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創業融資
ブラックリストに載ると創業融資は受けられない?創業融資を受ける方法も解説
この記事の監修者
税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。
ブラックリストに載ったからと言って、必ず創業融資は受けられないというわけではありません。
しかし、ブラックリストに名前が載ると、創業融資の審査が厳しくなるのは事実です。
適切な対策を講じることで、ブラックリストから抜け出し、創業融資の審査を乗り越えることが重要です。
本記事ではブラックリストに載ると創業融資は受けられないのかについて紹介します。
他にも「ブラックリストでも創業融資を受ける方法」や「ブラックリストでも利用できる創業融資制度」についても解説していきます。
目次
ブラックリストとは?
ブラックリストとは、一般的に信用情報機関に金融事故の情報が登録されている状態を指します。
信用情報機関とは、個人の信用履歴や取引状況を管理・保管するための専門機関です。
日本にはいくつかの主要な信用情報機関が存在し、以下のようにそれぞれ特徴が異なります。
信用情報機関 | 特徴 |
株式会社日本信用情報機構 (JICC) | 消費者金融やクレジットカード会社など、主にノンバンク系の金融業者の情報を管理しています。 |
株式会社シー・アイ・シー (CIC) | 銀行や信用金庫などの情報を含む、主に銀行系の金融機関の利用履歴を取り扱っています。 |
全国銀行個人信用情報センター (KSC) | 全国の銀行が加盟している信用情報機関で、銀行系の金融取引情報を集めています。 |
これらの機関には、クレジットカードやローンの利用状況、支払い履歴、延滞記録などが登録されています。
もし支払いの延滞や返済不能といった事態が発生すると、金融事故情報として一定期間保存されてしまい、「ブラックリストに載る」という意味合いになります。
具体的にブラックリストになってしまうパターンについては、以下の3つが挙げられます。
- 支払遅延・返済遅延
- 代位弁済
- 債務整理
それぞれの項目について解説していきます。
支払遅延・返済遅延
支払いが61日以上遅延したり、3か月間連続で返済の遅れが発生した場合、ブラックリストに登録される可能性があります。
61日以上の支払遅延とは、返済期日を過ぎてから61日以上経過しても支払いが完了していない状況を意味します。
また、3か月連続の支払遅延は、3か月間にわたって各月の支払いが期限を超えて行われるケースを指します。
具体的には、3回続けて支払い期限を守らず、毎月遅延が発生しているような状況が該当します。
代位弁済
代位弁済とは、債務者が支払いを継続できなくなった場合に、保証会社などが債務者に代わって返済を実行する仕組みを指します。
代位弁済が実施されると、信用情報機関に登録され、ブラックリストに載ることになります。
一般的には、支払いが3カ月以上滞った場合に代位弁済が行われることが多いとされています。
また、信用情報には代位弁済や保証履行などの記録が残るため、以後の信用取引に影響が生じる可能性があります。
債務整理
借金の負担を軽減したり、全額免除を目指す手続きには、任意整理、個人再生、自己破産といった債務整理の方法があります。
任意整理を選択した場合、信用情報機関にブラックリストとして登録されるため、一定期間は新たな借り入れやクレジットカードの利用が難しくなります。
また、債務整理を実施すると、信用情報には「異動」と記載されることになり、これも信用力に影響を与える重要な要素になります。
ブラックリストに載ると創業融資は受けられない?
ブラックリストに載ると創業融資は受けられないわけではありません。
信用情報が「ブラックリスト」として認識される状況にある場合、新規創業融資を受けることは難しくなるのが一般的です。
しかし、完全に不可能というわけではなく、過去に金融事故があった場合でも、それがやむを得ない事情によるものであり、すでに返済が完了している場合には、例外的に融資の可能性が残されていると考えられます。
実際には、非常にハードルが高い状況であるため、信用情報がクリアになるまで待ってから申し込む方が現実的な選択肢となる場合もあります。
ブラックリストでも創業融資を受ける方法
ブラックリストでも創業融資を受ける方法については、以下の5つが挙げられます。
- 自分の信用情報を確認する
- 履歴が消えるまで待つ
- 自己資金を増やす
- 創業計画書を作り込む
- 実績や経験をアピールする
それぞれの方法について解説していきます。
自分の信用情報を確認する
過去にクレジットカードや携帯料金の支払いが遅れた経験があり、自分の信用情報に不安を感じている方は、まず現在の信用状況を確認することをおすすめします。
信用情報機関として、CIC、JICC、KSCの3機関がありますが、それぞれインターネットや郵送を通じて信用情報の開示を申し込むことが可能です。
手数料は発生しますが、自身の信用状況を把握することで、不安を解消する一助となります。
このように、自分の信用情報に不安がある方は、一度確認してみることをおすすめします。
履歴が消えるまで待つ
信用情報を確認した結果、自分がブラックリストに登録されていると判明した場合、履歴が自然に消えるまで待つのが最も確実な方法です。
支払い遅延の記録は通常、債務を完済してから約5年間は保持されるので、直近で遅延が発生している場合には、履歴が完全に消えるのを待つか、少なくともある程度時間が経過してから申し込みを行うことをおすすめします。
しかし、債務を全て完済していることが前提になります。
現在も支払い遅延が続いている場合には、まずその遅延を解消することが最優先になります。
自己資金を増やす
融資を申請する際には、自己資金の額が重要な評価ポイントとなります。
自己資金の多寡は、創業への情熱や準備の徹底度、計画性を示す指標として活用されるため、可能な限り多く確保することが望ましいと言えます。
申請までに時間の猶予がある場合は、毎月一定額を積み立てるなどして資金を増やし、資金面での信頼性を高める工夫をするのがおすすめです。
創業計画書を作り込む
融資を受ける際には、しっかりとした創業計画書を作成することが重要です。
融資担当者が最も注目しているのは、融資を実行した場合、その資金が確実に返済されるかどうかです。
いくら魅力的なビジョンや理想を語ったとしても、現実的に達成可能であることが明確でなければ、融資を受けるのは難しいでしょう。
この判断材料として活用されるのが創業計画書です。
創業計画書には、経営者の経歴や事業内容に加え、自己資金や運転資金の調達方法、さらには売上予測などの具体的な数値を記入する欄が設けられています。
このように、日本政策金融公庫をしっかりと記載することで、事業の実現可能性を裏付ける根拠を示すことができます。
実績や経験をアピールする
これまでに積み上げてきた経験や成果は、融資審査を行う上で大きな強みとなります。
融資を受ける際の審査では、その事業が成功し、返済が可能かどうかが最も重視されるポイントです。
そのため、同じ業種であれば、これまでの職務経験や築いてきた人脈を直接活用することが可能です。
一方で、異なる業界であっても、これまで培った知識やスキルを新たな事業に応用することで、高い成功可能性を持つプロジェクトとして評価されます。
また、経営者として求められる経理、労務、法律知識、管理業務などの経験もプラス要素として見なされます。
そのため、持てるリソースはすべて活用し、審査での評価を積極的に高めていくことが大切です。
ブラックリストでも利用できる創業融資制度
ブラックリストでも利用できる創業融資制度については、主に以下の2つが挙げられます。
- 新創業融資制度
- 創業支援制度
それぞれの制度について解説していきます。
新創業融資制度
新創業融資制度とは、日本政策金融公庫が提供する新規事業支援のための特別な融資制度であり、特定の条件を満たすことで利用できる仕組みです。
この制度は、新規開業資金や女性、若者、シニア起業家を対象とした各種融資プランに追加で適用され、無担保かつ無保証人で融資を受けられる点が大きな特徴となっています。
通常、新規事業向けの融資では連帯保証人や担保の提供が求められますが、新創業融資制度を利用する場合、これらが不要となります。
また、創業支援に特化した融資を提供しており、特に「新規開業資金」は、事業を始めたばかりの方でも比較的利用しやすいとされています。
しかし、過去に金融トラブルがあった場合、審査が通らないケースもあるため、事前に相談して準備を整えることが重要です。
創業支援制度
自治体によっては、独自に創業支援制度を設けている場合があります。
中には、特定の制約が緩和されており、一般的に利用が難しいとされる状況の方でも活用できる制度も含まれています。
住んでいる地域の自治体ホームページをチェックしたり、直接窓口で相談してみることで、利用可能な支援内容を詳しく知ることにつながります。
創業融資以外で資金調達する方法
創業融資以外で資金調達する方法については、以下の4つが挙げられます。
- 補助金・助成金
- クラウドファンディング
- エンジェル投資家
- ファクタリング
それぞれの方法について解説していきます。
補助金・助成金
国家や地方自治体は、新たに事業を始める人々を支援する目的で、さまざまな種類の補助金や助成金の仕組みを提供しています。
これらの制度は返済の必要がない資金を得られる点で非常に魅力的で、積極的に利用する価値があります。
しかし、それぞれの制度には異なる申請条件や基準が設けられているので、申請を行う前に詳細を十分に確認することが重要です。
クラウドファンディング
クラウドファンディングとは、多くの人々からインターネットを介して少額の資金を集める仕組みで、近年では注目度が高まっている資金調達の手法です。
特に、事業の立ち上げやプロジェクトの資金集めに活用される例が増加しています。
具体的に、クラウドファンディングには以下のように3つのタイプが存在します。
クラウドファンディングの種類 | 特徴 |
寄付型 | 提供された資金に対して特定のリターンを用意せず、活動や目的に共感した人々から純粋な支援として資金を受け取る形態です。 |
購入型 | 資金提供者に対して、商品やサービスをリターンとして提供する仕組みで、プロジェクトの完成品や限定グッズがよくリターンとして設定されます。 |
投資型 | プロジェクトの成功によって得られる利益を一部還元する形で資金を集める方法です。投資家にとってはリスクも伴いますが、事業が成功すればリターンを受け取ることができます。 |
このように、それぞれの方式には異なる特性があるので、自分の目標や状況に適した形式を慎重に選ぶことが成功への鍵となります。
エンジェル投資家
エンジェル投資家とは、主にスタートアップや初期段階の企業に対して資金を提供する個人の投資家を指します。
このような投資家は、企業のこれまでの業績よりも、その将来性や革新的なアイデア、独自性を持つビジネスモデルに注目して投資の判断を行います。
また、エンジェル投資家が資金提供の見返りとして企業の株式を受け取る場合もあります。
企業が成長を遂げれば、配当金の受け取りや、上場時の株式売却による利益を得られる可能性があるのが特徴です。
ファクタリング
ファクタリングとは、取引先からの売掛金を専門のファクタリング会社に売却して資金を得る手法です。
この方法は借入ではなく、債権の売却に該当するため、信用情報に問題がある場合でも利用が可能です。
また、手続きがスピーディーで、申請から最短で即日入金が可能な点から、急ぎの資金需要にも対応できる便利な手段です。
しかし、デメリットとして、手数料が比較的高くなるので、頻繁にファクタリングを利用すると、長期的な資金繰りが悪化し、事業の継続が難しくなるリスクが挙げられます。
ブラックリストに載っても創業融資を諦める必要はない!
今回は、ブラックリストに載ると創業融資は受けられないのかについて紹介しました。
ブラックリストに登録されているからといって、創業融資を諦める必要はありません。
最初に、自分の信用情報を確認して現在の状況を正確に把握することが重要です。
状況に応じた適切な対策を講じることで、融資を受けられる可能性を引き上げることができます。
今回の記事を参考にして、創業融資を成功させてください。
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