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2021.09.01
建設業の税務調査はどこが見られやすいのか?注意点を解説!
この記事の監修
税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏
(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。
多数の追徴税額ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。
一般的に、建設業は税務調査を受けやすい業種の1つとされています。建設業に携わる個人事業主や経営者が税務調査を受けた場合、どのような点を指摘されやすいのでしょうか。ここでは、建設業が税務調査の対象となりやすい理由や税務調査で見られがちなポイント、やってはいけない行為や注意点などについてわかりやすく解説しています。
税務調査がはじまっている方は税理士法人松本までご相談ください。
しかし、統計的に見て税務調査を受けやすい業種があるのも事実で、建設業はその1つといわれています。
・取引あたりの売上額が大きい
小売業やサービス業といった業種に比べると、建設業は1回あたりの売上額が大きい特徴があります。家やマンション、商業施設などを建設するには、相応の費用がかかるからです。
売上額が大きければ課税対象も大きくなるため、小さなミスでも納税額に大きく影響する可能性があることから、調査対象となりやすい側面があるでしょう。
・外注する業者や人数が多い
建設業では取引額の大きさに比例して、関わる業者や人数も大きくなります。建設に携わる職人はもちろん、建設資材や運搬など、外注する業務も多岐に渡るのが一般的です。
外注業務が増えれば、中抜きや架空請求といった不正も横行しやすくなるため、事実に基づいた申告がなされているか、チェックや指導を目的として調査対象となる場合もあります。
・支払いや入金にバラつきがある
建設工事に関わる業者が増えると、納期や支払、入金期日など会社ごとに取り決めが異なり、工程や請け負った案件ごとに取引先が変わることも珍しくありません。引き渡しまでのスケジュールがタイトな場合、同時期に複数の職人や業者が重なり、どこからどこまでを按分すればよいかの判別が難しいケースもあるでしょう。
こうした点から会計処理も複雑となりがちで、取引ごとの金額も大きく、不正も起こりやすいとなれば、税務署でも注目せざるを得ないわけです。
とはいえ、建設業に関わる人が不正をはたらきやすいということではなく、上記で挙げた売上額の大きさや、会計処理の複雑さによる計上ミスといった理由も多く含まれていると考えられます。
参考:平成30事務年度法人税等の調査事績の概要
対策としては、現金取引を減らして金融機関を利用する、まとまった現金はこまめに入金して履歴に残すといった方法が挙げられます。
取引上、帳簿としっかり現金が合うタイミングが少ない場合は、なぜ実残高と帳簿上の額が合わないのか、指摘を受けた際に正確に説明できるように流れを整理しておきましょう。
場合によっては、取引先へ問い合わせされる反面調査が実施されるケースもあり、今後の取引に支障が出るリスクもあるため、どこに何の目的で使用したものか、私的な支出を経費にしていないかといったチェック体制を整えることが大切です。
書類についても取引先や月別、項目別に整理し、確認しやすい状態で保管するようにしておきましょう。
各社ごとに見積りや発注、請負契約から施工、引き渡しから請求といった流れのわかる工程表を作成し、工程ごとに証明できる書類を添付するなどして、事前に帳簿と照合するといった習慣づけも大切です。
場合によっては、多額の売上を立てても入金がない状態で申告することとなりますが、税法上のルールには従う必要があります。税務調査でも、いわゆる「期ズレ」は念入りに確認される項目の1つです。
決算間際には請負中の案件の進捗について細かくチェックし、計上漏れや請求漏れがないかを確認するようにしましょう。
請負から引き渡しまでの期間も長く、現金による取引も多くなれば、会計管理も複雑となりがちです。税務調査の連絡を受けてから慌てることのないように、日頃から実残高と帳簿をこまめに確認し、必要に応じて工程表や書類の整理を行うことが大切です。
しっかりと税法を守って追徴課税のリスクを避け、節税対策を取るためには、税に関する深い知識が欠かせません。これまで税理士へ依頼したことがない、または簡単な依頼しか受けてもらえないという場合は、早めに税務調査に強い税理士へ相談するなどして対策に努めましょう。
目次
建設業が税務調査の対象となりやすいって本当?
税務調査はあらゆる業種が対象となり、規模や売上高とは関係なく、税務調査を受ける可能性は誰にでもあるものです。しかし、統計的に見て税務調査を受けやすい業種があるのも事実で、建設業はその1つといわれています。
建設業が調査対象になりがちな理由
建設業が税務調査対象となりやすい理由には、以下のようなものが挙げられます。・取引あたりの売上額が大きい
小売業やサービス業といった業種に比べると、建設業は1回あたりの売上額が大きい特徴があります。家やマンション、商業施設などを建設するには、相応の費用がかかるからです。
売上額が大きければ課税対象も大きくなるため、小さなミスでも納税額に大きく影響する可能性があることから、調査対象となりやすい側面があるでしょう。
・外注する業者や人数が多い
建設業では取引額の大きさに比例して、関わる業者や人数も大きくなります。建設に携わる職人はもちろん、建設資材や運搬など、外注する業務も多岐に渡るのが一般的です。
外注業務が増えれば、中抜きや架空請求といった不正も横行しやすくなるため、事実に基づいた申告がなされているか、チェックや指導を目的として調査対象となる場合もあります。
・支払いや入金にバラつきがある
建設工事に関わる業者が増えると、納期や支払、入金期日など会社ごとに取り決めが異なり、工程や請け負った案件ごとに取引先が変わることも珍しくありません。引き渡しまでのスケジュールがタイトな場合、同時期に複数の職人や業者が重なり、どこからどこまでを按分すればよいかの判別が難しいケースもあるでしょう。
こうした点から会計処理も複雑となりがちで、取引ごとの金額も大きく、不正も起こりやすいとなれば、税務署でも注目せざるを得ないわけです。
国税庁の調査統計でもトップ10以内に入る
国税庁では、毎年税務調査を実施した際のさまざまな統計データをホームページ上で公開しています。その中においても建設業は「不正が発覚する割合の高い業種」として、毎年トップ10内に入っているのです。とはいえ、建設業に関わる人が不正をはたらきやすいということではなく、上記で挙げた売上額の大きさや、会計処理の複雑さによる計上ミスといった理由も多く含まれていると考えられます。
参考:平成30事務年度法人税等の調査事績の概要
建設業の税務調査で見られやすいポイントと対策
建設業を営む事業者が税務調査を受けた場合、以下の点について指摘を受けやすいでしょう。現金残高と帳簿の整合性
外注で依頼する職人への支払いや急な資材調達など、建設業では現金による取引も多いものです。現金取引では入出金の履歴を正確に追うことが難しくなるため、事務所で管理している現金の実残高と、帳簿上の現金残高に整合性があるかは、税務調査の際にチェックされやすいでしょう。対策としては、現金取引を減らして金融機関を利用する、まとまった現金はこまめに入金して履歴に残すといった方法が挙げられます。
取引上、帳簿としっかり現金が合うタイミングが少ない場合は、なぜ実残高と帳簿上の額が合わないのか、指摘を受けた際に正確に説明できるように流れを整理しておきましょう。
経費関連の書類や帳簿類
経費の計上漏れや二重計上などがないかも、税務調査では細かく確認されます。手書きの伝票や使用目的のはっきりしない領収書、名目や金額が同じ請求書などは、調査の際に質問されやすくなります。場合によっては、取引先へ問い合わせされる反面調査が実施されるケースもあり、今後の取引に支障が出るリスクもあるため、どこに何の目的で使用したものか、私的な支出を経費にしていないかといったチェック体制を整えることが大切です。
書類についても取引先や月別、項目別に整理し、確認しやすい状態で保管するようにしておきましょう。
売上工程の流れ
入金や支払いのタイミングにバラつきがあり、同じような案件でも費用に大きな差があるような場合、その理由について適切な説明をする必要があります。税務署では、さまざまな建設業の申告内容に関するデータを持っているため、不審な点やミスが見つかりやすい点については、あらかじめ把握した上で調査に訪れていると考えた方がよいでしょう。各社ごとに見積りや発注、請負契約から施工、引き渡しから請求といった流れのわかる工程表を作成し、工程ごとに証明できる書類を添付するなどして、事前に帳簿と照合するといった習慣づけも大切です。
繰り延べや計上漏れ
建設業では施工期間が長期に渡るケースも多く、前年度の売上が翌年以降に振り込まれることも珍しくありません。場合によっては、多額の売上を立てても入金がない状態で申告することとなりますが、税法上のルールには従う必要があります。税務調査でも、いわゆる「期ズレ」は念入りに確認される項目の1つです。
決算間際には請負中の案件の進捗について細かくチェックし、計上漏れや請求漏れがないかを確認するようにしましょう。
まとめ
建設業では、1回あたりの売上額が大きく、関わる業者や職人なども多いため、少しのミスが課税に大きく影響します。そのため、毎年実施される税務調査でも、建設業は不正が発覚しやすい業種の1つとなっています。請負から引き渡しまでの期間も長く、現金による取引も多くなれば、会計管理も複雑となりがちです。税務調査の連絡を受けてから慌てることのないように、日頃から実残高と帳簿をこまめに確認し、必要に応じて工程表や書類の整理を行うことが大切です。
しっかりと税法を守って追徴課税のリスクを避け、節税対策を取るためには、税に関する深い知識が欠かせません。これまで税理士へ依頼したことがない、または簡単な依頼しか受けてもらえないという場合は、早めに税務調査に強い税理士へ相談するなどして対策に努めましょう。
税理士法人松本は
国税局査察部、税務署のOB税理士が
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