メニュー
会社設立
会社設立の相談は商工会議所がおすすめ|支援の例と利用のメリット
この記事の監修者
税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。
会社設立のためには、多くの資料作成や手続きが必要になります。
支援を受けられる場所の一つとして商工会議所が挙げられますが、なぜ商工会議所がおすすめなのでしょうか。
商工会議所でどんな支援が受けられるのか、また利用のメリットやデメリットについてもご紹介します。
目次
会社設立の相談窓口の選択肢
会社設立に関する相談窓口を設置している機関は、いくつかあります。
商工会議所もそのひとつですが、他にも選択肢があります。
ご自身に合う窓口を探せるよう、それぞれの特徴について確認していきましょう。
- 各地の商工会議所・商工会
- 日本政策金融公庫
- ワンストップ相談窓口Plus One
- 税務署
各地の商工会議所・商工会
商工会議所・商工会は、地域経済の活性化を目的とした非営利団体です。
各市町村ごとに設置されており、会社設立時のサポートや融資、税務の相談などが可能です。
商工会議所は特別区及び市を担当しており、商工会は
町や村を担当しています。
規模や事業内容などにより呼び方が変わります。
地域経済の牽引や活気のある地域へのサポートが目的であり、起業家だけでなく地域の中小企業のバックアップも行っていきます。
1878年にイギリスの商工会議所を模範に日本初の商工会議所が設立され、2021年には全国515商工会議所、
123万会員を有する組織となっています。
参照:農林水産省|商工会議所とは
日本政策金融公庫
日本政策金融公庫とは、事業者を支援する政府の金融機関です。
金融機関なので融資に関する相談、資金調達に関する相談はもちろん、創業計画書の作成指導なども行っています。
創業前支援では、電話相談やオンライン相談、東京新宿・名古屋・大阪での来店相談を受け付けています。
全国でセミナーも行っていますので、興味のあるものに参加してみると情報収集になります。
参照:日本政策金融公庫|創業前支援
ワンストップ相談窓口Plus One
ワンストップ相談窓口Plus Oneとは、政府系16機関等が連携して設立された相談窓口です。
主な参加機関は、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、日本政策金融公庫や中小企業基盤整備機構などです。
東京開業ワンストップセンターでは、東京都内で開業を希望している方を対象に定款認証登記などの各種手続きをサポートしていきます。
参照:東京都創業NET|東京開業ワンストップセンター
参照:NEDO|政府系スタートアップ支援機関の連携によるワンストップ相談窓口”Plus One(プラスワン)”
税務署
税務署では税金や確定申告に関する悩みだけでなく、
起業や開業、会社設立時の相談にも対応しています。
会社を設立する際に税務署に提出する書類としては、
法人設立届出書や開業届、青色申告承認申請書などがあります。
各種届出に関する質問や疑問、記帳や帳簿の保存についての説明も受けられます。
相談方法は電話や面談で受け付けており、予約が必要になりますので注意してください。
また確定申告の前後の時期の税務署は大変込み合いますので、相談が制限される可能性があります。
商工会議所・商工会に入会する方法
商工会議所・商工会は会員でなくても利用できるサービスもありますが、会員になった方が多くのメリットがあります。
地域ごとに条件や入会方法が異なりますので、入会希望の商工会議所・商工会で詳しく問い合わせてください。
管轄地域で事業をしている人が対象ですが、入会には費用がかかります。
例えば東京商工会議所であれば、加入金は3,000円で年会費は1万円以上とされています。
参照:東京商工会議所|入会のご案内
まずは無料で受けられるサービスのみで様子をみて、
必要を感じたら入会するというスタンスでも構いません。
商工会議所で行われる支援の例
商工会議所では、どのような活動が行われているのでしょうか。
具体的にイメージしていくために、実際に行われている支援の例をご紹介します。
- 窓口相談
- 創業セミナーやイベント
- 特定創業支援事業
- 補助金の申請支援
窓口相談
会社設立に関する相談や経営の相談ができる窓口があります。
非会員であっても相談可能な場合があり、原則的には完全予約制です。
例えば東京商工会議所では、以下のような専門家の相談窓口が設置されています。
専門家に相談できる窓口が用意されていますので、有益な情報を得られるでしょう。
相談分野 | 相談員 | 内容 |
---|---|---|
法律 | 弁護士 | 契約書の内容 売掛金・債権の回収 損害賠償 |
税務 | 税理士 | 確定申告 インボイス制度 |
労務・社会保険 | 社会保険労務士 | 就業規則の内容 賃金制度 社会保険の手続き |
金融 | 東京信用保証協会 日本政策金融公庫 国民生活事業 | 創業融資制度 信用保証制度 事業計画の作成 |
IT支援化 | ITコンサルタント | HP作成や改善 SEO対策 |
特許・商標 | 弁理士 | 特許・商標の手続き 知的財産トラブル |
登記 | 司法書士 | 法人設立登記 定款の変更や確認 |
許認可・外国人雇用 | 行政書士 | 許認可業種の創業 外国人雇用 |
海外法務 | 国際弁護士 | 海外ビジネスの契約書 国際間の債権回収 |
創業セミナーやイベント
商工会議所では、セミナーやイベントが企画されています。
例えば東京商工会議所では、融資や経営に関する内容のものから、職場の健康に関するワクチンやAIの活用法といった多分野のセミナーが用意されています。
基本的なビジネススキルを身に着けたい人から、健全な経営をしていきたい人まで、イベントの幅が広いです。
会員はもちろん、非会員でも参加できるものもありますので、チェックしてみましょう。
特定創業支援事業
特定創業支援事業とは、国や自治体、関係機関で協力し、地域で創業を希望している方や創業後5年未満の方を支援するものです。
商工会議所が実施する創業支援事業の中で、国の
「産業競争力強化法」に基づいて認定を受けた事業を指します。
特定創業支援事業を受講すると、以下のようなメリットがあります。
- 新規開業資金(日本政策金融公庫)の貸付利率引き下げ
- 会社設立時の登録免許税を軽減
- 創業関連保証の特例が受けられる
- 自治体特有の優遇制度が受けられる
補助金の申請支援
会社設立時には、補助金や助成金も必要になってくるでしょう。
自身でイチから調べて補助金や助成金を申請するのは時間も労力もかかってしまいますので、商工会議所で相談するのがおすすめです。
補助金制度の案内はもちろん、補助金や助成金を受けるための事業計画書の作成に関してもサポートしてもらえるので心強いです。
事業計画書の作成に行き詰る方が多いので、難しいと感じたら早めに相談してみましょう。
商工会議所を利用するメリット
商工会議所は非会員でも利用できますが、会員になるメリットがあります。
加入金や年会費を払って会員となると、以下のようなメリットがあります。
- マル経融資などの資金調達
- 地域での人脈構築
- アピール機会が広がる
マル経融資などの資金調達
商工会議所の会員になると、金融機関と連携のとれた融資制度を活用できるようになります。
例えば、マル経融資は日本政策金融公庫の融資制度であり、商工会議所の経営指導を受けている小規模事業者が対象となります。
基準利率よりも融資利率が低いので、これから事業をスタートさせる事業者の方の負担を最大限に軽減させられます。
会社設立時における資金調達は大きな課題となりますので、このような制度を活用できるようにしておくといいでしょう。
地域での人脈構築
商工会議所は自治体規模で設置されていますので、身近な地域の起業家や経営者の方との人脈構築の場になります。
業界の垣根がない、横の繋がりができるので、同じ地域で事業をしていく上でお互いにメリットとなります。
もちろん同業者との出会いもあるでしょうし、そのまま大口契約に繋がる可能性もあります。
アピール機会が広がる
会員同士の交流の場では、事業を行っている商品やサービスのアピールができる機会があります。
商工会議所によっては、紙面情報誌やwebサイトに無料で商品アピールができるようなサービスがある場合があります。
どんなに良い商品やサービスを提供していても周知されていなければ売りようがありませんので、このような
機会を存分に利用するといいでしょう。
商工会議所を利用するデメリット
多くのメリットがある一方、やはりデメリットは費用がかかるという点です。
個人事業主が1人で利用をする分には負担は大きくないかもしれませんが、法人や団体は資本金に応じて年会費が決まるという場合があり、負担が大きくなる可能性があります。
地域によって差がありますので事前にきちんと調べ、
メリットとデメリットを照らし合わせた上で入会すべきかを考えていきましょう。
会社設立の相談ができる専門家
会社設立の相談ができる場所は、商工会議所だけではありません。
以下のような専門家に直接相談するという選択肢もありますので、「商工会議所の窓口は時間が合わない」
「専門分野に特化した相談がしたい」という場合は参考になさってください。
ただし以下の専門家に個別に相談をすると、費用がかかりますのでご注意ください。
- 税理士
- 弁護士
- 行政書士
- 司法書士
- 社会保険労務士
税理士
税理士はお金や税金に関するプロです。
会社の設立手続きの代行はできませんが、税金や会計の相談ができます。
事業をしていく上で顧問税理士は長い付き合いになりますので、業界に精通している税理士を選ぶといいでしょう。
月額顧問料は月額3万円程度となります。
弁護士
弁護士は法律のプロなので、会社設立時には書類関係や法的対応のサポートを任せられます。
定款の作成や認証、法人登記や社会保険の手続きなど、幅広い手続きに対応できるのが弁護士です。
契約書や著作権といった法律に関する手続きが必要になりますので、弁護士がついていると心強いです。
会社設立時の弁護士費用は10万円~20万円程度を想定しておくといいでしょう。
行政書士
行政書士は、行政書士法に基づく国家資格を有する職業です。
許認可業の申請代行ができるというのが大きな特徴であり、旅客自動車運送事業許可申請や貨物自動車運送事業許可申請など、運搬業の開業で大きなサポートが可能です。
許認可手続きの申請を代行で依頼したい方、会社定款の作成と認証をプロの任せたいという方におすすめです。
会社設立に関する費用は、10万円程度を想定しておきましょう。
司法書士
司法書士は法律に関するプロであり、登記のスペシャリストです。
法務局で登記申請の代行が可能であるという特徴があり、定款の作成や認証も代行できます。
費用は5万円~15万円程度かかる場合もあります。
社会保険労務士
社会保険労務士とは、社会保険労務士法に基づいた国家資格者であり、人材に関するスペシャリストです。
企業の成長にはヒト・モノ・カネが必要であるといわれていますので、従業員が安心して働ける環境を整えていく必要があります。
健康保険や雇用保険、厚生年金などのアドバイスを受けられる、手続きの依頼ができます。
会社を経営していく上では必ず必要なものとなりますので、従業員の雇用に関して相談してみましょう。
社会保険労務士に関する費用は、従業員30人未満で5万円程度となります。
商工会議所に関するよくある質問
商工会議所に関するよくある質問をまとめました。
- 商工会議所の収入源は何ですか?
- 商工会議所は誰でも入れますか?
- 商工会議所の生みの親は誰ですか?
商工会議所の収入源は何ですか?
商工会議所の主な収入源は、会員から受け取る会費や
検定試験の受験料などです。
また会員向けの研修代金や商工会議所で行われる事業からも収入を得ています。
商工会議所は誰でも入れますか?
入会を希望する管轄地域で営業を行っている方が対象です。
事業の規模は関係ありませんので、地域の商工会議所に問い合わせてみましょう。
商工会議所の生みの親は誰ですか?
商工会議所の生みの親は、渋沢栄一です。
最初は東京商工会議所が設立され、同年に大阪、神戸にも設立されました。
その後全国の主要都市に広がり、現在のような形となりました。
会社設立時には商工会議所を活用しよう
会社設立時には、多くの書類の作成や手続きが必要になります。
専門家への相談も含め、幅広いサポートが期待できますので、一度足を運んでみましょう。
地域での横のつながりが広がる可能性がありますので、事務的なサポート以外のメリットもあります。
多くの情報を収集し、スムーズに会社設立できるように準備していきましょう。
免責事項
当ブログのコンテンツ・情報について、できる限り正確な情報を提供するように努めておりますが、正確性や安全性を保証するものではありません。当サイトに掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。
税務・労務等のバックオフィス支援から
経営支援まで全方位でビジネスをサポート
本気で夢を追い求めるあなたの会社設立を全力サポート
- そもそも個人事業と会社の違いがわからない
- 会社を設立するメリットを知りたい
- 役員報酬はどうやって決めるのか
- 株式会社にするか合同会社にするか
会社設立の専門家が対応させていただきます。
税理士法人松本の強み
- 設立後に損しない最適な起業形態をご提案!
- 役員報酬はいくらにすべき?バッチリな税務署対策で安心!
- 面倒なバックオフィスをマルっと支援!
- さらに会社設立してからも一気通貫で支援