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ホステスに税務調査が入りやすい理由とは?入られるポイントや注意点も解説
この記事の監修者
税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。
ホステスに従事している場合でも、税務調査の対象となることは十分にあり得ます。
実際に、ホステスは他の業種と比較して、税務調査が実施されやすい業界の一つと言えます。
本記事では、ホステスに税務調査が入りやすい理由について紹介します。
他にも「ホステスが税務調査に入られるポイント」や「ホステスが税務調査された際の注意点」についても解説していきます。
ぜひこの記事を参考にして、ホステスに税務調査が入りやすい理由について理解を深めてみてください。
目次
ホステスに税務調査が入りやすい理由
ホステスに税務調査が入りやすい理由として、店舗自体も移転や閉店が早期に行われることが多く、短いスパンでの変化が挙げられます。
特にホステスなどの店舗では、長期的に安定した営業が難しいケースも多々見られます。
実際に、営業初期の段階から税務調査の対象となる場合もあります。
また、仕入れ先や顧客の企業が税務調査を受けた際に、伝票や記録がきっかけで該当店舗が調査対象になるケースもあります。
ホステスが税務調査に入られるポイント
ホステスが税務調査に入られるポイントについては、以下の4つが挙げられます。
- 正確に収入を申告していない
- 確定申告をしたことがない
- 経費計上に不自然な点がある
- 突然の収入変動が目立つ
それぞれのポイントについて解説していきます。
正確に収入を申告していない
収入を実際より少なく申告してしまうと、後に税務署から指摘を受ける可能性が高まります。
税務署の職員は収入の不自然な低さに気づくことが多いので、このような行為は避けるようにしましょう。
特にキャバクラ業界では収入が月ごとに変動しやすいですが、どんなに少額であっても正確に申告することが大切です。
少しの誤魔化しが重大なトラブルに発展する可能性があるため、最初から正確に申告する習慣をつけるようにしましょう。
確定申告をしたことがない
税務署は、毎年の申告内容を基に収入を管理しているので、一定額を超える収入があるにもかかわらず申告が行われていない場合、不審に思われる可能性が高くなります。
もしも収入が増加していると感じているならば、確定申告をきちんと行い、リスクを回避することが重要です。
特に、税務調査が店舗や顧客に及んだ場合には、隠していた収入が明らかになる可能性があります。
また、税務署は過去の未申告分についても追徴課税を求める権限を持っているため、調査には本気で臨みます。
一度でも脱税が確認されれば、謝罪や弁明をしても認められず、重加算税や追徴課税が追加で課されてしまうので、早めに適切な申告を行うようにしましょう。
経費計上に不自然な点がある
経費として申請した内容に疑問がある場合、税務署から疑われる可能性が高くなります。
特に、私的な支出を経費に含めていると、税務調査の対象となってしまいます。
業務に必要な経費のみを正確に記録し、それを裏付ける領収書や証拠を適切に保管することが大切です。
例えば、化粧品やカラコンなどは私生活でも使えるものとみなされやすく、経費として認められるかどうかは曖昧になります。
突然の収入変動が目立つ
収入が急激に増減すると、税務署から注目を集める原因となることがあります。
例えば、それまであまり大きな収入がなかった人が、特定の年から突然収入が大幅に増加するケースなどが挙げられます。
反対に、前年には1000万円の収入があったのに、翌年の確定申告では300万円に減少しているような場合も、不自然な変化として疑われることがあります。
こうした状況が生じた場合、正確に申告を行い、収入の増減について適切に説明できる準備を整えておくことが重要です。
ホステスへの税務調査でチェックされやすい項目
ホステスへの税務調査でチェックされやすい項目については、以下の3つが挙げられます。
- 売上
- 人件費
- 在庫管理
それぞれの項目について解説していきます。
売上
最初に注目されるのは、売上を低く計上していないかという点が挙げられます。
税金は利益に基づいて課されるため、売上が少なければ利益も小さくなり、それに伴い納税額も減少します。
特に水商売の業界では、客からの代金を未収として扱うことで、意図的に売上を低く見せることが容易です。
そのため、売上の操作が疑われるケースも少なくなく、税務当局はこの点を徹底的に確認しています。
人件費
税務署は、人件費が不正に計上されていないかという点も注目しています。
利益は売上から経費を差し引いた額で計算されるため、経費を過剰に計上すると納めるべき税金を減らすことが可能になります。
税務調査では人件費が実際よりも多く計上されていないか、あるいは架空の人件費が記録されていないかを厳しく確認されます。
場合によっては、雇用したスタッフの履歴書や関連書類を提示するよう求められることもあります。
そのため、履歴書などの証拠書類は適切に整理し、必要に応じてすぐに提出できるようにしておくことが重要です。
在庫管理
税務調査でチェックされやすい項目として、在庫の管理が適切に行われているかどうかが挙げられます。
税務調査官は、伝票の不正な破棄が行われていないかを疑い、帳簿に記載された在庫と実際の在庫数量が一致しているか、さらに仕入れ費用と売上金額のバランスに不自然な点がないかを確認します。
具体的な対象としては、食材やおしぼりなどが挙げられます。
特に、おしぼりの使用量は来店客数に応じて減少するのが一般的ですが、もし異常な差異が見られる場合、申告内容に誤りがあるとみなされる可能性があるので、正確な在庫管理を心がけることが重要です。
税務調査でのペナルティ
税務調査でのペナルティについては、以下の4つが挙げられます。
- 無申告加算税
- 延滞税
- 過少申告加算税
- 重加算税
それぞれのペナルティについて解説していきます。
無申告加算税
無申告加算税とは、確定申告を期限内に行わなかった場合に課される追加の税金で、ペナルティとして適用されます。
この加算税の税率は基本的に未納額の15%ですが、50万円を超える部分については税率が20%に引き上げられます。
この税金は、税務署が申告漏れを指摘し、その後に期限を過ぎて申告や納付を行った場合に適用されます。
しかし、税務署からの調査通知が来る前に自主的に申告と納付を行った場合には、無申告加算税の税率が軽減され、5%に引き下げられる措置が取られます。
延滞税
延滞税とは、税金が期限内に納付されなかった場合に発生する利息に相当する税金です。
具体的には、法定納期限の翌日から納付日までの日数に応じて課せられます。
また、税率は、納期限の翌日から2ヶ月以内は7.3%、それを過ぎた期間は14.6%です。
過少申告加算税
過少申告加算税とは、期限内に税金の申告を行ったものの、実際に納めるべき正しい金額より少ない額を申告してしまった場合に、ペナルティとして追加で支払う必要がある税金のことです。
具体的に、加算税は申告漏れがあった場合に課され、税率は基本的に本税額の10%です。
しかし、正しい税額から50万円を超える部分については、税率が15%に引き上げられます。
また、税務署から調査の通知を受けた後で修正申告を行い納付をした場合に適用されます。
一方で、税務署の調査通知を受ける前に自主的に修正申告と納税を行った場合には、過少申告加算税は課されません。
重加算税
重加算税とは、故意に所得を隠したり、実際には存在しない経費を申告して税額を不当に減らそうとした場合に適用される税金です。
申告漏れや虚偽申告を防ぐための厳しいペナルティとして設定されています。
例えば、申告を全く行わなかった場合には課税額の40%、過少申告の場合には35%が重加算税として追加されます。
この税金は、税務調査によって「虚偽または隠蔽行為」が行われたと認定された場合に課せられます。
さらに、過去5年以内に無申告加算税や重加算税を課された経歴がある場合には、重加算税率が10%引き上げられる仕組みになっています。
これにより、繰り返し違反を行う納税者に対する抑止力を高めています。
ホステスが税務調査されないためのコツ
ホステスが税務調査されないためのコツについては、以下の4つが挙げられます。
- 収入は正確に申告する
- 経費に計上できない費用を把握する
- 日々の取引を記帳する
- 税理士に相談する
それぞれのコツについて解説していきます。
収入は正確に申告する
税務調査を回避するためには、収入を正確に申告することが重要です。
特にキャバクラのような収入が月ごとに変動しやすい業種では、日々の収入をきちんと記録し、小さな漏れも見逃さないよう注意が必要です。
また、確定申告を行う際には、これまでの収入を再度丁寧に見直し、申告内容に誤りがないことを確認して、自信を持って申請できるように準備しましょう。
経費に計上できない費用を把握する
仕事に必要な支出だけが経費として認められるため、個人的な出費と明確に区別することが求められます。
例えば、業務で使用する衣装代や美容費などは経費として申請可能です。
しかし、普段の私服として使うような高級ブランドの服などは、業務に直接関係していないと判断される場合が多く、経費に計上できないことがあります。
また、働く業種や場所によって、経費として認められる項目に違いがあるため、自分の働く環境に合わせて適切に申請を行うようにしましょう。
日々の取引を記帳する
ホステスが税務調査されないためのコツとして、日々の取引を記帳するようにしましょう。
実際に、税務申告で意図的な過失がなくても、申告内容に誤りが含まれている場合には税務調査の対象となることがあります。
また、確定申告の直前に焦ってまとめて記帳を行うよりも、日々少しずつ丁寧に記録を取る方が効率的であり、記載ミスを減らすことができます。
このように、日々の取引内容を正確に記録し、適切に申告を行うように心がけましょう。
税理士に相談する
確定申告や税務調査に不安を感じている場合は、税理士に相談するという選択肢を検討する価値があります。
税理士は税金や申告に関するプロフェッショナルであり、収入や経費の状況に応じた的確なアドバイスを受けることができます。
サポートを受けることで、税務リスクを軽減しつつ、確定申告の手間を大幅に削減できるのが大きなメリットと言えます。
また、専門家に業務を任せることで、安心して本業に集中できるというメリットも得られます。
しかし、税理士にも得意な分野や不得意な分野がある点には注意が必要です。
ホステスが税務調査された際の注意点
ホステスが税務調査された際の注意点については、以下の3つが挙げられます。
- 必要書類を用意しておく
- 正確な情報を提供する
- 協力的な態度で接する
それぞれの注意点について解説していきます。
必要書類を用意しておく
税務調査が行われることになった場合、調査官からの指示に基づき、必要な書類を事前に整えておくことが重要です。
一般的に求められる書類は以下のようなものが含まれます。
- 過去3期分の総勘定元帳
- 現金出納帳
- 請求書類
- 領収書類
- 銀行の預金通帳
また、帳簿や領収書、通帳などの書類は、通常7年間の保存が義務付けられています。
調査が円滑に進むよう、これらの資料をすぐに提出できる状態で整理しておきましょう。
正確な情報を提供する
調査官の質問には、正確な情報を提供するように心がけましょう。
万が一、虚偽の発言をした場合、罰則が科される可能性があります。
記憶があいまいであったり、即座に正確な回答が難しい場合は、分からないと率直に伝えた上で、必要に応じて後から確認するようにしてください。
また、調査の際は、質問された内容にのみ答えることが重要です。
聞かれていない内容を不用意に話すと、その情報が原因で疑われる場合もあるので注意が必要です。
協力的な態度で接する
税務調査では、調査官に対して協力的な態度を持つことが重要です。
調査官には「質問検査権」と呼ばれる権限が与えられており、納税者への質問や帳簿・書類の検査、提示や提出を求めることが含まれます。
税務調査を受ける立場の納税者には、調査官の求めに応じて必要な検査を受けたり、質問に答えたりする義務があります
もし虚偽の回答をしたり、調査に協力せず検査を拒否したり、正当な理由なく書類の提出を怠った場合には、法令に基づき罰則が科される可能性があるため注意が必要です。
普段から売上や経費を管理しよう!
今回は、ホステスに税務調査が入りやすい理由を紹介しました。
ホステスは、無申告や申告漏れの店舗が多いとされるため、税務署から注目を集めやすい業界とされています。
特に、申告内容に不自然な点がある場合、税務調査の対象になりやすい傾向があります。
一方で、日頃から売上や経費を正確に管理し、法律に則った納税を行っていれば、税務調査が行われても焦るリスクを減らすことができます。
今回の記事を参考にして、普段から売上や経費を管理するようにしましょう。
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