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会社設立
会社設立のお知らせのマナーとは?書くポイントや注意点についても徹底解説
この記事の監修者
税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。
企業設立の際には、お世話になった方へ感謝を込めてお知らせを送ることが一般的です。
また、今後のビジネスにおける良好な関係を築くためにも、重要なステップと言えます。
しかし、挨拶状を送る際には、適切なマナーを守り、送付するタイミングにも十分配慮することが求められます。
本記事では、会社設立のお知らせのマナーについて紹介していきます。
他にも「会社設立のお知らせを書くポイント」や「会社設立のお知らせを送付する際の注意点」についても解説していきます。
ぜひこの記事を参考にして、会社設立のお知らせのマナーについて理解を深めてみてください。
目次
会社設立のお知らせのマナーとは?
会社設立の際にお知らせを送る目的は、相手に自社の存在を知ってもらい、認識を深めてもらうことにあります。
設立の背景や自身の想いを簡潔かつ明瞭に伝えることで、今後のビジネス関係を円滑に築いていく基盤を整えやすくなります。
送るべき相手としては、日ごろお世話になっている個人や前職時代に関わりのあった方、起業を支援してくれた方などが挙げられます。
送付方法については、郵送でも問題ありませんが、直接訪問して挨拶することで、より強い印象を与え、自社の特色や価値観を直接伝えることができるため、ビジネスの新たなチャンスにつながる可能性が高まります。
また、挨拶状の形式としては、ハガキではなく封筒を用いるのが望ましいです。確かにハガキはコストを抑えられる一方、会社設立の挨拶という重要な場面では、封筒を使うことで相手に対する誠意を示すことができます。
さらに、送付の際には相手の住所や名前に誤りがないかを入念に確認し、細部に気を配ることも大切です。
会社設立のお知らせを書くポイント
会社設立のお知らせを書くポイントについては、以下の5つが挙げられます。
- 導入
- 会社設立した経緯
- 感謝の言葉
- 会社の詳細情報
- 末文
それぞれのポイントについて解説していきます。
導入
会社設立のお知らせを書く際に冒頭には、「拝啓」「啓上」「拝呈」といった語句がよく使われます。
また、文章の締めくくりには、「敬具」「敬白」「拝具」がよく使用されます。
さらに、時候を表す挨拶文は季節感を取り入れるために重要で、月ごとに異なり、以下のような例が挙げられます。
項目 | 内容 |
1月 | 初春の候、新春の候 |
2月 | 余寒の候、立春の候 |
3月 | 早春の候、春暖の候 |
4月 | 陽春の候、桜花の候 |
5月 | 新緑の候、薫風の候 |
6月 | 初夏の候、梅雨の候 |
7月 | 盛夏の候、猛暑の候 |
8月 | 残暑の候、秋暑の候 |
9月 | 初秋の候、秋涼の候 |
10月 | 秋冷の候、菊花の候 |
11月 | 晩秋の候、向寒の候 |
12月 | 初冬の候、師走の候 |
上記の内容を組み合わせることで、丁寧かつ季節感を反映した文章を作成できます。
感謝の言葉
相手への感謝の気持ちを文章に込めることで、その思いが伝わりやすくなり、さらに新会社設立後のビジネスにも良い影響をもたらす可能性があります。
例えば、「皆様のお力添えに深く感謝しております」や「これもひとえに皆様のご支援のおかげと心よりお礼申し上げます」といった表現が考えられます。
特に前職でお世話になった方々には、「在職中は大変お世話になり、心から感謝申し上げます」といった言葉を添えることをおすすめします。
会社の詳細情報
会社設立のお知らせを送る際には、今後、相手が簡単に連絡を取れるようにするために、以下の情報を記載するようにしましょう。
- 社名
- 所在地
- 営業時間
- 定休日
- 電話番号
- メールアドレス
また、会社設立の背景や感謝のメッセージなどを一緒に記載すると内容が混在しわかりにくくなってしまうので、別のセクションに分けて記載する方法が一般的とされています。
また、所在地をより明確に伝えるための工夫として、二つ折りカードの左ページに会社情報をまとめたり、地図を載せたりする方法も挙げられます。
末文
会社設立のお知らせの末文については、「略式ながら、書中にてご挨拶を申し上げます」「まずは書面にて失礼ながら、ご挨拶申し上げます」などの文言を活用し、文章を適切に締めくくるようにしましょう。
また、締めの結語についても忘れずに加え、頭語との対応を確保することが重要です。
例えば、拝啓を用いる場合は敬具、謹啓の場合は謹白、啓上の場合は拝具といった形で使い分けを行うのが一般的なルールです。
会社設立のお知らせを送付するタイミング
会社設立や開業のお知らせは、できるだけ早めに準備することが重要です。
挨拶状をきっかけに、新たなビジネスのチャンスが生まれる可能性もあるので、理想的には開業の1か月前、遅くとも2週間前にはお届けするのが望ましいです。
しかし、開業前はやるべきことが非常に多く、挨拶状の準備に十分な時間を割くのが難しい場合もあります。
そのような状況では、専門のサービスを活用することを検討してみることをおすすめします。
会社設立の挨拶状の例文
会社設立の挨拶状の例文を把握しておくことで、スムーズに挨拶状を作成することはもちろん、間違った内容を送ってしまうリスクを防ぐことにもつながります。
以下にて、会社設立の挨拶状の例文3選を紹介していきます。
挨拶状の例文1
拝啓
陽春の候、貴社ますますご繁栄のことと心よりお喜び申し上げます。
平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、このたび、かねてより準備を進めておりました新会社を、〇〇県〇〇市にて設立する運びとなりましたことをご報告申し上げます。これもひとえに皆様のご支援とご協力の賜物と深く感謝いたしております。
今後は、より一層の努力を重ね、皆様のご期待にお応えできるよう邁進して参る所存でございます。引き続き変わらぬご指導ご支援を賜りますようお願い申し上げます。
敬具
令和〇年〇月吉日
株式会社〇〇商事
代表取締役 田中 一歩
記
株式会社〇〇商事
〒○○○‐○○○○ 東京都
電話:03‐○○○○‐○○○○
FAX:03‐○○○○‐○○○○
メール:sample@〇〇.com
挨拶状の例文2
拝啓
〇〇の季節、皆様におかれましてはますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
平素より格別のご愛顧を賜り、心より感謝申し上げます。
さて、このたび新たに設立いたしました新会社が、〇月〇日をもって正式にスタートする運びとなりましたことをご報告申し上げます。
これもひとえに皆様のご支援の賜物と深く感謝しております。
今後とも、一層のサービス向上に努め、皆様のお役に立てるよう努力してまいります。引き続き、変わらぬご指導とお力添えを賜りますようお願い申し上げます。
末筆ながら、季節柄お身体にご留意のうえ、ますますのご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。
まずは書中にて失礼ながらご挨拶申し上げます。
敬具
令和〇年〇月吉日
株式会社〇〇商事
代表取締役 田中 一歩
記
株式会社〇〇商事
〒○○○‐○○○○ 東京都
03‐○○○○‐○○○○
03‐○○○○‐○○○○
sample@〇〇.com
挨拶状の例文3
拝啓
春暖の候、貴社におかれましてはますますご繁栄のこととお喜び申し上げます。
平素より格別のご支援とご厚情を賜り、心より御礼申し上げます。
さて、このたび私どもは長らく準備を進めておりました会社の設立を、下記の通り正式に果たす運びとなりました。
これもひとえに皆様の温かなご支援のおかげであり、深く感謝申し上げます。
今後とも、さらなる努力を重ね、皆様のご期待に添えますよう邁進する所存でございます。
何卒変わらぬご指導とご助力を賜りますようお願い申し上げます。
季節柄、ご自愛のほどお祈り申し上げつつ、略儀ながら書面をもってご挨拶とさせていただきます。
まずは新会社設立のご報告まで申し上げます。
敬具
令和〇年〇月吉日
株式会社〇〇商事
代表取締役 田中 一歩
記
株式会社〇〇商事
〒○○○‐○○○○ 東京都
03‐○○○○‐○○○○
03‐○○○○‐○○○○
sample@〇〇.comt
会社設立の挨拶メールの例文
会社設立のおしらせを行う際には、郵送による案内が一般的であり、礼儀正しい対応としてもっとも適切とされています。
しかし、会社設立をメールで送るケースも珍しくありません。
以下にて、会社設立の挨拶メールの例文を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
挨拶メールの例文1
件名:株式会社○○○○設立のご案内
□□株式会社 営業部
〇〇様
平素より格別のご厚情を賜り、誠にありがとうございます。株式会社〇〇に所属しておりました田中太郎と申します。寒さ厳しい折、皆様にはますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
さて、私事ではございますが、このたび株式会社〇〇を退職し、新たに株式会社△△を設立いたしましたことをご報告させていただきます。設立日は〇〇年〇月〇日となり、大学時代の友人と共同出資のもと、かねてから夢であった〇〇分野の研究を進めるべく活動を開始いたしました。これまで以上に責任を感じるとともに、大きな挑戦への決意を新たにしております。
まだまだ小規模な会社ではございますが、社会の一助となれるよう全力を尽くしてまいりますので、引き続きご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
また、弊社の情報をご覧いただけるウェブサイトを開設いたしました。お時間のある際にぜひご覧いただければ幸いです。
末筆ながら、皆様のさらなるご発展とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
——————————————————
株式会社○○○○
代表取締役社長
田中 太郎(タナカ タロウ)
〒123-1234
東京都△△区12-1 ○○ビル1F
MAIL:xxxxxx@xxxxxxx.xxx
TEL:03-123-4567
FAX:03-123-4568
——————————————————
挨拶メールの例文2
件名:独立開業のご報告とご挨拶
〇〇株式会社 営業部
〇〇様
拝啓
時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。私は、株式会社〇〇の営業部に在籍しておりました田中太郎です。このたび、〇〇年〇月〇日付で株式会社△△を円満退職いたしました。在職中は、多大なるご指導とご支援をいただき、心より感謝申し上げます。
さて、このたび新たに「株式会社〇〇〇〇」を立ち上げる運びとなりました。これまでの業務経験を活かし、〇〇分野の事業に注力してまいります。これまでと変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。
簡単ではございますが、まずはメールにて開業のご報告とご挨拶を申し上げます。ご不明な点などございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
敬具
——————————————————
株式会社〇〇〇〇
代表取締役社長
田中 太郎(タナカ タロウ)
〒123-1234
東京都△△区12-1 〇〇ビル1F
MAIL: xxxxxx@xxxxxxx.xxx
TEL: 03-123-4567
FAX: 03-123-4568
——————————————————
挨拶メールの例文3
件名:新会社設立のご挨拶
□□株式会社 営業部
〇〇様
平素より大変お世話になっております。株式会社△△でお世話になっておりました田中太郎です。このたびは私からのご挨拶をさせていただきたく、メールをお送りいたしました。寒さが厳しい日々が続いておりますが、田中様におかれましてはお変わりなくお過ごしでしょうか。
さて、このたび私、〇〇年〇月〇日をもちまして株式会社△△を円満退職し、新たに株式会社○○○○を設立いたしました。大学時代の友人とともに共同出資でスタートさせたものであり、以前から目指しておりました〇〇の研究開発を本格的に始める運びとなりました。この新たな挑戦に期待と緊張感が入り混じる日々ではありますが、一歩一歩着実に進んでいく所存です。
まだ小さな会社ではございますが、社会に貢献できるよう尽力してまいりますので、これからもどうぞご指導ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。
また、弊社のウェブサイトも開設いたしました。お時間がございましたら、ぜひご覧いただけますと幸いです。
——————————————————
株式会社○○○○
代表取締役社長
田中 太郎(タナカ タロウ)
〒123-1234
東京都△△区12-1 〇〇ビル1F
MAIL:xxxxxx@xxxxxxx.xxx
TEL:03-123-4567
FAX:03-123-4568
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会社設立のお知らせを送付する際の注意点
会社設立のお知らせを送付する際の注意点については、以下の3つが挙げられます。
- 宛名のミスに注意する
- 会社設立の1ヶ月前までには送る
- お世話になった人の全員に送る
それぞれの注意点について解説していきます。
宛名のミスに注意する
会社設立のお知らせを送付する際の注意点として、宛名に社名だけでなく、必ず個人の名前や役職を正確に記載することが重要です。
送付先リストを事前に用意し、記載内容が最新で正確であるかを徹底的に確認するようにしましょう。
特に、お名前の誤記は大変失礼にあたってしまうので注意が必要です。
宛名が間違っていると、相手に好印象を与えるどころか、信頼を損ねてしまう恐れがあります。
住所や役職を含むすべての情報について、複数人で繰り返し確認をおこなうことをおすすめします。
会社設立の1ヶ月前までには送る
会社設立のお知らせは、理想的には開業の1ヶ月前までに送るようにしましょう。
万が一、トラブルなどで連絡が遅くなる場合でも、遅くとも開業の2週間前までには相手にお知らせするようにしましょう。
開業直前に連絡をすると、相手を驚かせたり、予定の調整を強いる結果となる可能性があるので、余裕を持って知らせることで、相手側もお祝いの準備をスムーズに進めることができます。
また、メールを早めに送ることで問題が生じることはほとんどありません。
1ヶ月前というのはあくまで目安であり、開業日が確定したらできるだけ早く連絡を取ることをおすすめします。
お世話になった人の全員に送る
会社設立に際しては、これまで関わりのあった方々やお世話になった方々へ、丁寧な挨拶を送るようにしましょう。。
会社設立の挨拶を怠ることは、相手に失礼と受け取られる可能性があるため、漏れのないよう注意が必要です。
会社設立のお知らせを送るべき対象として、以下のような方が挙げられます。
- 前職で取引関係にあった担当者
- すでにビジネスパートナーとなっている顧客
- 将来的に取引を行う可能性がある企業や事業者
- 以前の職場で共に働いた上司や同僚
- 開業にあたり支援やアドバイスをいただいた方
- 個人的に関わりの深い友人
- 親族
ビジネスに直接関係のある方はもちろん、プライベートでお世話になった人々にも感謝を込めてご連絡することが望ましいです。
このように、お世話になった人の全員に送ることで、今後の関係性をより一層良好なものとすることができます。
マナーを守って会社設立のお知らせを送ろう!
今回は、会社設立のお知らせのマナーについて紹介しました。
会社設立のお知らせは、新しい事業の存在を周囲に伝えるだけでなく、今後のビジネスチャンスを広げるきっかけにもなります。
また、発送時期にも配慮し、設立の1ヶ月前を目安に準備するのが適切です。
新たな事業をスタートさせる方にとって、会社設立のお知らせは今後の人間関係を円滑に築くための第一歩ともいえる重要な手段です。
今回の記事を参考にして、マナーを守って会社設立のお知らせを送るようにしましょう。
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