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創業融資
1000万を無担保・無保証で!?日本政策金融公庫で創業融資を受ける方法を解説
この記事の監修者
税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。
創業時の融資申し込み先としてメジャーな日本政策金融公庫ですが、令和6年4月から融資制度が変更されたことをご存知でしょうか?
この変更により、新規事業を開始する方への支援が手厚くなり、利便性が大きく向上しました。
これによって以前よりも創業融資を受けるハードルが下がったと言えますが、とは言え1000万円の創業融資を受けることは簡単なことではありません。
そこで今回は、日本政策金融公庫の融資制度がどのように変わったのかといった変更点に始まり、日本政策金融公庫で1000万円の融資を受ける方法や融資を受けるための流れとポイントについて解説します。
目次
手厚くなった!日本政策金融公庫の融資制度の変更点
日本政策金融公庫の融資制度の変更点は主に以下のようなものです。
- 担保・保証人なしでも申し込みが可能
- 自己資金の要件が撤廃
- 融資限度額アップと返済期間延長
- 利率の引き下げ
どれもこれから創業する方にとってメリットの大きい内容と言えるのではないでしょうか。
以下で詳しく解説します。
担保・保証人なしでも申し込みが可能
以前の制度では、創業時に融資を申し込む場合、基本的には担保と保証人が必要でした。
しかし、この度の変更により以下に該当する方は担保・保証人なしでの申し込みが可能となっています。
- 新たに事業を始める方
- 事業開始後、税務申告を2期終えていない方
特に新たに事業を始めようと考えている方にとっては、起業のハードルが大きく下がったのではないでしょうか。
自己資金の要件が撤廃
以前の制度では、融資を申し込むにあたって融資申込額の1/10以上の自己資金があることが要件となっていました。
つまり、1000万円の融資を申し込みたい場合には、少なくとも100万円の自己資金がなければならなかったということです。
しかし、実際には融資申込額の1/3以上の自己資金(1000万円の融資申し込みであれば、自己資金300万円)が無ければ融資が受けられないと言われていた上に、この「自己資金の調達方法」にも細かなチェックがありました。
「誰が貯めたのか」「どうやって貯めたのか」を確認されたり、通帳まで細かくチェックされたりと非常に重きが置かれているポイントであったため、自己資金の要件が撤廃されたことは大きな変化です。
ただし、要件がなくなったからといって自己資金がなくても良いという訳ではありません。
従来と変わらず、自己資金をしっかり貯めている方が融資が受けられる可能性が高まりますので、留意しておきましょう。
融資限度額アップと返済期間延長
以前の制度では、融資限度額は3000万円(うち運転資金は1500万円)でしたが、この度の変更で融資限度額が7200万円(うち運転資金は4800万円)と大幅に増額されました。
また、返済期間も運転資金に関しては7年以内だったものが10年以内に延長され、さらに据置期間も2年以内から5年以内に延長されました。
利率の引き下げ
前述した「新たに事業を始める方」と「事業開始後、税務申告を2期終えていない方」は、原則として利率が0.65%引き下げとなりました。
さらに、融資の目的が「雇用拡大」である場合には、0.9%引き下げとなります。
以前の制度と比較し、返済の利息負担を大幅に抑えることができるようになったと言えます。
日本政策金融公庫で1000万の創業融資を受ける方法
制度内容が変更され支援が手厚くなったと言っても、もちろん簡単に融資が受けられる訳ではありません。
1000万円の融資獲得を目指す方は、以下の内容に留意すると良いでしょう。
- 創業計画書を作りこみ
- 面談対策を徹底的に行う
- 借入金は無くしておく
- できるだけ自己資金を作る
それぞれ詳しく解説します。
創業計画書を作りこむ
日本政策金融公庫で創業融資を申し込む際は、日本政策金融公庫指定の用紙で創業計画書を提出することになります。
創業計画書では、事業の概略や資金調達の方法、事業の見通しなどを記載するものであり、面談での質問もこの創業計画書に基づいて行われます。
日本政策金融公庫で1000万円の創業融資を受けたいと考えているのであれば、創業計画書の内容で信頼性を高めることが大変重要です。
信頼性を高めるためには、代表者の経歴などを伝えることはもちろん、収益の見込みや返済計画などを数値を使って具体的に計画立てることが望ましいでしょう。
面談対策を徹底的に行う
創業計画書に基づいて面談が行われることはお伝えしましたが、ここでは代表的な質問内容についてご紹介します。
日本政策金融公庫の面談で質問される代表的なものは以下のようなものです。
- 創業の動機は何ですか?
- 創業しなければならない理由は何ですか?
- 他の企業との違いは何ですか?
- 創業する事業の経験や知識はありますか?
- 事業を続けるために必要な労働力はありますか?
- 今後の見通しを根拠と共に具体的に教えてください
など、面談担当者は「事業は成功しそうか」「利益を上げて滞りなく返済できそうか」を判断するために質問を行います。
特に今回のように1000万円の創業融資を獲得したい場合には、「なぜ1000万円が必要なのか」を裏付けるために収支計画や資金計画を数値を使って具体的に盛り込んで回答することが重要となります。
借入金は無くしておく
借入金がある場合は、創業融資の申込前に完済しておくことが理想的です。
創業融資の面談では、車や住宅のローンに始まり、クレジットカードのリボ払いなどの借入状況についても確認されることがあります。
特にクレジットカードのリボ払いに関しては、マイナスな印象を与えかねませんので注意してください。
車や住宅ローンの支払いを抱えている場合は、「返済期日はしっかりと守っていること」「ローンがあったとしても、融資の返済には影響を与えないこと」などが伝わるように回答することが大切です。
できるだけ自己資金を作る
前述のように、制度の改正で自己資金の要件は廃止されましたが、自己資金はある程度持っていた方が融資が受けやすくなります。
正確にいくらあれば融資が通る、といった基準はありませんが、自己資金は起業に対する計画性や熱意を表すものでもありますので、できるだけ多い方が審査では優位になるでしょう。
日本政策金融公庫の創業融資を受けるための流れとポイント
ここでは、日本政策金融公庫で創業融資を受けるための流れとポイントについて解説します。
日本政策金融公庫で創業融資を申し込む際の流れは、以下のようになります。
- 必要書類の準備
- 融資を申し込む
- 担当者と日程の調整を行う
- 面談をする
- 現地調査が行われる
- 審査結果の通知・融資実行
それぞれ詳しく解説します。
必要書類の準備
日本政策金融公庫で創業融資を申し込むには、主に以下のような書類が必要となりますので、あらかじめ準備しておきましょう。
- 本人確認書類
- 通帳原本
- 借入申込書
- 創業計画書
- 履歴事項全部証明書
- 確定申告書または決算書
- 事務所や店舗の賃貸借契約書
- 営業許可書
- 借入金の支払い明細書
- 事業内容がイメージしやすい資料
上記の中では創業計画書が特に重要な書類となり、事業初年度の売上予定や予想される支出などを細かく記載する必要がありますので、しっかりと準備しましょう。
なお、創業計画書と借入申込書の書式は日本政策金融公庫のWebサイトから書式をダウンロードすることができます。
最後の「事業内容がイメージしやすい資料」は必須ではありませんが、事業内容や熱意を伝えるためには有効ですので、用意することをおすすめします。
具体的には、飲食店であればメニューや料理の写真などがそれに当たります。
融資を申し込む
必要書類の準備が整ったら、日本政策金融公庫の店舗窓口またはWebサイトから申し込みを行います。
店舗の場合は混み合うことも予想されますので、可能であればWebサイトの利用が推奨されています。
もしも申し込みの手続きで不明な部分がある場合は、日本政策金融公庫の事業資金相談ダイヤルというものもありますので、そちらも活用してみると良いでしょう。
担当者と日程の調整を行う
申し込み後、日本政策金融公庫の担当者から日程調整の電話がかかってきます。
面談の日時は平日の9時~17時に限定されるため、あらかじめ念頭に置いておきましょう。
どうしても日程の折り合いがつかない場合には、支店によってはオンライン面談に対応してくれる場合もありますので、相談してみるのも良いかもしれません。
ただし、基本的には対面での面談となりますので、平日に動けるようにしておきましょう。
面談をする
申し込みをしてから、およそ1週間程度で面談が行われます。
面談の担当者は創業計画書に記載された内容の信憑性はもちろん、申込者の人間性も判断しますので、面談の出来によって融資が受けられるか否かが変わるといっても過言ではありません。
面談での質問内容は既にお伝えした通りですが、返答のポイントとしては以下のことに留意すると良いでしょう。
- 誰が聞いても分かりやすい説明を心がける
- 「多分」「恐らく」など曖昧な表現は避ける
- 否定的なことを言われても引き下がらない
- 自信と熱意を伝える
担当者は「事業を成功させられそうか」「信用できる人間か」「返済は滞らないか」という視点で面談を行いますので、信頼してもらえるよう、明確な根拠を示しながら自信を持って回答するようにしましょう。
現地調査が行われる
ケースバイケースですが、すでに事務所や店舗を借りている場合は、面談後に担当者が現地調査に訪れることがあります。
現地調査の目的としては「実際に存在しているかといった実態調査」や「周辺環境の確認」などが挙げられます。
基本的に、現地調査では建物の外観や周辺状況を確認するだけとなりますので、特別対応する必要はありませんが、店舗や事務所があることが分かるように看板等を出しておくようにしましょう。
もし看板の用意が間に合わないようであれば、簡易的なラベルでも構いません。
あらかじめ示していた場所に存在しないような場合には、審査に落ちる確率が高くなってしまいますので、忘れずに準備しておいてください。
審査結果の通知・融資実行
面談からおよそ10〜20日程で、電話または借用書が送付される形で審査結果が通知されます。
もし審査に通らなかった場合にも必ず連絡が来ますので、面談後2〜3週間は待つようにしてください。
審査に通った場合には、必要書類を返送後、およそ5営業日程度で指定の口座に入金されます。
必要書類の準備から融資実行までは、およそ2〜3か月程を見込んでおく必要がありますので、計画的に準備を進めるようにしましょう。
1000万円の融資を受けるには万全の事前準備が必要不可欠
日本政策金融公庫の制度変更により、新たに事業を始める方にとって融資申し込みのハードルが下がったと同時に、利便性も大きく向上しました。
とは言え、1000万円の創業融資を獲得することは容易ではありませんので、今回お伝えした内容を元に、しっかりと準備を行うようにしましょう。
また、創業融資に向けた書類の作成や面談対策に不安を感じるという方は、税理士に依頼することもおすすめです。
税理士は必要書類の準備はもちろん、融資を受けるための全面的なサポートを行ってくれますので、創業融資の申し込みをお考えの方は是非お気軽にご相談ください。
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