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クルーザーは税務調査で指摘される?節税対策を行うポイントについても徹底解説
この記事の監修者
税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。
税務調査でクルーザーの経費計上が認められないケースも挙げられます。
本記事では、クルーザーは税務調査で指摘されるかについて紹介していきます。
他にも「クルーザーが税務調査で指摘されるケース」や「クルーザーで節税対策を行うポイント」についても解説していきます。
ぜひこの記事を参考にして、クルーザーの経費計上について理解を深めてみてください。
目次
クルーザーは税務調査で指摘される?
クルーザーは税務調査で指摘されるケースも少なくありません。
高級車と同様に、クルーザーも法人名義で購入することで経費として計上することが可能です。
特に、新品のクルーザーは一般的に耐用年数が4年と定められており、車両の6年よりも短いことから、初年度に多くの費用を経費として計上することができます。
しかし、ある会社がクルーザーを取引先の接待や従業員の福利厚生を目的として購入したと主張したとしても、実際には運航記録を残していないと、税務調査などで指摘対象となってしまいます。
クルーザーが税務調査で指摘されないようにするには、「いつ」「誰を」「どのような目的で」クルーザーを利用したかについて説明できるのはもちろん、従業員向けの福利厚生としての利用規定や実績も記録することが重要です。
クルーザーが税務調査で指摘されるケース
クルーザーが税務調査で指摘されるケースについては、以下の4つが挙げられます。
- 事業関連性を証明できない
- 走行距離が異常に長い
- 行き過ぎたカスタム
- 買い替えサイクルが早い
それぞれのケースについて解説していきます。
事業関連性を証明できない
クルーザーが税務調査で指摘されるケースとして、クルーザーが事業関連性を証明できないことが挙げられます。
例えば、製造業を営んでいる方が、接待用の車両としてクルーザーを利用している場合には、ほとんどの場合はプライベートと判断されてしまいます。
実際、事業内容や社会的な常識に照らし合わせてみても、趣味性が高い車両を業務用として申告する場合、税務調査で経費として認められない可能性が高くなります。
走行距離が異常に長い
クルーザーの走行距離が異常に長い場合には、プライベートとして使用していると判断されてしまい、税務調査で指摘されてしまうケースが多いです。
例えば、代表者自身がクルーザーをプライベートでも乗り回していたり、代表者の家族が日常乗っていたりというケースが考えられます。
特に代表者が個人的にクルーザーを所有していない場合などは、税務調査で指摘される可能性は高いと言えます。
行き過ぎたカスタム
クルーザーが税務調査で指摘されるケースとして、行き過ぎたカスタムも挙げられます。
例えば、カスタマイズの範囲が過剰になり、例えば多くのカスタムパーツを取り付けたり、内装を派手すぎる装飾で埋め尽くしたり、極端に高価なオーディオシステムを搭載したりする場合、趣味の域を超えていないと判断されるリスクがあります。
このような場合には、経費として認められにくくなってしまうので、あらかじめ注意が必要です。
買い替えサイクルが早い
クルーザーが税務調査で指摘されてしまうケースとして、買い換えサイクルが早いことが挙げられます。
化学薬品を扱う現場や過酷な環境で稼働する重機は、使用頻度や条件の厳しさから消耗が激しく、短期間で買い替えが必要になることも考えられます。
しかし、毎年のように新調される場合、それが業務上の必然というよりも、個人的な趣味や嗜好によるものではないかと疑問を持たれる可能性があります。
クルーザーで節税対策を行うポイント
クルーザーで節税対策を行うポイントについては、以下の4つが挙げられます。
- 目的を明確にする
- プライベートと区別する
- 事業で使用した実績を記録する
- 出張旅費規定を作成する
それぞれのポイントについて解説していきます。
目的を明確にする
クルーザーで節税対策を行うポイントとして、クルーザーをどのような目的で使用するかを明確にすることが大切です。
ビジネス用途として活用する場合と、福利厚生やレジャーを主な目的とする場合では、選ぶべき船のタイプが異なります。
例えば、釣りを楽しむことを目的にする場合、乗船する人数や必要な設備によってクルーザーのサイズや仕様が変わってきます。
また、クルーザーを使用する目的を明確にすることで、税務調査で指摘された際に、適切に答えることにもつながります。
プライベートと区別する
クルーザーを会社の車両として使用する場合、業務利用とプライベート利用の線引きが重要です。
私的な目的での利用は基本的に避けて、どうしても必要な場合を除いて控えるようにしましょう。
会社によっては社内ルールを明確に定めた上で、福利厚生の一環としてクルーザーの私的利用を認めているケースも見られます。
しかし、クルーザーなどの経費が目立つ支出は、税務調査で入念にチェックされやすいため、リスク回避を徹底する必要があります。
このように、税務面でのトラブルを防ぐためには、業務利用とプライベート利用を明確に区分することが重要です。
事業で使用した実績を記録する
クルーザーで節税を行うポイントとして、事業用途での使用実績を明確に示す証拠を残すことが有効です。
クルーザーを経費として計上する際には、否認されるリスクを回避しつつ、経費であることをしっかりと証明するための準備を行うことが重要です。
例えば、事業での使用履歴を記録した運転日誌を作成・保存する方法が挙げられます。
すべての企業に運転記録の作成が義務付けられているわけではありませんが、一定の条件に該当する場合は記録が必須となります。
具体的に運転記録に記載すべき主な内容は以下の6つが挙げられます。
- 運転の開始と終了の日時
- 運転者の名前
- 使用した車両の登録番号
- 目的地
- 走行距離
- 給油や洗車の有無
これらの情報を記録することで、業務の透明性が向上するだけでなく、給油や車両の整備状況を正確に把握できるようになります。
また、特定の社員に過剰な運転負担がかかっていないかを確認することにも役立ちます。
このような取り組みを行うことで、経費として認められる可能性を高められるのはもちろん、会社内の管理体制も強化できます。
出張旅費規定を作成する
社用車と個人所有の車を明確に区別するためには、「出張旅費規程」を作成することが有効な手段です。
出張旅費規程は、出張時に発生する費用の取り扱いに関するルールを定めた文書です。
例えば、立替経費として認められる項目や日当の有無およびその金額、さらには経費精算の基準など詳細なルールを明記します。
また、出張旅費規程に関しては法律で明確に規定されているわけではありません。
そのため、常識の範囲内で合理的かつ適切な内容を盛り込みながら、自社の事情に合わせて自由に設計することが可能です。
特に、社用車が高額である場合、その経費処理を確実に行うためにも、出張時における車両使用のルールを明確に定めることが重要です。
クルーザーを法人名義で契約するメリット
クルーザーを法人名義で契約するメリットについては、以下の4つが挙げられます。
- 購入費は経費として計上できる
- リースが利用できる
- 個人で早く買い取ることができる
それぞれのメリットについて解説していきます。
購入費用は経費として計上できる
クルーザーの購入費用は経費として計上できるメリットが挙げられます。
特に短期間で大きな収益を得た企業にとっては、有効な節税手段となることが特徴です。
企業が利益を大きく上げた場合、その分課税額も増えるので、船舶購入を通じて経費を増やすことで節税効果が得られる仕組みです。
このように、船舶の購入は資産運用や税務対策の一環として、企業活動において重要な役割を果たす可能性があります。
リースが利用できる
リースとは、リース会社が企業に必要な資材や設備、機械などを一定期間貸し出す契約のことを指します。
リースを活用して船舶を導入する場合、購入するのではなく賃貸契約を結ぶ形になるため、初期費用を抑えられ、経費として処理することが可能です。
また、リース料は固定資産としての減価償却や固定資産税の申告・納付が不要なため、関連する事務作業の負担が軽減されるというメリットがあります。
なお、クルーザーをリースする場合、契約期間は最短で2年となっています。
個人で早く買い取ることができる
法人名義でクルーザーを契約するメリットの一つとして、事業で不要になったクルーザーを社長などが個人名義で比較的安価に購入できることが挙げられます。
この方法では法人と個人間で直接取引を行うため、通常の中古車市場よりも低価格で車を入手できる可能性があります。
しかし、法人と役員など利害関係のある個人との取引を行う際には、取締役会での承認が必要になる場合があります。
また、極端に安い価格での売買を行うと、税務署から利益供与とみなされるリスクがあるので、法人が個人に車両を売却する際には、税理士に相談して、適切な手続きを踏むことが重要です。
クルーザーを法人名義で購入する際の注意点
クルーザーを法人名義で購入する際の注意点については、以下の4つが挙げられます。
- 消価売却について理解を深める
- 購入するタイミングに注意する
それぞれの注意点について解説していきます。
消価売却について理解を深める
法人がクルーザーを購入すると、その車両は高額で1年以上利用する資産として扱われるため、固定資産として計上する必要があります。
このため、文房具や消耗品のように購入時に全額を経費として処理することはできないので注意が必要です。
しかし、減価償却という仕組みを使うと、数年にわたって経費化することが可能です。
減価償却を行う際の方法には主に「定率法」と「定額法」があり、法人の場合は原則として定率法が採用されます。
具体的に、定率法における減価償却額の計算式は以下のようになります。
- 減価償却額 = 残存価額(取得価額 − 償却累計額)× 定率法の償却率
普通自動車の耐用年数は6年とされており、新車の場合は6年間に分けて経費に計上していきます。
一方で、中古車の場合、残りの耐用年数は短くなります。
例えば、購入した車が4年使用済みのものであれば、残りの耐用年数は2年となり、より短期間で減価償却を終えることができます。
購入するタイミングに注意する
クルーザーを購入するタイミングは、決算月の翌月に設定するのが理想的です。
減価償却は年単位ではなく月単位で計算されてしまうので、法人名義で中古クルーザーを購入し、短期間で経費化を進めたい場合は注意が必要です。
例えば、4年落ちの中古クルーザーを購入する場合の適切なタイミングとして、3月決算の法人が4月に納車した場合 → 全12ヶ月分の減価償却費をその年度の経費として計上可能になります。
しかし、不適切なタイミングとして、3月決算の法人が3月中に納車した場合だと、当年度は1ヶ月分の減価償却費しか計上することはできません。
また、ローンを利用してクルーザーを購入する場合も同様です。
注意すべき点として、経費化の起点はローン契約日ではなく、車両が実際に納車された日となるので、しっかりと計画を立てるようにしましょう。
事前に対策を立てた上でクルーザーの購入検討をしよう!
今回は、クルーザーは税務調査で指摘されるかどうかについて説明しました。
クルーザーを経費計上する場合、まずは仕事で活用することが基本です。
しかし、接待目的などで使用するなら、高級車である必要性は薄く、経費として認められるハードルが高くなってしまうのも事実です。
一方、クルーザーを導入する場合は、福利厚生の一環として所有する形が一般的です。
そのため、福利厚生規程を整備し、利用記録をきちんと管理し、社員全員が使用できる仕組みを構築することが重要と言えます。
今回の記事を参考にして、、購入を検討する際には、税務調査に備えて事前にしっかりとした準備を進めるようにしましょう。
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