2024.10.3

フェラーリは経費にできる?認められるポイントや注意点についても解説

この記事の監修者

松本 崇宏

税理士法人松本 代表税理士

松本 崇宏(まつもと たかひろ)

お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。

フェラーリであっても、一定の条件をクリアすれば、社用車として経費に計上することができます。

本記事では「フェラーリは経費にできる?」について紹介します。

他にも「フェラーリが経費として認められるポイント」や「法人名義でフェラーリを購入する際の注意点」についても解説していきます。

ぜひこの記事を参考にして、フェラーリを経費

フェラーリは経費にできる?

フェラーリは、一定の条件をクリアすれば、社用車として経費に計上することが可能です。

しかし、税務調査で認められないケースがあるのも事実です。

具体的には、フェラーリを経費処理する際に、業務で使用していることを明確に証明できれば、問題なく経費として認められるといえます。

このように、フェラーリを経費処理する際には、法人名義で契約して、業務で使用してることを明確にすることが最低限必要といえます。

フェラーリが経費として認められるポイント

フェラーリが経費として認められるポイントについては、以下の3つが挙げられます。

  • 他の車が経費処理されているかどうか
  • 使用状況と車検記録
  • 運用状況

それぞれのポイントについて解説していきます。

他の車が経費処理されているかどうか

フェラーリが経費として認められるポイントとして、他の車が経費処理されているかどうかが挙げられます。

例えば、フェラーリを経費として計上する際に、他の車を経費計上している場合には、使用状況によって異なりますが、フェラーリを経費として計上するのは難しくなります。

実際に、税務署が高級車を経費として認めるには、仕事用の車とプライベート用の車を明確に区別して使用していることが明確になっているかどうかです。

使用状況と車検記録

フェラーリを経費として計上するには、日頃から使用されていることが前提条件となります。

車検記録で、購入後の3年間で10,000キロメートル以上を走行していることが判明している場合には、実際にフェラーリが利用されていることがわかります。

このように、フェラーリが実際に使用されていることは経費計上する上で必要になるので、使用状況と車検記録をしっかりと残しておきましょう。

運用状況

フェラーリが経費として認められるには、運用状況も重要なポイントです。

例えば、交通費や通勤手当については、就業規則などで規定されている場合、フェラーリを出張等で利用した際には交通費が支給されていないということは、業務で使用されている証明になります。

日々の業務状態についても、税務署に調査されてしまう可能性もあるので、運用状況についてもしっかりと記録しておくことをおすすめします。

フェラーリが経費として認められなかったケース

フェラーリが経費として認められなかったケースについては、実際の使用履歴が記録されていないことが挙げられます。

実際に、会社は、取引先の接待や従業員の福利厚生を目的としてフェラーリを購入したと主張しましたが、実際にその使用履歴が記録されていなかったため、フェラーリが経費として認められないケースも少なくありません。

また、どの時点で誰がどのような目的で乗車したのか、具体的に説明することも重要です。

このように、フェラーリを業務に使用していたことを具体的に示す証拠が不足していると、フェラーリを経費として認められる可能性が低いといえます。

フェラーリを法人名義で契約するメリット

フェラーリを法人名義で契約するメリットについては、以下の2つが挙げられます。

  • ガソリン代などを経費に計上できる
  • 個人で安く買い取ることが可能

それぞれのメリットについて解説していきます。

ガソリン代などを経費に計上できる

フェラーリを法人名義で契約することで、車両に関連する以下の費用を経費に計上することができます。

自動車本体新車・中古車のどちらを購入した場合でも、その金額を経費として計上することができます。
自動車税毎年4月1日時点で車両の所有者として登録されている人が支払う必要がある税金です。車検証上の所有者全員に課される法定費用です。
自動車重量税車両の重量に応じて金額が変わる税金で、車を新たに登録する際や車検時に車検証の有効期限に合わせて一括で支払います。
ガソリン代ガソリンにかかる費用は、車両費としてではなく、交通費や消耗品費として処理されることもあります。
各種登録費用運輸支局での車の登録やナンバープレートの発行にかかる費用です。これらの登録手続きに伴う費用も経費に計上可能です。
リサイクル費用(買い替えの場合)新しい車を購入する際に、古い車をメーカーや業者に引き渡す際にかかるリサイクル料金も、経費として処理することができます。車の買い替え時には、これらの支出も経費に含めることができます。
代行費用車両登録やナンバープレート取得、車庫証明の手続きを業者に依頼する場合、その代行費用も経費として申告できます。
自賠責保険料全ての車両に対して加入が義務付けられている自賠責保険の費用も、経費として扱うことが可能です。

このように、車を法人名義で購入やリースすることによって、大きな節税効果を得ることができます。

個人で安く買い取ることが可能

法人名義で自動車を契約するメリットの一つとして、事業で不要になった車両を個人的に割安で購入できることです。

法人と個人間の取引となるため、市場で中古車を購入するよりもお得な価格で取引が可能です。

しかし、役員など法人と関係がある人物との取引には、取締役会などの承認が必要です。

また、過度に低い価格で取引すると、税務署から利益供与と見なされる可能性があるので、法人から個人に車両を売却する際は、事前に税理士に相談することをおすすめします。

フェラーリで節税対策を行うポイント

フェラーリで節税対策を行うポイントを把握しておくことで、高い節税効果を得ることにもつながります。

具体的に、フェラーリで節税対策を行うポイントについては、以下の3つが挙げられます。

  • プライベートとの区別をする
  • 使用実績を証拠として残す
  • 中古車の方が節税効果は高い

それぞれのポイントについて解説していきます。

プライベートとの区別をする

社用車としてフェラーリを使用する際は、プライベートな使用と明確に区別することが重要です。

私的利用は基本的には避け、どうしても必要な場合を除いて慎重に判断することが必要です。

法的には、社用車を個人的に使うこと自体は違法ではありませんが、事故が起こった場合の責任や運転記録の管理が難しくなるなど、リスクが高くなってしまうので、多くの企業で私的利用を禁止しているのも事実です。

社用車の私的利用が違法ではないとしても、税務調査で指摘されやすい要因であるのは間違いありません。

そのため、確実に経費として認められるよう、プライベートと業務の使用をしっかり区別することが必要です。

使用実績を証拠として残す

フェラーリを経費として正しく計上するためには、税務上否認されるリスクを避けつつ、経費として認められるための使用実績を証拠として残すことが重要です。

具体的には、運転記録を作成して保管することがおすすめです。

社用車の使用に関して運転記録に残すべき項目として、次の6つが挙げられます。

  1. 運転を開始・終了した日時
  2. 運転者の名前
  3. 使用した車両の登録番号
  4. 行先
  5. 走行距離
  6. 給油や洗車の実施有無

このような記録を取ることで、給油や洗車のスケジュールを正確に把握できるほか、特定の従業員に負担が集中していないかを確認するサポートにもなります。

このように、運転記録を残すことで、社用車の業務利用が明確になり、経費としての認定を得やすくなります。

中古車の方が節税効果は高い

新車ではなく中古車を購入する方が、節税効果を得やすい傾向にあります。

一般的に、固定資産を購入する際、その全額を一度に経費として計上することはできず、一定の年数にわたって少しずつ経費として計上する必要があります。

この年数は「耐用年数」として定められており、例えば普通自動車の場合は6年、軽自動車では4年とされています。

しかし、購入するのが中古車であれば、耐用年数は新品時のものよりも短く設定され、以下の計算式が使用されます。

  • 新品時の耐用年数-使用済みの年数+使用済みの年数×20%

中古車の耐用年数が新品より短くなることで、減価償却によって一度に計上できる費用が増えるので、結果として節税効果が大きくなるのです。

そのため、中古車を選ぶことで新車よりも効果的に税負担を軽減できる可能性が高くなります。

法人名義でフェラーリを購入する際の注意点

法人名義でフェラーリを購入する際の注意点については、以下が挙げられます。

  • 決算期と納車時期のタイミングも考慮する
  • リセールバリューを意識する
  • 事業内容に適した車を購入する

それぞれの注意点について解説していきます。

決算期と納車時期のタイミングも考慮する

法人名義でフェラーリを購入する際には、決算期と納車時期のタイミングを考慮するようにしましょう。

減価償却は、年単位ではなく月単位で計算され、その分が経費として計上されます。

また、減価償却の対象となるのは、車両が実際に納車されて事業で使用された日からです。

例えば、会計年度の初めに車が納車された場合は、1年間(12ヶ月分)の減価償却費を経費として計上することができます。

しかし、3月決算の法人が2月に車両を受け取った場合、その年度に経費として計上できるのは2ヶ月分のみとなります。

このように、自動車を法人名義で購入する際には、決算期と納車のタイミングを十分に考慮することが重要です。

リセールバリューを意識する

法人名義で車を購入する際は、リセールバリューが高い車を選ぶことが重要です。

リセールバリューが高い車を選ぶことで、車を高値で売却できるので、手元に多くの資金を残すことができます。

また、資産価値が高いため、万が一の際にも十分な備えができたり、次回の車購入に多くの資金を回すことが可能です。

具体的に、リセールバリューが高い車には以下の特徴があります。

  • 国内外で人気があり、需要が高いこと
  • 納期が長く、手に入れるのが難しいこと
  • 生産台数が限られている希少なモデルであること
  • ボディーカラーが白や黒など、汎用性が高い色であること

フェラーリがリセールバリューが高いのはもちろん、国内車ではアルファードやランドクルーザーなどが挙げられます。

法人名義で車を購入する場合は、将来的に売却することを見越し、しっかりと戦略を立てておくようにしましょう。

事業内容に適した車を購入する

法人名義でフェラーリを購入する際には、事業内容に適しているか確認することも重要です。

具体的に事業内容に適しているかどうかの確認項目として、以下が挙げられます。

  • その車が事業運営に本当に必要かどうか
  • 事業とプライベートの利用がしっかり区別されているか
  • 車の購入額が事業の利益に見合った適切なものであるかどうか

上記の項目を証明するためには、客観的な資料を残しておくことが重要です。

経費として処理する以上、税務署は事業との関連性や必要性、費用の妥当性について厳しく確認します。

万が一、購入したフェラーリが事業内容に適していないと判断されてしまうと、経費として認められないリスクもあるので注意が必要です。

法人名義で車を買うメリットを最大限に活かそう!

今回は、フェラーリが経費として認められるポイントや法人名義でフェラーリを購入する際の注意点を紹介しました。

フェラーリは、一定の条件をクリアすれば、社用車として経費に計上することが可能ですが、税務調査で認められないケースがあるのも事実です。

フェラーリが経費として認められるポイントについては、以下の3つが挙げられます。

  • 他の車が経費処理されているかどうか
  • 使用状況と車検記録
  • 運用状況

また、法人名義でフェラーリを購入する際の注意点を把握しておくことで、フェラーリを購入後に経費処理ができなくなってしまうリスクを抑えることにもつながります。

今回の記事を参考に、法人名義でフェラーリを買うメリットを最大限に活かしましょう。


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