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仮想通貨は税務調査でいくらから指摘される?申告が必要な取引も解説!
この記事の監修者
税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。
近年投資の商材として注目されている仮想通貨は、いくらから税務調査で指摘される可能性があるのでしょうか。仮想通貨を購入した時点で申告が必要なのか、どのタイミングで課税対象となるのかについても気になるところです。
この記事では、仮想通貨に税金がかかるタイミングや確定申告が必要となるケース、申告しなかった場合の事例などについてわかりやすく解説しています。仮想通貨の収入と税務調査について知りたい際の参考としてお役立てください。
仮想通貨に税金がかかるタイミング
仮想通貨(暗号資産)に税金がかかるタイミングについて解説します。
仮想通貨を持っているだけでは課税されることはない
結論から言うと、仮想通貨を保有しているだけでは、課税対象となることはありません。仮想通貨を売却して相当額の日本円を得たり、仮想通貨を決済に使用したりしたとしても、保有した時より価格が下がった状態であれば利益は出ていないため、原則として申告は不要となります。
仮想通貨が課税対象となるタイミング
仮想通貨が課税対象となるタイミングは以下の通りです。
・仮想通貨の売却
・他の仮想通貨への交換
・仮想通貨による決済
・仮想通貨の無償受け取り
・商品やサービスの対価として仮想通貨を受け取った時
・仮想通貨のマイニングやレンディング(貸出)などで利子を得た時
仮想通貨を購入した時よりも価格が上がった状態で売却すると、その時点で利益が確定することとなり、購入時と売却時の差額は課税対象となります。
購入時よりも価格が上がった状態で別の仮想通貨へ交換したり、決済手段に使用したりした場合も、購入当初より高いレートで使用できた場合は課税対象です。
無償で受け取った場合や、商品、サービスの対価として仮想通貨を受け取った場合、仮想通貨のマイニングによる取得や貸出による利子の受け取りなども課税対象となります。
日本円を得ていなくても、無償で仮想通貨を入手した場合や、仮想通貨による交換、決済に使用した場合は課税対象となる点に注意が必要です。
ただし、売却益が出ていても確定申告の必要がないケースもあります。
仮想通貨で確定申告が必要となるケース
仮想通貨で確定申告が必要なケースについて解説します。
仮想通貨の所得が20万円を超えた場合
仮想通貨による所得が20万円を超えた場合は、確定申告が必要となります。所得とは、収入から必要経費を差し引いた金額です。例えば、仮想通貨の売却益が21万あった場合でも、売却や送金にかかった手数料が1万円以上ある場合、所得は20万円を超えないため確定申告は不要になります。
(学生や主婦の場合)仮想通貨の所得と他の所得が年間48万円を超えた場合
学生や主婦、無職の方の場合、扶養枠である年間所得48万円を超えた場合には確定申告が必要です。
他に事業所得がある場合
仮想通貨の所得が20万円を超えていなくても、他の事業所得と合算して20万円を超える場合には、仮想通貨の所得と併せて確定申告しなければなりません。
また、仮想通貨の所得と事業所得の合算が20万円に満たない場合でも、次のケースでは確定申告が必要です。
・個人事業主として毎年確定申告をしている
・事業年度の途中で会社を退職し、年末調整をしていない場合
贈与の控除額を超えた場合
仮想通貨を無償で受け取った場合、贈与にあたる場合は年間110万円の控除枠を超えた場合には確定申告が必要です。
この他にも、給与の年間収入が2,000万円を超える場合や、住宅ローン控除、医療費控除などを希望する場合にも確定申告をすることとなります。
また、法人として仮想通貨を保有している場合は、年度末ごとに損益を計上する必要があるため注意しましょう。
仮想通貨による所得の勘定科目
仮想通貨の所得を確定申告する場合は「雑所得」として計上します。雑所得の出し方は、利益確定時の仮想通貨の価格から購入時の仮想通貨の価格を引いた差額となります。
仮想通貨の税率
通常、所得税の税率は1,000円 から 1,949,000円までは5%、1,950,000円から3,299,000円までは10%(控除額97,500円)、3,300,000円から6,949,000円までは20%(控除額427,500円)と所得額に応じて上がっていき、最大で4,000万円を超える所得には45%(控除額4,796,000円)まで課税されます。
しかし、仮想通貨の所得は他の所得との合算額に対する税率が適用されます。
例えば、仮想通貨の所得50万円のみが年間所得である場合の税率は5%となりますが、仮想通貨以外の所得が4,000万円を超える場合、仮想通貨の所得も45%で計算することとなるため注意が必要です。
仮想通貨の所得計算の方法
仮想通貨の所得を計算する方法としては
・総平均法
・移動平均法
の2つに大きく分けられます。
総平均法は、1年間の平均レートをベースに、取得した仮想通貨と売却金額それぞれの合計の差額を計上します。
移動平均法では、購入の都度差額を計上する方法です。
一般的には総平均法の方が計算は容易となりますが、どちらがよいかは使用するソフトや管理方法によっても異なるでしょう。
仮想通貨取引所や国税庁のホームページなどを確認し、履歴やレポートが入手できる場合はダウンロードするなどして、手元で資料として大切に保存するようにしましょう。
仮想通貨の収入を申告しなかった場合どうなる?
仮想通貨の収入について、申告が必要な額の所得を得たにもかかわらず確定申告をしなかった場合にどうなるのかについて解説します。
仮想通貨の所得隠しはばれやすい
税務署では、ほとんど全ての仮想通貨取引情報を調べることが可能です。そのため、どんな小さな取引でも隠すことはできないと考えた方がよいでしょう。「このくらいの利益ならばれないだろう」と考えていても、税務調査で指摘される可能性は十分にあります。
仮想通貨による所得に加え、申告が必要であるにもかかわらず確定申告をしていない無申告状態のケースについても、税務署はよく把握しています。税務調査は事前にある程度ウラが取れている場合に申請されるケースが多いため、所得隠しや無申告はばれやすいでしょう。
仮想通貨の収入を申告しないとどうなる?
仮想通貨で申告が必要な額の利益を得たにもかかわらず申告をしていない場合、税務調査で発覚すれば無申告加算税や重加算税などのペナルティを受けることとなってしまいます。税務調査では直近の年度だけでなく、3~5年(悪質なケースでは7年)も遡って指摘され(国税通則法第70条1項)、重いペナルティの対象となるケースも少なくありません。
仮想通貨の税務調査が不安な場合は税理士へ相談を
国税庁では、仮想通貨取引のチェックを強化しており、税務調査も積極的に行っていることをホームページでも公開しています。
「管理方法が間違っていないか気になる」「税務調査で指摘された場合ペナルティがいくらになるのかよくわからない」という場合は、仮想通貨の税務調査に明るい税理士などへ相談してみるようにしましょう。
税理士法人松本では、仮想通貨による所得の申告サポートや、税務調査の際の対応などの取扱い実績を多数誇っています。
元国税OB含む税務調査に特化した税理士が多数在籍しており、初回相談も無料で対応しています。
お問い合わせはフリーダイヤルまたはお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。
まとめ
仮想通貨は保有しているだけでは申告の必要はないものの、利益が確定したり、他の仮想通貨と交換したりして利益が出た場合には課税対象となるため注意が必要です。
仮想通貨の所得について確定申告が必要かどうか、申告しなかった場合の追徴課税、きちんとしているつもりでも税務調査による指摘に不安がある場合には、税理士などの専門家からアドバイスをもらうことも検討してみましょう。
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税理士法人松本は国税OB・元税務署長が所属する税理士法人です。
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