2023.01.19
  • 無申告
  • 期限後申告

確定申告をずっとしていない無申告状態を解消するにはどうしたらいいの?

この記事の監修者

松本 崇宏

税理士法人松本 代表税理士

松本 崇宏(まつもと たかひろ)

お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。

確定申告をずっとしていない場合、ケースによっては無申告状態となっている可能性があります。「確定申告を忘れていた」「確定申告が必要だと知らなかった」という状況を解消するには、どうしたら良いのでしょうか。
ここでは、確定申告をずっとしていない人のリスクやデメリットに加え、確定申告が必要なケースや税務署にバレる理由などについて解説しています。無申告状態を解消する方法についても紹介していますので、現状を確認する際の参考としてもお役立てください。確定申告のご相談をご希望の方は税理士法人松本の無料LINE相談をご活用ください。




確定申告をずっとしていないとどうなるの?

確定申告が必要であるにも関わらず、申告をずっとしていない場合、以下のようなリスク、デメリットなどが生じる可能性があります。

無申告状態のデメリット

フリーランスや自営業の人が無申告状態でいた場合、収入を証明する書類がないため、融資や助成金の申請などに必要な書類を揃えることができなくなります。
また、賃貸住宅の契約や子どもの保育園入所手続き、国民健康保険料の減額申請など、生活に必要な契約や手続きも難しくなってしまうでしょう。
なお、確定申告をすれば、確定申告書の控えをもって収入証明とすることが可能です。

確定申告をずっとしていないことのリスク

確定申告の必要があるのにしていなかった場合、遡って申告をすることになります。期限までに確定申告をしなかったペナルティとして、通常の申告で納税するべき所得税に加え、延滞税や無申告加算税などが課税されることとなります。
無申告状態で収入がないものとして徴収されなかった住民税なども、この時に徴収される場合があるでしょう。1,000万円を超える売上が発生している場合、消費税も納めなければなりません。
また、無申告であることが税務署にバレた場合、税務調査が入るケースもあるでしょう。税務調査で無申告の指摘を受けてから申告した場合には、自主的に申告した場合よりも無申告加算税の税率が重くなったり、重加算税などの更なる課税がついたりする可能性が高まります。

税務署に無申告状態がバレる理由

「確定申告をずっとしていないのだから、税務署に収入があることはバレないのでは?」と考える人もいるかもしれません。
しかし、税務署は無申告状態の把握に力を入れており、定期的に特定の事業に従事している人や、フリーランスに対する調査を強化することがあるのです。
税務署独自のルートによる調査だけでなく、外部からのタレコミや、取引先への調査を通じて無申告がバレるケースもあるでしょう。
「取引先が代金を支払っている業者のうち、確定申告をしていない者がいる」という事実は、調べればすぐにわかってしまいます。
銀行口座の取引履歴なども税務署は確認できる権限があり、隠すことはできません。現金取引をしている場合には、銀行による取引をしている業者よりも、重点的に調査を受ける可能性が高いのです。

このように、確定申告をしていないことによるデメリットやリスクは大きく、特に税務署にバレた場合のペナルティは想像を大きく超える場合も少なくありません。
「バレたらどうしよう」と怯えながら日々を過ごすよりも、できるだけ早い段階で確定申告することをおすすめします。

本当に確定申告しなくても大丈夫?申告した方が良いケース

「自分は確定申告の必要がない」と思っていても、以下のようなケースでは、確定申告を行った方が良いでしょう。

税金の還付が受けられる可能性があるケース

フリーランスの場合、年間の所得(売上から経費等を差し引いた額)が48万円以下の場合、所得税の確定申告を行う必要はありません。
しかし、確定申告したことで所得税の還付が受けられるケースもあるのです。税金の還付が受けられる可能性があるかどうかは、日々の取引を会計ソフトなどへ記帳し、確定申告書を作成してみないとわかりません。
所得は少なくとも、売上より経費が多かった場合には、還付もその分多くなる可能性があるため、一度確認してみると良いでしょう。

確定申告は赤字でもした方が良い場合もある

事業が赤字となる場合、基本的に確定申告の義務はありません。しかし、青色申告をしている事業者の場合は、赤字を申告すれば、来期へ赤字を繰り越すことが可能です。
前年度分の赤字を申告して繰り越し、当年度に黒字となった場合、翌年の申告では繰り越した赤字を差し引いて申告できるため、所得を抑えることができます。

退職したサラリーマンの確定申告が必要なケース

サラリーマンを年の途中で退職し、フリーランスや個人事業主となった場合、確定申告が必要となります。
フリーランスとして確定申告する場合でも、会社員時代の給与収入は計上しなければなりません。添付資料として、退職した会社の源泉徴収票も必要なため「退職したから関係ない」と書類を捨ててしまわないよう確定申告時期まで大切に保管しておきましょう。
もし、前職が源泉徴収票を発行してくれない場合や前の会社が倒産してしまったような場合は、まずは所轄の税務署に相談することをお勧めしますが「源泉徴収票不交付の届出書」を活用することも可能です。税務署に「源泉徴収票不交付の届出書」を提出することで、税務署からその職場に対して源泉徴収票を発行するように行政指導が行われます。
参考:国税庁(源泉徴収票不交付の届出手続)
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hotei/23100017.htm

確定申告をするのが不安な場合は税理士へ相談しよう

「過去に確定申告が必要だったのかわからない」「過去の収入について、どのように確定申告すれば良いのか知りたい」といった場合には、自分だけで悩まずに、税理士などの専門家のサポートを受けると良いでしょう。
実は、税理士事務所には得意とする業務があり、どの税理士事務所でも同じ相談に同じように対応してくれわけではありません。
フリーランスの確定申告や無申告を続けている場合のサポート、確定申告をずっとしていない人への対応などが丁寧な税理士へ依頼することが大切です。
過去分からの確定申告に親切に対応してくれる税理士かどうかは、初回無料相談などを利用して決めると良いでしょう。
税金の還付を受けたい場合や、消費税納税の有無など、税金について不明な点があれば確認してみることをお勧めします。




まとめ

確定申告をずっとしていない状態は、いわゆる「無申告」として、さまざまなリスクやデメリットが生じてしまいます。無申告は税務署の調査対象となりやすいうえ、指摘を受けて確定申告となれば、ペナルティとしての追徴課税は免れなくなります。
フリーランス以外でも、確定申告が必要なケースや、申告して払いすぎた税金が還付されるケースなどもあるため、まずは税理士事務所へ相談してみましょう。

税理士法人松本は国税OB・元税務署長が所属する税理士法人です。

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