2025.03.14
  • 税務調査

ワンルームマンション投資は税務調査される?注意点を解説

読了目安時間:約 6分

ワンルームマンション投資をしていると、税務調査に入られる可能性はあるのでしょうか。副業として行っていても税務調査の対象となるのか、少ない収入しかなくても税務調査で指摘される可能性があるのかなど、気になる方も多いのではないでしょうか。

本記事では、ワンルームマンション投資が税務調査の対象になる可能性や注意点、税務調査で指摘されやすいポイントなどについてわかりやすく解説しています。

 

ワンルームマンション投資は確定申告の必要があるのか

まずは、ワンルームマンション投資をした場合に確定申告が必要なのかどうかについて解説します。

 

ワンルームマンションの投資で一定以上の所得があれば確定申告が必要

結論から言うと、ワンルームマンション投資に限らず、一定以上の所得がある場合は必ず確定申告をする必要があります。

例えば、サラリーマンが副業としてワンルームマンション投資を始めた場合、副業による所得が20万円を超えていたら確定申告の必要があるのです。

 

所得は収入から経費を差し引いて算出する

ワンルームマンションの投資で得た年間の収入が20万円を超えていたとしても、かかった経費を差し引いて20万円を超えていなければ、確定申告する必要はありません。

所得税の確定申告をする必要があるかは、1月1日から12月31日までにワンルームマンションの投資で得た収入から経費を差し引いた額が20万円を超えているかどうかで判断することとなります。

以下にサラリーマンがワンルームマンション投資の副業で収入を得た際の簡単な例を挙げてみましょう。

 

例1:ワンルームマンション投資で得た収入が1年間で100万円、経費が20万円かかった場合

100万円-20万円=80万円

80万円が所得となるため、確定申告が必要です。

 

例2:ワンルームマンション投資で得た収入が1年間で50万円、経費が35万円かかった場合

50万円-35万円=15万円

15万円が所得となるため、確定申告は不要となります。

 

ただし、申告が不要なのは所得税に関してのみで、住民税については申告する必要があるため注意しましょう。

また、給与所得がなく、ワンルームマンション投資のみで収入を得ている場合には、所得が48万円を超えるかどうかが確定申告の基準となります。

個人事業主やフリーランスとしてワンルームマンション投資を始める場合、今後投資による収入を増やしたいと考えているなら、たとえ初年度の所得が少なかったとしても、原則として確定申告をする方向で対策をしておいた方がよいでしょう。

 

確定申告をしていなくても税務調査の対象に

確定申告の必要があるのに申告していない場合「無申告者」として税務調査の対象となるため注意が必要です。

「税務調査は確定申告した人のところにしか来ない」「確定申告していないから税務署には情報がわからないはず」「実際に確定申告していないが、税務調査にあっていない」というような場合でも、何年か経ってから税務調査の連絡が来る場合もあります。

 

ワンルームマンション投資の所得を申告しなかったらどうなる?

ワンルームマンション投資で得た所得を確定申告しなかった場合にどうなるのかについて解説します。

 

無申告は税務調査の対象となる

税務署では、毎年申告・納税を行っている納税者へ不公平性をもたらすことを防ぐため、確定申告をしていない「無申告者」について積極的に情報収集し、厳格に対応していることを公表しています。

確定申告の必要があるのに申告をしていない状態であることは、高い確率で税務署に把握されていると考えた方がよいでしょう。

気づいた時点で期限を過ぎていたとしても、自主的に確定申告を行うようにしないと、数年ほどが経過してから税務調査の連絡が来る可能性もあるのです。

 

無申告にしていた場合のペナルティ

無申告状態でいることを税務調査で指摘された場合、以下のようなペナルティを受けることとなります。

 

無申告加算税:申告期限までに確定申告を行わなかった場合に、納めるべき税金に対して15~30%の無申告加算税が加算されます。

 

延滞税:申告期限の翌日から起算して納付する日までにかかった期間に応じて、2.4%または8.7%の延滞税が加算されます。

 

重加算税:故意の脱税や所得隠しなど、悪質性が認められる場合には35~40%の重加算税が加算されます。

 

このほかにも、悪質とみなされた場合には5年以下の懲役又は500万円以下の罰金刑などの刑事罰が科されるケースもあります。

 

確定申告の必要がなくてもデメリットがある場合も

副業で所得が20万円以下のケースや、本業がなくワンルームマンション投資の所得が48万円以下の場合、確定申告をする必要はありませんが、所得証明が必要となる控除が受けられない、不動産等の契約ができないといったデメリットが生じる場合があります。

確定申告の必要はなくても住民税の申告は必要となるため、住民税の申告を忘れて延滞税がかかるケースもあるため注意が必要です。

確定申告では納税するだけでなく、税金を払い過ぎていた場合に還付が受けられることもあります。自身が確定申告した方がよいのか判断がつかない場合は、税理士などの専門家へ相談してみるとよいでしょう。

 

個人の投資でも税務調査はやってくる?

個人でワンルームマンション投資をしている場合でも、税務調査がやって来る可能性があるのかについて解説します。

 

個人の投資でも税務調査はやって来るのか

ワンルームマンション投資の収支について、毎年確定申告を行っている個人のもとへも、税務調査がやって来る可能性は十分にあります。

その理由として、不動産が総合課税となっている点も挙げられるでしょう。総合課税とは、他の所得と合算して所得税を計算できる課税方式で、不動産所得以外に給与所得や事業所得(一部対象外)などが該当します。

ワンルームマンション投資をすることで経費を計上し、赤字として申告することで、納税額を少なくしたり、ケースによっては還付を受けられたりする可能性もあるのです。

ワンルームマンションから得られる利益は少なかったとしても、総合課税であることを利用して脱税を働くケースも少なくありません。収益の小さな個人のワンルームマンション投資の場合、税務調査にあう頻度はそこまで多くはありませんが、可能性は十分にあるといえるでしょう。

 

ワンルームマンション投資以外の理由から税務調査が入るケースも

ワンルームマンションの投資以外に事業所得や投資による所得などがある場合、そちらの税務調査からワンルームマンション投資に関する指摘を受ける可能性もあります。

取引先に税務調査が入り、法定調書などから申告内容に相違があると判断されて税務調査となるケースや、そもそも確定申告自体をしていない無申告状態が発覚して税務調査となるケースもあるでしょう。

 

税務調査で指摘されやすいポイントは?

確定申告をしていて税務調査となった場合に、ワンルームマンション投資で指摘されやすいポイントとしては、以下が挙げられます。

 

計上漏れがないか

申告した内容に漏れがないかは、税務調査では必ずチェックされるポイントの1つです。家賃収入に抜けがないか、駐車場の利用料など、他の収益がある場合に計上が漏れていないかなど、こまめに見直すようにします。

また、入居時に支払われる保証金や敷金を受け取った場合は預り金勘定などで仕訳を行いますが、退去時に返却する際、原状復帰にかかる費用などを差し引いた場合は収益として計上する必要があります。

 

計算間違い、記帳ミスがないか

単純な計算間違いや記帳ミスが見つかった場合、修正申告の対象となるだけでなく「他にも間違いがあるのではないか」と調査の手が厳しくなる場合があります。場合によっては、再度税務調査がやって来る頻度が高まる原因にもなりかねないため、申告書の提出前には何度も間違いがないか確認するようにしましょう。

申告後に間違いが発覚した場合も、期限内であれば何度でも申告が可能です。期限を過ぎた後も、早めに修正申告することで、延滞税などを軽くすることができます。

 

経費を過剰に計上していないか

プライベートの支出を経費として計上していないか、ワンルームマンション投資に関係のない支出を経費として計上していないかといった点も、税務調査で指摘されやすいポイントです。また、融資を受けて投資用マンションを購入した場合、利息を経費にすることはできますが、返済した元本は経費にできない点も注意が必要です。

数年が経過すると、指摘された際に思い出せない場合もあります。請求書や領収書はすべて取っておくのはもちろん、経費については備考やメモなどで詳細を明確にしておくようにしましょう。

 

損益通算が正しくされているか

ワンルームマンション投資でチェックされやすいポイントとして、損益通算が正しくなされているかも重要です。

例えば、土地や借地権などを購入した際に支払った金額のうち、利息については損益通算に含められないため、差し引いて計上することとなります。

利息も含めた金額で赤字計上していた場合は、税務調査で必ず指摘されることとなるため注意しましょう。

赤字として計上しない場合は、マンション購入の際に融資を受けた場合の利息は原則として経費計上することが可能です。

しかし、親族から融資を受けた場合、同居親族からの融資による利息は経費計上できないため注意が必要です。

 

青色申告の要件を満たしていない

ワンルームマンション投資を青色申告で確定申告すると、最大で65万円の特別控除が受けられるほか、損失の繰越ができるといったメリットがあります。しかし、一定の要件を満たしていないと青色申告できないため、税務調査で指摘される可能性があります。

 

青色申告を選ぶためには

・事前の届出

・複式簿記による記帳

・事業所得であるとみなされること

の3点が重要となります。

 

事前の届出については、申告する年(通常は確定申告書を提出する年の前年)の3月15日までに、開業届と青色申告承認申請書を税務署へ提出します。複式簿記での記帳は、会計ソフトなどを利用することで記帳が可能です。

不動産投資で55~65万円の特別控除を受けるためには、一定以上の事業規模がある場合に限られます。目安としてはマンションの場合10室以上、戸建ての場合は5棟以上が基準となります。

マンション1室の場合でも青色申告が利用できる場合もありますが、その場合の特別控除は10万円となります。

 

このほかにも、消費税が正しく計上できているかや減価償却の処理は正しいか、不動産購入時の仲介手数料の計上方法など、チェックされるポイントはたくさんあります。税務調査の対応に不安がある場合は、早めに税理士などの専門家へ相談することをおすすめします。

 

ワンルームマンション投資の税務調査が不安な場合は税理士法人松本へご相談を

「ワンルームマンション投資の確定申告のやり方がわからない」「税務調査で指摘されるかもしれなくて不安」といった悩みをお持ちの場合は、1度税理士法人松本へご相談ください。

税理士法人松本には、国税OBや元税務署長の税理士が10名以上在籍しており、税務調査対策に全力で対応しています。追徴課税ゼロの実績も多数あり、副業のワンルームマンション投資の確定申告などのご相談にも対応可能です。

税務署から税務調査の連絡が入ってからのお問い合わせや、無申告状態の解消といった内容も、1度お問い合わせください。

ご連絡は全国どこでも、ご相談予約はフリーダイヤルまたは専用フォーム、LINEなどからお気軽にご連絡いただけます。

 

まとめ

ワンルームマンションの投資はサラリーマンの不労所得や副業の選択肢として、近年注目を集めています。不動産仲介業者の中には確定申告の知識が乏しい人もおり、適当な説明をされるケースもゼロではありません。マンション投資に関する確定申告や税務調査には、税理士などの専門家のサポートを受けるのがおすすめです。税務調査などの対応実績が豊富な税理士への依頼を検討しつつ、適正な申告と納税ができるよう、早い段階から対策を取っておきましょう。

 

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この記事の監修者

松本 崇宏

税理士法人松本 代表税理士

松本 崇宏(まつもと たかひろ)

お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。

税理士法人松本は国税OB・元税務署長が所属する税理士法人です。

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