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Suicaのチャージ代は経費にできる?税務調査で指摘されやすい理由は!
この記事の監修者
税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。
近年活用頻度が高まっているSuicaや電子マネーは、チャージ代をいつ経費計上できるのかで迷いやすいものです。
Suicaへのチャージ代計上を税務調査で指摘されることはあるのか、あるとすればその理由や、チャージを経費にする際のポイントなども知っておきたいところです。
この記事では、Suicaや電子マネーへのチャージが税務調査で指摘されるポイントや、正しい経費計上の方法などについてわかりやすく紹介していきます。
Suicaへのチャージは税務調査で指摘される?
Suicaへのチャージは、税務調査でどのように指摘されるのかについて解説します。
Suicaへチャージしただけでは経費とみなされない
Suicaに限らず、電子マネー全般へチャージしただけでは、原則として経費とは認められません。
Suicaへのチャージは、現金を電子マネーに代えただけに過ぎないため「現金を自分の銀行口座へ預け入れた」「銀行から引き出した現金を財布へしまった」といった行為と同じであるといえるのです。
Suicaを早期に導入した場合「チャージした時に経費にしてもよい」と専門家からアドバイスされていたケースがあるかもしれません。
Suicaへのチャージが電車賃とイコールになっていると認識している人も少なくないでしょう。
Suicaへのチャージが経費とみなされるタイミングは?
経費とみなされるのは、チャージした金額を使って交通機関を利用した時点となります。
毎回決まった時期に定額をチャージし、すべてを交通費として使用している履歴などがわかれば、チャージした時点で経費計上しても最終的に認めてもらえる可能性はあります。
しかし、もしもチャージした金額を経費以外の用途に使用した疑いがある場合、税務調査で指摘を受けてペナルティの対象となる可能性が高まってしまいます。
税務調査でSuicaなどのチャージを指摘されやすい理由
税務調査でSuicaへのチャージについて指摘されやすい理由として、以下のような点も挙げられます。
私的な目的に使用されやすい
Suicaや電子マネーへチャージした場合、チャージした金額のすべてが交通費として使用されるとは限らない仕様となっています。
Suicaへチャージした現金は、Suicaでの決済に対応している店舗でのショッピングに使うことが可能です。
そのため、Suicaへのチャージを経費として計上しながら、実際にはプライベートな目的で使っている可能性がないかを税務調査ではチェックされることとなるのです。
税務調査でSuicaのチャージをプライベートな目的で使用したとみなされた場合、経費の計上が認められないため、その分の法人所得の修正が必要となります。
また、会社役員への給与として扱われる場合には、源泉所得税の徴収漏れも指摘されることとなるでしょう。
二重計上されている場合がある
Suicaのチャージ時点で経費として計上し、チャージを使用した際にも経費計上する「二重計上」が行われやすい点も、税務調査で指摘を受ける理由の1つとなっています。
チャージした時点で経費計上したことを忘れて、うっかりコンビニなどでSuicaを使用し、購入した際のレシートを経費のレシートに含めてしまい、二重計上となってしまうケースは見落としやすいものです。
意図的に二重計上したわけではなかったとしても、税務調査で疑いを持たれるような点が随所に見られれば、経費の水増しや私的な着服などが疑われる可能性も出て来てしまいます。
明細がわからないケースも多い
Suicaへチャージした際の履歴は残っていても、実際にいつどの時点でいくら使用したかがわかる明細を保存していないケースもあります。
Suicaの利用履歴はチャージ専用機で印字することができますが、最大で100件までしか遡ることができないため注意が必要です。
うっかり印字を忘れると明細が提示できなくなってしまい、税務調査で指摘されるケースもあります。
うっかりミスによる二重計上や利用履歴の明細提示ができない、といった事態が重なってしまうと、税務調査で横領や脱税、所得隠しなどを疑われる原因になりやすいのです。
Suicaや電子マネーへのチャージを経費にする際のポイント
Suicaのチャージ利用をいい加減に管理していると、税務調査で指摘されやすいため注意が必要ですが、Suicaの利用は便利なため、業務上では活用したいところです。
Suicaや電子マネーへのチャージを活用して経費にする際に気をつけるべきポイントについて解説します。
仕事専用のSuicaを持つ
可能であれば、仕事専用のSuicaを作ってプライベートと完全に分けてしまうとよいでしょう。
仕事以外の目的で使用していないと説明できる状態にすることで、税務調査で疑われるリスクを減らすことができるうえ、会計管理もわかりやすくなるメリットがあります。
私的な買い物をしている疑いを持たれないよう、仕事専用のSuicaはシンプルに交通費の決済専用として使用した方がよいでしょう。
利用時に経費計上し、二重計上されないようにする
Suicaや電子マネーへチャージした時点ではなく、交通機関を利用した時点で経費計上するようにしましょう。
間違ってチャージ時点で経費にしてしまい、改札利用時にも経費計上してしまわないよう、次に紹介する明細や履歴の保存と併せて管理することをおすすめします。
チャージ時点で経費計上している場合も、年度末までに使い切っているのであれば問題はありません。
もし年度末にチャージ残額がある場合は、その分を「貯蔵品」の勘定科目を使用するなどして、損金算入しないように管理します。
明細や履歴を保存しておく
Suicaの利用履歴がわかる明細はこまめに印字したり、アプリ使用で履歴を保存したりできるようにしておきましょう。
現金払いや回数券使用など、他の決済方法による交通費がある場合は、エクセルなどで表管理しておくと見やすく便利です。
Suicaを使った交通費の処理や仕訳についてマニュアルを作成し、二重計上や私的流用などが起きないよう管理していると説明できるような体制を作っておくと、税務調査の際に説明がしやすくなるでしょう。
Suicaのチャージについて不安な場合は実績豊かな税理士へ相談しよう
Suicaのチャージといった決済方法について詳しい知識がないと、専門家でも「チャージした時点で経費にしてもよい」と間違った指導をしてしまう可能性があります。
Suicaや電子マネーのチャージに関する記帳や仕訳については、近年の決済手段に対する税務調査対応などの実情に明るい税理士へ相談することが大切です。
税理士法人松本では、税務調査に関するご相談はもちろん、経理業務のアウトソーシングや税理士のセカンドオピニオンを聞きたい、といったご相談にも対応しています。
初回の電話相談は無料、フリーダイヤルまたはお問い合わせフォームより相談予約を受け付けていますので、一度お気軽にご連絡ください。
まとめ
Suicaや電子マネーのチャージは、チャージした時点では経費とはみなされないのが一般的です。
そのため、チャージした金額の明細のみを保管して経費計上している場合、税務調査で指摘を受けやすいため注意が必要となります。
Suicaのチャージは交通費以外に、コンビニなどで買い物する際にも利用できるため、私的な流用や二重計上が疑われやすく、過少申告としてペナルティの対象となってしまいます。
Suicaのチャージを税務調査で指摘されないためには、仕事専用のSuicaを発行し、交通機関などで利用した時点で経費計上し、利用明細は保管してしっかりと管理することが大切です。
現在の申告内容や仕訳に不安がある場合は税理士へ相談しながら、適正な申告になるように注意しましょう。
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