し、その後に法人名義で改めて営業許可を取得する形となります。

しかし、法人設立の前段階から保健所と相談しながら準備を進めれば、営業許可が切れることなく継続して営業することも可能です。

書類に関しては、個人名義で申請したものの多くを再利用できるため、大きな負担にはなりませんが、再び保健所の現地調査が必要となるので、場合によっては一時的に営業時間の調整が必要になるケースもあります。

深夜酒類提供飲食店営業の届出が必要

飲食店がバーや居酒屋を運営する際に、警察に「深夜酒類提供飲食店営業」の届出を提出している場合、通常の飲食店営業許可と同様に、再度届出が必要となります。

例えば、法人名義での届出を行い、約10日後に廃業届を提出することで、営業を途切れさせずに続けることが可能なケースもあります。

しかし、この対応は警察署によって異なるため、すべての警察署で同じ方法が通用するとは限らないので注意が必要です。

書類手続きに関しては、飲食店営業許可の申請時に使用した書類を再利用することが可能です。

廃業届も、A4サイズの用紙1枚で済む簡単な手続きなので、比較的簡単に手続きを行うことができます。

飲食店開業では個人事業主で十分

飲食店を開業する際には、まずは個人事業主で十分です。

実際、その店舗が法人であるか、個人事業主であるかを気にする人はほとんどいません。

飲食店においては店舗の名前や評判・口コミの方が重要視されやすく、法人であること自体が特別な信用を得る要素にはなりにくい業種です。

さらに、飲食業は基本的に単価が低いことが多いため、個人事業主が開業初期に900万円以上の収入を得るのは難しいのも事実です。

個人事業主であれば、法人に比べて支払う税金も少なくなる傾向があるので、高額な設立費用をかけてまで法人化するメリットはあまりないと考えられます。

このように、飲食店開業する際には、個人事業主としてスタートする方が賢明といえます。

適切なタイミングで飲食店を法人化しよう!

今回は、飲食店が法人化するべきタイミングや法人化するメリット・デメリットを紹介しました。

飲食店開業する際には、まず個人事業主として飲食店をスタートさせ、利益が安定してきた段階で法人化するのが賢明な選択です。

特に、所得が900万円を超えると個人の税負担が法人税よりも高くなるため、このタイミングで法人化を検討するのが合理的といえます。

今回の記事を参考にして、適切なタイミングで飲食店を法人化しましょう。


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この記事の監修者

松本 崇宏

税理士法人松本 代表税理士

松本 崇宏(まつもと たかひろ)

お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。

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