2023.10.25
  • 税務調査

税務調査の日時に都合がつかない場合は、延期できる?

この記事の監修者

松本 崇宏

税理士法人松本 代表税理士

松本 崇宏(まつもと たかひろ)

お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。

税務調査が行われる前には、電話で事前通知が行われることが多くなります。この時、税務調査を行う日程について相談がなされますが、指定された日時の都合がつかないケースも出てくるでしょう。また、一旦了承した日時であっても、何らかの事情で都合が悪くなってしまうこともあるかもしれません。
そのような場合、税務調査の延期や日程の調整を依頼することはできるのでしょうか。
今回は、税務調査の延期についてご説明します。




税務調査は、拒否はできないが延期はできる

税務署による税務調査は、納税者の許可が必要な任意調査です。しかしながら、税務調査官には質問検査権があり、税務調査を行う権利が認められており、税務調査を拒否した場合には1年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられる可能性があります。そのため、任意調査ではありますが税務調査を簡単に拒否することはできません。しかし、正当な理由がある場合には、任意調査の日程を延期することはできるのです。
国税通則法第74条の9第2項では「税務署長等は、前項の規定による通知を受けた納税義務者から合理的な理由を付して同項第一号または第二号に掲げる事項について変更するよう求めがあった場合には、当該事項について協議するよう努めるものとする。」としています。では、税務調査の延期が認められる合理的な理由とはどのようなケースが対象になるのでしょうか。

税務調査が延期できる合理的な理由とは

国税通則法の法令解釈通達を見ると、事前通知した日時等の変更に係る合理的な理由として、次のように記載されています。
「5-6 法第74条の9第2項の規定の適用に当たり、調査を開始する日時または調査を行う場所の変更を求める理由が合理的であるか否かは、個々の事案における事実関係に即して、当該納税義務者の私的利益と実地の調査の適正かつ円滑な実施の必要性という行政目的とを比較衡量の上判断するが、例えば、納税義務者等(税務代理人を含む。以下、5-6において同じ。)の病気・怪我等による一時的な入院や親族の葬儀等の一身上のやむを得ない事情、納税義務者等の業務上やむを得ない事情がある場合は、合理的な理由があるものとして取り扱うことに留意する。」
これによると、
・病気や怪我等による入院
・親族の葬儀
・業務上の理由
は合理的な理由に該当することが分かります。
また、納税義務者だけでなく、税務代理人である税理士の病気や業務上の理由も税務調査の延期が認められる合理的な理由となり得ることがお分かりになるでしょう。

税務調査の延期ができる具体的な事例とは

税務調査の延期を申し出ても認められる、具体的な事例をご紹介します。

業務が忙しく、立ち会いができない場合

業務上のやむを得ない事情であれば、税務調査の延期が可能です。そのため、指定された時期は忙しくて税務調査に必要な書類を準備できなかったり、当日の立ち会いが難しいといった場合は、事前通知の際に指定された日時を延期できると考えられます。
例えば、ケーキ店にクリスマスの前日に税務調査が入る場合は、クリスマスケーキの準備に忙しく、税務調査に立ち会う時間は確保できないでしょう。このような場合は、税務調査の日時を都合がつくスケジュールに延期してもらうことができます。

重要な商談が入っている場合

税務調査の事前通知は、数か月も前に行われるわけではありません。一般的には、税務調査の2~3週間ほど前に連絡が入るケースが多くなっています。
そのため、指定された日はすでに会社にとって重要な商談のアポイントが入っているケースもあるでしょう。税務調査のために大きな商談をキャンセルしなければならなくなれば、会社としての収益にも影響します。そのような場合は調査官に事情を説明し、延期を依頼するようにしましょう。

経営者の健康上の理由で対応が難しい場合

病気や怪我などで入院している場合や、入院に至らないまでも療養や安静が必要な場合などは、税務調査に対応することができません。無理をして税務調査に対応しても、実地調査中に体調が悪化してしまえば、調査官も困ってしまうはずです。
健康上の問題で税務調査の対応が難しい場合も、遠慮せずに延期を依頼しましょう。

経営者が不在のために対応できない場合

新しい店舗やオフィスの立ち上げのために、経営者が長期間不在にするケースもあるでしょう。立ち上げの時期は、その後の事業を左右する重要なタイミングです。そのため、その時期に税務調査に対応するために新しい店舗や事業所から離れてしまうと、利益に大きな影響が出る可能性があります。このようなケースも、税務調査の延期が認められると考えられます。

税理士の立ち会いが難しい場合も税務調査の延期依頼が可能

税務調査の事前通知がなされた場合、納税者の都合がついても、税理士の都合がつかないケースもあるでしょう。そのような場合も、税理士の立ち会える日程にスケジュールを延期することができます。
納税者の中には、顧問税理士がいないものの、税務調査の際には税理士に立ち会いを依頼したいと考える方もいらっしゃるでしょう。そのような場合も税理士の都合を確認してから税務調査を受けたいと伝えれば、指定された税務調査の日時を延期することができるのです。

税務調査の事前通知を受けたらすべきこと

税務調査の事前通知で、実地調査の日時を示された場合、スケジュールに問題がなければその日程で約束をして問題ありません。しかし、税理士が立ち会える日に日程を変えてほしい場合などは、日程の延期が可能です。顧問税理士がおり、確定申告書を提出する際に税務代理権限証書を添付していれば、納税者だけでなく、顧問税理士の双方に事前通知が行われる仕組みとなっています。しかし、顧問税理士契約を結んでいない場合でも、税務調査の通知があれば、スポット対応ができる税理士に対応を依頼することをおすすめします。
税理士に税務調査の対応を依頼すれば、事前に帳簿などのチェックを受け、指摘を受けやすい事項に対するアドバイスを受けることができます。また、税務調査では解釈の違いによって、正しくも、間違いにも捉えられるケースがあります。そのようなケースが出てきた場合にも、税理士が実地調査当日に同席していれば、納税者側の立場に立った説明が可能です。
税務調査の事前通知を受けたら、まずは税理士に相談することをおすすめします。

まとめ

税務調査の日時は、都合がつかない場合は延期が可能です。例えば、納税者が業務で忙しい日、健康上の都合で立ち会えない日、税理士の都合がつかない日など、合理的な理由があれば延期をお願いすることができます。
税理士法人松本は、税務調査の経験を豊富にもつ税理士集団です。税務調査をスムーズに終わらせるためには、税務調査官の主張も認めた上で、税法上の解釈の違いを説明し、納税者側の主張を伝えることが大切です。税理士法人松本は、数多くの税務調査に対応してきた経験から、調査官との交渉における落としどころを早いタイミングで見出し、双方が納得できるような折衝を進めてまいります。
税務調査の事前通知が入ったら、まずはお気軽にご相談ください。また、事前通知にて日時の約束をしてしまった場合も延期できる可能性があります。すでに税務調査の日時が決定している場合もお早めに税理士法人松本までお問い合わせください。





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