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税務調査で書類やデータ提出の義務はあるの?資料はどこまで見せるべき?
この記事の監修者
税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。
税務調査では、データを提出するよう要求されたり、書類を税務署へ持ち帰りたいと言われたりするケースがあります。こうした場合に、書類やデータの提出義務はあるのでしょうか。
ここでは、税務署から書類やデータの持ち帰りや提出を要求された場合の対応方法や、法律的根拠についてわかりやすく解説しています。どこまで資料を見せるべきかの目安についても紹介しており、税務調査について知りたい際の参考となる内容となっています。
目次
税務調査での書類・データ提出は義務?
結論から言うと、税務調査で調査官から提出を求められたら、原則として応じる必要があります。
税務調査の調査官には「質問検査権」がある
税務調査の調査官には「質問検査権」という権限が与えられており、正当な理由なく質問や検査を拒否した場合、1年以下の懲役や50万円以下の罰金刑となる可能性があるのです。そのため、基本的には「取引に関する帳簿を見せてほしい」と言われれば、提示に協力しなければなりません。
また、コロナ禍において滞在時間を短縮する目的で、書類を税務署へ持ち帰りたいと言われる場合もあるでしょう。
こうした場合も要求に応じる必要があり、理由なく拒否や拒絶をすることはできないことになっています。
提示を拒否した方が不利になる可能性も
正当な理由もなく書類やデータの提示を拒否した場合、調査官から「何か隠しているのでは」「見られたくない証拠でもあるのか」と疑われ、調査の手が更に厳しくなる可能性も考えられます。
書類やデータを見せないために、取引先や相手先の企業などへ確認の調査が入る「反面調査」が実施されてしまう場合もあるのです。
税務調査で資料はどこまで見せるべきか
こうした理由から、税務調査で書類やデータの提示を求められたら、原則として協力することが大切となります。しかし、どんな要求でも応えなければならないわけではありません。税務調査でどこまで資料を見せるべきなのかは、以下を目安に考えるとよいでしょう。
税務調査に関係のない資料の提示を要求された場合
たとえば、個人的に使用しているインターネットの利用明細や家族の通帳など、税務調査に関連がない個人情報であると考えられる資料については、「会社の経営活動と一切関係のないプライベートな個人情報のため、見せたくない」と言うことは可能です。
この時、調査官は「なぜその資料の提示が必要か」という理由について、趣旨を説明する義務を持っています。納税者にとっては取引と関連のない個人情報だと思われる書類であっても、調査するにあたって正当な開示理由がある可能性もあるのです。
税務調査に関連がないと思われる資料に限らず、関連のある資料についても、調査官は開示の趣旨について説明義務を負っています。
最終的には、納得のいく形で説明を受けた後に提示に協力するのが、スムーズに税務調査を終わらせる最善であると言えるでしょう。
パソコン内に保存されたデータの提示について
近年では、帳簿取引や決算書類について、パソコン内の会計ソフトやクラウド上などに記録、保存しているケースも多いでしょう。
こうしたパソコン内またはクラウド上にあるデータについて税務調査で提示を求められた場合には、パソコンの画面上で確認できる状態にして、画面を提示することとなります。
データの持ち帰りに関する要求について
税務調査では、帳簿や請求書など紙ベースの書類について、調査の目的で税務署への持ち帰りを要求される場合もあります。持ち帰りについても、原則として要求に応える必要がありますが、パソコンのソフト内に保存されたデータについては、印刷してもらうようお願いされるケースもあります。
もしコピーにかかる費用を負担したくない場合は、その旨を調査官へ伝えても構いません。その場合、調査官が持参したUSBへ保存したり、スマートフォンで撮影を行ったりする場合もあるでしょう。
デジタルデータや書類のコピー持ち帰りに応じた場合、念のため調査が終われば速やかに守秘義務を守って破棄してもらうよう伝えておきましょう。
紙にプリントされたものは提示要求に応える必要があり、デジタルデータのプリントはお願いベースとなります。既にプリントされているデータについては、原則としてパソコン内やクラウド上の同じデータを提示する必要はないと考えることができるでしょう。
税務調査で書類やデータ提出を要求された場合の対処法
税務調査で書類やデータの提出を要求された場合は、以下のような対処法を検討しましょう。
必ずしも応じる必要はないが、専門的な知識が必要な場合も
税務調査では調査官の要求に応える必要がある一方で、納得のいかない要求には説明を求めたり、正当な理由を持って拒否したりすることも可能です。
しかし、どのような理由なら拒否するにあたるのか、妨害にあたらないと言えるかの判断は、素人には難しい部分もあるでしょう。
結局は調査官の要求を受け入れた方が、調査が早く終わる可能性が高いため、しぶしぶ提示に協力するというケースも少なくありません。
調査官の要求すべてに応じる必要はありませんが、交渉するには、ある程度専門的な知識が必要となるでしょう。
税務調査対応の実績が豊富な税理士に同席してもらう
「税務調査で余計な書類などは極力見せたくない」「そもそも税務調査に1人で対応できるか不安」という場合には、税務調査対応の実績が豊富な税理士へ同席を依頼しましょう。
税務調査の実績豊富な専門家なら、資料をどこまで見せるべきか、どこは協力してどこは拒否できるかなど、交渉のコツに長けています。
調査当日までに不安な点などを相談してアドバイスをもらうことも可能です。税務調査では、事前に準備するべき書類やデータも多いため、何を準備すればよいかも含めて、相談に乗ってもらうとよいでしょう。
税務調査対応は税理士法人松本でも受け付けております。ぜひ一度ご相談ください。
まとめ
税務調査では、取引の詳細がわかる書類やデータについて提示するよう求められます。調査官は質問検査権を持っているため、原則として要求があれば応じる必要があります。しかし、提示が必要と考える趣旨については調査官に説明義務があり、提示する側も正当な理由があれば拒否することも可能です。
いずれにしても、税務調査の交渉は法的な知識と豊富な経験がないと難しいものです。不安な場合は税理士へ相談するなどして、税務調査に備えましょう。
税理士法人松本は国税OB・元税務署長が所属する税理士法人です。
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