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期限後申告 無申告 税務調査 2024.07.23

FXで利益が出たら確定申告が必要?脱税がばれた場合のリスクとは

この記事の監修

税理士法人松本 代表税理士

松本 崇宏
(まつもと たかひろ)

お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。
多数の追徴税額ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。

FXは値動きが大きく、わずかな期間で大きな利益を得られる可能性を持つ投資法です。そのためFXの取引で利益を狙う個人投資家が増えていますが、FXの利益も課税対象になることを知らずに確定申告をしていない人やFXの利益が税務署にばれるはずがないと納税していない人は少なくありません。
FXの利益が出ても確定申告をしていなかった場合、税務調査で脱税を指摘される可能性があります。FXの利益を申告せずに、税務調査で脱税を指摘された場合、どのようなリスクがあるのでしょうか。
今回は、FXの確定申告の必要性や脱税を指摘された場合のリスクについてご説明します。

 

FX取引にかかる税金と税率

FX取引で一定以上の利益を得ている場合は、利益に対して税金が課せられます。国内FXで得た利益は「先物取引にかかる雑所得等」に区分され、所得税・住民税の課税対象となるのです。また、先物取引にかかる雑所得は、申告分離課税の対象となっています。
申告分離課税とは、他の所得とは分離して税額を計算する課税方式です。したがって、FX取引で得た利益は、給与所得や不動産所得などのその他の所得と合算する必要はなく、単独で税金の計算をします。
平成25年から令和19年までは、所得税と復興特別所得税を併せて申告・納税することになり、この期間の税率は20.315%です。

 

FX取引で脱税になるケース

FXで一定以上の利益を得ている場合は、確定申告を行い、所得税、住民税、復興特別所得税を納税しなければなりません。しかし、確定申告の必要があるにもかかわらず、確定申告を行わず、納税していなかった場合は脱税を指摘される可能性があります。では、FX取引ではどのような場合に脱税とみなされるのでしょうか。
FX取引で脱税を指摘されるケースは次のような場合です。

 

会社員がFXで脱税になるケース

会社員の場合、FXの利益を含め、給与所得以外に年間20万円以上の利益を得た場合、確定申告が必要です。例えば、FXで1年間に100万円の利益を得たにもかかわらず確定申告をせず、納税していなかったことが発覚すれば、脱税行為とみなされます。
また、たとえFXの利益が20万円以下であっても、副業の所得と合わせて20万円以上の利益を得ているようであれば確定申告をしなければなりません。この場合も、納税を逃れる脱税の行為とみなされるでしょう。

 

専業主婦など被扶養者となっている人がFXで脱税になるケース

配偶者や親の被扶養者となっている人は、FXの所得を含め、年間48万円以上の所得を得ている場合、確定申告を行わなければなりません。例えば、パートやアルバイトの年間所得を48万円未満に抑えた場合でも、FXの利益を合算することで年間所得が48万円を超えるときには、確定申告が必要なのです。被扶養者がFXの利益を含め、年間48万円以上の所得を得ているにもかかわらず、確定申告をしていない場合、脱税をしていることとなります。

 

FX取引で課税対象となる所得とは

確定申告を行う際には、FXによる所得を確定させなければなりません。所得とは、収入から必要な経費を差し引いた額であり、FX取引による所得額は次のように計算できます。

 

FXの課税所得の算出法

FXで課税対象となる利益は、為替差益とスワップポイントの2つとなります。為替差益とは為替レートの変動によって生じた利益で、スワップポイントとは2か国間の金利差によって発生する利益です。
FXでの課税対象所得は、次の計算式で求められます。

FXの所得=(為替差益+スワップポイント)-必要経費

 

必要経費として扱える支出

FXの利益がすべて課税対象になるわけではありません。課税対象となるのは、利益から必要経費を差し引いた所得額です。FX取引では、FX取引のために参加したセミナーの受講費や書籍などの購入費用、インターネットの通信費、取引時に発生した手数料などを経費として計上することができます。
FX取引のためにかかった費用を利益から差し引く行為は脱税にはあたりません。必要経費をしっかり差し引くことで所得額を圧縮でき、節税にもつながります。かかった経費はしっかり領収書などを残しておくようにしましょう。

 

FXの利益の確定申告をしなかった場合のリスク

FXの利益の確定申告をしなかった場合は、次のようなリスクが発生する恐れがあります。

 

税務調査で脱税を指摘される

FXで利益が出ている場合、税務署はその情報を掴んでいます。なぜなら、税務署はFXの事業者に顧客の情報を照会する権利があり、利益を得ている顧客の情報を把握できるからです。
そのため、FXによる利益の脱税の疑いがあれば、税務調査の対象となるケースが多く、FX取引についての詳しい調査が行われ、結果として脱税を指摘される可能性が高くなるでしょう。

 

追徴課税がなされる

税務調査時に確定申告を行っていないことが発覚すれば、本来の納税額に加え、無申告加算税の納税が課せられます。令和5年分以降の無申告加算税の税率は、50万円までの部分が15%、50万超~300万円までの部分が20%、300万円を超える部分が30%です。また、無申告加算税に加え、税金の納付が遅れたことに対するペナルティとして延滞税も課せられます。
さらに、仮装隠蔽行為が認められる悪質な脱税行為であると判断された場合には、無申告加算税に代え、より税率が重い重加算税が課せられるリスクもあります。無申告時の重加算税の税率は、40%です。

 

脱税は刑事罰が科せられるリスクも

税務調査で脱税を指摘された場合、検察の捜査によって起訴される可能性もあります。裁判によって有罪が確定すれば、FX取引の脱税は所得税法違反となり、懲役や罰金を科せられる恐れもあるのです。

 

FXの脱税を回避するためには確定申告が必須

FXで脱税を回避するためには、確定申告を正しく行うことが大切です。

確定申告にはメリットもある

FXで一定以上の利益が出ていない場合は、確定申告をしなくても問題はなく、脱税にもあたりません。しかしながら、FXで損失が出た場合は、確定申告をすると損失分を翌年以降3年に渡って繰越控除できます。繰越控除とは、損失を翌年以降の利益と相殺できる仕組みです。したがって、翌年から3年の間に利益が出た場合、利益から損失分を差し引きけるため、課税所得額を抑えられ、節税につなげられます。
FX取引をする場合には、一定以上の利益が出た際には確定申告を必ずしなければならないこと、損失が出た場合でも確定申告をすると繰越控除というメリットが受けられるという点を覚えておくとよいでしょう。


自主的な期限後申告で追徴課税額は軽減できる

これまでFXで一定以上の利益を得てきたにもかかわらず確定申告を行ってこなかった人は、できるだけ早めに期限後申告をすることをおすすめします。無申告加算税の税率は、50万円までは15%、50万円以上300万円以下までは20%、300万円以上は30%です。しかしながら、法定申告期限を過ぎた後でも税務調査の前に、自主的に期限後申告をすれば、無申告加算税が5%に軽減されます。
繰り返しになりますが、税務署ではFXで利益を得ている人の情報を把握しています。これまで確定申告をせず、FXで一定以上の利益を得てきた方は、税務調査で脱税を指摘される前に自主的に期限後申告をした方がよいでしょう。

 

まとめ

2012年にはFX取引で得た約3億6,800万円を申告せず、約1億4,000万円を脱税したとして、会社役員が逮捕される事件も起きています。
FXの利益も、所得税、住民税、復興特別所得税の課税対象となります。FXで一定以上の利益を得ている場合は、確定申告をしなければなりません。万が一、税務調査で脱税を指摘されれば、多額の追徴課税を課せられ、刑事罰に処される恐れもあるのです。これまでFXで一定以上の利益を得ているにもかかわらず確定申告をしてこなかった場合は、早めに期限後申告をしましょう。
税理士法人松本では、期限後申告のサポートも行っています。税務調査の前に期限後申告を済ませ、納税額を極力抑えたいとお考えの方は、お気軽にご相談ください。

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