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ホステスが確定申告していないリスクとは?確定申告するメリットや注意点も解説
この記事の監修者
税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。
国民の三大義務の一つに挙げられる納税は、ホステスにとっても、確定申告を通じて果たすべき避けられない重要な役割を持っています。
実際に、確定申告を怠ることは予期せぬトラブルを引き起こす恐れがあります。
本記事では、ホステスが確定申告をしてないとどうなるのかについて紹介します。
他にも「ホステスが確定申告をするメリット」や「ホステスが確定申告する際の注意点」についても解説していきます。
ぜひこの記事を参考にして、ホステスが確定申告していないリスクについて理解を深めてみてください。
目次
ホステスが確定申告していないリスクとは
ホステスで確定申告が必要な方は、確定申告していないと様々なペナルティが課されます。
具体的に、ホステスが確定申告をしないリスクについては、以下の6つが挙げられます。
- ローンの審査に通りにくい
- 税務調査が入る
- ペナルティが課される
- 給付金がもらえなくなる
- 青色申告特別控除が使用できなくなる
- 赤字の繰り越しができない
それぞれのリスクについて解説していきます。
ローンの審査に通りにくい
ホステスが確定申告していないリスクとして、ローンの審査に通りにくいことが挙げられます。
銀行は収入を証明する書類がなければ、信用するのが難しいのです。
例えば、「給与明細がない」「確定申告をしていない」といった状況では、銀行に信頼を得ることができません。
このように、これからローンを検討している方は、確定申告を行い、きちんと収入を証明しておくことが重要です。
税務調査が入る
ホステスが確定申告していないリスクとして、税務調査が入ることが挙げられます。
実際に、ホステスなどの水商売を営む店舗は売上の申告漏れや未申告が多いとされ、税務調査の対象となりやすい業界の一つです。
また、税務署による調査は、事前に通知が来る場合もありますが、予告なしに突然行われることも珍しくありません。
調査が行われる際には、経理帳簿や領収書などの関連書類の提出が求められます。
しかし、これらの書類に不備があったり、虚偽の記載が見つかったりすると、重大な問題に発展する可能性があります。
さらに、店舗の調査がきっかけとなり、そこで働くキャストの個人に対しても税務調査が波及する可能性があるので注意が必要です
ペナルティが課される
ホステスが確定申告を怠り、税金を支払わないまま放置していると、税務署に発覚した際に厳しいペナルティを受ける可能性があります。
ペナルティには「重加算税」や「延滞税」が含まれることがあり、大きな金銭的負担を伴います。
重加算税の場合、納めるべき税金に加え、その金額の35%が追加される仕組みです。
また、延滞税は支払期限を過ぎた場合に、遅れた日数に応じて課されるものです。
このように、脱税が明るみに出た場合、非常に高額な費用を支払わなければならなくなるので、脱税は絶対に避けるようにしましょう。
給付金がもらえなくなる
確定申告を行わないと、給付金を受け取る権利を失う可能性があります。
例えば、新型コロナウイルスの影響で売上が減少した個人事業主を対象に、最大100万円が支給される「持続化給付金」という制度があり、申請には確定申告書類の提出が必須のため、確定申告をしていない場合は支援を受け取ることができませんでした。
そのため、確定申告を行うという義務を怠ると、結果的に給付金などの支援を受ける権利を失ってしまうリスクがあります。
青色申告特別控除が使用できなくなる
確定申告を行わない場合、最大65万円の「青色申告特別控除」を利用することができなくなります。
この控除は、個人事業主が受けられる節税の一つであり、年間の税金負担を大幅に軽減できる制度です。
例えば、控除額が最大の65万円を適用した場合、税率が30%と仮定すると、約20万円もの税金を節約することが可能です。
反対に、確定申告をしない場合、この控除を受けられないため、税負担が大幅に増える可能性があります。
また、青色申告特別控除を利用するためには、申告期限である毎年3月15日を厳守することが求められるので、期限内に正確な申告を行うことが重要です。
赤字の繰り越しができない
水商売において赤字を出すことは一般的には想定されませんが、万が一赤字となった場合、青色申告を行っていないと、その損失を翌年以降に繰り越して利益と相殺することができません。
赤字の繰り越しとは、事業で発生した損失を翌年度以降の所得から差し引くことで、税金の負担を軽減する仕組みです。
青色申告を選択している個人事業主であれば、この赤字繰り越しが最長3年間可能となり、将来的に黒字化した際に税負担を抑える助けとなります。
一方、白色申告をしている場合や確定申告そのものを行っていない場合は、赤字の繰り越しが認められません。
そのため、たとえば1年目に赤字が発生してもそれを放置し、2年目や3年目に大きく利益を上げた場合、節税効果を活かせずに多額の税金を支払う羽目になる可能性があります。
このように、確定申告をきちんと行い、必要に応じて青色申告を活用することが重要で、事業の収益状況に応じた最適な税対策を行うことができます。
ホステスで確定申告が必要なケース
ホステスで確定申告が必要なケースについては、以下の3つが挙げられます。
- 給与が2,000万円を超えている
- 個人事業主として働いている
- 副業で得た雑所得が年間20万円を超えている
それぞれのケースについて解説していきます。
給与が2,000万円を超えている
ホステスが店舗と労働契約を結んで働く場合、通常は雇用主が源泉徴収を行い、年末調整を通じて税金の処理が行われます。
この仕組みによって、多くの場合、個人が確定申告を行う必要はありません。
しかし、年間の給与が2,000万円を超える場合には、高額所得者に適用される税務規定に基づき、確定申告が義務付けられます。
また、年度途中で退職し、その後年末調整を受けていない場合も、自身で確定申告を行う必要があります。
個人事業主として働いている
ホステスで働く際に、店舗との労働契約を結ばずに個人事業主として活動する場合、確定申告が必要になるケースがあります。
個人事業主の場合、年間の所得が48万円を超えると確定申告が求められます。
また、仕事に関連した費用を必要経費として収入から差し引くことで、課税対象となる所得を減らし、税金の負担を軽くすることができます。
しかし、これらの経費を申告して控除を受けるには、確定申告を行うことが必須となります。
副業で得た雑所得が年間20万円を超えている
副業としてホステスの仕事をする場合など、事業規模には至らない収入は、通常「雑所得」として分類されます。
雑所得とは、給与所得や事業所得、不動産所得といった主要な所得分類に該当しない収入のことで、例えばフリーマーケットでの売上や講演料などが該当します。
このように、副業収入が年間で20万円を超えた場合には、税法上や所得税の対象となるため確定申告が必要です。
確定申告を行わない場合、罰金や追加の税金が課されるリスクがありますので注意が必要です。
ホステスで確定申告が不要なケース
ホステスで確定申告が不要なケースについては、以下の2つが挙げられます。
- 年末調整が完了している
- 年間の副業所得が20万円以下
それぞれのケースについて解説していきます。
年末調整が完了している
水商売に従事している場合でも、年末調整が適切に行われていれば、通常は確定申告をする必要はありません。
年末調整とは、会社が従業員の年間の所得税を正確に計算し、税金の過不足を調整するための手続きです。
この手続きによって、年間の納税額が自動的に算出されるため、個別に確定申告をする必要がなくなります。
しかし、場合によっては例外があります。
例えば、副業からの所得がある場合や、医療費控除など特定の控除を申請したい場合には、確定申告を行う必要が生じることがあります。
年間の副業所得が20万円以下
ホステスで店舗と正式な労働契約を結ばず、副業として働いている場合、年間の副業所得が20万円以下であれば、所得税の確定申告は必要ありません。
これは、所得税法で副業所得が少額の場合に申告義務が免除される規定があるためです。
しかし、副業以外の所得と合わせて年間の総所得が20万円を超える場合や住民税の申告が必要な場合があるので注意が必要です。
ホステスが確定申告をするメリット
ホステスが確定申告をするメリットについては、以下の2つが挙げられます。
- 払いすぎた税金が戻ってくる
- 必要な出費を経費にできる
それぞれのメリットについて解説していきます。
払いすぎた税金が戻ってくる
確定申告を行うと、納めすぎた税金が返金されることがあります。
特に、事業所得のための予定納税を実施している場合には、確定申告が役立つケースが見られます。
予定納税とは、事業所得を得ている個人事業主が対象となる制度で、1年間の収入や経費を事前に見積もり、それに基づいて税金を前払いする仕組みです。
この方法では、納税を数回に分割して行うため、一度に大きな金額を支払う負担を和らげることができます。
また、収入や支出が変動する事業の場合、予定納税を活用することで、税金の見積もりを調整しやすくなるという利点もあります。
しかし、あらかじめ見積もった収入や経費が、実際の数字と異なる場合があります。
このような場合には、確定申告を通じて正確な所得を計算し直すことで、必要以上に納めた税金が還付されることがあります。
そのため、確定申告は、税金の過不足を修正する機会となり、結果的に経済的な負担を軽減することにもつながります。
必要な出費を経費にできる
ホステスが確定申告をするメリットとして、必要な出費を経費にできることが挙げられます。
収入から必要経費を差し引いた残額が「所得」と呼ばれ、仕事に関係する支出を経費として計上することで、税金の負担を軽減することが可能です。
ホステスが経費として認められる可能性がある項目には、以下が挙げられます。
- アフターや接待での飲食代
- ドレスや化粧品の購入費用
- 通勤やお店への移動にかかる交通費
- 名刺の作成費用
また、お客様への贈り物にかかった費用も経費として申告できる場合があるので、これらの支出に関する領収書を保管しておくことが重要です。
ホステスが確定申告する際の注意点
ホステスが確定申告する際の注意点については、以下の3つが挙げられます。
- 高額なプレゼントは贈与税の対象
- プライベート費用と業務費用を区別する
- 領収書や請求書を保管する
それぞれの注意点について解説していきます。
高額なプレゼントは贈与税の対象
ホステスが確定申告する際の注意点として、高額なプレゼントは贈与税の対象になることが挙げられます。
贈与とは、お金や物品を無償で受け取る行為を指し、その価値によっては「贈与税」という税金が課されます。
例えば、高級ブランドのバッグやジュエリー、自動車、住宅などといったものが挙げられます。
贈与税は、贈与された財産の金額や贈与者との関係性に応じて異なりますが、基本的には「贈与された金額の10%から55%」の範囲で税率が設定されています。
この贈与税は、確定申告と同様に、翌年の3月15日までに申告および納付する義務があるので注意が必要です。
プライベート費用と業務費用を区別する
ホステスにおける確定申告で経費を処理する際には、業務関連の支出と個人的な支出をしっかり分けることが重要です。
個人的な目的で使用した費用は経費として認められず、業務に直接関係する支出のみが経費として計上可能です。
しかし、業務に関連する支出であっても、そのすべてが必ず経費として認められるわけではありません。
例えば、化粧品代やプライベートと仕事で兼用しているスマートフォンの料金などは、「家事按分」が必要になる場合があり、仕事とプライベートで使用した割合を明確に分けるための方法です。
経費としてどの程度認められるかを正確に判断するのは難しい場合が多いので、専門家である税理士に相談することをおすすめします。
領収書や請求書を保管する
ホステスに従事する方が確定申告を行う際には、経費を正しく計上するために領収書や請求書を保管しておくことが重要です。
領収書や請求書などの書類は経費を証明するために欠かせないものであり、税務調査が行われた場合にも対応するための重要な証拠となります。
また、書類をデジタル化して電子的に管理することで、紛失や劣化のリスクを軽減することができます。
この方法を取り入れると、効率的かつ安全に必要書類を保管することが可能です。
定期的に経費の内容を確認し、整理整頓を心がけることで、確定申告の手続きをよりスムーズに進めることができます。
確定申告できちんと納税しよう!
今回は、ホステスが確定進行していないリスクについて紹介しました。
確定申告を申告を行うことで得られるメリットが多くありますが、確定申告を怠ると法的なペナルティを受ける可能性があるため注意が必要です。
もし確定申告の手続きが複雑に感じたり、不安を抱えている場合は、税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
税理士に依頼することで、手続きがスムーズになるだけでなく、正確性が向上し、安心して申告を進められるというメリットがあります。
今回の記事を参考にして、確認申告をしっかりと行うようにしましょう。
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