2025.02.23
  • 税務調査

サラリーマンに税務調査が入ることはある?事例や確率を解説!

読了目安時間:約 6分

サラリーマンにも税務調査がやって来ることはあるのでしょうか。また、その確率はどのくらいなのでしょうか。サラリーマンにとって、税務調査や確定申告は無縁のものと考える方は多いかもしれません。しかし、ケースによっては税務調査の対象となる可能性は充分あるのです。

この記事では、サラリーマンに税務調査が入る事例や調査対象となる確率などについてわかりやすく解説しています。

 

サラリーマンに税務調査がやってくるケース

個人への税務調査というと、自営業者や個人事業主など、確定申告をしている納税者が調査対象となるようなイメージを持ちがちです。

事実、サラリーマンは給与所得となり、所得税は会社が年末調整を行って納付するため、自身で確定申告する必要はないのが一般的です。

しかし、サラリーマンの元にも税務調査がやって来る確率はゼロではありません。サラリーマンが税務調査にあう確率が高いと思われる代表的なケースには、以下のようなものが挙げられるでしょう。

 

副業をしている

サラリーマンとしての収入のほかに副業収入があり、その収入について申告をしていないケースです。

以下のようなケースでは、副業を持つサラリーマンであっても確定申告が必要となります。

 

・給料以外に20万円以上の収入がある

通常、給料以外に20万円以上の収入がある場合には、確定申告が必要となります。不動産売買や株式取引、投資信託など、副業という意識がなく得た収入を確定申告していないケース、水商売や風俗業などで現金渡しで収入を得ており、無申告にしているといったケースは注意が必要です。

 

・2か所以上から給料をもらっており、1か所は年末調整をしていない

本業のサラリーマン以外に、アルバイトなどで2か所以上から給料をもらっており、本業以外は年末調整していない場合、本業の給料だけの税率で所得税を計算しているため、副業の給料分を含めて所得税を納めなければならないため、確定申告が必要となります。

 

・2か所以上から給料をもらっており、すべて年末調整している

2か所以上で年末調整している場合も、確定申告が必要となるケースがあります。たとえば、2025年2月現在、給料が103万を超えていなければ所得税は非課税となります。しかし、2か所で100万円ずつ給料を受け取り、計200万円の収入があった場合、実際は所得税の課税対象となるにもかかわらず、どちらの会社においても103万円以内として非課税になっている、といったケースでは確定申告が必要です。

 

給料が2,000万円を超えている

年間に受け取った給料が2,000万円を超えている場合は年末調整の対象とならないため、会社で所得税を払ってもらうことができず、自身で確定申告する必要があります。

会社からアナウンスがなかったか、またはうっかり忘れていたなどの理由で確定申告をしていないケースがあるため、これも注意が必要です。

 

相続を正しく申告していない

税務署や国税庁では、所得税や法人税だけでなく、あらゆる税金の申告や納税状況に関して調査が実施されています。相続税も例外ではなく、親族から相続を受け、相続税について申告を行っていない場合、相続税に関する税務調査の対象となるケースがあります。

 

贈与を申告していない

生前贈与などで控除額を超えた贈与を受け取った場合も確定申告が必要です。高額なプレゼントや、長期に継続した援助などを受けている場合は注意が必要です。

 

このほかにも、家族や配偶者が収入や相続について無申告にしていて、自宅へ税務調査が入るケースや、副業での取引先や勤め先に税務調査が入り、給与や経費が架空計上されていないかの事実確認などで個人へ反面調査が行われるケースなども考えられます。サラリーマンといっても、確定申告や税務調査とは必ずしも無縁とはいえないことがわかるでしょう。

 

税務調査になりやすい会社員の副業とは

サラリーマンの副業で税務調査になりやすいケースについて、さらに詳しく見ていきましょう。

 

株やFX、不動産などの投資

株式投資やFX、投資信託などで収入を得た場合、給与以外の所得が20万円を超えていない場合やNISA口座、または源泉徴収ありの特定口座などを利用している場合、確定申告は不要となります。しかし、所得が20万円を超えて利益が出ている場合には、確定申告が必要です。

不動産や株式など、大口の取得や売却を行った際は、税務調査の対象とされやすいため注意が必要です。売却によって得た利益が正しく申告されているかはもちろん、取得した際にも、取得費用の出所などについて調査される確率が高まります。

また、国税庁では有価証券や不動産等の大口所有者に加え、海外投資による収入についても積極的に調査を行っている旨を発表しています。

海外投資によって得た利益を適正に申告していなかったり、株式やFX、不動産による収入を無申告にしていたりすると、税務調査が入りやすいということです。

 

仮想通貨(暗号資産)取引

株式や投資信託と同様、ビットコインなどの仮想通貨(暗号資産)も、売却時に出た利益は課税対象となりますが、株式投資やFXなどと税率が異なるため注意が必要です。

株式など他の投資で得た収益については分離課税となっており、他の所得とは分けて20%の税率が課せられます。

一方、仮想通貨で得た利益は雑所得扱いとなり、総合課税として他の所得や給与と合算した額が課税対象となってしまいます。

税率も最大55%となり、仮想通貨を日本円へ換金した際だけでなく、他通貨を購入する際に仮想通貨で決済した場合や、相続を受けた際にも課税対象となるため注意しましょう(※2025年2月現在)。

また、仮想通貨取引について、国税庁では積極的に調査を実施している旨をホームページで公表しており、2023年度における1件当たりの平均追徴税額は662万円、2022年度は1,036万円であることがわかっています。

 

アフィリエイトなどインターネットを活用した副業

SNSやブログのアフィリエイト、通信販売など、インターネット上のプラットフォームを活用して収入を得ている場合や、いわゆるシェアリングエコノミーによるビジネスなども、税務署では「新分野の経済活動」として、積極的にデータを集めて調査を実施していることを公表しています。

新分野の経済活動における取引で実施された税務調査では、2023年に1件当たり平均約319万円、2022年には320万円の追徴税が課せられています。

「インターネット上でやっていることだからわからないだろう」と安易に考え、申告を忘れることのないように注意が必要です。

 

水商売などの副業

バーやキャバクラ、ホストクラブや風俗業など、副業で水商売をしている場合も、税務調査が入りやすくなります。

 

国税庁では、毎年「事業所得を有する個人の1件当たりの申告漏れ所得⾦額が高額な職種」を発表しており、2023年度は「ホステス・ホスト」が第2位にランクインしていました。2019年以前は「風俗業」「キャバレー」などが長年首位争いを続けていたような状況で、高額の申告漏れが常態化していることがわかっています。

風俗業や水商売に従事している場合、報酬が現金で即日支払われるケースも多く「証拠が残らないから申告しなくてもいいだろう」と考えるのは危険です。

税務署では、銀行の口座残高や入出金履歴などについて調査できる権限を有しています。ホステスやホスト個人が調査対象になっていなくても、働いている店舗に税務調査が入った場合、芋づる式に従業員の給与も調べられる確率が高まるため、副業で稼いだお金はしっかりと管理し、申告するようにしましょう。

 

参照:国税庁「令和5事務年度 所得税及び消費税調査等の状況」

https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2024/shotoku_shohi/pdf/shotoku_shohi.pdf

 

サラリーマンに税務調査が入る確率は?

サラリーマンに税務調査が入る確率について解説します。

 

個人にも税務調査がやって来る可能性はある

「そもそも個人のところに税務調査がやって来ることはあるのか」という疑問を持つ方がいるかもしれませんが、結論としては個人も法人も税務調査の対象となる可能性はあります。

厚生労働省が2018年に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を発表し、近年では副業に携わるサラリーマンが増えてきています。

NISAなどを入り口に投資へ関心を持つ層も拡大し、非課税枠以外の投資や株式、FXや仮想通貨などの取引を始める人も少なくありません。

アフィリエイトやシェアリングエコノミー、オークションによる商品売買なども増えており、こうしたビジネスは税務署が積極的に調査対象として情報収集していることがわかっています。

個人事業主や自営業者はもちろん、サラリーマンや専業主婦、年金受給者などを問わず、申告漏れがあった場合は誰でも税務調査の対象となる可能性があるのです。

 

サラリーマンに税務調査が入る確率は何%?

国税庁が発表しているデータによると、2023年における所得税に関する調査状況は、47,528件、法人税に関する調査は約59,000件となっていました。また、2023年度の申告数は所得税が2,324 万人、法人税は318万件となっており、所得税の税務調査が入る確率が約0.2%、法人税では約1.9%となります。

確率としては少ないかもしれませんが、税務署ではある程度情報を把握して税務調査対象を選んでいるため、過少申告や申告漏れが疑われる納税者へ税務調査が入る確率はもう少し高くなると考えられます。

また、この中には無申告状態から税務調査が実施された件数は除外されています。無申告状態から税務調査に入られる確率は、さらに高くなると考えた方がよいでしょう。

 

無申告が発覚しやすい事例

無申告が発覚しやすい事例としては、以下のようなケースが挙げられます。

・FXや仮想通貨の取引所、副業先の会社やお店、取引先などへの税務調査

・副業で働いているお店や会社から税務署へ提出された支払調書

・収入に見合わない高額な買い物をした履歴

・情報技術専門官(IT分野に精通した税務署の調査官)による調査

・第三者からのタレコミ

税務署では、こうした情報を把握していても、すぐに税務調査を実施するわけではありません。税務調査では通常3~5年、最大で7年まで遡って調査することができるため、しばらく経ってから電話などで調査の連絡が来るケースが多いのです。

 

サラリーマンや従業員として働いていると、通常は確定申告の必要がないケースが多いため、税金に関する意識が薄れがちです。ちょっとした思い込みやうっかり忘れなどで、何年も無申告や申告漏れの状態が続いているケースも少なくありません。

少しでも心当たりがある場合は、一度税理士などの専門家へ相談してみることをおすすめします。

 

参照:国税庁

「令和5年分の所得税等、消費税及び贈与税の確定申告状況等について」

https://www.nta.go.jp/information/release/pdf/0024005-100.pdf

 

「令和5事務年度 法人税等の申告(課税)事績の概要」

https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2024/hojin_shinkoku/pdf/hojin_shinkoku.pdf

 

税務調査や追徴課税、副業の申告などについて不安な場合は税理士法人松本へ

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一般的な税理士事務所では、税務調査のみの対応や顧問契約のない依頼、期限後の申告サポートなどはあまりいい顔をされないケースも少なくありません。

無申告状態や申告漏れの解消、税務調査に入る連絡を受けた後の相談などにも対応可能です。

全国どこでも、ご相談予約はフリーダイヤルまたは専用フォーム、LINEにて受け付けていますので、お気軽にお問い合わせください。

 

まとめ

サラリーマンであっても、副業や投資で一定以上の収入を得ている場合には、確定申告が必要となります。申告が必要であるにもかかわらず、申告漏れや無申告状態を続けている場合、サラリーマンや個人であっても税務調査に遭う可能性は充分に考えられるのです。

特に仮想通貨やアフィリエイト、水商売や海外投資などは、税務署も積極的に調査や情報収集を行っています。不安な場合は税務調査や個人の申告、納税サポートに強い税理士事務所へ相談するなどして、一人で悩みを抱えないようにしましょう。

 

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この記事の監修者

松本 崇宏

税理士法人松本 代表税理士

松本 崇宏(まつもと たかひろ)

お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。

税理士法人松本は国税OB・元税務署長が所属する税理士法人です。

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