メニュー
- 税務調査
税務調査を受ける部屋は指定できる?自宅はどこまで調べられる?

読了目安時間:約 6分
税務調査を受ける際、どの部屋へ案内するかを指定することはできるのでしょうか。会議室がないオフィスや店舗、自宅兼事務所の場合など、どこまで調査されるのかも気になります。
この記事では、税務調査を受ける際の部屋はどこがよいのか、どこまで調べられる可能性があるのかなどについてわかりやすく解説していきます。
税務調査を受ける部屋の指定は可能なのか
税務調査を受ける際に、部屋の指定をすることはできるのかについて見ていきましょう。
税務調査を受ける部屋は指定できる
結論から言うと、税務調査の際に使用する部屋は指定することが可能です。税務調査は会社に限らず、店舗や工場、経営者の自宅などで実施されることもあります。
基本的には、会社であれば事務所内で、事業が店舗や個人宅のみで行われている場合は、店舗や自宅が調査場所となります。
一般的な税務調査は、所轄の税務署が実施するため、本店所在地や自宅兼事務所など、納税地での調査となりますが、事情によっては別の場所で税務調査を行うことも可能です。
会社や店舗で税務調査を実施する場合
会社で税務調査を受ける場合、会議室や応接室として使用している部屋があれば、そこを利用するのがよいでしょう。
来客用の部屋がない場合は、パーテーションなどを使って仕切ったり、デスクの配置を変えたりして、調査が行えるスペースを確保するようにします。
数年分の帳簿やパソコンのデータなどを広げて確認できるだけのスペースと、従業員や顧客とを隔てて、静かに調査できる空間を準備するようにします。
自宅で税務調査を実施する場合
自宅で税務調査を受ける場合も、基本的には事務所として使用している部屋を利用しますが、狭い場合はリビングに案内することもできます。
すべての部屋を隈なく調べられることはありませんが、調査対象となる期間中の帳簿や書類の保管場所と、事務所として使っている部屋は見られる可能性が高いでしょう。
あまりたくさんの部屋を見られたくない場合は、書類の保管場所を事務所として使っている部屋へ移動させ、事業に不要なものは片付けておくようにします。
任意調査では、1~2名の調査官がやって来るため、2人以上が座って調査できるだけのスペースを確保しましょう。
税務調査に使えるスペースがない場合
「事務所が小さく、従業員に話を聞かれたくない」「病気の家族がおり、自宅での調査は避けたい」など、どうしても税務調査に使えるスペースがない場合には、貸会議室やレンタルスペースなどで部屋を予約して迎えることも可能です。
ただし、調査に必要な書類やパソコンなどを持ち込む必要がある点と、納税地からあまりに遠い場所とした場合には、受け入れてもらえないケースもあるため注意が必要です。
事務所や自宅以外の場所に部屋を用意すること、候補となる所在地などをあらかじめ伝えて、調査日程や時間帯なども併せて交渉するようにしましょう。
税務調査で部屋を見られる際のポイント
税務調査で調査官を部屋に通した際に見られやすいポイントについて解説します。
会社や店舗の場合に見られやすいポイント
会社や店舗で税務調査を行う場合、以下の場所はチェックされやすいポイントとなります。
・従業員のデスク
従業員が勤務中にデスクの上に広げている書類や伝票、パソコンの画面などはチェックされやすく、内容について質問を受ける可能性もあります。「いつもこのように処理している」「去年までは違うやり方だった」など、ちょっとした会話から指摘を受ける可能性もあります。
・タイムカード置き場
従業員の人数と明らかに異なる枚数のタイムカードが置かれていないか、タイムカードの時間は正確か、壊れていないかなどがチェックされる可能性もあります。
・商品在庫置き場、倉庫など
実際にストックしている商品の数や価格が、帳簿や申告内容と比べて相違がないかなどはチェックされやすいポイントとなります。
・家具、備品、調度品など
高価な家具や備品、調度品などが飾られている場合、売上が低いにも関わらず大きな買い物をしていないかなどを探る目的で、購入した時期や価格などについて質問される可能性があります。
このほかにも、ちょっとした雑談や従業員への質問などから、調査の糸口を掴むきっかけを探られる可能性はあるでしょう。
自宅の部屋で見られやすいポイント
個人事業主や自宅兼オフィスにしている場合に見られやすいポイントには、以下が挙げられます。
・家賃の按分に応じたスペースとなっているか
自宅兼オフィスにしているフリーランスの税務調査では、家賃の按分に応じたスペースを実際に事務所として使用しているかを確認されます。
ごく小さなスペースしか使用していないのに、家賃を按分している額が大きくなっていないかなどは、チェックされやすいポイントの1つと言えるでしょう。
・インテリア、調度品
自宅のインテリアや調度品なども、会社や店舗と同様チェックされる場合があります。売上が低いのに高価な部屋やインテリアである場合、資金の出所を聞かれたり、他に申告していない売上がないかを確認されたりする可能性もあるでしょう。
このほか、ガレージに停めている車やクローゼットに置いている服飾品、アクセサリーなどにも質問が及ぶ場合があります。
基本的に、自宅でも事務所や店舗のいずれの場合でも、隠す必要のないものであればそのままにしておいても構いません。とはいえ、ごちゃごちゃと色々見えている部屋よりは、仕切りのあるシンプルな部屋を使った方がスムーズに調査を進めやすいでしょう。
税務調査で部屋へ通す場合の注意点
税務調査で調査官を部屋へ通す場合の注意点について解説します。
会社や家族に税務調査が来ることをあらかじめ伝えておく
会社の従業員や同居の家族には、税務調査がやって来ることをあらかじめ伝えておき、調査中は無用の会話を控えるよう依頼しましょう。
税務調査では、基本的には経営者と経理担当者が対応することとなります。しかし、外部の人間や家族、従業員の雑談などにも調査官が耳を傾け、質問を投げかけるなどして、申告内容に関する質問の糸口を探ろうとする可能性もあります。
帳簿や会計に関与していない人物がいない日を選ぶか、難しい場合は雑談や調査官との会話などは控えるよう、事前に伝えておくことが大切です。
書類やデータは見やすく整理し、1か所に集めておく
小さなオフィスや自宅に事務所を構えている場合、書類の置き場所に困るケースもあります。書類の一部を別の部屋で保管していたり、書類とパソコンを別の部屋に分けていたりする場合もあるでしょう。
税務調査で「〇年分の帳簿を見せてください」と言われた際、仮に別の部屋に置いてあって「取ってきます」と伝えた場合には、「その部屋も見せてください」と言われる可能性が高まります。
例えば、2階の寝室など事業と直接関係のない部屋を見せる必要はありませんが、書類などの保管場所としている場合は部屋を見せるよう求められることがあり、拒否すると何か隠しているのではないかと疑われる可能性もゼロではないでしょう。
書類やパソコンのデータ、業務で使用している機器類などは1か所に集めておき、他の部屋を見る必要がないように配慮しておくことが大切です。
書類も雑に管理していると、調査に時間がかかったり、わかりにくくすることで証拠隠滅を図っていると疑われたりする場合もあります。
月別や科目別に整理してファイリングし、インデックスをつけるなどして閲覧しやすいようにしておきましょう。
税務調査では、最低でも3年、最大では5~7年まで遡って調査されることとなります。決算や入出金、事業に関する書類の保存期限も5~7年と決まっているため、その間の期間に該当する書類は大切に保管しておき、税務調査の際にはすべてまとめて置いておくようにします。
調査中の風景が見えにくいよう配慮する
税務調査中の部屋から他の従業員が作業している風景や、顧客の来店風景などが見えないようにしておきます。
税務署の調査官とやり取りしている様子が見える空間では、会社の業務がなんとなくやりづらく、支障が出てしまう可能性もあります。顧客に税務調査が来ていることを察知されることも避けたいところです。
税務調査での会話は、会社の経理に関する内容となるため、従業員や顧客へ聞かれたくない内容が含まれることも多いと予想されます。
パーテーションで仕切るだけでは音が漏れてしまうため、防音設備のある部屋や別室などを用意できる方がよいでしょう。
事業に関係のないものは見せなくてもよい
自宅で税務調査を受けていると、会話の中で家族の部屋やプライベートの通帳を見せるように言われることがあるかもしれません。子どもの進学状況や仕送りの有無、最近の同居していない家族の現況まで聞かれる可能性もあります。
税務調査を受ける納税者には受忍義務があり、任意調査と呼ばれる一般的な税務調査であっても、任意ではなく原則として協力しなければならない義務があります。
しかし、事業や申告内容に関係がないことや、プライベートな内容に関しては答える義務はありません。黙ったり調査を妨害したりするような態度は控えなければなりませんが、事業と関係ないものは見せなくてもよいことは知っておきましょう。
時には毅然とした対応も必要
税務調査では、過去に様々な脱税や隠ぺい工作などに遭遇してきたため、疑う余地のあるものは念のため確認されることもあります。「何か隠しているのではないか」「嘘をついているのでは」などの可能性を排除するため、税務調査では「何でそんなことまで」と思うようなことも質問されることがあるのです。
疑われるのは気分が悪いものですが、不安になって曖昧な返答をしたり、調査官の言いなりになったりする必要はありません。時には毅然とした態度で、感情的にならず淡々と反論や交渉することが大切です。
税理士に立ち会ってもらうのがおすすめ
税務調査では、調査に協力しながらも疑いは晴らし、税務のプロである調査官と税法上の観点からしっかりと交渉できるコミュニケーション力が問われます。
税務調査に素人だけで対応するのは難しいことも多いため、対応に不安がある場合は税理士に立ち会ってもらうことをおすすめします。
立ち会ってもらう場合、税理士なら誰でもよいわけではなく、税務調査の対応実績が豊富な税理士を選ぶことが大切です。調査官への対応を税理士に任せられるだけでなく、追徴課税ゼロで調査を終えられる可能性も高まります。
税務調査の準備や対応が不安な場合は税理士法人松本へご相談を
「税務調査を受ける部屋の準備ができているか不安」「質問にうまく答えられる自信がない」といった悩みを抱えている場合は、1度税理士法人松本へご相談ください。
税理士法人松本には、国税OBや元税務署長の税理士が10名以上在籍しており、税務調査対策に全力で対応しています。法人の税務調査はもちろん、フリーランスや個人の税務調査にも誠実に対応しており、多くの追徴課税ゼロ実績を誇っています。税務調査の連絡が来てからの対応や、事前の準備に関するアドバイスなどもお任せください。
ご連絡は全国どこでも、ご相談予約はフリーダイヤルまたは専用フォーム、LINEなどからお気軽にお問い合わせいただけます。
まとめ
税務調査を受ける部屋は自由に指定することができますが、書類やデータを別の部屋で保管している場合、その部屋も見せるように言われる可能性はあります。また、個人やフリーランスの税務調査で自宅へ通す場合には、家事按分通りに部屋が使われているかチェックされると考えた方がよいでしょう。
会議室や来客室などがあればよいですが、家族や従業員、顧客などから見える位置の場合、税務調査の内容を聞かれたり、無用な会話や作業中の伝票などから調査の糸口を掴まれる可能性もあります。
必要に応じて貸会議室などの手配をすることは可能なため、税理士などの専門家へサポートも依頼しつつ、税務調査対策を取っていくのがおすすめです。
免責事項
当ブログのコンテンツ・情報について、できる限り正確な情報を提供するように努めておりますが、正確性や安全性を保証するものではありません。内容は記事作成時点の法律に基づいています。当サイトに掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。
この記事の監修者

税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。
税理士法人松本は国税OB・元税務署長が所属する税理士法人です。
全国からの税務調査相談実績 年間1,000件以上
- 現在、税務調査が入っているので困っている
- 過去分からサポートしてくれる税理士に依頼したい
- 税務調査に強い税理士に変更したい
- 自分では対応できないので、税理士に依頼したい
税務調査の専門家が対応させていただきます。
税理士法人松本の強み
- 税務署目線、税理士目線、お客様目線の三方良しの考え方でアドバイス
- 過去の無申告分から現在まですべて対応可能
- 査察案件から税務署案件までの経験と実績が豊富にあります
- 顧問税理士がさじを投げた案件も途中から対応できます
30秒で完了かんたん税務調査リスク診断