2024.10.30

会社設立

弥生の会社設立にはデメリットがある!?後悔しないための対策とは

この記事の監修者

松本 崇宏

税理士法人松本 代表税理士

松本 崇宏(まつもと たかひろ)

お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。

弥生会計ソフトは、初心者や専門知識のない人でも簡単に使えるものです。

簿記などの知識がなくても簡単に使いこなせる画面設計で、わかりやすく操作できるのが人気の理由です。

弥生では、会社設立に関する書類の作成ができます。

会社設立と聞くとハードルが高そうに感じるかもしれませんが、自宅にいながらオンラインで書類の作成ができてしまいます。

なぜ弥生の会社設立が人気なのか、メリットだけでなくデメリットもあるのか、など弥生の会社設立についてまとめました。

弥生のかんたん会社設立とは

弥生かんたん会社設立

「弥生のかんたん会社設立」では、オンラインで会社設立ができてしまいます。

難しそうな書類作成もパソコンで作成できますので、不安を感じている方におすすめです。

弥生のかんたん会社設立には、以下のような特徴があります。

  • 専門知識がなくても会社設立できる
  • パソコンやスマホで書類作成できる
  • サービス利用料が無料で会社設立できる

専門知識がなくても会社設立できる

会社設立をするための専門知識がなくても、もちろん初めての方でも、弥生のかんたん会社設立を利用できます。

画面の案内に沿って必要事項の入力を進めていけばいいだけなので、事前知識が不要です。

「会社設立のための書類作成は難しそう」「素人ができるわけない」と思っている方でも、ひとつひとつ入力していくだけなので手軽に書類作成ができてしまいます。

何をするのかという手順を考える必要はありませんので、設立する会社の情報に集中できます。

パソコンやスマホで書類作成できる

弥生はオンラインソフトなので、パソコンやスマホで書類を作成していきます。

作業は保存ができますので、スマホを使って隙間時間に書類作成をしていくというスタイルでも構いません。

自宅ではパソコンを開いて、出先ではスマホで、というように、デバイスを変えても問題ありません。

創業期は他にもタスクが複数ありますので、書類作成に割く時間をできるだけ短くできます。

サービス利用料が無料で会社設立できる

電子定款作成を含む、会社設立に必要な書類の作成が、無料でできてしまいます。

知識がない人、費用を抑えて会社を設立したい人に向いているツールであるといえるでしょう。

ただ会社設立には公証人手数料などの実費がかかりますので、会社設立に関する全てが無料になるわけではありません。

あくまでも書類作成に関する費用が0円になる、と覚えておきましょう。

弥生のかんたん会社設立は4万円もお得

会社設立費用

弥生のかんたん会社設立を利用すると、自分で会社設立するより4万円お得になります。

会社設立にかかる費用の目安は、以下のようになります。

 弥生のかんたん会社設立自分で会社設立
定款印紙代0円
(電子定款)
40,000円
(紙定款)
定款認証(実費)32,000~52,000円32,000~52,000円
登録免許税(実費)150,000円150,000円
合計182,000~202,000円222,000~242,000円
参照:弥生のかんたん会社設立

自分でイチから会社設立し、紙の定款(ていかん)を作成すると印紙代の4万円がかかります。

弥生のかんたん会社設立では電子定款を作成しますので、収入印紙の貼付は不要です。

定款認証や登録免許税は必ず必要になる費用なので、定款印紙代の
4万円を節約できるようになります。

電子定款を自分で作成するという方法もありますが、専用機材や
ソフトが必要になるでしょう。

弥生のかんたん会社設立を使う前の準備

弥生のかんたん会社設立を使うのであれば、あらかじめ以下のものを準備しておきましょう。

  • 発起人の印鑑証明書と実印
  • 発起人の写真付身分証明書
  • 役員の印鑑証明書と実印
  • 発起人個人の銀行口座
  • CD-RあるいはUSBメモリーカード
  • 写真付身分証明書
  • 会社実印

発起人とは、会社設立の際に資本金の出資や定款の作成を行う人を指します。

会社が設立されると、出資した資本金の金額に応じて株式が発行され株主となります。

役員とは取締役や監査役の人を指し、これらの人達の印鑑証明書と実印が必要になりますので準備しておきましょう。

写真付身分証明書やCD-R/USBメモリーカードは、電子定款の作成で必要になります。

会社実印は、法的な効力を持ち、重要な契約書・官公庁への提出書類などに使用していくものです。

弥生のかんたん会社設立のデメリット

弥生のかんたん会社設立には、デメリットもあります。

メリットばかりに目を向けず、デメリットについても冷静に判断しておきましょう。

  • 会社の設立相談はできない
  • 書類作成のサポートにのみ特化したツール
  • 他のサービスに勧誘される可能性がある

会社の設立相談はできない

会社設立相談

会社設立は1人でもできるにはできますが、困った時に相談できる相手がいた方が心強いかもしれません。

弥生のかんたん会社設立は書類の作成はできるものの、相談相手がいるわけではありません。

会社設立時には多くの書類作成をし、それぞれ提出していかなくてはいけません。

税理士や司法書士といった専門家に相談すると、代理人が手続きできる作業もあり、会社設立の負担を大きく軽減できるようになります。

設立相談は弥生の設立お任せサービスへ

弥生会計ソフトを活用し、専門家の相談を受けたい場合は「弥生の設立お任せサービス」を選択しましょう。

弥生のかんたん会社設立とは、以下のようなサポートの違いがあります。

 弥生のかんたん
会社設立
弥生の設立
お任せサービス
設立相談なしアドバイス有
電子定款・
登記書類作成
自身で作成専門家が作成
公証役場への
定款認証
一部サポートサポート有
法務局への
登記書類提出
自身で提出サポート有
その他手続の
ご支援
一部サポート相談可
費用 0円50,000円
※専門家と
税務顧問契約で実質0円
参照:弥生の設立お任せサービス

弥生の設立お任せサービスは、専門家のサポートが付くので知識がない方は安心です。

ただし50,000円の費用がかかり、これは専門家と税務顧問契約で実質0円というシステムになっています。

書類作成のサポートにのみ特化したツール

弥生の会社設立は、書類作成に特化したツールであると覚えておきましょう。

関連書類を初めて作成するという方でも、手順に沿って行えば完成させられますので便利なツールであるといえます。

ただし会社設立は書類を作成すれば終わるわけではありません。

提出先はそれぞれ異なりますし、税金の届け出や健康保険・厚生年金保険といった社会保険に関する手続きも同時に必要となります。

会社設立に関する一連の作業のサポートを受けたいと考えるのであれば、やはり専門家のサポートがあった方がいいでしょう。

他のサービスに勧誘される可能性がある

「会社設立後も弥生の会計ソフトを活用していきたい」という方は問題ありませんが、「会社設立に関する書類作成のみをしたい」という場合は注意が必要です。

弥生かんたん会社設立は無料で利用できるのがメリットですが、他のサービスに勧誘される可能性があります。

本当に必要なサービスなのかを見極める必要があるので、覚えておきましょう。

弥生かんたん会社設立がおすすめの人

弥生かんたん会社設立は、メリットもデメリットもあります。

以下のような人は、弥生のかんたん会社設立の利用がおすすめです。

  • 多忙で時間や手間・費用をかけられない人
  • 士業の人
  • 事業スタート後にもサービスを使いたい人

多忙で時間や手間・費用をかけられない人

会社設立時間

弥生のかんたん会社設立は、忙しく時間や手間をかけられないという人に向いています。

デバイスを選ばないので、場所を選ばずに書類作成を進めていけるからです。

さらに使用料がかかりませんので、費用もかけられないという人に向いています。

専門家に代行を依頼する、会社の設立相談をすると費用がかかりますので、時間や手間だけでなく、費用も節約になります。

士業の人

士業とは、弁護士、行政書士、公認会計士、税理士といった専門的な資格が必要な職業の人を指します。

弥生のかんたん会社設立は、士業代行利用機能があり、会社設立書類代行作成にも対応しています。

複数の会社の書類作成が可能で、もちろん管理もしやすい状態となっています。

事業スタート後にもサービスを使いたい人

弥生は会計ソフトであり、会社設立後にも多くの機能が活用できます。

例えば決算書の作成や仕訳・記帳の自動化などは、会社を経営していく上で必要な機能です。

事業をスタートしてからも、これらの機能を活用していきたいという場合は、弥生のかんたん会社設立を使うといいでしょう。

一貫した管理を行っていけるので、作業の生産性をアップさせられます。

会社設立時に税理士ができるサポート

弥生のかんたん会社設立は、手軽に自分で書類作成ができますが、「書類作成ができるだけでは不安」と感じている方もいるかもしれません。

税理士は会社設立時にも多くの方からのご相談を受けます。

会社設立時に税理士にご相談していただければ、以下のようなサポートができます。

  • 定款の内容と登記事項に関する内容
  • 届出書の作成と提出代行
  • 補助金・助成金のアドバイスがもらえる
  • むだな税金を支払わなくて済む

定款の内容と登記事項に関する内容

定款会社設立

会社設立時の書類で大切なのが、定款の内容と登記事項です。

定款とは「会社の憲法」とも呼ばれるルールブックのようなもので、もし内容を変更させるとなると株主総会での決議が必要になります。

登記事項とは、会社名や本籍地、株式や資本金といった会社に関する情報を決めて法務局に提出するものです。

もし変更をするとなると法務局で登記変更をしなければならず、さらに登録免許税が3万円かかります。

このような会社にとって重要な内容は、税理士に相談しながら、会社設立時に慎重に決めておくべきです。

ただ必要な書類が作成できれば良いというわけではなく、やはり内容をきちんと詰めておくべきです。

届出書の作成と提出代行

税理士と顧問契約をすれば、税務届出書の作成と提出もサポートしてもらえます。

弥生のかんたん会社設立では書類の作成はできるものの、法務局への登記書類提出は自身で提出しなければなりません。

弥生会計ソフトのサービスでは、「弥生の設立おまかせサービス」を選べば、法務局への登記書類提出を行ってもらえますので、どちらが向いているか検討しましょう。

弥生の設立おまかせサービスとは、税理士などの専門家に相談できるサービスです。

会社設立の一連の流れを考えるとプロのサポートがあった方が安心な状況であるといえるでしょう。

補助金・助成金のアドバイスがもらえる

税理士を依頼すると費用がかかってしまうと心配される方がいますが、補助金や助成金のアドバイスが可能となります。

補助金や助成金は、知らなければ活用できないものであり、後に補助金や助成金の存在を知ったとしても手遅れになってしまいます。

どんな補助金や助成金が受けられるのかをイチから調べるのは、大きな負担になるはずです。

創業時融資もありますので、会社設立時の初期段階でこれらの判断をしておくべきです。

むだな税金を支払わなくて済む

会社設立時にしっかり理解しておきたいのが、税金に関する内容です。

特に創業時には多くの税法が存在しており、深い知識がないと大損してしまう可能性があります。

例えば、消費税の支払いで損失がでないような免税期間を考慮する、原則課税方式と簡易課税方式の計算方法を正しく選択する、などです。

税理士はこれらの税金について正しい知識がありますので、
節税についても相談していきましょう。

弥生のかんたん会社設立に関するよくある質問

会社設立質問

弥生のかんたん会社設立に関するよくある質問をまとめました。

  • 弥生のかんたん会社設立を途中から使えますか?
  • 電子定款とはなんですか?
  • オンライン申請したら登記日はいつになりますか?

弥生のかんたん会社設立を途中から使えますか?

登録までを一貫して手続きするものなので、途中からの利用はできません。

電子定款とはなんですか?

紙ではなくPDF形式で作成された定款です。
紙の定款だと印紙代4万円がかかりますが、電子定款では収入印紙代はかかりません。

オンライン申請したら登記日はいつになりますか?

オンライン申請が受け付けられた日が登記日となります。

ただし書類に不備がなく、行政機関からの修正指示がなかった場合に限ります。

会社設立は税理士に相談を

弥生のかんたん会社設立は、専門知識がなくても会社設立に関する書類の作成ができる便利なソフトです。

しかし定款や登記事項の内容に関して相談できるわけではなく、節税のアドバイスなどもありません。

会社設立はできるかもしれませんが、後に後悔しないためにも
専門家に相談するのがおすすめです。

会社設立時に税理士に相談をしていただければサポートができますので、ぜひご相談ください。


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