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確定申告が青色申告か白色申告で税務調査にも違いが出る?調査の違いについて解説!
この記事の監修者
税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。
1年間の売上と必要経費を計算して所得と納税すべき所得税額を確定し、納税を行う一連の手続きを確定申告といいます。
確定申告の方法には大きく分けて青色申告と白色申告の2つの申告方法があります。また、税務調査とは、納税者が正しく申告を行い、正しい額の納税を行っているかを調べる税務署による調査です。
青色申告で確定申告をしているのか白色申告で確定申告をしているかの違いによって、税務調査に違いが出るという噂を耳にしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
では、本当に青色申告と白色申告では税務調査に違いが出てくるのでしょうか。
今回は、青色申告と白色申告の税務調査の違いについてわかりやすく解説します。
確定申告のご依頼をご希望の方は税理士法人松本までお気軽にご相談ください。
目次
確定申告の基礎知識:青色申告と白色申告の違いとは
青色申告と白色申告の場合の税務調査の違いについて述べる前に、まずは青色申告と白色申告の違いから確認していきましょう。
青色申告とは
青色申告では複式簿記と呼ばれる記帳方法で帳簿付けを行います。確定申告の際には青色申告決算書と賃貸借対照表、損益計算書の提出が必要となります。
そのほか仕訳帳や現金出納帳、売掛帳、買掛帳面、総勘定元帳、固定資産台帳などの帳簿の作成と保存が義務付けられています。
青色申告には
・最大で65万円の青色申告特別控除を受けられる
・赤字を最大3年間繰り越せる
・青色事業専従者給与(家族に支払った給与)を経費として計上できる
・30万円未満の少額減価償却資産を一括で経費に計上できる
などのメリットがあります。
白色申告とは
白色申告とは、単式簿記という簡易的な記帳方法で帳簿付けを行い、確定申告の際には確定申告書と収支内訳書を提出する方法です。
会計の知識がなくても帳簿付けができる簡易的な方法による記帳が認められているため、比較的簡単に申告書の作成ができるというメリットがあります。また、青色申告の場合は申告をする年の3月15日まで、または開業から2か月以内に税務署に青色申告承認申請書を提出し、承認を受ける必要がありますが、白色申告ではそのような手続きは不要です。
しかし、白色申告では青色申告のような特別控除などの措置は用意されていないため、節税などの効果を得ることはできません。
確定申告の申告方式によって税務調査に違いが出る?
確定申告の方式によって、税務調査に入られる確率に差が出ることはありません。しかし、青色申告か白色申告かで税務調査に影響が出る部分もあります。
青色申告と白色申告で税務調査に入られる確率が違うという噂はウソ
青色申告だから税務調査に入られやすい、白色申告の人は税務調査の対象にはならないという噂を聞いたこともあるのではないでしょうか。
青色申告をしている人の方が一般的には所得が多いと考えられるため、そのような話題が出ているのではと推測されますが、申告方法によって税務調査の確率が変わることはありません。
青色申告であっても白色申告であっても、納税者である限り、税務調査によって正しく納税をしているかどうかを調べられる可能性はあるのです。
青色申告の場合の税務調査
青色申告の場合の税務調査では、調査官が帳簿の内容や請求書、領収書などをチェックし、記載内容に漏れがないか、計上時期に誤りがないか、売上を低く計上していないか、架空の人物を採用したことにして人件費を高く見せかけていないか、などの調査が行われます。
帳簿や領収書、請求書、タイムカードなど、売上や経費を証明できる書類をきちんと保管しており、正しく売上や経費を記帳していれば、税務調査が行われても問題が生じることはないでしょう。
ただし、青色申告の場合に、領収書や請求書など、売上や経費を証明する書類を保存していない場合は、青色申告者としての承認を取り消され、白色申告者としての扱いを受ける可能性もあります。
白色申告の場合の税務調査
白色申告の税務調査でも、帳簿や領収書、請求書などを照合し、正しく売上と経費を計上し、正しい額の納税を行っているかの調査が行われます。
簡易的な記帳方法が採られているからといって記帳のミスがあっても大目に見てもらえるケースや領収書がなくても見逃してもらえるケースなどはありません。税務調査では、白色申告であっても青色申告と同様、正しい申告を行っているのかについて厳しく調査されます。
白色申告の場合に帳簿や書類の管理に不備があり、売上や経費を書類で証明できない場合には推計課税といわれる方法が採用されることもあります。この推計課税は白色申告者に対して行われる制度です。
記帳内容が曖昧だったり、支出を証明する領収書がなかったり、売上を証明する請求書が保存されていなかったりした場合は、どれだけの所得を得ていたのかを正しく把握することができません。そこで、同業他社の状況を参考に、同程度の規模の法人が得ている所得を参考に推計によって所得額を決定するという方法が採られ、推計した額に応じた税金を納めるように求められます。これが推計課税です。
推計課税のリスク
推計課税では、実際の所得を確定できないために同業他社の所得を参考に税額を決められます。そのため、実際には他社ほど所得がなかった場合は本来納税すべき額よりも多い額の納税を求められるというリスクがあります。
また、推計課税では消費税の仕入税額控除を受けることができません。仕入税額控除とは、自社が支払うべき消費税から仕入れにかかった消費税額を差し引けるというものです。仕入税額控除を受けられなければ、消費税の納税額も高額になってしまいます。
帳簿や書類などをしっかり保管しなかった場合に行われる可能性がある推計課税は、所得税だけでなく消費税にも大きな影響を与えるのです。
まとめ
青色申告であっても白色申告であっても、しっかりと帳簿を付け、必要書類を保管していれば税務調査が入ったとしても、それほど恐れる必要はありません。
しかし、白色申告の場合、帳簿の記載がずさんであったり、経費や売上を裏付ける書類が保管されていなかったりする場合は、推計課税制度が適用される可能性があります。
推計課税では、本来納めるべき税額以上の所得税や消費税の納付を求められるリスクがあるのです。
今後、インボイス制度の導入により消費税の計算がさらに複雑になる可能性もあります。確定申告や消費税の納税に関してご不安があるようでしたら、税務調査に詳しい税理士法人松本までお気軽にご相談ください
税理士法人松本は国税OB・元税務署長が所属する税理士法人です。
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