2023.02.28
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国税局の査察調査の流れと対応方法についてわかりやすく解説!

この記事の監修者

松本 崇宏

税理士法人松本 代表税理士

松本 崇宏(まつもと たかひろ)

お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。

国税局が行う査察調査は、どのような流れで進められるのでしょうか。調査に訪れるタイミングや調査期間などが気になる、という方も多いでしょう。
ここでは、国税局の査察調査の流れについてわかりやすく解説しています。査察調査への対応方法についても紹介していますので「国税局の査察について知りたい」「査察調査の基礎的な知識を持っておきたい」といった際の参考にしてください。
国税局資料調査課(通称:リョウチョウ)から税務調査の連絡があった際は税理士法人松本までお気軽にお電話ください。




国税局の査察調査ってどんな風に始まるの?

「会社へ申告や納税についての調査が入った」「国税から査察が来た」といった話を耳にすることがあっても、実際に国税局の査察調査なのかはわからないこともあるでしょう。国税局の査察調査は、概ね以下のような流れで進められます。

国税局の査察部が管轄している

査察調査は国税局の査察部が管轄する調査となります。査察調査には「犯則調査」という正式名があり、脱税などの悪質な犯罪の証拠がないかを調査する目的で行われます。
なお、通常行われる調査は、税務署が行う「税務調査」であることが多いでしょう。税務調査は、適正な納税が行われているかの指導や是正が目的となります。

査察調査は事前通告なく突然行われる

国税局が行う査察調査は、犯罪の証拠を押さえることが目的です。そのため、事前に何の通知もなく、ある日突然査察官がやって来ます。
証拠隠滅や夜逃げといったリスクを避けるため、会社の事務所や店舗に限らず、社長の自宅などへも、一斉に調査の手が入ることとなるのです。
査察調査にも任意調査や強制調査、質問調査などの種類があります。強制調査では、差押えなどの強制処分も可能です。

質問調査では幅広い取り調べを受ける

査察調査で、査察官から取り調べを受けることは「質問調査」と呼ばれます。質問調査は、国税局の取調室で実施され、査察官は2人1組で取り調べにあたるのが基本です。
取調室での取り調べには、社長はもちろん、経理の担当者や他の社員のほか、脱税に関与したと思われる場合は取引先も呼び出しを受ける場合があります。
取り調べは強制ではなく任意となるため、無理に応じる必要はありませんが、調査の妨害をしている、犯罪を隠蔽しているなどと疑われる場合には、逮捕されて勾留を受ける可能性もあるため注意が必要です。

査察調査がやって来たらどうなるの?

査察調査を受けることになった場合、どのような結果となるのでしょうか。

査察調査にかかる期間は?

国税局の査察調査にかかる期間は、長い場合1年ほども続きます。短い場合でも数ヵ月を要するため、かなり長期間にわたって調査を受けることになると考えた方がよいでしょう。
査察調査の対象となった事業者には、かなり悪質な脱税や犯罪行為が疑われているため、時間をかけて丁寧に調査することとなるのです。

多くのケースが告発の対象となる

長期間にわたって査察調査を受けたのち、多くの場合告発の対象となります。国税局が発表しているデータによれば、毎年実施されている査察調査のうち、全体の7割近くが告発されているのです。
検察庁へ刑事告発された事業者は、検察官による捜査も受けることとなり、最終的に脱税などの犯罪であるとみなされた場合、逮捕・拘留される可能性が高いでしょう。

査察調査が来た場合の対処法は?

査察調査がやって来た場合は、以下のような対応を取ることが重要となります。

査察調査で告発を受けないようにする

査察調査を受けた場合、もっとも重要なのは脱税についての告発を受けないようにすることです。刑事告発となった場合、逮捕され刑が確定すれば、刑事罰を受けたり、前科がついてしまったりすることとなります。
たとえば、脱税による刑事罰は10年以下の懲役か1,000万円以下の罰金です。罰金と懲役の両方が科されるケースもあります。
告発を受けなかった場合でも、修正申告に加えて重加算税などの追徴課税をペナルティとして受けることとなります。それでも、告発で逮捕されるより処罰は軽くなるケースが多いでしょう。
告発を受けないためには、脱税の疑いを晴らせるか、国税局が疑うほど多額の脱税を行ったわけではないことを説明できるかがポイントとなります。
任意の取り調べについても、どこまでは拒否できてどこからは調査を妨害しているとみなされるのか、という見極めも重要です。

査察調査や国税局との対応に強い税理士へ相談する

上記のような見極めは、国税局への対応について素人である場合、なかなか難しいものです。査察調査で告発を受けずに、主張できる点はしっかりと主張して告発を免れるためには、査察調査の経験がある税理士に相談するのがよいでしょう。
査察調査の取扱実績があり、国税局への対応を熟知している税理士であれば、調査の対象となっている事例について、国税局や検察庁などへ意見書を提出するなどの働きかけも可能です。
問題点や誤解されやすい点について働きかけを行い、質問調査に同席して対応してもらうといったサポートも受けられます。
どのような対処をすればよいのか確信が持てないまま、査察調査であいまいな態度を取るのは、告発のリスクを高めてしまいます。
査察調査が入った場合は、できるだけ早めに税理士へ相談し、しかるべき対応を取ってもらうようにしましょう。




早めに税理士へ依頼することのメリット

査察調査について、早めに税理士へ相談することのメリットとしては、処罰の軽減や社会的信用を失うリスクを避け、現在の状態を正しく理解できる、といった点が挙げられます。
査察調査がやって来てからの対処はもちろん、調査を受けないための申告や仕訳などの会計業務もチェックしてもらえるでしょう。

まとめ

国税局の査察調査は、国税局の管轄で実施される調査であり、悪質な脱税などが疑われる場合に、何の前触れもなく突然に一斉調査が行われることが多いでしょう。
査察調査を受けると、多くの場合告発を受け、刑事罰の対象となるケースも多く、10年以下の懲役や1,000万円以下の罰金など、処罰も重くなる傾向にあります。
査察調査で告発を免れるためには、査察調査に強い税理士へ相談や依頼をするのがおすすめです。査察調査を受けた場合、できるだけ早い段階で税理士へ相談するようにしましょう。

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