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ホストが確定申告してないとどうなる?無申告のペナルティや申告の流れ・注意点を徹底解説
この記事の監修者
税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。
ホストクラブで働くホストの多くは、自分で確定申告を行う必要がありますが、中には「無申告でもバレないだろう」「申告方法が分からない」などの理由で確定申告をしていない人もいます。
では、確定申告をしなかった場合にどのようなリスクがあるのでしょうか。
本記事では、夜職に従事する人の確定申告の必要性や無申告の際に発生するペナルティについて解説します。
また、確定申告のやり方や確定申告をする際に注意すべきポイントについてもご紹介しますので、ぜひこの記事を参考に無申告の危険性を知り、忘れずに正しく申告や納税を行っていただけたら幸いです。
ホスト必見!確定申告のやり方と流れ
まずは、個人事業主が行う確定申告のおおまかな流れを理解しましょう。
ホストが知っておくと便利な青色申告と白色申告の違いや開業届についても説明しますので、大体の流れを把握し、スムーズに確定申告が行えるように準備するのがおすすめです。
①開業届の提出
ホストを本業として継続して行う場合は、青色申告・白色申告で確定申告するために、開業届を提出する必要があります。
開業日から1ヶ月以内が提出期限となり、開業届を提出しないと青色申告を申請することができないので注意しましょう。
②青色申告承認書の提出(青色申告をする場合)
青色申告で確定申告を行う場合は、青色申告を行う年の3月15日までに税務署へ「所得税の青色申告承認申請書」を提出する必要があり(年の途中に開業した場合、業務開始の日から2か月以内に提出)、提出しない場合は白色申告となります。
青色申告と白色申告の違いは以下の通りです。
- 白色申告:簡単だが、メリットは少ない
- 青色申告:作業が増えるが、払う税金を削減できるなどメリットが多い
青色申告は作業が増える分、ホストとしての仕事を始めるにあたって、以下のメリットがあります。
- 最大65万円の控除が受けられる
- 赤字を3年間繰り越せる
- 減価償却資産の特例がある
③確定申告における書類の準備
確定申告にはさまざまな書類が必要になります。
主な必要書類は以下の通りです。
- 確定申告書
- 領収書、明細書
- 証明書(生命保険の控除証明書など)
- 医療費を証明する明細書
- 源泉徴収票
確定申告書は直接税務署に取りに行くか、郵送してもらう、国税庁のサイトでダウンロードする方法があります。
また、ホストは経費にできるものが多いですが、申告期間を過ぎると経費経費計上できるはずのものが認められなくなってしまうので、あらかじめ集めておきましょう。
④確定申告書の作成
年度末を迎えたらお店の決算処理を行い、確定申告書の作成を行います。
1年分の帳簿を確認し収入や経費を把握できる状態にしておくとスムーズに作成が行えます。
提出してから不備が見つかった場合、修正申告をしなければならなくなるため、提出前にしっかり確認するようにしましょう。
⑤確定申告書の提出
確定申告の提出方法としては、申告書の入手方法と同様、以下があります。
- 直接税務署に提出しに行く
- 税務署に郵送する
- e-Taxを利用して提出する
税務署に行かず、オンラインサービスでの申告書の提出が便利です。
国税庁のサイトを利用すれば、画面の指示に従って比較的簡単に作成・提出ができます。
ホストが確定申告をしないとどうなる?
店と雇用契約を結んでおり、店が源泉徴収しているのであれば確定申告の必要はありませんが、雇用契約を結ばず個人事業主としてホスト業をしている場合、個人で確定申告を行う必要があります。
では、確定申告を怠ると、どのようなリスクが伴うのでしょうか。
詳しく説明していきますので、無申告の危険性を知るためにもぜひご確認ください。
そもそもホストの無申告はバレる?
「バレなければ申告しなくても大丈夫」「他のホストも無申告だから問題ないだろう」と考えている方もいるでしょう。
しかし、ホストの無申告は発覚するリスクが非常に高いといえます。
無申告が発覚する理由は、税務署による調査のほかに、銀行口座の流れやSNSの投稿、第三者からの密告などさまざまです。
特に、ホストの場合は高収入になるケースも多く妬まれやすい点も無申告がバレるきっかけになるでしょう。
税務調査が入る恐れがある
ホストとしてそれなりの収入があるにも関わらず、無申告で税金を納めていないとなると、脱税とみなされるため、税務調査が入ります。
そもそも、ホストクラブをはじめとする夜職は無申告や申告漏れが多い業種であるため、積極的に税務調査を行なっているのです。
また、税務調査は会社だけでなく、個人事業主やフリーランスの方も対象としているため、ホスト個人に対しても税務調査は行われる可能性があるのです。
実際、ホストクラブに税務調査が入り、芋づる式に従業員の不正が発覚するケースも多くあります。
無申告の場合、追徴課税の対象となる
「税務署にバレたときに税金を払えば良いだろう」と考えている方もいるかもしれませんが、税務調査で無申告の指摘を受けると、追徴課税の対象となります。
本来納める税額よりもさらに多くの税金を支払うことになり、受け取る報酬が高額になりがちなホストの場合、無申告を放置していると多額の税金の支払いが発生してしまうのです。
後述しますが、悪質だと判断された場合はさらに重いペナルティとなるため、税務調査を回避するためにも正しい申告や納税が求められます。
無申告だった場合に課されるペナルティ
無申告や申告漏れを指摘された場合にペナルティが課される可能性があるとお伝えしましたが、具体的には以下のペナルティが考えられます。
- 無申告加算税
- 過少申告加算税
- 不納付加算税
- 重加算税
- 延滞税
- 場合によっては刑事罰
このように、無申告や申告漏れが発覚すると単年度だけでなく、過年度分も遡って税金を納めなければならないので、大きな負担になってしまうのです。
加算税や延滞税などのペナルティについて、詳しく説明していきます。
無申告加算税
無申告加算税とは、確定申告の期限である毎年2月16日から3月15日までに申告がされなかった場合に課される加算税です。
確定申告の必要があるにもかかわらず期限内に申告をしなかったり、期限後申告をしたりすると、無申告加算税が課されます。
2024年には加算税の改正が行われ、2024年1月以後の無申告加算税は以下のように課税割合が変更になりました。
無申告加算税 |
50万円以下 |
50万円超300万円以下 |
300万円超 |
2023年12月31日以前 |
15% |
20% |
20% |
2024年1月1日以降 |
15% |
20% |
30% |
このように、納付すべき税額が300万円を超えている場合の課税率が高くなり、従来よりも重いペナルティが発生するため、注意が必要です。
過少申告加算税
過少申告加算税とは、確定申告において期限内に提出した申告書の申告納税額が本来納めるべき税額よりも過少であった場合に課される加算税です。
ペナルティとして本来納付すべき税金との差額を納める際、その10%に相当する額が加算されますが、期限内申告税額と50万円のいずれか高い金額を超える部分については15%に増加します。
なお、修正申告書の提出が税務調査の通知を受ける前であれば、過少申告加算税は課されません。
不納付加算税
不納付加算税は、減税所得税の納付を期限内に行わなかった場合に課される加算税です。
納期限を過ぎた後に自主的な納付をしたときには5%、税務署の指摘によって納付したときには10%の追加納付が必要となります。
ただし、以下の条件に該当している場合は不納付加算税が免除されます。
- 納付が遅延する正当な理由がある場合
- 納付期限から1月を経過する日までに納付し、過去1年以内において納付期限内に源泉所得税を納付している場合
- 不納付加算税の金額が5,000円未満の場合
重加算税
重加算税とは、過少申告加算税や不納付加算税、無申告加算税などが課税されるにあたり、課税内容を隠蔽・仮装した場合に、その加算税などに代えて課される附帯税です。
重加算税は加算税の中でも最も重いペナルティで、課税割合は、過少申告加算税・不納付加算税に代えて課される場合は35%、無申告加算税に代えて課される場合は40%となっています。
延滞税
延滞税とは、法定納期限までに税金が納付されなかったり、期限後申告や修正申告をしたりした場合に課される税金です。
法定期限の翌日から実際に税金を納付する日までの日数にに応じて計算される、利息のような性質を持っており、納税が遅れるほど税額は高くなります。
そのため、仮に申告期限を過ぎた場合であっても、1日でも早く定められた税額を納付することが延滞税を増やさないために重要です。
刑事罰の対象となる
無申告のリスクは加算税や延滞税に限りません。
万が一、悪質な所得隠しと判断されてしまった場合、重加算税に加えて刑事罰として10年以下の懲役、もしくは1,000万円以下の罰金が科される可能性があります。
罰金刑に処された場合は、たとえ罰金が少額であったとしても前科となるため、ホスト業ができなくなる可能性もあるので注意しましょう。
ホストが確定申告をする際の注意点
個人事業主として報酬を受け取り、一定額の所得を得ているホストは確定申告が必要であり、申告を怠ると重いペナルティが課されることをご理解いただけたかと思います。
では、確定申告において、正しく申告・納税するために、どのような点に注意したら良いのでしょうか。
ここでは、確定申告をする際に確認しておきたいポイントについて説明していきます。
領収書は保管しておく
個人事業主としてホストをしている場合、事業に関わるさまざまなものを経費にすることができますが、経費計上するにおいて領収書の取り扱いは慎重に行わなければなりません。
確定申告によって還付される金額は、経費の額によっても変わってくるため、業務に必要な費用を支払った場合は領収書を必ずもらい、紛失しないようしっかり保管しておくようにしましょう。
万が一、高額な支払いに領収者がなかった場合、経費を支払ったという証拠がないため、税務調査でそれが経費と認められず、損をしてしまう恐れがあります。
プライベートの支出を経費にしない
ホストクラブで着用する衣装代や飲食代など、ホストはさまざまなものが経費にできます。
しかし、経費はあくまで事業を行ううえで発生した支出のみ計上が可能なので、プライベートでも使った支出を全額経費にすることはできません。
たとえば、スマートフォンの月額料金は仕事でしか使っていないのであれば全額を経費にできますが、仕事でもプライベートでも使用する場合は、使用する割合に応じて家事按分しなければなりません。
そのため、仕事としての支出か、プライベートの支出かはできる限り明確にするのが望ましいです。
不安な人は税理士のサポートを受ける
確定申告は煩雑で時間のかかる手続きであるほか、正しい申告を行わなければ税務署から指摘を受け、追徴課税を支払うリスクもあります。
税務調査が不安な方や確定申告の手間を省きたい方は、税理士のサポートを受けるのがおすすめです。
ホストの税務処理や確定申告を税理士に依頼すると、時間や労力を節約でき、ホスト業に専念できます。
また、税理士は確定申告書の作成を代行してくれたり、確定申告に関するアドバイスをしてくれたりするため、税務調査のリスクを軽減できます。
さらに、税理士と顧問契約を結んでいれば、たとえ税務調査が入ったとしても、税理士に立ち会ってもらえ、調査官との受け答えもしてくれるので安心です。
ホストも確定申告は忘れずに!
個人事業主として働くホストは多くの場合、自分で確定申告を行わなければなりません。
万が一、無申告であったり、申告漏れがあったりしたら、税務調査で指摘され、加算税や延滞税、さらに悪質な場合は刑事罰の対象にもなるため、自分が確定申告を行うべき状況にあるならば、迷わず申告を済ませましょう。
夜職の人はさまざまなものを経費計上できますが、仕事とプライベートで家事按分しなければならず、作業負担が多くなってしまいがちです。
また、日々の記帳や確定申告書の作成など、やるべきことは多岐に渡るため、税理士の手を借りる方法も検討してみてください。
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