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税務調査で電子メールの履歴を確認されることがある?その場合は拒否できる?
この記事の監修者
税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。
税務調査では、さまざまな書類や帳簿のチェックがなされます。しかし、書類や帳簿のチェックだけでは不十分であった場合、さらなる資料として電子メールの送受信履歴を確認させてほしいと言われるケースがあります。
税務調査で電子メールの確認を求められた場合、納税者は調査官にメールを見せなければいけないのでしょうか。
今回は、税務調査時に電子メールの提示を求められたときの対応方法についてご説明します。すでに税務調査が入っている方は税理士法人松本までお気軽にご相談ください。
目次
税務調査で電子メール履歴を確認されるケースとは
税務調査時に電子メールの履歴を確認されるケースは、帳簿や請求書、領収書、納品書などの書類だけでは確認できない状況が生じた場合です。例えば、銀行口座の入金状況を確認すれば売上金の状況は確認できますが、実際には現金取引で売上金を受け取っているのに受領した記録が残っていなければ、売上を隠蔽しているのではと見られてしまいます。
現在では、電子メールを活用して請求書や領収書、納品書などのやり取りをしているケースも少なくありません。そのため、書類だけでは確認できない内容については電子メールの履歴を確認したいという要求が出るケースがあります。
また、接待交際費など、役員等の個人的な支出が経費として計上されているケースも考えられます。例えば、経費として処理されているゴルフコンペ費用がプライベートな出費であると疑われる場合は、本当に取引先との接待であったのか、電子メールの送受信の履歴を見て参加者の状況を確認することもあるでしょう。
税務調査で電子メールを見せるように言われたら拒否できる?
税務調査の際に電子メールを見せるよう、調査官から要求された場合は、要求に応じて電子メールの履歴を見せなければならないのでしょうか。それとも、拒否できるものなのでしょうか?まずは、任意調査における調査官の権利から見ていきましょう。
調査官には質問検査権がある
税務調査において、調査官は「質問検査権」と呼ばれる権利を持っています。国税通則法第74条の2には、税務署の所得税等に関する調査に係る質問検査権について次のように定めています。
「国税庁、国税局若しくは税務署(以下「国税庁等」という。)又は税関の当該職員は、所得税、法人税、地方法人税又は消費税に関する調査について必要があるときは、次の各号に掲げる調査の区分に応じ、当該各号に定める者に質問し、その者の事業に関する帳簿書類検査し、又は当該物件(その写しを含む。)の提示若しくは提出を求めることができる。」
つまり、調査官は税務調査時には、必要に応じて納税者の帳簿や書類の検査を行い、帳簿や書類の提示や提出を求めることができる権利があるのです。
税務調査は拒否できない
税務調査には、裁判所の令状を持って行われる強制的な調査である強制調査と、納税者の許可のもとに行われる任意調査の2つがあります。では、任意調査は「任意」と付く以上、税務調査を拒否できるのかというと、税務調査を拒否することはできません。それは、納税者には受忍義務と呼ばれる義務があるからです。
国税通則法第128条では、受忍義務について次のように示しています。
「次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
ニ 第74条の2、第74条の3(第2項を除く。)若しくは第74条の4から第74条の6まで(当該職員の質問検査権)の規定による当該職員の質問に対して答弁せず、若しくは偽りの答弁をし、又はこれらの規定による検査、採取、移動の禁止若しくは封かんの実施を拒み、妨げ、若しくは忌避した者」
これは、税務調査時に調査官の質問に答えなかった場合や検査を拒否した場合は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金を科すということを示しています。任意調査であっても、納税者は税務調査を拒むことはできないのです。
電子メールの提示を拒否することはできない
国税通則法第74条の2の条文をよく見ると「事業に関する帳簿書類検査し、又は当該物件(その写しを含む。)の提示若しくは提出を求めることができる。」とあります。電子メールが事業に関するものであり、申告内容の調査を行う上で必要になる資料であれば、調査官は納税者に提示や提出を求められると解釈できます。
さらに、国税通則法第128条で示しているように納税者は税務調査を拒否できないことから、電子メールの提示を拒否することはできないのです。
税務調査で電子メールの提示を求められた場合の対処法
税務調査で調査官に電子メールの提示を求められれば、電子メールを見せなければなりません。しかしながら、調査官に見せなければならないメールは申告内容の調査に必要となるメールです。全ての電子メールを調査官に見せる必要はないのです。
そのため、電子メールの提示を求められた場合には、どこまで見せるかという点の交渉が重要になります。取引先企業と秘密保持契約を結んでいる場合は、第三者に電子メールの内容を提示する際には取引先の了解が必要になるケースもあるでしょう。しかしながら、豊富な経験を持つ調査官と、税務調査という場で冷静に交渉を重ねることは決して簡単ではありません。そのような場合は、税務調査に強い税理士に対応を依頼すると安心です。
税理士に税務調査の対応を依頼すれば、実地調査当日にも同席し、納税者の主張を伝えながらうまく交渉をしてくれるでしょう、また、そもそも税務調査前に必要な書類や帳簿をしっかりと準備できれば、電子メールの調査が不要になる可能性も高く、不安なく当日を迎えることができます。税理士に対応を依頼すれば、事前準備に対しても的確なアドバイスをもらえるはずです。
電子メールでの取引が多く、税務調査で電子メールの提示を求められるのではとご不安な場合には、年間100件もの税務調査の対応実績を持つ税理士法人松本にご相談ください。
まとめ
税務調査では調査官に質問検査権があり、納税者には受忍義務があります。そのため、任意調査であっても納税者は税務調査を拒否することはできず、同様に電子メールの提示を求められればその求めを拒否することはできません。
しかしながら、税務調査で電子メールの提示を求められるケースは、帳簿や書類でしっかりと申告内容が正しいかどうかの確認が取れない場合です。税務調査前の事前準備で対策を行えば、不安なく調査当日を迎えられるでしょう。また、税務調査で電子メールの提示を求められても税理士が同席していれば安心です。
税理士法人松本は、国税OBも在籍する税務調査対応のスペシャリスト相談です。初回の電話相談は無料で承っておりますので、税務調査にお困りの場合はお気軽にお問い合わせください。
税理士法人松本は国税OB・元税務署長が所属する税理士法人です。
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