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無申告 税務調査 2023.07.13

卸売業、小売業の税務調査は売上の計上漏れや棚卸資産計上がチェックされやすい!?

この記事の監修

税理士法人松本 代表税理士

松本 崇宏
(まつもと たかひろ)

お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。
多数の追徴税額ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。

卸売業者は、生産者から仕入れた商品を小売業者に販売し、小売業者は生産者や卸売業者から仕入れた商品を消費者に販売します。いずれも仕入れた材料を加工して販売するのではなく、商品と仕入れたものをそのまま加工することなく販売するという共通点があります。
そのため、卸売業と小売業では仕入れ、売上、在庫である棚卸資産の関係はわかりやすいという特徴があります。卸売業・小売業の税務調査では売上の計上漏れ、棚卸資産の計上が適正に行われているかという点がチェックされやすいポイントとなっています。
今回は、卸売業・小売業の税務調査の特徴についてご説明します。 すでに税務調査が入っている方は税理士法人松本までいますぐお電話ください。



卸売業・小売業の税務調査でチェックされやすいポイント①売上の計上漏れ

卸売業・小売業の税務調査でまずチェックをされやすいポイントが、売上の計上漏れです。売上の計上漏れがあり、売上額を過少に申告している場合にはそれだけ所得額が少なくなり、課せられる税金も少なくなります。そのため、卸売業・小売業に限らず、どの業種においても売上の計上漏れは、税務調査において厳しくチェックされます。
卸売業・小売業の税務調査における売上の計上漏れのチェックには次のような特徴があります。


<卸売業の場合>

卸売業の場合は、法人税事業概況説明書に月々の売上と仕入れ額が記載されています。税務調査が行われる際、調査官はこれらのデータを使って原価率を算出します。原価率は、売上原価を売上高で割ることで簡単に算出することができます。もし、売上が正しく計上されていない月があった場合、売上が少ない分、その月の原価率は高くなるため、売上を過少に申告したのではないかと疑いをもたれる可能性があります。


<小売業の場合>

小売業では、現金で取引が行われることが多いため、売上を低く計上しようと思えば容易に売上を操作できてしまいます。そのため、小売業の税務調査では売上の計上漏れを細かくチェックします。POSレジを導入している場合は、POSレジのデータが帳簿上のものと一致しているかどうかのチェックがなされます。
また、小売業ではポイントカードなどによる割引を実施しているケースもあり、ポイントによる割引をした場合の売上処理が正しく行われているかについても、税務調査ではチェックされやすいポイントです。


卸売業・小売業の税務調査でチェックされやすいポイント②棚卸資産計上

卸売業・小売業の税務調査でチェックされやすいポイントの2つ目は、棚卸資産計上が適正に行われているかどうかという点です。棚卸資産とは一般的にいう在庫のことであり、卸売業・小売業では、販売するために保有している商品在庫が棚卸資産に該当します。


期末の棚卸資産について

売れた商品の仕入れにかかった費用である売上原価は、会計上、費用として計上されます。売上原価の計算式は次のように表すことができます。
売上原価=期首の棚卸資産+当期商品仕入れ高-期末棚卸資産
会計上では、売上と売上原価は同じ期に計上する必要があります。もし、商品を仕入れたものの売り切れずに期末に在庫として残ってしまった場合は期末の棚卸資産として扱い、その分は仕入れ高に計上することはできません。もし、期末の棚卸資産分を仕入れ高に計上してしまうと、売上原価は高くなります。つまり、経費として計上する額が多くなり、不正に会計処理をしているとみなされる可能性があります。
期末の棚卸資産を正しく計上しているかは、税務調査時に確認される可能性が高いポイントです。棚卸伝票とのチェックが行われる場合もあるため、税務調査の前には棚卸伝票と在庫の数量も差異がないか確認しておきましょう。


卸売業・小売業の税務調査でチェックされやすいその他のポイント

卸売業・小売業の税務調査では、売上の計上漏れがないか、棚卸資産計上が正しく行われているかの2点について細かくチェックが行われる可能性が高くなります。また、この2点のポイント以外にも卸売業・小売業の税務調査では次のようなポイントがチェックされやすくなります。


・広告宣伝費を適正に計上しているか

小売業の場合、広告宣伝に多額の費用をかけている場合も多く、正しく計上しているかどうかのチェックが行われます。


・システムやアプリの費用を適正に計上しているか

卸売業・小売業では、売上や在庫の管理などにシステムやアプリを導入していることが多いでしょう。システムの導入費用や入れ替えを行った際の費用、システム維持のための費用などが適正に計上されているかどうかも税務調査で指摘されやすいポイントです。


・倉庫や店舗の増設・出店などに関わる費用を適正に計上しているか

卸売業では新たに倉庫を建設したり、小売業では新たな店舗を開設したり、既存店舗の改装を行ったりすることがあります。これらにかかった費用を適切に計上しているかという点についても、税務調査ではチェックされやすくなります。


まとめ

卸売業・小売業では、仕入れた商品を加工せずにそのまま販売するために、仕入れ、売上、棚卸資産(在庫)の関係性がわかりやすいという特徴があります。卸売業・小売業を対象にした税務調査では、売上の計上漏れがないか、棚卸資産の計上が適正であるかについて、細かくチェックをされることが多くなっています。
税務調査によって、売上の計上漏れや棚卸資産の計上ミスなどで所得を過少に申告していたことが発覚する可能性もあります。納入すべき税額を本来よりも少なく申告した場合は、違反行為として過少申告加算税の支払いが科せられる場合があります。
税務調査が行われる際には、税務署から事前の通知が行われることが一般的です。税理士法人松本では、卸売業・小売業の税務調査に詳しい税理士が税務調査当日に立ち会い、調査官の質問にも適切に対応しています。もし、税務署から通知が来た場合には、早めに税理士法人松本までご連絡ください。



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