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税務調査で逮捕される可能性は?流れやペナルティについても解説!
この記事の監修者
税理士法人松本 代表税理士
松本 崇宏(まつもと たかひろ)
お客様からの税務調査相談実績は、累計1,000件以上。
国税局査察部、税務署のOB税理士が所属し、税務署目線から視点も取り入れ税務調査の専門家として活動。多数の追徴課税ゼロ(いわゆる申告是認)の実績も数多く取得。
税務調査で逮捕される可能性があるのか、不安や疑問に思う方も多いのではないでしょうか。修正申告やペナルティの対象になることに加え、逮捕されるケースはあるのか、その場合の流れや対処法なども知っておきたいところです。
この記事では、税務調査で逮捕される可能性や脱税による刑事手続きの流れに加え、脱税を疑われないためのポイントなどについてわかりやすく解説しています。
目次
税務調査で逮捕される可能性はあるのか
まずは、税務調査で逮捕に至る可能性について解説します。
税務調査で逮捕されるケースはある?
結論から言うと、税務調査で逮捕に至る可能性は決して多くはないものの、ゼロではありません。
管轄の税務署から調査官がやって来て行われる「任意調査」と呼ばれる税務調査においては、ほとんどの場合申告漏れなどが判明しても、逮捕にまで至るケースにはならないことが多いでしょう。とはいえ、調査中に悪質であると判断された場合には、任意調査から強制調査に切り替えられ、逮捕されてしまう可能性もあります。
なお、税務署ではなく国税局の査察部が行う調査は強制調査となり、既に裁判所から令状を取得して調査にやって来るため、逮捕される可能性はより高まることとなります。
ただし、強制調査の場合でも、逃亡の恐れがないとみなされれば、多額の不正や脱税とみなされた場合でも逮捕に至らない場合もあります。税務調査で脱税による逮捕を防ぐ対処法については、後ほど詳しく解説していきます。
税務調査で逮捕の可能性がある犯罪の種類
税務調査によって逮捕される犯罪の種類としては、以下のようなものが挙げられます。
・逋脱(ほだつ)犯:虚偽の過少申告や無申告による脱税
・申告書の不提出逋脱犯:故意に申告書を提出しない
・不納付犯:預かった源泉所得税を故意に納付しない
・滞納処分免脱犯:滞納による差し押さえを回避する目的で財産隠しなどを行う
・間接脱税犯:密輸や密造による関税、酒税などの脱税
・虚偽申告犯:申告書に虚偽がある
・単純無申告犯:正当な理由がなく申告をしていない
・検査拒否犯:税務調査の妨害や拒絶、改ざんした書類の提出などを行う
このほかにも、納税者に申告や納税をさせないように妨害する「扇動犯」や、源泉徴収の義務があるにもかかわらず源泉所得税を徴収しない「不徴収犯」などの種類があります。
税金に関わる犯罪によるペナルティ
上記で挙げた犯罪のうち、例えば逋脱犯の場合は10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金、または懲役刑と罰金刑の両方が課せられます。
故意による申告書不提出逋脱犯では5年以下の懲役または500万円以下の罰金、または懲役刑と罰金刑の両方が課せられます。
虚偽申告犯や単純無申告犯、検査拒否犯では、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されることとなります。
また、逮捕に至らない場合でも、税務調査で申告漏れや無申告などが発覚した場合は「過少申告加算税」「不納付加算税」「無申告加算税」「重加算税」といった追徴課税がペナルティとして課せられることとなります。
脱税による刑事手続きの流れや事例
脱税で逮捕される際の刑事手続きの流れや、脱税で逮捕に至る事例などについて解説します。
刑事手続きの流れ
脱税による刑事手続きの大まかな流れとしては、以下のようになります。
・調査
・告発
・逮捕
・起訴、裁判
税務署または国税局査察部による強制調査が実施され、脱税や不正行為が発覚すると、調査官や査察官は検察へ告発を行い、告発を受けた検察官が捜査を進め、脱税や不正の疑いが濃厚な場合に逮捕されます。
しかしながら、脱税は多額だが、容疑者に逃亡の恐れがない、かつ証拠隠滅などの可能性も低いケースでは、逮捕されず在宅で起訴が進められます。
逮捕された場合は、原則として逮捕から48時間以内に起訴か不起訴を決定しますが、判断がつかない場合は10~20日ほど拘留されることも考えられます。
起訴された場合は裁判へと進み、有罪となれば刑が確定となるのが一般的な流れです。
脱税で逮捕に至る事例
脱税で逮捕に至る事例としては、以下が挙げられます。
・売上の虚偽申告
・虚偽の経費計上
・不正な消費税の還付
・無申告
このほかにも、税務調査の妨害や申告書の不提出など、逮捕となる可能性がある犯罪として挙げられた行為に該当する場合は、逮捕される可能性があるでしょう。
過去に脱税によって逮捕された事例としては、経費や損失の架空計上、売上の過少計上などで数千万円~数億円前後の脱税が発覚したケースなどが挙げられます。
冒頭でも解説の通り、一般的な任意調査で逮捕に至るケースはほとんどありませんが、国税局査察部による強制調査が実施された場合には、逮捕に至る割合は8割ほどにまで高まります。参考までに、令和4年度における国税局査察部による告発件数は103件、1件あたりの脱税額は約9,700万円、告発率は74.1%となっています。
参照元:
税務調査で脱税の疑いをかけられないためには?
税務調査で脱税の疑いをかけられないためのポイントについて解説します。
脱税を疑われないためのポイント
税務調査で申告漏れや計上ミスなどが発覚した場合、中には「申告しないといけないことを知らなかった」というケースもあるでしょう。しかし、税法についての知識がないからと言って、脱税してもよいということにはなりません。もしも意図的に脱税を行ったのではないかと疑われた場合には、証拠となる書類や資料などを提示して毅然とした態度で説明できるようにしておくことが大切です。
また、自分以外の従業員が脱税行為を犯し処罰された場合、法人の代表者や責任者となる個人事業主も処罰の対象となってしまいます。会計管理のマニュアル作成や定期的な業務チェックを行い、その証拠を残しておくことも重要となります。
資料や書類、メモなどは保存して見やすく月別、項目別にファイリングし、要望があればいつでも提示できるようにしておきましょう。
税務調査で脱税を疑われないか不安な場合は税理士に相談しよう
税務調査で脱税を疑われないためには、適正な申告と納税を守ることに加え、疑われそうなポイントを押さえて対策をとっておくことが大切となります。既に申告済みの期間についても修正点がないか見直しを行い、必要に応じてマニュアルや内部規定なども作成します。
「申告内容が正しいか自信がない」「税法上問題があるかどうかの判断が難しい」という場合には、税務調査への対応実績が豊かな税理士へ一度相談してみましょう。
税理士法人松本では、国税OBを含む税務調査に特化した税理士が多数在籍しています。法律上問題のない節税対策や通常の税務相談、経理業務のアウトソーシングまで幅広く対応していますので、税務申告でお悩みの際はお気軽にご連絡ください。
まとめ
税務署による任意調査で逮捕に至るケースは滅多にないものの、国税局査察部による強制調査では、全体の8割近くが脱税で告発されています。一般的な税務調査であったとしても、脱税の疑いが濃厚となった場合には強制調査に切り替えられ、証拠隠滅や逃亡の危険があるとみなされれば逮捕、拘留となる可能性もゼロではありません。
脱税を疑われないためには適正な申告、納税に加え、証拠となる資料や書類を提示して毅然と説明できることが大切です。不安な場合は税理士へ相談して、問題点があれば早めにクリアにしておきましょう。
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