2025.03.10
  • 税務調査
  • 無申告

確定申告してない人でも時効は成立するもの?無申告はバレない?

読了目安時間:約 6分

一定以上の所得があれば、法人でも個人でも確定申告をしなければなりません。しかしながら、手続きの仕方がよく分からなかったり、忙しかったりすると、確定申告を後回しにしてしまい、期限を過ぎてしまうケースがあるようです。また、中には税金を支払わなくて済むのであればと意図的に確定申告をしてない人もいるかもしれません。

確定申告をしてない人も、確定申告の期限を過ぎてからしばらく経っても税務署から連絡が入らないと、確定申告をしなくても済むかもしれないと思い始めるケースもあるのではないでしょうか。そこで気になるのが、無申告の時効です。時効が成立すれば、確定申告をしてない人でもペナルティを科せられることはないのでしょうか。

今回は、確定申告と時効の関係についてご説明します。

 

確定申告してない人に課せられるペナルティとは

一定以上の所得がある場合、確定申告が必要です。納税は国民の義務であり、確定申告をせずに納税をしていない人には、次のようなペナルティが科せられます。

 

無申告加算税

無申告加算税とは、確定申告の必要があるにもかかわらず確定申告をしてない人に課せられるペナルティ分の税金です。無申告加算税の税率は、税額によって変わります。本来納付すべき税額が50万円以下の部分については15%、50万円を超え300万円未満までは20%、300万円を超える部分については30%です。

 

延滞税

延滞税とは、期限までに税金の納付をしなかったことに対して課せられるペナルティであり、納税が完了した日まで日割りで課されるという特徴があります。

延滞税の税率は、法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて変わります。

 

  • 納期限までの期間・納期限の翌日から2ヶ月を経過する日まで

原則として年7.3%ですが、令和3年1月1日以降の期間は、7.3%と延滞税特定基準割合+1%のいずれか低い割合となります。

具体的な延滞税の税率は次のようになります。

・令和4年1月1日から令和7年12月31日までの期間は年2.4%

・令和3年1月1日から令和3年12月31日までの期間は年2.5%

 

  • 納期限の翌日から2ヶ月を経過した日以降

納期限の翌日から2ヶ月を経過した日以降は、税率が高くなります。原則は年14.6%です。しかし、令和3年1月1日以降の期間は、年14.6%と延滞税特例基準割合+7.3%のいずれか低い割合となっており、具体的には次の税率が適用されます。

・令和4年1月1日から令和7年12月31日までの期間は、年8.7%

・令和3年1月1日から令和3年12月31日までの期間は、年8.8%

 

重加算税

重加算税は、無申告の額が多額に上る場合や、悪質な仮装・隠蔽行為が見られた場合に課せられる税金です。悪質である分、税率は無申告加算税よりも高くなり、無申告加算税に変える場合の割合は40%です。例えば、納税の不足額が1,000万円であった場合、重加算税が課せられると、1,400万円分の納税が必要になります。

ただし、過去5年以内に無申告加算税や重加算税を課されたことがある納税者の場合、税率が10%加算され、重加算税の税率は50%に上昇します。

 

確定申告をしてない人が受けるその他のペナルティ

確定申告をしてない人は、追徴課税のペナルティを受けるだけではありません。個人事業主の場合、確定申告をしていなければ、事業の収支状況を示すことができないため、金融機関からの融資を受けられなくなります。

事業をさらに発展させたい場合などに、自己資金だけで充分に費用を用意できないときは、個人事業主であっても融資の利用を検討することができます。しかし、確定申告をしてない人は、収入を公的に証明する書類がないために、社会的信用を得られず、融資を受けることができないのです。したがって、設備投資をして事業を広げたい場合なども、資金調達ができないために事業の拡大を諦めざるを得ない事態となるでしょう。

また、税務調査では一般的には3年分、3年をさかのぼった時点で不正が見つかった場合は5年、さらに悪質な場合には7年分が調査されます。そのため、何年も確定申告をしてない場合には、1年分だけの税金だけの納税を求められるわけではありません。確定申告をしてなかった年分の税金とその税額に対する無申告加算税、最初に確定申告をしてない年の法定期限の翌日以降からの延滞税が課せられることになるのです。

確定申告をしてない期間が長く、申告していない税額が高額だった場合、追徴税額はかなりの税額になる可能性があります。また、追徴課税分は原則として一括納付をしなければなりません。追徴課税分を支払うことができなかった場合、財産が差し押さえられる恐れもあります。

 

確定申告してない人の時効は何年?

確定申告してない人の時効は、何年になるのでしょうか。時効の概要から確認をしていきましょう。

 

時効とは

時効とは、ある出来事から一定の期間が経過したことで、長い間続いた状態の権利を認める制度のことです。民法上では、時効が成立すると権利を失うケースと権利を与えられるケースの2つがあります。一定期間の経過で権利が消滅する時効を「消滅時効」、一定期間の経過で権利を取得できる時効を「取得時効」といいます。

確定申告してない場合の時効として考えると、一定の期間が経過すると国は無申告分の税金を徴収する権利を失うという消滅時効を迎えることになります。

 

確定申告をしてない人の時効

確定申告をしてない人の時効は、5年です。5年が経過すれば、国は税金の徴収権利を失います。ただし、確定申告の必要性を理解していながら確定申告をしてない人の時効は、7年となる点に注意が必要です。

 

確定申告にまつわるその他の時効

確定申告をしてない人だけでなく、確定申告にはその他の時効も決められています。例えば、期限内に確定申告をしたものの、申告内容に誤りがあり、支払うべき税金が不足していた過少申告の状態だった場合、時効は3年です。3年が経過すると、国は不足分の税金を徴収する権利を失います。

また、確定申告の期限までには申告を行わず、期限後に申告をしたものの、申告内容に不備があり、納税すべき税金が不足していた場合の時効は、確定申告をしてない人と同じく5年です。また、意図的に売上を過少に申告していたり、経費を水増ししていたり、虚偽の申告をしていた場合の時効は7年となります。

 

確定申告してない人の時効は成立する?

確定申告をしていない人でも5年の間、税務署にバレなければ、税金を納めなくてよいのではと思うかもしれません。しかし、確定申告に関する時効が成立するケースはほとんどありません。なぜなら、時効が成立する前に確定申告をしていない人が税務署にバレるからです。確定申告をしていないことがバレれば、納税が完了するまで督促状が届きます。督促状は、定められた頻度で送付されるものであり、税務署から督促状が届いた場合、時効が更新されます。

時効の更新とは、一定の事由に当てはまった場合にこれまでの時効がリセットされて、また新たに時効期間のカウントが始まるというものです。例えば、2025年に確定申告をしなかった人がいたと仮定します。その場合、時効の起算日は確定申告期限の翌日となりますが、2025年の場合は3月15日が土曜日であるため、申告期限は3月17日となります。そのため、2025年に確定申告をしていないことに対する時効は2030年の3月18日です。

しかし、2027年4月20日税務署から督促状が届いたとします。すると、時効の更新が行われ、2025年の確定申告をしていないことに対する時効は、2032年の4月20日に延長されるのです。さらに、2028年の4月20日にも督促状が届いたと仮定すると、さらに時効の日は延長され、2033年の4月20日になります。

 

確定申告してない人の時効が成立する可能性は極めて低い

確定申告をしてない無申告の場合の時効は5年ですが、時効を迎える前に税務署から督促状が送られます。督促状を受け取るたび、時効の期日は更新されていくため、時効が成立する可能性は極めて低いといえるでしょう。

時効の成立を待っていたとしても、督促状が届けば時効はまた初めからカウントし直しとなります。しかしながら、その間も延滞税は課税され続けることに注意が必要です。

確定申告をしてない人が時効を待っていたとしても、時効が成立することは基本的にはなく、納税すべき額がどんどん増え続けるということになります。したがって、確定申告をしてないのであれば、時効を待つのではなく、早めに期限後申告をした方が賢明です。

 

無申告のペナルティを避けるためにできること

確定申告をしないと無申告加算税や延滞税、ときには重加算税が課されます。確定申告をしてないことで時効が成立する例はほとんどありません。そのため、確定申告をしてない人のほとんどはペナルティを受けることとなるのです。

では、無申告のペナルティを防ぐためには、どのような対策が必要になるのでしょうか。確定申告をしてない人がペナルティを避けるためにすべきことをご紹介します。

 

期限までに確定申告をする

まず、確定申告をしなければならないことを知っている人は、時効が成立するのを期待するのではなく、期限までに確定申告をするようにしましょう。確定申告期限内に正しく確定申告をすれば、ペナルティを科せられることは一切ありません。ルールを守り、正しく納税をすることがもっとも税の負担を軽減する方法です。

年間48万円以上の所得を得ている個人事業主、副業で年間20万円以上の所得を得ている会社員は確定申告をしなければなりません。また、確定申告は毎年、原則として2月16日から3月15日の間に行う必要があります、

 

自主的に期限後申告をすると無申告加算税が軽減される

確定申告が必要だと思っていなかったからという理由で確定申告をしてない人やうっかり申告期日が過ぎてしまった人などは、期限後申告を行いましょう。期限後申告とは、確定申告の期限が過ぎてから確定申告書を提出し、納税をすることです。

期限後申告をした場合でも、期限までに確定申告をしていないために無申告加算税は課税されます。しかしながら、税務調査で指摘を受けてから期限後申告をした場合に比べ、納税者が自主的に期限後申告をした場合は過少申告加算税の税率が軽減される制度があります。

 

事前通知後に自主的に期限後申告をする場合

税務調査が行われる前には、税務署から税務調査に入る旨のお知らせがあります。これを事前通知といいます。事前通知は、税務調査に入る2~3週間くらい前に行われるケースが一般的です。そのため、税務調査が実施されるまでの期間を利用して、調査の前に期限後申告をすることができます。税務調査の事前通知を受け、期限後申告をした場合、無申告加算税の税率は5%軽減され、納付すべき税額が50万円以下の部分については10%、50万円を超え300万円未満の部分については15%、300万円を超える部分は25%になるのです。

 

事前通知を受ける前に自主的に期限後申告をする場合

事前通知を受ける前に確定申告をしてないことに気が付き、自主的に期限後申告をした場合は、さらに無申告加算税が軽減されます。事前通知を受ける前に期限後申告をした場合の無申告加算税は、金額に関わらず5%です。

 

どのタイミングで期限後申告をするかによって無申告加算税の税率は次のように変わります。

<期限後申告のタイミングによる無申告加算税の税率の違い>

事前通知の前に期限後申告をした場合 事前通知を受けて期限後申告をした場合 税務調査の指摘を受けて期限後申告をした場合
50万円以下の部分 5% 10% 15%
50万円超300万円以下の部分 15% 20%
300万円超の部分 25% 30%

 

まとめ

確定申告をしてない人の中には時効が成立するまで待てば、税金を支払わずに済むだろうと思っている方もいるかもしれません。確定申告をしてない場合の時効は5年です。しかしながら、5年が経過する前に確定申告をしてないことは税務署にバレてしまいます。また、税務署からは督促状が送付されるため、督促状を受け取ると時効の更新が行われ、時効となる日がどんどん後ろにずれていきます。そのため、確定申告をしてないことに対する時効は5年ですが、実際には時効が成立することはないといえるでしょう。

確定申告をしてない場合、無申告加算税と延滞税が課されますが、税務調査を受ける前に自主的に期限後申告を行えば、無申告加算税の額が軽減される制度があります。確定申告をしてないまま時効を待っても延滞税の額が増えるだけです。確定申告をしてないのであれば、早めに期限後申告を行うことをおすすめします。

 

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この記事の監修者

松本 崇宏

税理士法人松本 代表税理士

松本 崇宏(まつもと たかひろ)

お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。

税理士法人松本は国税OB・元税務署長が所属する税理士法人です。

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