2025.01.29

創業融資

創業融資の審査に落ちてしまった場合はどうする?落ちてしまう理由も解説

この記事の監修者

松本 崇宏

税理士法人松本 代表税理士

松本 崇宏(まつもと たかひろ)

お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。

創業融資は、中小企業や個人事業主にとって利用しやすいとされていますが、審査が簡単に通るというわけではありません。

万が一、審査に通らなかった場合は、その理由をしっかりと見直し、原因を把握することが重要です。

本記事では、創業融資の審査に落ちてしまった場合はどうするのかについて紹介します。

他にも「創業融資に落ちてしまう理由」や「創業融資の審査に通るためのポイント」についても解説していきます。

ぜひこの記事を参考にして、創業融資の審査に落ちてしまった場合の対応について理解を深めてみてください。

創業融資の審査に落ちてしまった場合はどうする?

創業融資の審査に落ちてしまった場合の対応については、以下の3つが挙げられます。

  • 落ちた理由を分析する
  • 再審査までに実績を積む
  • 他の融資を検討する

それぞれの項目について解説していきます。

落ちた理由を分析する

創業融資の審査に落ちてしまった場合、まず最初に取り組むべきことは、なぜ審査を通過できなかったのか、その原因をしっかりと見極めることです。

実際に、原因を特定しなければ、次のステップに向けた効果的な改善策を講じることができないのも事実です。

日本政策金融公庫の場合、審査に通らなかった具体的な理由を教えてもらえないことがほとんどです。

融資審査は単一の要因ではなく、さまざまな観点を総合的に評価して決定されるケースがほとんどで、仮に一つの要因を改善しても、それだけで次回の審査を通過できるとは限りません。

このように、審査に落ちた場合には、自分自身で問題点をしっかりと分析し、どの部分を改善すべきかを見極める必要があります。

再審査までに実績を積む

審査に再チャレンジする際は、基本的に前回の審査結果から半年以上の時間を空けるようにしましょう。

再審査までの期間を有効活用し、実績を着実に積み重ねることが成功への鍵となります。

例えば、売上・利益の向上を目指した努力や自己資金の増強を図ること、さらには専門的な知識や経験の習得など具体的な改善に取り組むことが重要です。

こうした取り組みが次回の審査で好印象を与え、融資担当者に前向きな評価を得ることにつながります。

他の融資を検討する

日本政策公庫での融資審査に通らなかった場合でも、他の資金調達手段を検討することが重要です。

例えば、民間金融機関が提供する信用保証付きの融資や自治体が実施する制度融資などの選択肢が挙げられます。

これらの制度を活用すれば、資金調達の選択肢が広がりますが、それぞれの融資制度には異なる条件や金利設定があるので、十分に情報を調べ、最適な方法を選ぶことが大切です。

創業融資に落ちてしまう理由

創業融資に落ちてしまう理由については、以下の5つが挙げられます。

  • 自己資金が少ない
  • 起業経験がない
  • 創業融資の内容があいまい
  • 信用情報に問題がある
  • 事業に必要な許認可が不足している

それぞれの理由について解説していきます。

自己資金が少ない

創業融資の審査に落ちる理由にはいくつかの要因がありますが、その中でも特に基本的かつ重要なのが自己資金の不足です。

創業融資を申請する際には、一般的に希望する融資額の少なくとも10%以上の自己資金を準備することが条件とされています。

しかし、実際の審査の場では10%では不十分とされ、30%以上の自己資金を持っている方が有利だといわれています。

業界経験がない

創業融資に落ちてしまう理由として、業界経験がないことが挙げられます。

業界経験とは、これから始めようとする事業に関連する職務や活動の経験を指します。

日本政策金融公庫の調査によると、業界経験を持つ起業家の方が成功率が高い傾向があるとされています

そのため、創業融資の審査では、申請者がどれだけ関連する経験を積んでいるかが重要な評価ポイントとなります。

特に、日本政策金融公庫ではこの点が厳しく見られる傾向があり、民間金融機関が保証協会を通じて行う融資審査でも同様の傾向が見られます。

また、業界経験が不足していると感じた場合でも、他のポイントを徹底的に準備し、自信を持って審査に臨むことが重要です。

創業融資の内容があいまい

創業融資を受ける際、事業計画の内容があいまいだと審査が失敗する可能性が高くなります。

実際に、融資の審査担当者は、この計画を基にして事業の将来的な可能性や収益性を評価し、融資を行うかどうかを判断します。

そのため、内容が曖昧な事業計画では、審査に通るのが難しくなる可能性が高くなります。

創業融資で求められる内容については、具体的なデータや論理的な根拠に基づいた明確な計画が求められます。

特に審査では、売上や利益の予測、事業の成長目標などの具体的な数値や計画が明確に示されているかどうかが大切です。

例えば、将来の売上予測が具体性に欠けていたり、利益を上げるための具体的な施策が不十分であったりすると、面接での回答と計画の整合性が取れないと判断され、審査に通らないリスクが高くなります。

信用情報に問題がある

支払いの遅延や滞納が発生すると、その情報は信用情報機関に記録される可能性があります。

例えば、信用情報の対象として以下が挙げられます。

  • ローン
  • クレジットカード
  • 公共料金
  • 税金
  • 電話料金

特に、ローンやクレジットカードの支払いに関する遅延が登録された場合、通常は約3年から7年程度その記録が保持されるため、十分に注意する必要があります。

この記録は、金融機関が審査を行う際に信用度を判断するための重要な参考資料として利用されます。

自分自身の信用情報に不安がある場合は、信用情報機関を通じて内容を確認することをおすすめします。

信用情報機関には、CICやJICC、KSCなどが存在しており、これらの機関が情報の開示を行っています。

事業に必要な許認可が不足している

事業を始める際には、その分野に応じて特定の許可や認可が必要となるケースがあります。

例えば、飲食業を立ち上げる場合、食品衛生管理者の資格を取得したり、営業許可を取得したりする必要があります。

また、医療や建築などの専門性が求められる分野では、該当する資格や認可を持っていなければ、その業務を合法的に行うことができません。

特に創業時の融資審査においては、事業計画や財務状況だけでなく、資格や許認可の状況も重視されます。

必要な資格を取得していなかったり、許可がまだ下りていなかったりすると、事業運営に支障が生じる恐れがあり、結果として融資を受けられる可能性が低くなります。

そのため、創業資金を融資してもらう前には、事業運営に必要な許可や認可を事前に取得することが重要です。

次の創業融資の審査に向けてやるべきこと

次の創業融資の審査に向けてやるべきことについては、以下の2つが挙げられます。

  • 期間を半年以上あける
  • 専門家に相談する

それぞれの項目について解説していきます。

期間を半年以上あける

次回の創業融資の審査に挑む際は、最低でも半年、できれば1年間ほどの間隔を空けることをおすすめします。

公庫の創業融資審査に落ちる理由の多くは、短期間で解決するのが難しい課題が原因となっています。

そのため、短い期間で再度申し込んでも、審査に通る可能性は極めて低いのが現実です。

まずは前回の審査で指摘された問題点をしっかり振り返り、必要な書類の準備や面談での対応などを改善して、次回の審査には、万全な準備を整えて臨むことが大切です。

専門家に相談する

創業融資を成功させるためには、専門家の力を借りることを検討してみるのも良い方法です。

特に、認定支援機関である公認会計士や税理士が運営する事務所は、創業融資に関する専門知識や経験を豊富に持っており、そのサポートを受けることで融資審査を通過できる可能性が大幅に高まります。

具体的に、専門家にサポートを受けることで、以下のメリットが挙げられます。

  • 創業計画書の作成や修正をサポート
  • 融資面談の模擬練習

このような支援を受けることで、準備を整えた上で創業融資の審査に臨むことができます。

創業融資の審査に通るためのポイント

創業融資の審査に通るためのポイントについては、以下の5つが挙げられます。

  • 自己資金を用意する
  • 説得力のある資金計画を立てる
  • 実現性のある事業計画書を作成する
  • 事業経験をアピールする
  • 面談では具体的に熱意を持って伝える

それぞれのポイントについて解説していきます。

自己資金を用意する

日本政策金融公庫の審査を通過するためには、融資希望額に見合う自己資金を準備することが重要なポイントとなります。

一般的に、審査に通りやすい融資希望額の目安は、自己資金の約3~4倍以内とされています。

そのため、希望する融資額が大きい場合には、それに応じた十分な自己資金を確保しておくことが求められます。

また、手元の現金が十分でない場合は、貯蓄を増やす方法を検討したり、自己資金を補う手段を工夫することも大切です。

説得力のある資金計画を立てる

融資を受けるためには、資金の使い道を具体的に示し、納得できる資金計画を立てることが重要です。

日本政策金融公庫の審査に通るためには、資金の用途が曖昧ではなくて、説得力のある資金計画が必要不可欠です。

用途が不明確な場合、融資の必要性が疑われるだけでなく、審査に落ちたり、希望の融資額よりも減額される可能性が高まります。

そのため、融資を受ける目的や具体的な用途を明示し、それを支える証拠書類として見積書や資金繰り表を準備することが求められます。

実現性のある事業計画書を作成する

日本政策金融公庫の審査を通過するためには、事業計画書に現実味のある内容を記載することが重要です。

融資を申し込む際、事業計画書の提出は必須ですが、見た目が整っているだけでは信頼を得ることはできません。

計画が実現可能であり、具体性を持っていることを示す必要があります。

例えば、事業の詳細な内容や、実際に取引が見込まれる取引先のリストを記載することで、計画の実行性を明確に伝えることが求められます。

信頼性を高めるために、可能な限り具体的な根拠を示し、事業の成功可能性を審査担当者に理解してもらう工夫を行うようにしましょう。

事業経験をアピールする

起業や開業を目指す際には、自身のこれまでの経験をしっかりとアピールすることが、日本政策金融公庫の審査に通るための重要なポイントになります。

例えば、これまで従業員として関わった業界や職種において、一定の経験やスキルを積んでいる場合、それが計画の説得力を高める要因となります。

同じ業界や関連する分野での経験があることで、審査を通過する可能性が高くなります。

また、実際に事業を運営した実績がない場合でも、同じ業界での職務経験、関連する資格の取得、もしくはスキルの習得などがプラスに評価される場合があります。

このような要素は、未経験の分野で事業を立ち上げるケースと比べ、計画の信頼性を補強する材料となります。

面談では具体的に熱意を持って伝える

融資を申し込んだ後に行われる融資担当者との面談では、自分の言葉を使って、社会的な貢献や将来へのビジョンを具体的かつ熱意を持って説明することが重要です。

実際に、他の人の成功例をそのまま引用したり、漠然とした説明に終始してしまうと、担当者に信頼感を与えられず、審査を通過できない可能性が高くなるのも事実です。

また、業種によっては、店舗や事務所の実地調査が行われるケースもあるため、面談と並行して店舗や事務所の準備も進めておくことが大切です。

創業融資を利用する際の注意点

創業融資を利用する際の注意点については、以下の2つが挙げられます。

  • 審査期間に時間がかかる
  • 自己資金を用意できないと融資額が減額されるリスクがある

それぞれの注意点について解説していきます。

審査期間に時間がかかる

日本政策金融公庫から融資を受ける際には、審査期間が比較的長くなる傾向があるため、事前に余裕を持った計画を立てることが重要です。

特に、起業や開業の際に初めて融資を申し込む場合、申請者の信用情報がゼロから確認されるため、審査に時間を要するケースが多く見られます。

利用する融資の種類や条件にもよりますが、一般的に申し込みから融資実行までには約3週間から1か月ほどかかるとされています。

自己資金を用意できないと融資額が減額されるリスクがある

創業融資を受ける際には、希望する金額に対して自己資金が十分でないと、融資額が削減される可能性があるため注意が必要です。

自己資金は審査において重要な要素とされており、その割合が著しく低い場合、審査が通らないリスクが高まることがあります。

もし自己資金が希望する融資額に対して不足している場合、現実的な選択肢としては、融資希望額を減らすか、自己資金を増やす努力が求められるでしょう。

このように、自己資金をしっかり準備することが、融資審査を有利に進めるための大きなポイントとなります。

創業融資の審査までにしっかりと準備しておこう!

今回は、創業融資の審査に落ちてしまった場合はどうするのかについて紹介しました。

創業融資の審査に落ちてしまった場合は、どこに課題があったのかを冷静に振り返ることが重要です。

また、その改善点を見つけて次回に活かして、万全の準備を整えておくことが大切です。

今回の記事を参考にして、次の審査までにしっかりと準備しておくことが重要です。


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